バンドを組んだぜ!8
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 週末

 今度は長く話し合う予定だったので、スパゲティ専門のファミリーレストランのBOX席にメンバーは陣取っていた。

「と、いうわけでマリオで私たちはキノピオ衣装でどうでしょう?」

「俺はヨッシーで決まりな!」

「異議アリ!大有り!!どう考えても女装担当の俺がピーチ姫になるじゃねーか!!」

「はははは、あろまちゃん、俺のピーチ姫姿なんて見たら、全国のソウルメイト達が鼻血を出して失神してしまうではないか!」

「実際にありそうだから嫌なんだよなあ」

「お前ら、メニュー注文しろよ〜あ、俺はアサリのペペロンチーノ」

「皆さん、まとまり無さすぎですっ!!」

 結局、各人でまず注文してから衣装を決めることになり、それぞれスープバーやジュースバーで飲み物を持ち寄り乾杯して、本題に入った。

「あろまちゃんはキノピー以外だと、ピンクの恐竜になるんじゃないの?」

 青年が提案すると、サングラスの青年が何かを思いついたかのように挙手する。

「いや、マリオもいいけど、ソウルメイト達は普通にバンドマンって所が見たいんじゃないか?きっくん一応ビジュ系だろ」

「他のゲームの衣装もわりと好評だからなあ」

「あろまの衣装大体女装だからじゃない?」

「うっせ!」

 またまとまりの無い話に突入しそうで、部員二人はあせり始めた。

 前回も込み入った細かい決めなくてはいけない事について話を進める余裕が無いまま時間だけが過ぎてしまった。

 このままじゃ、いけない。

 そう思っていると、青年が部員たちの方を向いて

「ビジュっていえば、そーいえばお前HIDEが好きなんだよな?衣装重視するのもそのせい?」

 と、聞いてきた。

「え、でも普通ライブっていうと気にしませんか?」

「うーん、自分たちのライブっていうのならいくらでも凝る奴いるだろうけど、学園祭とかって最悪、制服で弾き語りとかだろ?わりとこだわるなっておもっただけ」

 女性部員はちょっと考えると、こう言った

「HIDEは、ソロに関して言えば歌謡曲みたいなポップなのも作れるしゲッロゲロのリフの悪魔的な曲も作ってます。さらにそれらと写真、映像、ファッションなどを組み合わせた独自性の高いライブはまさにHIDEの空間としか言いようがないんです。私たちはHIDEではないし、他にHIDEと同じような音楽家は見たことがないって、そういう人ですから、あんまりそういう事は考えた事ないです。ただ、MSSPはライブって普通にやるんでしょうけど、私達は、学園祭のライブが、ライブですから頑張りたいなあって。思って」

「なるほど」

 青年が感心したように大げさに頷く。

「普通ギタリストのファンはギターやってる奴が大半ですけど、HIDEのファンは色んな層がいて、歌も対して上手くないしギターもうまいけど腐る程上がいる中でキャッチーな音楽かけてカリスマ的存在だったから必然的に人がついてきたっていう存在ですから、もちろんビジュアルを重視しないわけでもないです」

 女性部員は、青年に向いて一気に話した。

「いやいや、HIDEなら俺も負けねーし!v系の元祖!GLAYを発掘!作品・ファッション・仕草・性格何かもう何から何までセンスの塊で、見てくれから音作りの凄さまで正に「ビジュアル系」だぜ!!」

「きっくんさんもHIDEお好きなんですね!」

「あたぼうよ!!」

 がっしいと、女性部員と青年が熱く腕を組む。

「あ、HIDEなら俺も好きよ。インダストリアルみたいな海外で流行りだした音楽を日本人に聴きやすいように取り入れるセンスとか、まさにアレンジャーって感じだよね」

 サングラスの青年が話に混ざろうと寄ってくる。

「何言ってんだかさっぱりわからん」

 メガネの青年はつぶやいた。

 音楽やってる人間全員がHIDEフォロワーというわけではないのだ。ただ、そのカリスマ性により、熱狂的ファンが多くカルト的人気を未だに誇っている存在だ。

「ビジュアルとか音楽とか、流石に古いな〜って思う事あるけど未だに10代のフォロワー増やしてるのは凄いよね」

 先ほど運ばれてきたペペロンチーノをパーカーの青年がモグモグと食べながら感想を述べる。

「楽器破壊とか破壊がどうのとかメタルの変な方向にイメージが固まった原因だよな」

「いや、X前から楽器破壊は色々なバンドマンしてただろ」

 メガネの青年は、ジュースバーのポンジュースを飲みながらまた話す

「XというグループがX JAPANができる前にあったからXって言ったら駄目とか」

「Xでメタルにはまって海外のメタルに手つけていくうちにXをだんだん聞かなくなっていく

って人が多いと思うなあ」

 それぞれ別の場所でHIDEとXの話が延々と続く。

 男性部員はため息をついた。

 これでは、まるで部室で居たときと逆ではないか。

 注文したカルボナーラを一口口に入れると、まだまだ白熱している論議にため息が出た。

 衣装のこと、日程のこと、セッションのこと・・・・・・・・

 今日中に話し合うことは出来るのだろうか?

 学園祭まで時間があるとはいえ、毎回こんな事に時間をとられていたら、何時間あっても時間が足りないだろう。

 

説明
つづきです。
あと数回で終了ですが、とつぜんのHIDEパートです。そして、元々絵を描くとか考えてなかったので衣装についてアンケートをとります。TINAMIはアンケート機能がまだついてないので外部サイトですが、規模が小さいのでヘタ打つと集計0で書くことになりますのでなるべくとうひょうしてね(^^;)
>http://jisyuu.ichi-matsu.net/
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小説 学園 青春 MSSP ライトノベル 大学生 

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