バンドを組んだぜ!3 |
放課後
今日はさすがに遅刻することなく、部室にエレキギター同好会員4名全員集合することが出来た。
今日の議題は、同好会や今後の打ち合わせをする事だ。
まだまだ、彼らについて知らないことが部員2人にはあった。
「と、いうわけで、その、あろまさんとかは、この学内の生徒ではないんですよね?」
「そうそう、あとeoheohもな!」
青年が、部室にある雑誌をパラパラめくりながら疑問に答える。
「それって芸名みたいなものですか?」
男性部員が手を上げて、さらに質問した。
「外人じゃねーし、FBなんて名前あるかよ」
ぱたん、と手に持った雑誌を本棚に戻すと、部員二人が並んで座る机に座り、至近距離で向かって話し始める。
「おれのきっくんって名前も本名だと思った〜?」
「顔がち、近いです、きっくん・・」
「ぎゃはは」
向かい合って座っていたサングラスの青年が見かねて、説明し始めた
「MSSPは高校の時に結成したバンドで、大学進学した時に2人と離れ離れになりまして!一応大学でも音楽サークルには入ろうと思っていたんですが、MSSPの活動も変わらずしていましたので、この同好会に入部後も幽霊部員になったのもそっちの活動が忙しくなったからですね!」
「そうなんですか・・俺達二人とも2回生で、前の先輩方もMSSPの事ちっとも教えてくれなくて・・」
青年は、椅子にあごを乗せてつまらなそうに
「疎遠になっちまったからなあ。退部したと思ってたかもしれねーなあ・・はくじょーだぜ!な、FB!」
と、言うと、ふてくされたように女性部員に顔を近づけ、耳に息を吹きかけ始める
「きゃあ」
「ぎゃは」
「こらきっくん、オイタしちゃだめだろー!」
サングラスの青年が、青年を諌め、ゴホンと咳払いをすると、
「それでは、ここで話するのも何だから、今度の週末にでも残りのメンバー紹介しようと思うんですが、予定あいてますかねぇ?」
と言った。
「あ、全然OKです」
「ちょっと待ってください、確認します・・メモメモ」
男性部員は間髪居れず回答したが、女性部員はスケジュール帳を取り出して確認してから、「大丈夫です」と答えた。
「おー、あろま先生と予定合うかあ?えおえおはいいけどよー」
「大丈夫だろ〜」
ハッハッハとサングラスの青年が笑いながら答えた。
週末
指定の喫茶店で待ち合わせして、四人で注文を取り残りのメンバーを待っていると
「FBてめー予定は2週間前に言えって言っただろ!」
入店するなり、大声で怒鳴ったメガネの青年が、サングラスの青年の姿を確認すると、その襟首を掴んで詰め寄った。
「俺もeoheohも大学やバイトシフトってもんがあるだろがあ!!お前らみたいにバンドだけやってるわけじゃねーんだぞ!!」
「すいません!」
サングラスの青年は、両手を合わせてメガネの青年に命乞いするように謝罪の言葉を投げかけた。
「あ〜はらへった〜」
「よう、eoheoh」
同時に入店したパーカーを着た青年が、メガネの青年とは対照的にぼんやりとしゃべり、何事も無い様な風で隣に着席した。
そして、何事も無かったかのように、さも当然そうに喫茶店のメニューを確認すると
「あ、俺オムライスたのむわー!」
と、固まっている部員二人を尻目に、店員へ注文を始めた。
そんなパーカーの青年を見て青年はニヤニヤとトカゲのような微笑をしている。
((どういう人達なんだろう・・・・))
部員二人は目を見合わせ、ひっそりと思った。
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続きです。やっとあろまちゃんとエオさん登場。 | ||
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