裏次元ゲイムネプテューヌR
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3.5…作り物

 

〈―――――――〉

 

……何もない何処でもない

割れた砕けた全部…【消えた】

ここはどこ?みんなはどこ?これは何?

何だこれ なんだこれ ナンダコレ

何が何だかわからない…それがとても苦しくて、怖くて、悲しくて、痛くて…

けどぐちゃぐちゃな気持ちをうまく表せなくて、どうしようもなくて、頭を抱え込んでうずくまっていた

これ以上音も光もない世界に居たらどうにかなってしまいそうだった。

そんな時、ふとちかちかと微かな光が目をさした

光の元に目を向ける、そこには鏡の破片のような何かが浮かんでいた

そこはあの時、俺を助けてくれた二人の中の一人、銃使いの人の顔が映っていた。

俯いていて目をつぶっているのか開いているのか分からなかったけど、兎に角映っていたことが、その時の俺にとっては重要な事だった。

俺はまた割れてしまうのではないかと思いながら、その破片に恐る恐る近づく。

助けてほしかった。一人は嫌だった。誰かと話をしたかった。そばに居たかった。

近づく度に徐々に身体が写っていく。その度に歩みが徐々に速まる。

そして上半身が写ったころには、俺の足は走っていた。

「助けて」と叫ぼうとした時、喉から出かかった時、銃使いの人の上半身の下が写った…((そこには何もなかった|・・・・・・・・・・))

「あ…あ……」俺は言葉が出なかった。その人は…もう………そう思ったその時だった。

「ああ…そうか……」銃使いの人が言葉を発した。生きているとは思えない状態から声を発していた。

その時、今まで割れそうもなかった破片に突然ヒビが入り、そこから徐々に広がっていく……

「腰抜けは…引っ込んでいったらしいね……」銃使いの人はうわ言のように語り出す。

「…やっぱり僕らは…僕達たちは……」銃使いが語るそれは、誰かに対する恨み言のようだった。誰かに対する訴えのようだった。

「……神サマの餌でしか…玩具でしかないのかよ………」その言葉を最後に、彼が写った破片が砕け散った。

……また独りになった。また一人になった。またヒトリになった…いや、それよりも、気になった事があった。

気を紛らわせられるかもしれないから気になったのかもしれない。けど気になった事があった……

…『神サマ』とは?そんな疑問が浮かんだその時…

「…あら、まだ生き残りがいたんだ」と俺の後ろから声が聞こえた。

振り返ると、ローブを着込んだ女性がいた。「あら失礼」と女性はフードを取る。

…女性の素顔を見た瞬間、俺は一瞬見惚れてしまった。

日差しのような鮮やかな金色の髪、黒曜石のような深い黒の瞳、妖しい笑みを浮かべている少女の顔…

本当に人間なのかと、また映像ではないかと、また割れてしまうのではないかと思い、頬に触れる。

「ちょっ!何するの!?何でいきなり触るの!?」と女性は当然の反応をした…けど、俺は手を離すことは無かった

…触れられる…映像ではない実物、人の形をして生きている、心がある……

俺にとっては、それだけで…それだけで…嬉しかった。

「…何で泣いているの?」と女性は俺に尋ねた。頬に触れてみると水の感触がする…知らない間に涙が流れていたようだ。

触れられた事による認識から出た安堵か

「この世界は作り物なのに」…その言葉を聞いた時、涙の流れも、触れている手も、恐らく表情も…時が止まったかのように固まった。

「…どういう事だ?」俺は思わず問いだす。作り物とは一体何なのだろうか……

「そのままの意味よ。もしかして…まだわからないの?」と女性は問いかける

「いやわかんないし…何なんだよ一体…なんなんだよ!!」俺はわけのわからない事を言われて混乱した。

「大体アンタいきなり出て来て作り物って…一体何を根拠に言って――」「決まってるじゃない…君は見たでしょう?割れていく世界を、人々を、怪物を」

…確かに俺は見た、全てが割れる所を、砕け散る所を、消え去った所を。それが…それが『作り物』という証拠………?

だけど、だとしたら…「俺の今までいた世界は…全てニセモノだった…………?」全てを否定されたような気分だった

だけど…この記憶で覚えてる事全てが偽りだと言うのなら、あの世界で起きたことが全てうそだと言うのなら…

「だったら俺は…俺は一体………」「簡単よ…ここの住人ではないイレギュラー…それだけ」

ここの住人ではないとは一体…もう頭の中がこんがらがって来た。

「…時間ね。これで世界は変わる……」そう女性が言った直後、辺り一面光に包まれ、余りの眩しさに俺は目を瞑った。

そして目をあけた時には……一面の草原が広がっていた。さっきの女性も、真っ暗な空間もなかった。

…本当に世界が変わったのだろうか分からないけど、これだけははっきりわかった…ここは俺の知ってる世界じゃ無いのだという事を。

 

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世界は書き換えられ、国治める神は概念の意味で復活し、私は一つの国の長となった。

地位を得る為に変える為にやったのではない、これも私の目的の為のものだ。

「この世界をやり直す…あの事故を…((無|ゼロ))に………」

女神がいた世界にやり直す事には成功した。そしてこの時、あの計画を実行するための『鍵』を探し出している。

改変されたこの世界の特徴は、女神が人間になった後の世界。この世界が女神という存在を認識している世界。

女神に依存し切っていたこの世界の人々は、それを知った直後、女神の代わりを立てようという結論に至った。

…女神だった少女達、そして彼女らと共に戦って来た者達の声を無視して…

そしてできたそれぞれの王。機械の国のブリキ王、魔法の国の人工生物、貴族の国の大教皇、そして私、最新の王にして最後の王…

かの伝説にのっとって、その名を使わせてもらっている。

…魔王ユニミデス、それが今この世界の私の役割だ。

 

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