STAY HEROES! 章間 (14.5話) |
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デバッグが終わり、僕の新しい生体機能は稼働し始めた。
違う場所の違う人々の記憶が、僕の大脳海馬に繰り返し再生される。
本当にさまざまな記憶が入り乱れて、消えてゆく。
僕はそのうちの幾つかしか記憶できなかった。
***
軍服姿の少年が、幼い女の子を抱きかかえながら森を突き進む。
少女は右腕の下半分を喪い、止血板の処置も空しく衰弱していた。
少年の後ろに続く兵士と避難民の隊列にも、健常な者はほとんどいなかった。
それでも彼らに、降伏や撤退は許されなかった。
街を焼き払い住民を虐殺したあのサイボットたちは、この避難民たちを殺すつもりで追いかけてきている。唯一の将校であるこの少年は、四十人足らずの寡兵で数百人の避難民を守り抜かなくてはならなかった。
突然、森の奥から伸びてきた射線が、避難民たちをなぎ倒した。
とうとう、サイボット共は避難民の群れに止めを刺すべく噛みついた。
「包囲されています! 准尉! どうするんです!」
砲火の中、兵士から准尉と呼ばれた少年は声の丈を振り絞って叫ぶ。
「重傷兵は避難民を円陣の外側で守れ! 第三小隊と迫撃砲小隊は散開し前方の半包囲陣に向けて弾を撃ち尽くせ! 照準、11時方向! ……残る第一第二小隊は横列一隊で私と共に突撃する! 敵の包囲を突破する!」
満身創痍の兵士たちは、幼い准尉の指示に従い銃火を縫って陣形を整え始める。
その間にも、サイボットの放つ銃弾が兵士と避難民を区別なく撃ち倒してゆく。
銃火の中、准尉は胸に抱える少女へささやいた。
「ごめん、俺は指揮を取らなきゃ。隊列にいてくれ、心配するなすぐ戻ってくる」
反応は期待していなかった。准尉がそのまま、隊列の避難民へ少女を預けた時だった。
「最後に、お願い」
少女が准尉の右腕を力強く握ったので彼は驚いた。
彼女は自分の命を投げ打って准尉へ願いを託そうとしていた。
「私たちみたいに、傷ついて死ぬ人たちが、これ以上生まれないようにして。悪い人を、やっつけて」
青白い少女の右手を握り、准尉は声を振り絞り答えた。
「ああ、約束する。必ず」
集合した二十人の兵たちの中で、包帯を巻いていないものはいなかった。
准尉は伏せる残兵たちに怒鳴った。
血とも雨とも違う滴が瞼から溢れていたことに、少年は気づかなかった。
「着剣、用ー意!」
兵士は小銃に銃剣を咥えさせ、立ち上がった准尉は軍刀を鞘から引き抜く。
彼らをあざ笑うかのように敵の銃弾が地面を抉った。幾人かの兵が弾を受け、泥に顔をうずめる。
森からの銃火が一瞬止んだ時、准尉は再び叫んだ。
「突、撃!」
***
分厚い唇に黒い肌を持つ教官は眉を顰めて、自習室で唸っている教え子の一人を見つめていた。
少女が取り組んでいる補習課題は、有翼機兵に必須となる慣性航法技術とパッシブソナー探知についてだ。11番と呼ばれているこの少女は、それが大の苦手だった。
叱り飛ばすにも無理があった。相手は齢6にもならない少女なのだから。
空軍勤務服の少女に、異国育ちの教官はできるだけやさしく諭した。
「立ち止っていては、先に進めないぞ」
「そんなこと言ったって……もういやだよ」
少女の投げやりなギブアップ宣言を聞いて、航法教官は分厚い唇に笑みを浮かべた。
やさしさに少しばかり意地悪が混じり合う笑顔。
「そうか。なら冬の星座の特別講習はお預けだな」
そう言うや否や、少女はいきり立つ。
「なにそれ!教えてくれるって言ったじゃん!」
「私は、勤務成績が良ければ教えよう、と言ったはずだぞ? 鳴浜兵長」
と教官が言うと、鳴浜兵長は悔しそうに唇を曲げて黙り込む。
教官は続けた。
「全く、星図航法の成績はいいくせにな」
「星は好きだから。いつかあの星たちに近づきたいんだ」
鳴浜兵長はへの字口のまま言った。
瞼を細めて、教官は小さくつぶやいた。
「そうだな、私も星の世界が大好きだった」と。
教官の言葉は、少女の耳には届かなかった。
***
ロケットサイロの入口まで辿り着いたクシェネルは、大きく息を吐きながら倒れ込むようにして地面に座り込んだ。
放射線に焼かれたこの男に余命はもう残されていない。
シダや野稲が茂り始めている禿山からは、干上がった天竜川と半壊した遠州市街が見渡せた。
数十年にわたって続いた最終戦争は、やっと終わりを迎えようとしている。
次に、クシェネルは夜空の星々を見上げた。
天井の喜悲劇を思い起こしながら。
二十一世紀が終わりを告げた頃だった。地球の資源を使い果たした人類は、次に宇宙の世界を目指した。
そして、月や火星で多くの人間が奴隷のように働いて死んで、ロケットや宇宙基地を狂ったように建設した。
人々は超光速航行による植民に賭けた。
なぜならその行為のみが破滅の未来から、子供たちを救う唯一の未来だと信じていたから。
その間、世界政府がぶくぶくと富を集中させてゆくことを知らずに。
しかし、夢はいつか必ず醒めてしまう。
欺瞞ばかりの世界は、一つの証明が告発されたことによってたちまち泡のようにはじけて消えた。
『いかなる原理をもってしても生命は超光速航行を行うことはできない』
たちまち、人を殺すためだけの戦争が始まった。
幻想で人々を騙し、多くの人類を奴隷にしていた支配者たちは、奴隷の怒りに殺された。
月の植民市、宇宙マスドライバー、火星の採掘基地、世界のあらゆる都市は、純水爆の業火に消えた。
かつて、宇宙飛行士の卵たちが育った揺り籠はいつしか、純水爆弾道ミサイルサイロへと醜く変わり果てていた。
この空間を、再び蘇らせるためにクシェネルはあらゆるものを投げ打った。
それが、生き残ってしまった宇宙飛行士の最後の使命だったから。
新妻の教えてくれた、やさしくせつない謡歌をクシェネルは思い出した。
名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実ひとつ
故郷の岸を 離れて
汝はそも 波に幾月
思いやる 八重の汐々
いずれの日にか 国に帰らん
このまま、人類の叡智はエントロピーに飲み込まれて、キップルとして朽ち果ててゆくのか。
なぜ、人は目先の欲望に取りつかれたまま、星の果てへ辿り着けない。
それが定めと言うのか。
違う。クシェネルは短く叫んだ。
俺は、いつか人類が愚かさとあの方程式を打ち破って、宇宙の果てを超えることを信じている。
それがたとえ幾千万年もの歳月をかける挑戦であろうとも。
再び世界が元通りになるまで、人類に残された最後の希望は、このロケットサイロと、娘の遺伝子の奥深くで眠り続ける。
この思いは、俺のエゴなのかもしれない。
だれに語りかけるでもなく、クシェネルはつぶやいた。
「重荷を背負わせてしまってすまない。エリス、幸」
***
夢はいつしか終わる。
そして、夢から覚めた人は命尽きるまで艱難と再び立ち向かうのだろう。
己の使命を胸に抱いて。
STAY HEROES
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どうも。超御無沙汰しておりました。 SFライトノベル14.5(?)話となります えーとですね、コマンドプロンプトはタイポグラフィ表現なので超適当です…やってみたかったんすよ あと、挿絵は今回のお話と関係ないですはい 投稿一覧 http://www.tinami.com/search/list?prof_id=40636 一話→http://www.tinami.com/view/441158 さてさて、投稿作もバイトも一段落したのでとりあえずSTAYHEROES!を再開しようと思っております ただ、次の新作を書き始めてるのでペースはどうなるのやら… とはいえ必ず完結させるつもりなので気長にお待ちいただければ幸いです ではでは http://www.tinami.com/view/659502 ← 前 次→ http://www.tinami.com/view/805457 |
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