小説16
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京都での別のエピソードを話そう。澄は都内の実家に暮らしている頃から荷物をあちこちに預ける癖があった。たとえばその一例としてあげて見ると、出会い系や伝言ダイヤルで知り合った、今、初めて出会ったばかりの見も知らぬ男性にインターネット上や通販雑誌による買い物に使用するための住所を借りては欲しい商品を注文後、いったんその住所に荷物を届けさせ、後日、また住所の出会い系や伝言ダイヤルで知り合った男性と連絡をとり、都合が良い日時に澄の方からその住所に荷物を取りに行く訳ではなくて住居の居住者である、ついこの間、伝言出会い系や伝言ダイヤルで知り合ったばかりの男性にずぅすぅしくも澄の実家の住所まで荷物を宅配やゆうメール(荷物の大きさによって変わる)、もしくは、交通費がかからずコスト削減できて良いからと男性の希望か澄の要望により荷物の預け主の男性本人に直接実家まで持ち運ばせていた。

 

とは言っても、結局たいていは、その方が交通費だけで済むから安上がりだからと澄の方からその手段を強く促していた。

 

そして、首尾よく荷物を澄の実家に持参したあとは、荷物を持参してきた男本人がさっそく荷物を梱包から取り出し、住居の中の最もふさわしいと思える場所に綺麗に見栄えよく整えた状態で配置していた。

 

そして、その後は、殆どの場合、今尋ねて来たばかりの男をすぐ帰すことはせず、澄はおもむろにソファーに寝そべりながら部屋の中にある他の置物や家具、そして荷物などの配置替えを指示したり、埃や汚れが目立つ部分を掃き掃除やふき掃除させて―その姿はさながら家来を従えた気高くて高慢な女王そのものだ―「邪魔な物は全部このダンボール箱につっこんでおいて」といつも幾つかの適当な大き目のダンボール箱を清掃や家具の整頓の際、清掃及び整頓係りに提供していた。その間も相変わらず澄は、自分はすぐ傍にあるソファーに寝そべりながらテレビのリモコンを片手に番組鑑とテレビの下に置かれてあるビデオデッキのリモコンも利用してビデオ鑑賞に耽って大口を開けて笑ったり溜息をつき、一人納得したような表情で満足げにしていたのだ。さらに少しでも手を抜いてさぼると「何ぼけっとしているのさっさとやって!もたもたしないで!」とあくまで命令形で高圧的な態度に出ていた。間違っても途中で「私も手伝うわ」と言って参加するといったことは、ただの一度もなかった。わざわざ手伝ってもらって有難いという感謝の気持ちさえ一度も見せたことはなかったのだ。澄の前世はおそらく貴族か王族か日本であってもお姫様などの大変高貴なお方だったのだろう。

 

そして、一つでも修繕箇所を発見すると即座に自分達の手で間に合う部分は―その間も、また、いつ何時であっても始終男だけが働かされていた―さらに言えばそこに他の女性がいてもその女性も同じ扱いを受けていた―つまり、澄だけがいつでも最も楽チンでお気楽な状態だったのだ―その場で自分達の力のみで処理していた。また、修繕道具が足らなかったら、ただちに渋谷あたりの東急ハンズに買い物に出かけ自分達で処理していた。

 

京都に暮らしていた頃は、都内に居た頃とは違い、男の住所を借りて買い物することは殆どなく、直接、出会い系や伝言ダイヤルで知り合った男性が教えてくれた荷物を保管したり積み上げて置くのにちょうど都合の良いスペースに男性の車で運んで置きに行くのが当たり前になっていた。

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手伝ってくれる出会いや伝言で知り合った男性は、たくさんの荷物を平気ですぐ預かったり、その荷物を長期間保管しておく場所の鍵の所持と権利を有している男性なのだから一応、社会的にそれなりのポジションを持つ男性であることは、まず間違いなかったと思う。たとえば親が経営者だったり、どこぞの会社の重役だったりだったろう。だから若くして即座にそれなりの地位も確保していたのだと思う。でなければ澄が荷物の置き場所を尋ねた途端一つ返事でその場所をすぐ答えられるはずもなかったと思うからだ。

 

京都で以上のような活動がある日行われた時、その時の荷物の内容は、コスプレの山だった。荷物の量は思ったより多く大きなダンボール箱がたくさん車に詰め込まれ、それを男性の知っている所定の場所にドライブがてら運んでいたのだ。

説明
小説訓練をしています。教養とかたしなみのためでもあります。練習中です。><実際に過去にあったことをアレンジして書いてみました。
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