英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
その後地下道を進んでいたリィン達は古代の墓場らしき場所に出て、そこで現れた魔獣を撃破した後奥へと向かった。
〜地下墓所〜
「フッ……ここまでは概ね作戦通りだ。無事に、ここを抜けられれば全ての目的を達せられるだろう。」
「ああ……!」
「俺達の初陣としては上出来と言えるだろうさ!」
リィン達が追いついて来る少し前ギデオンはアルフィン皇女とエリスを抱えているテロリスト達を見て口元に笑みを浮かべ、テロリスト達も口元に笑みを浮かべて頷いた。
「あなた方は……」
「……わたくし達を攫ってどうするつもりなのですか?お父様に身代金を―――という訳でもなさそうですね?」
「皇女殿下におかれましてはしばしのご辛抱を……我々はエレボニアの伝統と秩序を重んじる憂国の士。その象徴たる血筋に仇名すことはあり得ません。」
アルフィン皇女の問いかけにギデオンは不敵な笑みを浮かべて答えた。
「……その物言い……」
「フフ、別に貴族に親近感を持っている訳ではありません。私を始め、我々の同志の殆んどが平民出身ですゆえ。ですが”あの男”の存在だけは許す訳にはいかない……!」
「”あの男”……」
「いずれにせよ、そう言う事なら殿下は解放してください。傷つけられる虜囚ならばわたくしだけでも十分でしょう。」
「エ、エリス!?」
エリスの申し出を聞いたアルフィン皇女は信じられない表情でエリスを見つめた。
「ほう……君は?皇女殿下のお付きならばそれなりの身分とお見受けするが。」
「エリス・シュバルツァー。北部ユミルの領主、テオ・シュバルツァーの娘です。末席ながら貴族の身、人質としては成立するでしょう。」
決意の表情でエリスはギデオンを見つめ
「ああもう……!」
エリスの言葉を聞いたアルフィン皇女は自分の望んでいない事を口にしたエリスにかける言葉がわからず、そんな自分にいらついて声を上げた。
「フフ、なかなか見所のあるお嬢さんだ。思わぬ駒が手に入ったがさてさて、どうしたものか―――」
その様子を見ていたギデオンが感心していたその時!
(……!)
(追いついたか……!)
リィン達がギデオン達に追いついてきた!
(……先行するよ。)
(私も行こう……!)
(あたしも行きます……!)
そしてフィーとラウラ、ツーヤはリィン達の前を走って更にギデオン達に近づき
(威嚇は任せてくれ……!)
(僕も足止めなら……!)
マキアス、エリオットもそれぞれリィンを見つめ
「それじゃ、ここは私達も手伝ってあげるわ。リザイラ、行くわよ。」
「ええ、それでは私達も先行します。」
リィンの両隣に現れたベルフェゴールとリザイラはそれぞれ天井近くへと飛行してギデオン達に近づいて行った。
「(みんな、頼む……!)―――そこまでだっ!!」
「なにっ……!?」
「あ……」
リィンの怒鳴り声にギデオンは驚き、エリスは呆けた。するとその時マキアスがショットガンで威嚇射撃を行い、それを見たテロリスト達は撤退しようとしたが
「うおっ……」
エリオットが放った下位アーツによって足止めされ、その隙を狙ったラウラとフィー、ツーヤが先に回り込んだ!
「な……!?」
「兄様……!」
「み、皆さん……!」
「―――ここまでだ。殿下とエリスを解放してもらおうか。」
「あまりの不敬、見過ごすのはさすがに躊躇われるが……」
「大人しく解放するなら見逃さないでもないぞ?」
「もし逆らうなら、命の保証はできませんよ?」
「こいつら…………」
「………………」
リィン達に包囲されたテロリスト達は唇を噛みしめてリィン達を睨んだ。
「…………6対3。勝ち目はないよ。少なくとも二人を連れて逃げ切るのは不可能。」
「その、まずは二人を解放してもらえませんか?」
「フフ……恐れ入った。”トールズ士官学院”……まさかここまでの逸材たちを育てていたとは。」
絶対的不利な立場でありながら、ギデオンは不敵な笑みを浮かべていた。
「―――世辞は無用。二人を解放するかこのまま睨みあうかだけだ。言っておくが……二人に傷一つでも付けたら一切の容赦はしないと思え。」
「ぐっ……」
「……こいつ……」
リィンの言葉にテロリスト達は唇を噛みしめ
「兄様…………」
「リィンさん……」
エリスとアルフィン皇女は驚きの表情でリィンを見つめていた。
「……わかった、降参だ。少なくとも我々に勝ち目が無い事だけは認めよう。」
「それじゃあ……」
「二人を解放してくれるんだね?」
「ああ―――”彼”に勝てたらな。……やれ。」
エリオットの問いかけに答えたギデオンがテロリスト達に視線を向けるとテロリスト達はハンカチをエリスとアルフィン皇女の口に当てた。
「あ……」
「……ふうっ………」
すると二人は気を失った!
「貴様ッ……!!」
「揮発性の睡眠薬……!?」
「クク、気絶させただけさ。うら若き乙女に見せるのは少々躊躇われるからな。」
そしてギデオンは懐から取り出した笛を吹いた!
「しまった――――」
「ま、また魔獣を……」
その様子を見たリィンとエリオットが声を上げたその時、咆哮が聞こえて来た!
「な、なんだ………」
「……咆哮……」
「これは……」
すると近くにあった骨が合体し、巨大な竜型の魔獣になった!
「うわああああっ……!?」
「な、な、な……」
「………これは………」
「骨の……竜……?」
「……………」
「悪霊が宿った骨のドラゴン!?一体何故、こんな所に……!」
竜型の魔獣の登場にリィン達が驚いている中、ツーヤは警戒した。そして魔獣はリィン達に近づいて行った。
「クックックッ……ハハハハハハッ!これぞ”降魔の笛”の力……!暗黒時代の帝都の”魔”すらも従わせる古代遺物(アーティファクト)だ……!さあ、それでは今度こそ死出の旅路へと向かいたまえ……”トールズ士官学院”Z組の諸君!」
そして狂気の笑みを浮かべて声を上げたギデオンがリィン達を見つめて宣言したその時!
「うふふ、そんな骨ごときで私達に勝てると思っていたのかしら?」
「何……!?」
天井からベルフェゴールの声が聞こえ、声を聞いたギデオンが驚いたその時
「うふふ、まずは一人目ね♪」
「え――――」
なんとベルフェゴールがエリスを抱えているテロリストの背後に転移魔術で現れて片手をテロリストの頭に置き
「純情可憐な乙女達……それもご主人様を心から愛しているエリスに汚い手で触った”罪”は私が裁いてあげるわ。――――性愛の露淫術 。」
不敵な笑みを浮かべて命をも吸い取る強力な吸収魔術を発動した!
「ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―――――――――――――――ッ!?」
「お、おい……!?」
ベルフェゴールの魔術によって生命力を吸収されて悲鳴を上げる仲間の様子を見たテロリストが驚いたその時
「た………………ずけ……………で……………」
「なっ!?こ、これは一体……」
「”何か”を吸い取っている……?」
なんとベルフェゴールの吸収魔術によって命を吸い取られたテロリストはどんどん痩せ干せ、その様子を見ていたリィンは驚き、フィーは眉を顰めていた。すると生命力を吸い取られ、どんどんミイラ化していたテロリストは最後には骨になって絶命し、ベルフェゴールはエリスを受け止めた!
「なあっ!?」
「うわああああっ!?」
「ひ、人が骨に…………」
「吸収魔術で精気を全て吸い取ったんでしょうね……」
テロリストの成れの果てを見たギデオンは声を上げて驚き、エリオットは悲鳴を上げ、マキアスは信じられない表情をし、ツーヤは真剣な表情でベルフェゴールを見つめた。
「うふふ、後一人ね。」
エリスを奪還したベルフェゴールは膨大な魔力が込められた眼でテロリストを見つめた。
「……ぁ………………」
「はい、エリスは任せたわね。」
「え、ええ……」
そしてベルフェゴールは魔術――――淫魔の魅惑でテロリストを放心状態にさせた後、一番近くにいたツーヤにエリスを渡した後、放心状態になっているテロリストからアルフィン皇女を奪い取り
「――――死になさい。」
「……………………」
不敵な笑みを浮かべてテロリストを見つめて命令した。すると虚ろな目をしているテロリストは持っていた銃(マシンガン)を自分の頭につきつけ
「ええっ!?」
「まさか……!」
「何をしている!?目を覚ませ!」
それを見たエリオットとラウラが驚き、ギデオンが叫んだその時、ベルフェゴールによって操られたテロリストは自分の頭に向けて銃の引き金を引いて自殺し、連射された銃弾によって頭が血まみれになったテロリストは絶命した状態で地面に仰向けに倒れた!
「ふふっ、その娘達を眠らせた事に関しては感謝するわ。純情可憐な乙女達に”これ”を見せるのは酷(こく)すぎるものねぇ?――――メルカーナの轟炎!!」
ベルフェゴールは不敵な笑みを浮かべてギデオンを見つめた後指を鳴らしてテロリスト達の死体を焼き尽くし
「こ、これがベルフェゴールの”本気”なのか……?」
「―――いえ、恐らくですが彼女の真の力はこんなものではありません。今のですら、手加減をしていると思います。」
「単に力が強いだけじゃなく、ああいう錯乱系の魔術とかもできるから、戦場では恐ろしい存在になるだろうね。」
「よ、よかった〜……あの時、ベルフェゴールが遊び感覚で戦ってくれていて……」
「……まあ、何はともあれ彼女のお蔭でアルフィン殿下とエリスを奪還する事はできたな。」
「ああ。後はあいつだけだ……!」
リィンは呆け、リィンの言葉を聞いたツーヤは真剣な表情で推測し、フィーは静かに呟き、エリオットは安堵の表情で溜息を吐き、気を取り直したラウラはツーヤが抱えているエリスとベルフェゴールが抱えているアルフィン皇女を見て安堵の表情をし、ラウラの言葉に頷いたマキアスはギデオンを睨んだ。
「き、貴様――――――――――――ッ!!よくも……よくも同志たちを!貴様だけは絶対に許さんっ!暗黒竜よ!まずはあの女を喰い殺せっ!!」
一方ギデオンは怒りの表情で声を上げて魔獣に指示をした。
「うふふ、リザイラ、雑魚の処理は任せたわ♪」
そしてベルフェゴールが上を見上げて言ったその時
「ふふふ、戦闘中に切り札になると思われる魔物に命令もせずに気を取られるとは本当に愚かですね。」
上空にいたリザイラが自分の足元に巨大な魔法陣を展開し終えて、魔術を放った!
「至高の意思を持つ光の精霊達よ!我に力を!願わくは浄化の光にて、悪しき者達を救え!ソルブライト!!」
自然がリザイラの言葉に答えるかのように、天井から魔法陣が現れた後魔法陣から光の雨が魔獣に向けて降り注ぎ
「――――――――――――!!!??」
光の雨をまともに受けた魔獣は更にその後起こった光の衝撃波に飲み込まれて浄化され、消滅した…………!
フハハハハハハ!という事で今回の話はベルフェゴールとリザイラによる無双でしたwwなので、4章の中ボスは出番もなく、リザイラによって瞬殺されましたwwそしてテロリスト達はベルフェゴールによって惨たらしい殺され方をされちゃいました(黒笑)
説明 | ||
第127話 | ||
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コメント | ||
感想ありがとうございます ジン様 次回は予想通りリウイ達の登場ですww 本郷 刃様 全くですねww THIS様 確かにテロリスト達の死に様が酷過ぎるww(sorano) これは・・・酷い目に会うのは確定事項か。今でも十分酷いけどね!!(THIS) リィンの家族に手を出した時点でベルフェゴールとリザイラがキレるのは解りきったことでしたねw(本郷 刃) ついでに次回はリウイたちと合流してのG,V,S,Cの蹂躙ですね^^ 次回の更新楽しみに待っているので頑張ってください応援してます。(ジン) |
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