二階にある茶室
説明
武家屋敷跡 加賀藩千二百石野村家。石川県金沢市。
かつて加賀藩士らが住んでいた長町武家屋敷跡の一角に位置する、野村伝兵衛信貞の住宅。

贅を尽くした造りの座敷や、広く美しい日本庭園は屈指のもの。
屋内にしては珍しい石造りの階段を上ると、庭園を見渡せる茶室が置かれている。

足元にひんやりとしたものを感じながら二階の戸を潜ると、視界が緑に開けるのが目に眩い。
しかしながら、この茶室は古くからあったものではなく、
昭和初期、新たな持ち主の手によって移築されたものであるとのこと。

武家制度の崩壊と共に、野村家も衰退。
現存する家屋を残し、かつてあった敷地は、菜園になったり分割されたりして別のものになってしまったという。

その後、幾度か持ち主を変え、やがて豪商の手に渡り移築増築が施された。
この茶室も元々は一階にあるべきものであったようだ。


この手のお屋敷では、しばしば金持ちの魔改造に出遇うことがある。
係の人に「これは昔からあるものですか?」と尋ねると、
移築したものであるとか、後で造られたものだとか返ってきたりする。

同時代のものを移築するから、見分けがつきにくいから始末が悪い。
「この形になったのはいつ頃なのか」「ここは昔はどんな姿だったのだろう?」
そういった見方をするのが楽しむコツだと、先生は言っていた。

お屋敷からは家々の繁栄と衰退の歴史、贅沢趣味の在り方を学ぶことが出来よう。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
1928 1838 57
タグ
茶室 あけみほ旅日記 

光野ひかるさんの作品一覧

PC版|待受画像変換
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com