真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 四十六話
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両手に花…意味は二つのいいものを同時に手に入れている事。

男が思う両手に花とは大体は二人の女性と一緒にいる事なのだろう。

世の中の男はこの状況を羨ましいと思うのだろうが…

 

「…………………」←背後に鉄球持ったモビルスーツ軍団

「…………………」←背後に技の1号含めた昭和ライダー

「あ、兄ちゃん!あそこで食べようよ!」

「ああ、そうだな。……早く解放されたいし」

 

両手に花ならぬ両手に棘の状態のリトに対しては羨ましいとは思わない…筈だ。

 

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約20分前…

 

「流琉は料理が作るのが好きなのですか?」

 

始まりは厨房に立ち寄った音々音の一言だった。

リトと一緒に昼食を取ろうと廊下を歩いていた所、いい香りがしたので厨房にやって来たのだ。

そこでは、今日の分の昼食を作っていた流琉が。

 

「うん。私と季衣が住んでた村でよくやってたから好きだよ。皆も美味しいって言ってくれてるし」

「へぇ〜」

「それに……兄様に美味しいご飯を食べさせたくって」

 

きゃっ、と両頬を抑えて『言っちゃった♪』的な反応をする流琉。

…手を頬に当てた時に持っていたお玉がシチューの鍋に落ちたが本人は気付いていない。

ついでに…音々音の表情の変化も。

 

「………リト兄ィに?」

「うん♪前に兄様にいい家庭持つって言われちゃって♪花嫁修行だと思ってやってるんだよ♪」

「……ふぅうん?流琉はリト兄ィのお嫁さんになる予定なのですか?」

「お、お嫁さん…!……うん。なれたらいいなぁ…」

「ムゥ…」

 

??不機嫌…実に不機嫌な顔をする音々音。

流琉がリトを慕っているのは知ってる…特に前のコンサートでの反応がそうだ。

しかも家庭的で料理が上手…自分が勝てる要素が見つからない。

 

「…ね、ねねはリト兄ィと一緒に色んな所を回ってきたのです。だからお嫁さんに相応しいのはねねなのです」

「…そんなことはないよ。兄様はねねちゃんの事を妹としか見てないんだよ、きっと」

「それなら流琉も同じなのです。リト兄ィの事を『兄様』って呼んでるから妹分としか思われてないのです!」

「ねねちゃんも『リト兄ィ』って呼んでるじゃない!私は兄様の胃袋をつかんで、そのあと心も掴むの!」

「そんな回りくどいのじゃねねの方が先に掴むのです!それにねねはリト兄ィと…お、お風呂に…!」

「お風呂!?で、でも兄様の事だからねねちゃんの裸見てないんでしょ!?」

「ぐぅ!…でも入ったのは事実なのです!立派なきせーじじつですぞ!」

「使い方間違ってるよ!私なんて兄様のいないときに兄様の部屋で【ピー!】で【観覧不能】したり【見せられないよ!】してるんだよ」

「……流琉…そんなことしてたのですか」

「あ!…ぁうう…!」

(ね、ねねと同じことをしてたなんて…流琉、恐ろしい子!なのです)

(ぅぅ…ねねちゃんにばれちゃった…)

 

流琉のカミングアウトも含めた言い合いはヒートアップし、それに比例するようにシチューが焦げる。

しばらくにらみあっていた二人だが、厨房の外からリトと季衣がやって来た。

 

「「う〜〜〜〜〜〜〜!」」

「―――おーい、音々音、流琉。今から俺と季衣と一緒に昼飯食いに行かないか?」

「今美味しいご飯のお店がいっぱいできてるんだよ!」

「「行(きます/くのです)!」」

 

そして現在に至る。

 

「「あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこで…」」

「いつまで続くんだろうな…」

「そーだねー」

 

一応昼食を食べる店を決めて注文をとったリト達。

だがしかし、ここで新たな問題が発生した。

誰がリトの膝の上に座るのか…らしいのだ。

隣では味わえないリトとの体の密着を手にするため音々音と流琉はじゃんけんをしている。

少なくとも…三十回以上あいこは続いていた。

 

「はい、お待ちどうさまー!炒飯八人前と焼売だよー!」

「お、きたきた」

「美味しそー!兄ちゃん、早く食べようよ!」

「はっはっは!美味しそうじゃなくて美味しいんだよ。それにしても可愛い妹さん達だね」

「「妹じゃ(ありません/ないのです)!」

「え…あ…す、すんません…」

 

音々音と流琉の迫力に押されたのか、店員は思わず謝ってしまう。

―――なにこれ超怖い…

店を探していた時もそうだったが今日の二人が怖いと感じているリト。

季衣はそんなことは知らないと言わんばかりに席に座る…そう、現在音々音と流琉が賭けているリトの膝の上に。

 

「それじゃいっただっきまーす!」

「「季衣!何で座ってるの(ですか)!?」」

「え…だって早くご飯食べたいし…」

「だからってリト兄ィの膝の上なのですか!?」

「そうだよ、隣でもいいじゃない!」

「えー…僕だってここがいいのに〜」

 

元気だな…とリトは三人を放って焼売を頬張る。

噛むたびに肉汁があふれるいい品物だ。

満足そうに炒飯にも手をかけるリトだが、同時に店員同士の会話が聞こえてくる。

 

「…おい…向かい側の連中…また変な事いってるぞ…!」

「…これじゃあ赤字だ…なんとか止めさせないと…!」

「………」

 

リトは炒飯を口へ掻き込みながら周りを見る。

店に入る時もそうだったが、ここには自分達以外の客がいない。

味は悪くないし、店も清潔、店員も気前がいい。

なのに何故来ないのだろうか…リトは昼食を食べ終わり、店員達のもとへ行く。

 

「ちょっといいか?向かい側の連中…つまり、向こうの店がなんていってるんだ?」

「え…あ、あんた…」

「なに、ただ興味があってさ」

「…ここは品物に虫を入れてるだの、客を脅して金をとってるとかさ」

「ついでに中に入ったら呪われる…だとかなんとか」

「最後のは言い過ぎだろ…」

 

とりあえず店越しに向かい側の店を見る。

そこには長蛇の列ができ、何やらそこに並んでいる客に店員がこの店を指さし何か言っている。

異常な聴覚を持つリトは言っている内容が先程聞かされた物と一緒だと分かった。

 

「…なるほど」

「せっかく店出したのに…!」

「…じゃあさ、俺がもし客を来させたら飯代半分にして?」

「来させたら…って、そんなことが!?」

「簡単さ、まあ見てなって」

 

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そう言ってリトはうちわと眼鏡、それに執事服を装着する。

そして、出来立ての焼売を手に持ち扉近くでうちわを仰ぐ。

すると外にいた女性数人は店にやって来る。

匂いにつられて来たのだろう…女性客が扉を開けると、そこには執事服を着たリトが出迎えた。

 

「お帰りなさいませ、お嬢様方」

「えっ…あの…」

「昼食の準備は整っております。お好きな席へお座りください」

 

恭しく礼をしながら女性客達を中に入れるリト。

女性客達の座る席を丁寧に椅子を引きながら座らせた。

 

「今日の品はこのようになっております。お嬢様方の美容の為にはこのような汁物がお薦めかと」

「じゃ、じゃあ私はそれと炒飯で」

「「「私もお願いします」」」

「畏まりました。食事ができるまでごゆるりとおくつろぎください」

 

またも礼をするリト…と、それを見て顔を紅くする女性客達。

執事と言う概念がないので始めは混乱するが、物腰とリト自前の営業スマイルもあり、かなり受けている。

その後も匂いで客を来させ、一連の動作で中に入らせる事に。

ちなみに、男性客の場合は…

 

「お帰りなさいませ、ご主人様。お食事の用意ができておりますのでお席にお座りください」

「ご主人…!?」

「な…なんだ…!?」

「い、意味がわからないけど叫びたい…」

「「「―――萌えーーーーーーーーーーーー!!」」」

 

…リトが女体化もといリコの姿になり、メイド服を着て接客した。

当の本人はかなり嫌がったが、半額になる昼食代には変えられずにすることに。

 

「あんちゃん、ありがとな。これでしばらくは大丈夫そうだ」

「お褒めいただき、ありがとうございます」

 

約一時間の接客をすませたリトは代金を支払う。

執事モードを解除していないのは気分だそうだ。

会計をすませ、音々音達のもとへ行くと…約二名真っ赤になっていた。

 

「わー…兄ちゃんかっこいいね!」

「ありがとうございます、季衣お嬢様。…音々音お嬢様、流琉お嬢様、どうかなさいましたか?」

「なななな何でもないのでしゅっ!?(リト兄ィにお嬢様って言われたのです!いつもと違って冷静でかっこいいのです…でもいつものリト兄ィもかっこいいのです…)」

「そそそそそうでありましゅ!?(兄様かっこいい兄様かっこいい兄様かっこいい兄様かっこいい兄様かっこいい兄様かっこいい兄様かっこいい兄様かっこいい兄様かっこいい兄様…)」

「そうですか。…失礼、お嬢様方。服の中身が汗だくになってしまったので着替えさせてもらいます」

 

そう言いリトは服に手をかける。

ネクタイを外し、次に上着を外し…最後はワイシャツ――したになにも着ていない――のボタンに手をかけた。

一個、また一個ボタンを外し、それと同時に音々音と流琉の息を呑む音も聞こえる。

そして最後の一個…の所でリトは視線が気になったのか、二人に尋ねた。

 

「音々音お嬢様、流琉お嬢様…どうかなされましたか?」

「「何でもない(の)です!だから早く脱いでくだ(さい/され)!!」」

「…お嬢様方の将来が心配です」

 

不安になりながらもリトは最後のボタンに手をかける。

だが、この選択は間違っていた…少なくとも今は。

シャツを脱ぎ、素肌を露にするリト。

鍛えられた肉体――と言っても、外からはそうは見えないが――には汗がうっすらとあり、変に色っぽい。

そして自分が意識している異性の体を見て、お年頃の子供が平気な訳がない。

 

 

「「…ブーーーーーーー!」」

 

 

…音々音と流琉は、某鼻血軍師のように鼻から情熱を出して後ろに倒れた。

しかもその出た情熱はリトのシャツにかかり、真っ赤に染まる。

それと同時にリトも素に戻った。

 

「音々音ぇぇぇぇぇぇ!?流琉ぅぅぅぅぅぅ!?」

「稟ちゃんみたいだね、凄い量」

「言ってる場合か!?…って季衣も若干放心状態に!?てか俺のシャツぅぅぅぅ!!」

「まあ、喧嘩するほど仲がいいって言うからね。二人とも似た者同士だから仲良くなるよきっと」

「ナニイテンダアンタイッタイ!!?」

 

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音々音「ねねと!」

流琉「流琉と!」

季衣「ついでに季衣の!」

音流季「「「後書きコーナー!」」」

 

音々音「今回はねね達が後書きするのです!」

季衣「なんかねー、作者の人が腰痛で病院行ってるんだって」

流琉「えっと…メタいよ季衣!」

 

季衣「二人とも凄いねー!後ろになんか出てたよ!」

音々音「あれはリト兄ィの言ってた…すたんど?なのです!」

流琉「違うよ、たぶん地縛霊だよ」

季衣「うーん、ま、いっか。でさ、二人とも兄ちゃんのお嫁さんになりたいの?」

音流「「  」」←顔真っ赤

季衣「そうなんだー。あ、僕もなりたいからよろしくね!」

音々音「なんですと!?」

流琉「やっぱり季衣もなの!?」

季衣「えへへ♪そういえばさ、あのシチューどうなったの?」

音々音「たしか兵が泣く泣く食べてたのですぞ」

流琉「なんか悪いことしちゃったな…」

 

音々音「季衣はずるいのです!ねね達がじゃんけんしてる間にリト兄ィの膝の上に座るなんて!」

季衣「えー、別にいいじゃん。減るもんじゃないんだし」

流琉「たしかにそうだけど、でも人数が限られてるし…」

季衣「でも兄ちゃんかっこよかったからいいでしょ?」

音々音「ねねは前に見たからいいけど…あの格好もよかったのです…♪」

流琉「そうだよね!兄様が女の人になっちゃって…変な扉開きそうになっちゃった…」

季衣「そのあとの二人の鼻血すごかったね、僕放心してたけど」

音流「「………」」←思い出して少し鼻血出てる

 

音々音「次もまたまたねねの番なのです!」

流琉「いいなぁ、ねねちゃん」

季衣「作者の人が優遇してるから仕方ないよ。ちなみに戦闘回だって」

流琉「じゃあ予告…次回の真・恋姫†無双巡る外史と仮面の魔神 四十六話は!」

季衣「仮面編 “一人だけでも”だよ!」

音々音「ねねはここに宣言するのです!貧乳党に継ぐ新しい党…その名も、いもう党を!」

 

XXX「…あいつらの方が仕事してるわ。…イテテテテ!」

Ο▽ΟノシΟ▽ΟノシΟ▽Οノシ 再見

説明
仮面編

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コメント
zerooneさん 鈍いっすからね色々と(XXX)
リトは二人がなぜ争っているのかは永久に分からないだろうね(夜桜)
nakuさん リト「え…何、俺食われるの…?」←gkbr XXX「意味履き違えてる。…爆発しろ」(XXX)
nakuさん リト「なにこの子達人の皮を被った何か!?」(XXX)
nakuさん リト「やぁぁああああめぇぇぇぇええろぉぉぉぉ!!!」XXX「案外リトってシスコンだよな」(XXX)
アーマイルさん ご想像にお任せします(XXX)
鉄球持ったモビルスーツ軍団・・・ってスカッドハンマーズか!?(アーマイル)
zerooneさん 音々音「血が繋がってないので問題ないのです!」リト「いや、あるだろ色々」(XXX)
いもう党はお嫁になれないからロリ党でいいんじゃない?(夜桜)
nakuさん リト「  」←粉々XXX「これぞまさしくリア充爆発した」←犯人(XXX)
刃さん そうしますね(XXX)
まぁゆっくり治して(^_^;)(黒鉄 刃)
刃さん ご心配かけてすみません。作者、大丈夫です…たぶん(XXX)
nakuさん 音々音「流琉はいぢめられると喜ぶのです!」リト「どこの猫耳フードだ」音々音「流琉は本を見ると興奮するのです!」XXX「どこのおっぱいおばk」←ログアウトしました(XXX)
xxx様大丈夫?(黒鉄 刃)
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