小説15 |
澄が友人と京都に滞在中に祇園の高級クラブのコンパニオンとして働いていたことは既に前述したと思う。その店でかなり頑張って同伴もよくしていたらしい、ところが、せっかく頑張った甲斐も無く澄は祇園の高級クラブのSというお店で一ヶ月か二ヶ月働いた分のお給料を丸々お店のママに持ち逃げされてもらえず仕舞いになってしまったのだった。
しかも、その時、お店の給料をもらえなかったのは澄一人ではなかった。澄と当時一緒にSで働いていた他のコンパニオン全員がお給料をもらえなかったことが後で分かった。
どうやらその頃、その祇園の高級クラブのSは経営不振に陥っていたらしかった。事実お店の家賃も滞納しているような様子で、おまけにコンパニオンのお給料も払っていなかったので、最終的に大勢から訴えられて裁判所から呼び出しの礼状が何度もお店のママの自宅に届けられたらしいのだが、一向に返事が来ないで無視された状態で、呼び出しも拒絶のままという情報を澄が給料日にお店に尋ねた時に他のコンパニオンから聞きつけ、そのことに対して澄と当時の一緒にいた友人が抗議をするためにママの自宅を知っていると思われる同系列の事務所がある場所に尋ねて行った時、そこにいたすっとした面長で薄い顔立ちの支配人がとても丁寧に腰も低く、でもまるで嘲るように少しにやつきながら「新聞紙が玄関に溜まっている状態で連絡してもまったく反応がなくて裁判所からの礼状も一切無視している状態なので本人がまったく動く気がないものをどうすることも出来ないという結果になっているんですよ」と言ってきたので、正直言ってあまりの無責任さに驚きとある種のショックを隠せなかった。
澄一人でなくて、他の全員の給料も支払われていない状態なのに、トンズラを平気でしている高級クラブのママには一切のお咎めが無しという驚異の現象がそこで実際に起きていたのだ。このような現象は、何年も前にも一度経験した気がする、そうあの両親がアメリカ人だと言い張っていた純和風顔の歴代女詐欺師ジョイさんと出会った時起きた現象と似ていた。ジョイさんは詐欺をしたけど結局お咎めなしになったと思う。何故ならその事件から一年後くらいに同じ横浜地区で彼女の姿を見たからだ。
あの時もすごく驚いたけど、今回のこの件もかなりの驚きだった。法律と言うものは正直言って適応される場合とそうでない場合がハッキリと分かれていて、人種によってもすぐに適応される場合としばらくはほったらかし、あるいは永遠にほったらかしお咎めなしなんてこともあるのかもしれない。
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過去の体験談をアレンジをして小説にして見ました。多少実際の出来事より話が少し変わっている場合もあります。その辺のところはご了承のほどよろしくお願いします。><文章の訓練中です。 | ||
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