本編補足 |
思惑
C1 獲物
C2 襲撃
C3 起死回生の策
C4 手合せ
C5 強奪
C1 獲物
ヂョルガロン王国トングの山間部を進む輸送トラック群。中央のトラックの荷台に座るシンノパクラの武官で目を細めているシルと大柄のダン・ユー。
ダン・ユー『いやいや、今回は親父の御愛人殿に救われたな。』
ダン・ユーの方を向くシル。
シル『これも親父殿の女達を満足させる技、そして我らの秘薬を後宮の方々がご愛用しているからこそ。ふはっ、芸は身を助けるというものですよ。』
口角を上げ、シルの方を向くダン・ユー。
ダン・ユー『しかし、あの子倅がここまで強く出るとは。』
シルは頷き、
シル『まったく。』
ため息をつくダン・ユー。
ダン・ユー『一族の中ではトング関の守備シンノトレス殿のみ役職を解かれなかったからな。』
シル『それが我々の追放先ですよ。』
ダン・ユー『親父殿と騎馬民族の娘の間にできた子か…。』
シル『そ、あの色黒のかわいい男の子ですよ。』
頭を掻くダン・ユー。
ダン・ユー『まったく、色んな女と子供作りすぎだぜ。』
笑みを浮かべるシル。
シル『ふはっ、親父様らしい。沢山の子供を作り、各勢力、地域に送り込む…。』
鼻を動かし、立ち上がるダン・ユー。シルはダン・ユーを見上げる。
シル『おやおや、獲物ですか。』
頷くダン・ユー。
ダン・ユー『トングは山賊、盗賊が多いと聞いていたが…。無防備に見せかけると馬鹿は面白いように引っかかる。』
膝を払い立ち上がり、眼を開いて舌なめずりするシル。
シル『獲物…ですか。ふはっ…ぐへへへへ。』
ダン・ユーは無線機を手に取る。
ダン・ユー『パープルリン!聞こえるか。』
パープルリンの声『ヘイ!ぼす〜!』
ダン・ユー『獲物が来たぞ。フォーム25で行け。後は俺達の動きに合わせて臨機応変に対応しろよ。』
パープルリンの声『あいあい。ぼす〜。』
砲撃音。
左に曲がるトラック群。森林から現れる山賊の人型機構。顔を合わせ、鞘から宝刀を抜くシルと鞘から大刀を抜くダン・ユー。彼らはトラックの荷台を飛び跳ねながら進む。
森林から躍り出て来る山賊の人型機構。シルとダン・ユーは飛び跳ねながら、それの両足の関節部を宝刀で切り裂く。倒れる山賊の人型機構。大刀で山賊の人型機能の背部を丸く切り取って、別の山賊の人型機構に向けて投げつけるダン・ユー。
倒れた山賊の人型機構のコックピットのハッチに左手の裾から魔糸を放つシル。シルが左手を引くと魔糸に包まれた山賊Aが飛び出る。
シルは舌べらを出しながら口角を上げる。
シル『1ゲット〜!』
トラックの荷台に魔糸に包まれた山賊Aを投げ込むシル。ダン・ユーは木々の幹を蹴りながら、周辺の森林に隠れる山賊の人型機構を斬りって行く。シルはその後に続いて、魔糸で山賊達を捉え、次々とトラックの荷台へと放り込んでいく。木々がざわめくき、逃げ出す山賊達。ダン・ユーは大刀を肩にかける。
ダン・ユー『後は任せたぞ。』
シル『ふはっ、当然。』
シルは飛び上がり、両手の袖から魔糸と触手を出す。それは逃げ出す山賊達や人型機構を絡める。ダン・ユーの隣に着地するシル。鼻を動かすダン・ユー。
ダン・ユー『…一人残らず捉えたな。』
シル『ふはっ、他愛もない。』
ダン・ユーは大刀で自身の肩を2、3回叩いて無線機を取り出す。
パープルリンの声『あいあい。ぼす〜。』
ダン・ユー『積み込むぞ。』
シルとダン・ユーの前に止まるトラック群。先頭のトラックから降りて来る紫髪でショートボブの少女でシルとダン・ユーの付き人のパープルリンが降り、ダン・ユーに向けて駆けていく。
パープルリン『ぼす〜!』
ダン・ユーに抱き付くパープルリン。
パープルリン『おつかれさま〜!』
ダン・ユー『まったく、お前ってのは。』
パープルリンを抱き上げるダン・ユー。トラックから降り、魔糸に包まれた山賊と山賊の人型機構を運ぶシルとダン・ユーの配下達。パープルリンはダン・ユーの胸板を人差し指でつつく。眉を顰めるシル。パープルリンはシルの方を向く。
パープルリン『おお、シルもごくろー。』
眼を細め、舌打ちするシル。
シル『あのねえ。私は君より目上なんです。呼び捨てにするんじゃありませんよ。』
パープルリン『えっ、いいじゃん。別にシルだし。きゃはははは。』
シル『…この紫雌豚が!お仕置きが必要のようですね。』
シルは両手の裾から触手を出す。ダン・ユーから飛び降り、顔を赤らめて息を荒げるパープルリン。
パープルリン『お・し・お・き。』
眉を顰め、パープルリンから目をそらして、触手をしまうシル。
シル『…おしおきはおあずけです。』
シルに近寄るパープルリン。
パープルリン『えっ、えっ、そんなぁ〜。』
パープルリンに背を向け、トラックの荷台へ向かうシル。
パープルリン『ねぇ!シルってば、シルちゃ〜ん!!シルくぅ〜ん!』
トラックの荷台に乗り込むシル。
パープルリン『シル様ってば!』
トラックの荷台に座り、頬杖をついてパープルリンを見降ろすシル。
シル『うっさい!この紫雌豚!!』
顔を赤らめ、体を小刻みに震わせて、荒い吐息を吐くパープルリン。ダン・ユーの傍らに寄るシルとダン・ユーの配下A。
シルとダン・ユーの配下A『ダン・ユー様。積み込みに時間がかかっております。電気系統がやられた人型機構が多数あり…。』
頷くダン・ユー。
ダン・ユー『うむ。そこは外したはずだが…山賊使用の為かデタラメな基盤を使ってたんだろうよ。』
頭を下げるシルとダン・ユーの配下A。
ダン・ユー『分かった。』
パープルリンの傍に寄り、肩を叩くダン・ユー。
ダン・ユー『おいおい。二人ともさっさと積み込むぞ。日が暮れちまう。』
ダン・ユーの方を向くパープルリン。
パープルリン『はぁい。ぼす〜。』
トラックの荷台から飛び降りるシル。
C1 獲物 END
C2 襲撃
トング城城門の手前に並ぶ、荷台に山賊と山賊の人型機構を載せたトラック群。降り立つシルとダン・ユー。
シンノトレスの配下女兵士Aの声『止まれ!何者だ!!名を名乗れ!』
城壁を見上げるシルとダン・ユー
ダン・ユー『女…。』
シル『いやはや、門衛が女とは…。』
トラックの運転席からシルとダン・ユーの方を向くパープルリン。
パープルリン『おほっ。女人ですなぁ。珍しい。』
頷き、城壁を見つめるダン・ユー。
ダン・ユー『王太后ギュウトウ様とシンノパクラ殿の仲介により、このトング城に招かれたシルとダン・ユーである!城主シンノトレス殿に伝えよ!』
暫し沈黙。
激しい足音。城壁に乗り出し、シルとダン・ユーを見つめるトング城城主で色黒の肌をした美形のシンノトレス。
シンノトレス『おうおう。これはこれはシルとダン・ユー殿ではないか!久しいな!少し、待っていろ。』
シンノトレスは横を向く。
シンノトレス『城壁を開けい。』
シンノトレスの配下女兵士Aの声『はっ!』
大きな音を立てて開くトング城城門。シルはダン・ユーの方を見て微笑む。
シル『あの色黒の子が…ふはっ、ずいぶんといい男になっていましたねぇ。』
頷くダン・ユー。
ダン・ユー『ああ。』
眼を細め、鼻を動かすダン・ユー。
シル『どうかしましたか?ダン・ユー。』
ダン・ユー『殺気の臭いがする。すぐに行くぞ。』
シルと共に素早くトラックの荷台に乗るダン・ユー。動き出すトラック群。
疾走するトラック群を見下ろすシンノトレス。
シンノトレス『そんなにスピードを出すな!城内だぞ!』
上を見上げるダン・ユー。
ダン・ユー『シンノトレス殿!城門を早く閉めい!敵が来るぞ!』
騒音が鳴り響き、森林より砂煙が上がり、木の葉が舞う。閉まる城門。現れ、疾走するマラ村の騎馬民族達と数機の彼らの人型機構。広場に止まるトラック群。トラックの荷台から飛び降りるシルとダン・ユー。
ダン・ユー『シンノトレス殿!我々が出ようか?』
シルとダン・ユーを見下ろすシンノトレス。
シンノトレス『それには及ばん!客人達は見物しているといい。長旅は疲れただろう。』
城壁に登るシルとダン・ユー。
マラ村の騎馬民族A『シンノトレス!極悪非道の誘拐魔が!』
マラ村の騎馬民族B『嫁を返してもらう。』
首を横に振るシンノトレス。
シンノトレス『やれやれ。自分達がしたことを棚に上げてよくもまあ言う。』
シンノトレスの傍らに寄るシルとダン・ユー。彼らは城壁からマラ村の騎馬民族達と数機の彼らの人型機構を見下ろす。
ダン・ユー『うむ…良馬がいるな。』
シルとダン・ユーの方を向くシンノトレス。
シンノトレス『おお、何時の間に。ま、すぐに終わる。』
手を上げるシンノトレス。シンノトレス配下軍楽隊女兵士達が太鼓を叩く。
シンノトレス『筒持たせーーーーーーーーーっ!』
一斉にバズーカ砲を構えるシンノトレス配下女兵士達。手を下げるシンノトレス。太鼓の音が鳴り響き、バズーカ砲から弾が発射される。大爆発が起こり、スクラップになった人型機構とマラ村の騎馬民族達と馬の四肢が飛びちり、肉片が散乱する。笑うシンノトレス。
シンノトレス『ふん。他愛もない。』
眉を顰め、城壁の下を見るシルとダン・ユー。
シル『あちゃー…もったいない。』
C2 襲撃 END
C3 起死回生の策
トング城内部。玉座に座るシンノトレス。隣にはシンノトレスの配下女兵士長シャンバラ。赤絨毯の両脇に並ぶシンノトレス配下女兵士達。手前にはシルとダン・ユー、パープルリンとシルとダン・ユーの配下達。彼らの後ろには鎖でつながれた山賊達。シンノトレスはシルとダン・ユーを見つめる。
シンノトレス『おおう。良く来た!親父殿から書状は預かっておる。しかし、たいして武装もないのに大したものな。この城に来たものの大抵は、賊の首を手土産に自慢してくるのだが…。捕縛した山賊を手土産にするとは。』
一礼するシル。
シル『首だけになってしまえば商品の用途が限られますからね。』
感嘆の声を上げるシンノトレス。
シンノトレス『伊達に奴隷商人、拷問官、女人警護官を務めていただけはある。捕縛技術は一流…ということか。流石だな。』
頭を下げるシルとダン・ユー。
ダン・ユー『お褒め頂き光栄でございます。』
青ざめ体を震わす山賊達。
シャンバラが一歩前に出る。
シャンバラ『シンノトレス様。それで、この山賊達の処分はどういたしましょう。』
顎に手を当て、山賊達を見回すシンノトレス。体を震わせる女山賊。頷くシンノトレス。
シンノトレス『…無論、男は殺せ、女は生かせだろう。』
一礼するシャンバラ。
シャンバラ『御意。』
立ち上がるシル。
シル『分かっておりませんね。シンノトレス様は。』
眉を顰めるシンノトレス。
シンノトレス『それはどういうことか?』
シルを睨み付けるシャンバラ。
シル『必要に応じた需要というものがあります。例えば…。』
シルは手入れしていない髭に覆われた顔で肥満体系の山賊Aの傍らに寄る。目を見開き、シルを見る山賊A。
シル『この様な者でも…。』
山賊Aの髭を引っ張るシル。山賊Aからは大量の汗が出る。
シル『世界の何処かでは欲しがる者が居る。』
シルは山賊Aの乳首を摘まむ。
山賊A『ふひっ、ひあ!』
何人かのシンノトレス配下女兵士達が顔を赤らめて、背ける。息を荒げる山賊A。
シル『まったく、怯えてしまって。ふはっ、かわいい。心配はいりません。あなた方は大切な商品。殺しは致しませんよ。』
彼の耳に息を吹きかけるシル。
山賊A『ほ、ほっう!』
山賊Aは顔を歪め、体を震わせる。目を背けるシンノトレス。一礼するダン・ユー。
ダン・ユー『シンノトレス殿。必要とされる側からはああいった者でも喉から手が欲するほど欲しい程の価値を持つ。
そして、そういった性癖を持つ者は大概大金を持っている。そして彼らはどんな対価を支払ってでも、それを手に入れようとする。これが結構、高額。』
ダン・ユーの隣に立つシル。
シル『そして、顧客に合わせ調教する。それが我々。』
眼を見開き、シルとダン・ユーを見つめるシンノトレス。
シンノトレス『なるほど。そこまで自信を持って言えるということはその筋にツテがあるのか。』
頷くシルとダン・ユー。立ち上がるシンノトレス。
シンノトレス『なるほど素晴らしい!』
ダン・ユー『さて、本題に入らしていただきます。親父殿…つまり、あなたのお父上のシンノパクラ様は今、宮廷で非常に危うい立場に立たされております。』
頷くシンノトレス。
シンノトレス『知っている。親父と一族は丸々役職を解かれ、新大臣達には政敵のリンパク、ソンタク、シャクノツゴーが任命された。俺はこの北方の最重要地に長くいたため、故に難を免れた。』
頷くシルとダン・ユー。
ダン・ユー『そこで、これを。』
懐から書状を取り出し、シンノトレスに渡すダン・ユー。
シンノトレス『なるほど普通の書状では検閲に引っかかり駄目ということだな。』
書状を開き、見つめるシンノトレス。
シンノトレス『ほうほう。』
笑い出すシンノトレス。
シンノトレス『なるほど。くっくっくははははは!親父らしいやり方だ!丁度良い。反抗的な女戦士の集落メルギドがある。そこを落とすといい。屈強な体を持つ女戦士。その体の甘味を知らぬ宮廷人どもならすぐにでも堕ちよう。』
一礼するシルとダン・ユー。
C3 起死回生の策 END
C4 手合せ
トング城浴室。浴槽に浸かるシルとダン・ユー。
ダン・ユー『は〜生き返るな。』
顔を両手で洗うダン・ユー。シルは腕を広げる。
シル『しかし、この城に風呂まで作るとは。』
ダン・ユー『流石は親父殿の息子と言ったところだな。』
鼻を動かすダン・ユー。シルはダン・ユーを見つめ、顔を上げる。扉が開き、現れるシャンバラ。
ダン・ユー『ほっほう。これはこれは堂々とした覗きだな。』
眉を顰めるシャンバラ。
シル『普通は立場が逆ですよ。』
彼らを睨み付けるシャンバラ。
シャンバラ『解せん。この様な者達を、なぜ、シンノトレス様が歓迎するのか!』
眉を顰めるシルとダン・ユー。
シャンバラ『だいたい、貴殿らはヂョルガロンの王を守れなかった廉で追放の身の上。それがよくもまあぬけぬけと…。』
眼を細めるシル。
シル『うわー。嫉妬ですかー。』
眼を見開き、シルを睨むシャンバラ。
シャンバラ『なっ!』
扉が開き、現れるシンノトレス。シンノトレスはシャンバラを見つめる。
シンノトレス『ほよ。シャンバラ。堂々と覗きなんかしてどうしたの?』
眼を閉じ、眉を顰めるシャンバラ。
シャンバラ『違います!シンノトレス様。この者達はヂョルガロン王の護衛でありながら、その任を果たせなかった者達。
そんな実力に疑問符がつく者達をメルギドの攻略に向かわせるなど。』
シンノトレス『しかし、山賊は捉えたぞ。』
首を横に振るシャンバラ。
シャンバラ『山賊とメルギドの女戦士達とは実力が違います!シンノトレス様!彼らと手合せを!』
シャンバラの方を向き、頷くシンノトレス。
シンノトレス『まあ、しかたないか。』
シルとダン・ユーの方を向いた後、シャンバラの方を向くシンノトレス。
シンノトレス『うん。いいよ。』
刀の柄に手を掛けるシャンバラ。
シンノトレス『あ、危ないからこっちでね。』
シンノトレスはシャンバラにトレーニングソードを投げる。トレーニングソードを受け取るシャンバラ。
シャンバラ『では、参る!』
眼を見開くシルとダン・ユー。
シル『ちょちょちょっと!こっち、服着てないんですけど!』
シルに切りかかるシャンバラ。頭を掻くシンノトレス。
シンノトレス『あはは。ごめんごめん。頼むよ。こいつこうなっちまったら止められないんだ。頑固者でね。』
シル『いやいやいや、そういうもんだいではないですよ!』
シャンバラの剣撃をかわすシル。水飛沫が飛ぶ。欠伸をするダン・ユー。シャンバラのトレーニングソードの一閃。
シャンバラ『とった!口ほどにもない!』
シャンバラはダン・ユーを見つめる。
シャンバラ『次はお前だ!』
ダン・ユーは欠伸をしてシャンバラを見つめる。
ダン・ユー『おめでたいお嬢ちゃんだな。』
伸びをするダン・ユー。眉を顰めるシャンバラ。シルの触手によってシャンバラの四肢が絡められる。青ざめるシャンバラ。
シャンバラ『こ、これは…。い、いつの間に…。』
シャンバラの背後、ゆっくりと浴槽の中から立ち上がり、トレーニングソードを持ったシル。
シル『こんな物騒なものを持って浴室でおいたはいけません。』
青ざめるシャンバラ。
シル『そういった悪い子にはお仕置きが必要ですね。』
シルは触手で白い液体の入った瓶を持って来ると、シャンバラの鼻元に持っていく。首を横に振るシャンバラ。
シャンバラ『き、貴様!何をするつもりだ!止めろ!!』
シル『んはっ、どうぞ。』
白い液体の入った瓶の蓋を開けるシル。
シャンバラ『ひっ、やぁ!』
むせるシャンバラ。シルは白い液体の入った瓶の蓋を締める。シンノトレスはダン・ユーを睨む。
シンノトレス『お、おい。今、シャンバラに何をした?』
一礼するダン・ユー。
ダン・ユー『ご安心を。これは我々が調合した後宮御用達の強壮剤でございます。』
触手をしまうシル。息を荒げ、その場に座り込むシャンバラ。彼女に背を向けるシル。
シル『体力を高め、興奮させ、発情させます。』
シャンバラは嬌声を上げ、胸と秘部に手を当てる。
シャンバラ『い、いや…こんな情けないところ…シンノトレス様に見せられない…。で、でも…とまらない…の。んんっ。い、いや。』
シルはシャンバラの方を振り向く。
シル『ふはっ、臭いをかいだだけでもあの通り…。』
ダン・ユーの傍らに寄るシル。
シル『ねぇ、ダン・ユー。』
ダン・ユーにくっつくシル。眉を顰めるダン・ユー。
ダン・ユー『おい、シル…お前、まさか。』
顔を赤らめ息を荒げて、ダン・ユーに抱き付き、キスをするシル。
ダン・ユー『お前も効いてるじゃないか。』
ダン・ユーはシルを拳骨で殴る。目をまわすシル。手を叩くシンノトレス。
シンノトレス『ほっほう。これはすばらしい。』
起き上がり、瞬きするシルにシャンバラ。
シャンバラ『あれ?わたし…。』
シル『あたたたた。』
頭を押さえるシル。
ダン・ユー『まあ、臭いだけではあの程度ですがね。』
ダン・ユーはシルを見る。シルはダン・ユーを見つめる。
ダン・ユー『お前にも効いていたぞ。たくっ、野郎とのキスなんざ…。』
眉を顰めるシル。
シル『えっ、ダン・ユーとキス!』
顔をそむけるシル。
シル『おえっ!』
ダン・ユー『おいおい。その反応はおかしいだろう!』
蹲り、目を潤ませるシャンバラ。
シャンバラ『あ…あ…あんな情けないところ、シンノトレス様に。もう、私…。』
シャンバラの頭を軽く撫でるシンノトレス。シャンバラはシンノトレスに抱き付く。
シャンバラ『シンノトレス様!』
C4 手合せ END
C5 強奪
ヂョルガロン北方国境付近アマゾネス集落メルギド。訓練場で訓練するメルギドのアマゾネス達。集落を取り囲むシルとダン・ユーの人型機構及びパープルリンとシルとダン・ユーの配下達のトラック。メルギドのアマゾネス達を見つめ、顎を手で撫でるダン・ユー。
ダン・ユー『ほっほう。あれがメルギドのアマゾネス。いい締まりをしているな。』
ダン・ユー機が上空に向けて発砲する。森林の方を向くメルギドのアマゾネス達。森林から出るシル機とダン・ユー機。メルギドのアマゾネス達は駆け出し、メルギドの人型機構に乗り込む。コックピットのハッチを開き、秘薬入りの催涙弾を多数投げるガスマスクをしたシルとダン・ユー。
煙がメルギドのアマゾネス達を包む。顔を赤らめ、息を荒げて、胸と秘部に手を当てる多数のメルギドのアマゾネス達。
シルが魔糸と触手で、メルギドのアマゾネスAを絡めとり、トラックの荷台へ放り込む。
メルギドのアマゾネスB『お、お姉さま!』
次々とトラックの荷台へ放り込んでいくシル。メルギドの人型機構の剣撃をかわし、コックピットのハッチを切り取り、中に秘薬入りの催涙弾を投げ込むダン・ユー。
むせるメルギドのアマゾネスC。彼女はシルの触手にからめとられ、トラックの荷台へと放り投げられる。メルギドのアマゾネスの人型機構の関節部を切断し、コックピットを切り取って行くダン・ユー機。メルギド人型機構のパイロットのアマゾネスを捉えていく、シルの触手と魔糸。
砂煙が上がり、現れる壮麗な装飾を施されたメルギドの人型機構。メインカメラに魔糸に絡められ恍惚な表情で腰を振るメルギドのアマゾネス達が映る。
大刀をシル機とダン・ユー機に向け駆けるメルギドのアマゾネス長の人型機構。打ち合うメルギドのアマゾネス長の人型機構とダン・ユー機。砂煙を上げ、軌道をメルギドのアマゾネスの訓練場に残し、森林に入って行く二機。
ダン・ユーは大刀を抜き、コックピットのハッチから出ると跳躍しながらメルギドのアマゾネス長の人型機構の関節部を全て切断する。倒れるメルギドのアマゾネス長の人型機構。コックピットのハッチが開き、刀を振り、雄たけびを上げながらダン・ユーに切りかかるメルギドのアマゾネスの長。
メルギドのアマゾネスの長『この狼藉ものがぁ!』
ダン・ユーは大刀で肩を2回叩く。目を見開くメルギドのアマゾネスの長。彼女の四肢は魔糸と触手に絡められる。落ちるメルギドのアマゾネスの長の刀。
メルギドのアマゾネスの長『なっ!貴様ぁ!!』
ダン・ユーを睨み付けるメルギドのアマゾネスの長。
メルギドのアマゾネスの長『離せ!離さんか!我はメルギドの長だぞ!』
メルギドのアマゾネスの長の傍らに寄るシル。
シル『へー。貴女がここのお偉いさん。』
シルを睨み付け、唾を吐きかけるメルギドのアマゾネスの長。顔をゆっくりと上げ彼女を見つめるシル。彼は頬に付いた唾をなぞり、口元に持っていき、舐める。
シル『威勢がいいですね。まったく、これだけ元気がいいと洗脳と調教にも骨が折れそうですよ。』
微笑むシル。青ざめるメルギドのアマゾネスの長。
メルギドのアマゾネスの長『こ、殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!!』
メルギドのアマゾネスの長を見つめるシル。
シル『やだなぁ。大事な商品を壊すわけないでしょ。』
涙を流すメルギドのアマゾネスの長。
メルギドのアマゾネスの長『殺してくれ!殺して…。』
ダン・ユーは肩を竦め、首を横に振る。
ダン・ユー『まったく…。』
ため息をつくダン・ユー。シルは彼女をトラックの荷台に放り投げる。トラックの荷台に山積みにされたメルギドのアマゾネス達。彼女たちを見上げるシルとダン・ユー。
ダン・ユー『それにしてもこれだけの人数を調教するのか。』
シル『久しぶりに骨が折れますねぇ。』
口角を上げるダン・ユー。
ダン・ユー『だな。』
パープルリン『ぼす〜。集落にもまだいまっせ。』
頷くダン・ユー。
シル『あらあら。さらに増えましたねぇ。』
彼らは自機に乗り込む。砂煙を上げ、集落の方へ向かう彼ら。集落で逃げ惑うメルギドのアマゾネスの少女達。シルの触手と魔糸が彼女たちを捉え、次々とトラックの荷台へ放り込む。
納屋の農産物や、家財道具などをトラックの荷台へ運ぶシルとダン・ユーの配下達。彼らはメルギドのアマゾネス集落を破壊し、奪い取る。トラックの荷台からそれを見つめ、涙を流すメルギドのアマゾネスの長。
C5 強奪 END
END
説明 | ||
・必要事項のみ記載。 ・グロテスクな描写がございますので18歳未満の方、もしくはそういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。 ・心理的嫌悪感を現す描写が多々含まれておりますのでそれういったものが苦手な方は絶対に読まないで下さい。 |
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