リリカルHS 49話 |
士希「あ、今日で一ヶ月か」
はやて「ん?どないしたん?」
とある朝の通学路。士希は何かに気づいたかのように呟いた。一ヶ月ってなんやろ?
士希「………はやてはさ、例えば付き合い始めて、
毎月その付き合い始めた日を記念日にするの、どう思う?」
あぁー、今日で何ヶ月記念、ってやつか
はやて「んー…ぶっちゃけそれって変やない?だってひと月って、
30日やったり31日やったり、2月は28日しかなかったりしてまばらやん。
例えば8月31日に付き合いだしたカップルが毎月記念日を祝ってたら、
31日のない月はどうなんの?ってならへん?半年記念とか、一年記念ならわかるから、
一概に否定はせんけどさ。私は毎月はちょっとめんどいかな」
なのフェイちゃんらやアリすずちゃんらは、確か毎月記念日やってたと思ってたけど、
あれ大変やないんかな?
士希「そっか。結構その辺はドライなんだな」
ん?なんか士希、ちょっと残念って顔してる?
はやて「士希はどう思う?何ヶ月記念日」
士希「俺は…そうだな。例えば毎月記念日にしてるやつや、したいやつってのは、
その日を理由にイチャつきたいとか思ってんじゃないか?俺は別にあってもなくてもいいけど」
士希らしい、否定も肯定もしやん意見やな………あれ?ちょっと待って。
今日って何日やっけ?そう思い、私はケータイをつけて日付けを確認する。
日付けは9月24日やった
はやて「んー?おやおやぁ?士希さん、もしかして…」
私は気付いてしまった。さっきの士希の一ヶ月って呟きの意味に
士希「な、なんだよ?」
ばつの悪そうな士希の表情とは対照的に、私はニヤニヤする顔が抑えられやんだ
はやて「いんやぁ、ずいぶん可愛らしいこと考えてたんやなぁと思って」
士希「……ほっとけ」
はやて「あは!いじけんといてよ、士希ー」
私は士希の腕に抱きついて歩き始めた。なんや朝から楽しくなってしまった
フェイト「記念日かぁ。私となのはは、毎月祝ってるよね」
なのは「うん!ちなみに今月で3年と5ヶ月を迎えました!」
士希「え?てことは、中一からの付き合いかよ」
朝のホームルーム前、私らは記念日について話し合っていた。
士希はどっちでもええと言いつつも、少し羨ましそうにしていた
はやて「ちなみに二人は、どうやって祝ってんの?」
フェイト「んー…別に特別な事はしてないよね?」
なのは「そうだねー。その日は絶対にお泊まりするくらいかな」
フェイト「あ、そうだね。その日だけはオフにして、朝から晩まで一緒にいるようにしてるかな」
なのは「そうそう!大切な日だからか、いつもより熱くなるんだよね!」
あぁうん、何が熱くなるんかは、士希の手前やし聞かんとこ
士希「ふーん。なんか意外だよな。二人の事だから、何か贈り物とかしてるかと思ったよ」
フェイト「付き合いたての頃は、プレゼントとか用意してたんだけど…」
あー、ネタ切れってことかな?
なのは「なんと言いますか…味を知っちゃうと、プレゼントじゃ物足りなくなると言いますか…」
なんでさっきからちょいちょい発言が際どいんやろ
なのは「あ、でも今でも時々プレゼント用意するよね。
しかも話してもないのに、お互い同じ月に渡すんだよね」
フェイト「あはは、プレゼント用意する時は不思議と毎回一緒なんだよね」
士希「へぇ、仲良しなこった」
まぁ、9歳の頃からの付き合いやし、その辺は以心伝心ってやつなんやろな
先生「みんなおはよー!最近、雑賀さんが遅刻しないで来てくれることに感動している先生でーす!」
士希「え?なら明日から遅刻して来ます」
先生「雑賀さんはそんなに先生の事が嫌いですか!?」
朝のホームルームが始まり、先生と士希のいつもの掛け合いが展開される。
この二人は二学期が始まっても相変わらずやな
先生「はい、朝のお知らせはこんなものかなぁ。何か質問あるかた?」
あ、せや。せっかくやし先生の恋愛観でも聞いてみよ
はやて「はーい!先生は恋人との記念日とか大切にしますかー?」
先生「こ、恋人!?あの、そういう個人的な質問を聞いたわけじゃ…」
先生は顔を真っ赤にして狼狽え始めた
なのは「せんせー!私も知りたいでーす!」
フェイト「わ、私も!」
なのはちゃん、フェイトちゃんを皮切りに、なんや皆して乗ってきた。
やはり人の恋バナは興味あるらしい
先生「あの、その…せ、先生、誰かとお付き合いしたことないから、
その、わからないといいますか…」
先生のその発言に、騒ついてたクラスがピタッと静かになる。
聞いたらアカン事を聞いてしまったような…
夏目「あれ?先生って確か…」
黒田「24とか5とか、確かその辺だったと思ったわよ?それにしても、ねぇ」
ヒソヒソと、みんなが何かを話している声が聞こえる。
それと同時に、先生は涙を溜めて、プルプルとしていた
士希「まぁ、その、なんだ…そ、それだけ仕事に集中してるって事ですよね?
さっすが俺達の先生だ!」
先生「下手な慰めはしないで!?うわぁぁぁぁん!!」
先生は泣いて教室から飛び出していった。
あの先生、かなりの美人さんやのに、恋人おらんって不思議やなぁ
士希「はやても、俺と出会ってなかったら、ああなってたりしてな」
はやて「……そんなまさか」
例えば士希と出会えへんだ世界線があったとして、
その世界の未来の私が25になっても独り身でおることに、
なんや妙なリアリティを感じてしまった。出会えてよかったぁ
アリサ「記念日の祝い方?そうねぇ…私達も別段何ってしてるわけじゃないわよね」
すずか「お互い忙しいから、その記念日だけは絶対に会おって決めてるくらいかな」
お昼休みにて。せっかくなのでアリサちゃんとすずかちゃんにも聞いてみた
士希「へぇ。すずかとかは、結構盛大に祝ってそうなイメージがあったんだけどなぁ」
私も同意見や。お嬢様達やで、なんや派手にパーティーとかしてそうやったけど。
案外普通なんかな?
アリサ「先月の記念日は、ちょうどその日に花火大会のある街があったから、
それを見るためにヘリ使ったくらいよね」
すずか「あはは。とっても綺麗だったよねー。
空から見下ろす花火って、なかなかない光景だったね」
前言撤回。この子達の普通は普通じゃない。
どこの世界に、恋人の記念日で軽くヘリを使う高校生がおんねん
フェイト「あ、私達も空から花火見たことあったよね。
花火を間近で見られて凄い迫力だったよね」
なのは「あったあった!みんなで空のお散歩してたら偶然見れたんだよね!」
そういえば、そんな事あったなぁ。あれは確か、小4の夏の事や。
私がまだ魔法での飛行に不慣れやった頃、みんなで練習しようってなって、
そん時に花火やっとったんや。確かに、あの花火は綺麗やったなぁ
アリサ「自由に飛べるっていいわねぇ」
士希「俺からしたら、ヘリに乗れる方が羨ましいけどな」
人は無い物ねだりってやつなんやろな
放課後。今日は士希、買い出しに行きたいと言うから、学校帰りに商店街へとやってきた
はやて「うーん…」
それにしても記念日かぁ。案外みんな記念日を大事にしとるもんなんやぁ。
そう言うのが面倒いって言うのは、少数派なんかな
士希「どうした、はやて?そんな唸っちゃって」
はやて「あぁいや、士希は今でも、記念日って大事やと思う?」
私がそう聞くと、士希は少し考え、やがてため息と一緒に口を開いた
士希「そうだなぁ。朝にはやてが言ってた通り、毎月はなんか違う気がするな。
それはそれで楽しいかもしれないし、やってるやつらを否定はしないけどさ、
俺にとって大切なのは、8月24日だけだと思う。それに…」
士希は私の方を見てニッと笑った
士希「今日もこうして、はやてと一緒に過ごせた。俺はそれだけで嬉しいし、満足だ。
だから、あんまりこだわらなくていいと思うぞ」
そう言う士希の顔は、夕焼けに当てられたかのように赤くて…そんな表情に、私はドキリとした
はやて「私も、士希と過ごせて嬉しいよ…」
そう言って、私も微笑み、士希の腕に抱きついた
士希「はは。さぁ、はやて。今日は俺が夕飯作ってやるよ。何食べたい?」
こうして、好きな人と毎日を過ごせる。それはきっと特別な、とても幸せな日々。
私と士希にとっては、そんな毎日の日常の方が、愛おしく思えた
説明 | ||
こんにちは 今回は高校生らしい恋人関係に関する小ネタのお話 |
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コメント | ||
なのはとフェイトは記念日に何をやっているんだ……(ohatiyo) 年を考えて発言してくれよ(へたれ) もう結婚しちまえ本当に(^ω^#)(黒鉄 刃) |
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