咎を受けし御使いの最後の旅〜二人の御使いと二人の劉備〜
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 二人の劉備と二人の御使い〜咎を受けし御使いの最後の旅

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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三徳人、劉三兄弟

 

 

 

 

 

 

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 此処は大きな一本の桜の木が見どころの小さな村、桜楼村。

 

 そこに材木を担ぎ歩く少年が一人。

 

 彼の名前は劉北郷徳。この村に居る三徳人と呼ばれる人達の一人だ。

 

 

 For劉北side

 

 

 劉北「えっほ、えっほ、えっほ。」

 

 饅頭屋「おお、北。精が出るな。今日は新しい家を建てるんだったか?」

 

 劉北「ああ、村長さんの家がかなり古くなって来ていてね。改装するより、住みやすく新築したら?って事で俺に白羽の矢が立ったのさ!」

 

 声を掛けてきた饅頭屋のおっちゃんに元気に返事をして、俺はまた建設現場である場所まで木材を運び始めた。

 

 俺の名前は劉北、字を郷徳。本当の名前は北郷一刀って言うんだけど・・・それは実は秘密だ。

 

 劉北「あ、((沁|しん))兄さん、桃香!!」

 

 そう言って俺は目の前の建設現場で働く二人の人物。劉戯武徳、劉備玄徳両名に駆け寄った。

 

 後者の人物は言わずもがな、かの劉備玄徳その人だ。まあ・・・あの二人も複雑なんだけどね。

 

 劉戯「おお、一刀。持ってきたか?」

 

 劉北「うん。はい兄さん。」

 

 改めて、彼は劉戯武徳。俺の義兄だ。真名を沁と言う。

 

 劉備「一刀さん。お疲れ様。はいお茶。」

 

 劉北「あ、ありがとう。桃香。」

 

 こちらも改めて、彼女は劉備玄徳。俺の義姉に当たる。真名は桃香。

 

 劉北「さてと・・・大体形になって来たね。」

 

 劉戯「ああ、後は壁を当てるだけだ。」

 

 そう、最初の会話にもあったが、俺達は今、村長の家の製作中だ。

 

 劉備「その前にそろそろお昼だよ?私おなか減っちゃったよ〜」

 

 劉戯「ん?そうだな・・・よし、昼にするか!」

 

 劉備「やった〜!」

 

 自分の要求が通ってかなり喜ぶ桃香。俺はそれを眺めながらこう思っていた。「幸せだなぁ」と。

 

 劉北「じゃ、少し休もうか。」

 

 劉戯「よし、家まで競争だ!」

 

 劉備「あ、お兄ちゃんずるい!」

 

 劉北「はぁ・・・此処は子供だよなぁ、沁兄さん。」

 

 そんなため息と共に俺は二人を追いかけて走り出した。

 

 しばらくして二人に追いつき、村の入り口にさしかかった時、桃香が何やら見つけたようだ。と言うか・・・旅人?

 

 劉備「あれ?旅の方ですか?」

 

 劉戯「ん?って一刀じゃねえか。なんだその黒い格好。」

 

 劉北「兄さん・・・俺は兄さんの後ろに居るよ。」

 

 劉戯「ああ、そう言えば・・・ってどう言う事だ!?」

 

 そこには、俺に良く似た真っ黒い外套を着た男性と、女性三人が居た。あ、男の人の背中には女の子だ。

 

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 For一騎side

 

 

 まったく、面倒な事になった。いや、分かってはいた事だが、それでもやはり目の前にすると本当に面倒だ。

 

 一騎「・・・いやはや、参りましたね。俺によく似ている。」

 

 紫苑「一騎さん?お知り合いじゃあないんですか?」

 

 一騎「俺はずっと道なき道を旅してきたからな。確かに・・・“似た奴には何度か会っている”」

 

 そう、こう言っておけばある程度問題無い。

 

 ???「あ、あの〜・・・」

 

 一騎「ん?ああ・・・俺達は旅の者・・・と言いたいが少し複雑でな。この村の代表者に会いたいんだが・・・」

 

 紫苑「出来れば商いを取り仕切ってる人がいいですわ。」

 

 ???「それなら俺だな。あんたらは?」

 

 一騎「俺はケ艾、字を士載だ。こっちは黄忠。俺の後ろに居るのは彼女の娘の璃々。」

 

 俺はその流れで残りの女性も紹介する。

 

 ???「俺は劉戯、字を武徳って言うんだ。俺はこの村の防衛と商いを取り仕切ってる。」

 

 紫苑「あら、と言う事は貴方が噂の桜楼村の三徳人ですか?」

 

 劉戯「ああ、後ろのが妹の劉備と弟の劉北だ。」

 

 そう紹介されると、二人はぺこりと頭を下げる。

 

 一騎「俺は道中彼女達を助けた縁だ。実は後ろの二人は有る商団の一員でな・・・道中賊に襲われ、生き残ったのは彼女達だけだったんだ。」

 

 紫苑「私は護衛で付いて来たんですが・・・娘とはぐれ、まともに戦う事が出来ず、囚われの身になってしまったのです。そこに璃々が彼を連れてきてくれて・・・本当に助かりましたわ。」

 

 劉戯「なんてこった・・・周辺の治安維持は劉表の管轄だったはずだが・・・」

 

 そう言って、劉戯さんは頭を抱える。

 

 一騎「賊は古い坑道に生き埋めにしてきたから、問題無いだろう。」

 

 劉戯「へぇ、過激だねぇ。だが、嫌いじゃないぜ?」

 

 そのまま俺達は宿の場所を聞き、商団の女性達は劉戯たちに預けて宿に入る事になった。

 

 

 

 紫苑「これでひとまずひと段落ですわね。」

 

 一騎「ん、そうだな・・・」

 

 紫苑「・・・一つお聞きしても?」

 

 一騎「なんだ?」

 

 紫苑は身を正し、俺を見据えて、まっすぐ聞いて来た。

 

 紫苑「本当は、何か関係がおありではありませんか?」

 

 一騎「どうして・・・そう思うんだ?」

 

 紫苑「女の勘です。」

 

 一騎「・・・」

 

 紫苑「いえ、一騎さんが話したくないのなら仕方ありませんわ。ただ私がそこまでの関係になれていないだけですもの。」

 

 一騎「そ、そんな・・・ことは」

 

 正直心が痛い。話すべきか?紫苑は信用は出来る筈だ。だが・・・そんな事を考えていると・・・

 

 ひゅぅぅぅぅぅぅぅん

 

 何かが風を切って飛んでくる音が聞こえてきた。

 

 紫苑「あら?何かしらこの音・・・」

 

 一騎「・・・外からだな”!?」

 

 ゴィィィィン!!!!!

 

 その瞬間、俺の意識は途切れた。

 

 

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 For紫苑side

 

 

 私は一騎さんに劉北さんとは本当に関係が無いのかを聞いていた。

 

 しかし、それは外から聞こえてきた音によって中断させられてしまった。

 

 一騎「・・・外からだな”!?」

 

 ゴイィィィィン!!!!!

 

 一騎さんの頭に何やら物体がぶつかり、そのまま一騎さんが倒れてしまったのです。

 

 紫苑「か、一騎さん!?」

 

 一騎「・・・きゅぅ。」

 

 あらかわいい・・・じゃなかったわ!

 

 紫苑「気を・・・失っているだけですわね。何が飛んで・・・来た・・・?」

 

 一騎さんの頭に直撃した物を確認しようとしたのですが・・・何もない?

 

 紫苑「どう言う・・・事?」

 

 何がどうなっているのでしょう。ちょっとだけ見えたその姿は昨日の朝、一騎さんが話していた空飛ぶ不思議なお人形だと思いましたが・・・

 

 紫苑「見間違い?」

 

 その日の夜まで、一騎さんが目を覚ます事はありませんでした。

 

 ちなみに・・・それまでしっかり膝枕をして、一騎さんを愛でていたのは秘密です。璃々は劉北さんと遊んでくると言って居ませんでしたし・・・目を覚ます前に寝床に寝かせましたしね。

 

 

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For劉北side

 

 

 それにしても驚いた。世界にはそっくりさんが三人以上は居るって話だけど・・・本当だったんだな。

 

 劉備「一刀さんそっくりだったね、ケ艾さんって。」

 

 劉北「ああ、他人な気がしないよ。」

 

 劉備「だね〜」

 

 ??「(じ〜)」

 

 二人「「ん?」」

 

 ??「ねえ、お兄ちゃん、お姉ちゃん。遊ぼ?」

 

 劉北「ああ、璃々ちゃんか。ん・・・いいよ?」

 

 璃々「本当!やった〜!!」

 

 俺達がケ艾さんの事を話していると璃々ちゃんが俺達と遊びたいと言ってきたので、それを了承して遊ぶことにした。

 

 劉備「じゃあ何して遊ぼう?」

 

 劉北「ん〜・・・・・・・・・・よし、桃香。子供たちを集めて鬼ごっこでもしよう。」

 

 劉備「分かった。まっててね〜」

 

 そう言って桃香は子供たちを集めに走って行った。転ぶなよ?・・・あ、転んだ。

 

 劉北「そう言えば璃々ちゃん。ケ艾さんや黄忠さんは?」

 

 璃々「う〜ん、難しい顔をしてたから出てきたの!」

 

 劉北「・・・難しい顔?」

 

 璃々「うん!」

 

 劉北「そっか、いい子だね。」

 

 なでなで

 

 璃々「えへへ〜」

 

 そんな事をしていると・・・

 

 ヒュゥゥゥゥゥゥン

 

 劉北「ん?なんだこの音・・・??」

 

 何やら風を切る音が聞こえて空を見上げると・・・

 

 劉北「何かが宿に落ちて行く?」

 

 ゴイィィィィィン!!!!!!

 

 なんだかすごい音がした。

 

 劉北「・・・何だろう・・・気にしちゃいけない気がする。」

 

 俺は直感で考えるのをやめた。・・・逃げたとも言うが。

 

 劉備「一刀さ〜ん、皆連れてきたよ〜〜〜」

 

 子供A「北兄ぃ〜」

 

 子供B「俺だ〜」

 

 子供C「離婚してくれ〜」

 

 劉北「結婚じゃなくて!?」

 

 劉備「か、一刀さんは少年好き!?」

 

 劉北「普通に女の子が好きだからね!?」

 

 璃々「・・・劉北お兄ちゃんは変態でした?」

 

 子供達「変態!」

 

 劉備「・・・(すすす〜)」

 

 劉北「変態じゃない!桃香も距離とるなよ!?結構素で傷付くから!!」

 

 劉備「ぷ・・・あはははは〜」

 

 漫才を繰り広げながら(璃々ちゃんは割とマジで俺を変態扱い)鬼ごっこを開始、何か大事な事を忘れている気がするが・・・楽しいから気にしない!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 劉戯「・・・一刀と桃香・・・遅いなぁ・・・」

 

 

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 あとがき

 

 

 いやはや、書いた書いた。

 

 一刀「お疲れ様、台風ひどかったらしいな。」

 

 ん〜俺の場合どっちかって言うと梅雨前線の被害が大きいな。

 

 一刀「そうか・・・全国的な大雨に加え東北では例の地震の余震が有ったんだろ?」

 

 ああ、20センチぐらいの津波も有ったらしい。

 

 一刀「今年の異常気象は大変だ。」

 

 だな。ま、それはまず置いておくとして・・・なあ、最近肩がこるんだがなんでだ?

 

 一刀「さあな・・・」

 

 そっか・・・ま、気のせいだろう。さて、二連休だしさっさと書き溜めするかな。

 

 一刀「また篭るのか?」

 

 ん、仕方あるまい。華琳の為だ。

 

 一刀「愛だな。」

 

 お前は愛してないのか?

 

 一刀「愚問。」

 

 一言で表したな。じゃ、書いて来る。

 

 一刀「ああ、頑張れ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一刀「そして生きろ。背後華琳が絶を持ち始めていたぞ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最近寒気もするんだよなぁ・・・風邪か?栄養剤でも飲んでおくか。

 

 

 

説明
さて、今日から二連休。
珍しい事もあったもんだ。
早速続きを上げてみる。
書き溜めもしなければな。
ああ、肩が重い。
では本編どうぞ。
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コメント
zerooneさん<死神だと?・・・居ないじゃないか。   一刀「なんだろう・・・最近のあいつは都合の悪いものは見えてないような気がする」(ユウヤ)
愛のはずが後ろには死神が…照れ隠し?(夜桜)
M.N.F.さん<ですねぇ・・・(遠い目   ああ、ちなみに俺は三陸まで黙祷しに行きます。岩手に住んでいるとこう・・・行きたくなるんですよ。引っ張られるって言うかなんて言うか。(ユウヤ)
お盆ですねぇ・・・(遠い目(M.N.F.)
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