【獣機特警K-9UG】おまかせっ!ドルチェちゃん(後編)【戦闘】
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前回のあらすじ。

ある日、ラミナ市を訪れたトイランド星の王女ドルチェ・エル・トイランドは、

喫茶店カフェ・ラ・ヴォルペに立ち寄り、ファンガルド星でのランチを楽しもうとしていた。

 

…しかし。

「誰かー!誰かそいつを捕まえてくれ!!当て逃げだーーーっ!!!」

店の外から男の悲鳴が聞こえた。店に面した大通りで当て逃げ事件が発生したのだ。

 

「なんてやつだ…野郎、俺が行ってとっちめてきてやる!ソラ、店のほうは頼むぞ」

「うん!」

「待って!困ってる人を見捨てておけないの!わたしに任せてッ!!」

「あ、おいっ!!」

ドルチェはリクの静止も聞かず、店を飛び出していったのだった…。

 

「なんてこった、これでドルチェちゃんに何かあったら…」

「お兄ちゃん!あたしが行って追いかけてくる!!」

「よ、よし、頼むぞソラ!!」

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…その頃。

「しかしまあ、肝心の王女様はどこにいるんだかねえ」

と、ナインチャリオットの車内でぼやくジョニー。

「そういや、情報だと結構気さくな方だって話らしいよ」

と、運転席にいたミライが話をあわせていると、緊急無線が響いた。

 

『緊急連絡!キャニアス大通りで車輌への当て逃げ事件発生。犯人は黒のフォルナで逃走中。繰り返す、当て逃げ犯は…』

「当て逃げ犯って…あ、あいつかっ!…了解、こちらミライ!直ちに現場に向かいます!!…ジョニー!」

「おうよっ!!」

すぐに、緊急通信の中にあった黒のフォルナを発見、サイレンを鳴らすナインチャリオット。

「…こらぁっ!そこの黒い車!止まれーっ!!」

助手席のジョニーがマイクを手にとって叫ぶが、犯人は一向に止まる気配がない。

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すると、その車を追いかけて接近してくるひとつの影。

「ん?なんだあれ…バイク…か?」

と、ジョニーが不思議がっていると、ソラから通信が入った。

『こちらソラ!ジョニーさん、聞こえますか!?』

「こちらジョニー、どうぞ」

『当て逃げ犯の黒いフォルナを追いかけている人がいますよね!』

「そうだが、それがどうかしたのか!?」

『…あの人が…あの人が今回訪問されているドルチェ王女です!!』

「な!?なんだって!?ミライ!王女を守るんだ!!」

「そ、そんな無茶苦茶な!?だいたいなんでこんなとこに王女様が…」

と、慌てふためいていたそのときである。

 

「あくまでも逃げる気ね…それなら…これでどうだーっ!!」

ドルチェは後頭部に飾られていたリボンをつかむと、なんと当て逃げ犯の車めがけて投げつけたではないか!!

これぞドルチェの武器のひとつである『リボンブーメラン』だ!

ブーメランはタイヤを突き刺し、車は制御不能に陥りそのままスピン、近くにあった縁石に乗り上げて停止した。

 

「「え…!?」」

そして、そんな突然の展開に息を呑んだのはジョニーとミライだった。

「あ、あの人…逃走車を停止させた!?」

「なんだか知らんが、確保するなら今だ!いくぜミライ!!」

ジョニーは銃を、ミライはソニックブレードを構え、車外へ飛び出す。

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その頃のドルチェはというと…。

「まったく…これでおとなしくしてくれればいいけど…」

と、犯人の車に歩み寄った瞬間だった。

「く、来るな!来るんじゃねえっ!これ以上近づいたら、こ、こ、こいつをお前のどてっぱらに突き刺すぞ!!」

と、中から降りてきたのは、レーザーナイフを持ったアンキロサウルス形のレプター。

そんな犯人を見たドルチェは、一息つくと、犯人にこう切り返した。

「…あなた…その様子だととても人を刺す覚悟があるようには見えないよね」

「なっ、なんだとっ!?ほ、本気だぞ!!」

男は震えながら、ドルチェにナイフを向ける。

「手が震えてるよ。本当にわたしを…」

「く、来るな!来るなってんだよぉ!おい!来るなってのがわから…」

と、男が叫んだそのときである。

 

「警察だ。当て逃げの犯人はお前だな…その人に指一本でも触れてみろ。そのナイフを持った右手を撃ちぬく!」

と、男に銃を向けて近づくジョニー。

「く、くそっ、おいサツ公、動くな!動いたら…この女を殺すぞ!!」

その言葉を聞いたミライは、犯人に向けて強い調子で言い放つ。

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「いい加減にしなよ。あんた、自分が殺そうとしてる相手が誰だかわかってるの?」

「なにぃ!?」

「この人は…いや、このお方は恐れ多くも、トイランド星の王女様なんだよ。あんたごときが気安く触っていいような相手じゃ…」

と、そこまで言いかけたミライに、ドルチェはすかさずツッコミをいれる。

「…あー、そういう言い回しやめてやめて!堅苦しいのはニガテなのよ!!」

「で、でもドルチェ王女殿下…」

「ああっ、もう!どうしてわたしが王女だからってみんなカタいのよ!ドルチェ!呼び捨てでいいってば!!」

すると、犯人の男は再び電磁ナイフをドルチェに向ける。

「おっと、それを聞いたら殺さずにはいられねえ!お命ちょうだいするぜ王女サマよぉ!!」

「あっ!?し、しまった!!」

「ドルチェ!あぶない!!」

ジョニーとミライが叫んだその次の瞬間…なんと犯人は光の縄に縛られていた。

 

「あ、あれ…ど、どうなってやがる!?」

「これてちょいっとね。あんまり乱暴だから、動けないようにしただけよ」

と、ドルチェが手に持っていたのはもうひとつの武器『スパークルステッキ』。

このステッキから発せられたリングビームで、相手を縛っていたのである。

「し、信じられねえ…ドルチェ王女とかいったか?あんた結構強いな」

と、感心しているジョニーに、ドルチェはとっさに切り返す。

「だから、『王女』はいらないってば。トイランド星の王族は代々、自分の身は自分で守るのが基本だからね」

「そ、そうだったのか…いや、ご協力感謝します。ほら、キリキリ歩け!!」

と、ミライは手際よく犯人に手錠をかけると、あとから応援に駆けつけた護送車に放り込んだのだった。

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…カフェ・ラ・ヴォルペ。

「そう気を落とすなってソラ。ジョニーさんたちに連絡したんだろ?だったら大丈夫じゃないか」

「でも相手はトイランド星の王女様なんだよ。彼女に何かあったらあたし…あたし…!」

心配で落ち着かない様子のソラをなだめるリク。そしてその様子をやはり心配そうに眺めるモニカ。

すると、入り口のベルが鳴り、ドアが開いた。

「いらっしゃいま…ど、ドルチェちゃん!?」

モニカは思わず声を上げた。それもそのはず、そこに現れたのは、傷ひとつ負わずに帰ってきたドルチェだったのだから!

 

「いやあ、やっぱりいいことしたあとはお腹がすいちゃうね。そういえばランチ食べるの忘れてたよw」

「あ、じゃあ改めて。ご注文はいかがなさいますか?」

「あの、だから敬語はやめてって…」

「いやいや、別にあなたが王女様だからってワケじゃないの。ここに来た以上は『お客様』だし、ほら、私たちってそういう職業だから…」

と、必死で説明しているモニカを見て、ドルチェは微笑を返すと、こう続けた。

「…なんだ、そういうことだったら仕方ないか。じゃあ…ヴォルペオムライスをひとつね!」

「はい、かしこまりました。オーダー通しまーす!!」

…こうして、とんだ邪魔が入ったものの、いつもどおりのランチの光景が繰り広げられた。

違うところと言えば、客が王女であるということだけ。しかしその王女は、あくまで普通の少女としての交流を望んでいたのだった。

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…後日、トイランド星に帰星したドルチェから、ラミナ警察署に感謝状と粗品が贈られたということだ。

 

説明
正義のために戦うプリンセスってステキですよね!ね!!

■出演
ドルチェ:http://www.tinami.com/view/700137
リク:http://www.tinami.com/view/556937
ソラ:http://www.tinami.com/view/552300
モニカ:http://www.tinami.com/view/556356
ジョニー:http://www.tinami.com/view/552054
ミライ:http://www.tinami.com/view/568457
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コメント
>Nさん またちょくちょく来るだろうねドルチェちゃんw(古淵工機)
>OXYさん さすがヴィーボちゃんの孫だけあって、結構強いのです!(古淵工機)
王女様カッケー!! そしてヴォルペには、壁に貼られた有名人のサイン群の横に王女とモニカちゃんたちが一緒に写った写真が飾られたw(Ν)
つおいぞドルチェ王j……ドルチェちゃん!(尾岸 元)
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