バンドを組んだぜ!2 |
会議は終わり、学園から外に出るとすっかり日も暮れていた。
部員二人は、新しく部員として復帰した2名と一緒に、駅までの距離4人で今後について話し合うことにした。
「びっくりしました。MSSPは私たち同好会とは別行動をとると思っていましたから」
「えー一応俺たちも同好会メンバーだし、学園祭出てーし、ひどくね?それ?」
青年は、女性部員に顔を間近に寄せて、責めるように言った。
「え、えっと、顔近いです・・」
美青年の至近距離からの視線にやや照れる。
駅までの道のりの間、4人で今までの距離を埋めようと、部員2人は、同好会の現状について説明を始める。
我がエレキギター同好会は、楽器を利用した旧来的なロックバンドサークルで、現在シンセサイザや、パソコンでの作曲演奏が主体の軽音同好会やボカロ研究会などの他の音楽サークルに、新入部員をとられてしまった事、部員二人は二回生であること、去年まで居た先輩たちは全員卒業してしまったため、MSSPがメンバーである事を知らされてなかった事などを伝えた。
「確か、学外でバンド組まれてる方は同好会とは別枠で出たりしますよね。会議も、サークルメンバー脱退についての事かと思っていました。まさかMSSPと合同企画のため、なんて信じられませんよ」
男性部員が驚いたジェスチャーで、二人にその時の驚きを伝える。
平凡な2人しか居ないサークルだったのに、これは予想外の事件だった。
「いやいや、一応それとは別に一緒に出たいじゃないですか!今まで幽霊部員だったしなあ!」
サングラスの青年が手を左右に振った。
次の日
部員二人は、同じ講義を1時間目に取っていたらしく、なんとなく教室で同じ机に隣りあわせで座った。
「おはよう」
「昨日眠れた?」
「全然。興奮して眠れなかったわ」
「俺も」
そんな他愛のない話をしていると、どこからか噂を聞きつけて二人に真相を聞こうと、学園内のMSSPファンが集まってきた。
「ねーねー、あなたの同好会、MSSPとコラボで出るって本当?!」
「う、うん一応そう決まったけど」
「えーっ、うそ!同好会ってあんたともう一人だけじゃない!!」
わちゃわちゃと女生徒の黄色い悲鳴が聞こえ始める。
「ねえねえ、部員だったって噂本当?!」
「え、MSSPの事?う、うん・・」
「えと、み、みんなファンなの・・?こんなに人気あるなんて知らなかったな」
「えー?知らない人なんてないぜ!学内でもファンクラブある位なんだから」
「ええー?」
学園内でも、MSSPのメンバーが数名この学園に在籍していることは周知の事実として広まっており、昼休みなどはメンバーにファンが群がって大騒ぎになっている事など、しょっちゅうだった。
「うそ!本当にeoheohさまあああー!!」
「eoheoh様って誰ー?!」
「あろま先生もきっくんも来るの?いつ?!いつ?!!」
「FBときっくん以外は、学外のメンバーだよ!みんな同好会員じゃないでしょ!」
質問の渦に巻き込まれた二人は、対処しきれないといった風に両手を振ってMSSPファンに離れるよう促した。
もうそろそろ、授業の始まる時間だった。
「幽霊部員だったけど、MSSPも入部してたんだよ。昨日生徒会に呼ばれて初めて知って・・」
「へえ、そんなこともあるのねえ」
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続きです。全10回更新くらい?になるよていでっす!! | ||
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