九番目の熾天使・外伝 -蒼の物語- |
戦姫編 第四話 「接触」
= ??? =
白い世界がある。
其処には誰も居ない。
しかし、『何か』は居た。
「・・・・・。」
その何かは人であり人でない。
その何かは一人でに話し始めたのだ。
「接続については僕もわからない。実際に『ココ』は解らない事だらけだ。」
嘘を言うな。と誰かが言った。
何かは軽く笑ったような感じで答えた。
「そうでもないよ。僕も長い間ココに居るけど、彼女達の行動で自分の見た範囲が狭いと知った。」
随分と謙虚ね。と誰かが言う。
其れに対し何かは肯定する。
「そうさ。僕は其処までの人間じゃない。少なくとも今は。」
誰かは言うのをやめた。そして、何かは何かを感じ、別の場所を見る。
しかし、其処も白い世界だ。それでも彼には見えていたらしい。
「・・・門を開ける気かい?残念だが・・・あの世界に君達にとってプラスになるものは無い。ただ・・・彼女はわからないけどね。」
何かではない。誰かではない。
名前がある。
Blaz「・・・何だココ・・・司令室?」
鈴羽「のようだね。」
Blaz達は奥に進み、とても広い一室に入った。
其処は司令室の様な場所でBlaz達は周りを見回した。
残骸などから見てどうやら何も手は付けられていないらしい。
Blaz「・・・。」
鈴羽「周りから察するに・・・手は付けられてないみたいだね。」
Blaz「だな。となると、機材の一つや二つ・・・」
「残念だが、それは見せられんよ。」
Blaz「ッ!!」
鈴羽「貴方はッ!!」
誰かを見て二人は戦闘体勢に入る。
其れは其処に居たのが敵だったからだ。
Blaz達にとっての最悪の敵の一人。
レリウス「久しぶりだな、蒼の死神。」
Blaz「テメェ・・・・レリウスッ!!」
レリウス=クローバー。
蒼の世界に居た科学者で次元素体を作り上げた男。
その中にニューも入っており、旅団の中にももう一人知っている者も居る。
レリウス「・・・貴様達二人だけか。」
鈴羽「レリウス博士・・・どうして貴方がココに居るんですか!」
レリウス「・・・・・答える義務は無い。」
鈴羽「・・・・・まぁそうなるよね・・・」
Blaz「だったら・・・テメェに直接聞くまでだ!!」
大剣を抜き、Blazはレリウスへと斬りかかる。
しかし、一瞬にして彼の前にはイグニスと言う人形が現れ、Blazの攻撃をガードした。
イグニスは、その長く伸びる爪でBlazを斬り返し、数撃ほど反撃して距離を取らせた。
Blaz「ちいっ・・・!!」
レリウス「残念だが。今は貴様等に構っている暇など無い。」
Blaz「っ・・・どういう・・・・!」
レリウス「イグニス。」
刹那。レリウスはイグニスに命令し、その場を破壊させ始めた。
それによって砂煙などが舞い散り、Blaz達は視界を奪われてしまった。
このまま何処からか不規則な攻撃が来る。
今までの戦いからの経験からBlazは鈴羽と背中合わせになる。
鈴羽は棍を持ち、Blazは大剣を構えていた。
だが。
レリウス「また合おう。蒼の死神。」
Blaz「何っ!?」
しかし、レリウスは戦う気は無かった。
直ぐ様転移し、その場から姿を消したのだ。
始めから戦う気は無かった。寧ろ、逃げるまでの準備と時間稼ぎを間に受け止めていたのだ。
我ながら恥ずかしい事だ。
Blaz「くそっ・・・!」
だが、それでも逃がしはしない。
Blazはレリウスが居る場所に向って走った。
その場にレリウスがまだ転移する前だと信じ。
しかし。レリウスの姿は既に無かった。
塵と砂ホコリだけが残り、廃墟だった場所は更に廃墟となった。
Blaz「・・・・・・。」
鈴羽「逃げられた・・・・!」
Blaz「何だってんだ・・・アイツ・・・・!」
その頃。市街地ではアルトが一人ストリートを歩き、ニューを探していた。
未だに出会えないニュー。
そういえばと思い、ニューの迷子での出来事を思い出していた。
アルト「思えばあいつって・・・スゲェスピードで迷子になるんだった・・・」
クロガネ艦内で過去に10回ほどあったニューの迷子事件。
そして、行く先々でもニューはその世界で迷子となって厄介ごとを引っ下げて戻ってくる。
日常茶飯事と言えばどうかと思うが、今ではいい思い出だ。
アルト「思い出・・・かぁ・・・」
思えば色々とあった。
この世界で死に。
生きたいと我が侭を言い。
彼にそれを読まれ。
再びこの世に戻った。
そして、今までとは違う力を得た。
自分を守るため。自分を大切にした仲間の為に。
それでも彼女は忘れない。自分が好きな事を。
歌う事を。
アルト「・・・・・・・さて。何処を探すか・・・」
アルトはそう言って再び歩き始めたのだった。
更にその頃、ニューは響と未来の三人で観光タワーの展望フロアに居た。
子供っぽい考えだが、ココから探して見ようと言う考えだったのだ。
だが、それはあくまで見つけられればの話し。
だからコレは建前だったのだ。
響「もしもし師匠。私です、響です。」
『ん?響君、珍しいなそっちから連絡とは。』
響はニューを未来に任し、少し離れた場所で連絡を取っていた。
相手は彼女が「師匠」と呼ぶ人物。彼女を鍛え上げた人物だ。
『何かあったのか?』
響「・・・実は・・・・」
その時。響は硬直してしまった。
突然の事で、何が起こったのかは解らない。
だが、この締め付けられる様な感覚か何だ?
何かに縛られ、動いたら死ぬ。
そんな感覚が響の中を支配していたのだ。
『どうした・・・響君!?』
響「・・・・・!」
しかし、師匠と連絡をする為の通信機がゆっくりと取り上げられた。
其れを見て響もゆっくりと顔を上げる。
其処には、黒いスーツを着た男が一人立っており、響に対して笑みを浮かべて彼女を見ていたのだ。
「・・・しー・・・」
男が人差し指を出して「静かに」と言う素振りを見せる。
そして、それと一緒に通信機の電源を切り、足元に落とすと、それを足で粉々に砕いた。
未だに恐れが支配する。
どうするべきかと必死に考える。
だが、結論は一つだけだった。
黙って従う。逆らえば殺される。
「・・・お利口様です。」
響「・・・・貴方は・・・一体・・・・」
「・・・・・・・Need not to know。」
男がそう言い、バターナイフを手に持ってゆっくりと響に近づける。
響は叫ぼうとしても叫べない。動こうとしても動けない。
まるで、バジリスクの目の様に。見てはいけないものを見てしまった様な感覚で。
しかし。
刹那。突如展望フロア一帯が爆発し、同時に揺れる。
それに響も男も驚き、何が起こったかと慌て、焦っていた。
響「っ・・・何っ!?」
「っ・・・クソが・・・あの人形共か!」
男はそう言い、その場を後にして急いで爆発があった場所に行く。
其れを少しの間、唖然として見ていた響だったが、やがて我を取り戻し、男と同じ場所に向かって行ったのだ。
響「未来ッ・・・!」
展望フロアは既に混乱状態だった。
一般人は逃げ惑い、未来も何が起こったかと慌てている。
しかし、ニューは動じていなかった。
その理由は彼女が知る原因だったからだ。
ニュー「・・・量産型次元接触素体と認識。総数3。」
量産型の次元素体。その三体がニューの前に居た。
量産理由が不明な量産素体。何故、彼女達を作ったのかは不明だが、その実力などは恐ろしいものだ。
量産素体「対象を認識。元・対三輝神用試作コアユニット No.12.5タイプと認識。」
ニュー「・・・・・違う・・・ニューはニュー・・・もう違う・・・」
量産素体「・・・不明。不明。回答・意味不明。」
量産素体「対象の排除を決行。これより対象の排除を行う。」
未来「えっ・・・!?」
ニュー「っ・・・!」
「馬鹿が・・・こんな時にややっこしい事にしやがって・・・!」
刹那。二度目の爆発が起こる。
男は爆発を見て舌打ちをし、その場に急いで向った。
すると、其処には未来と量産素体を残し、一部の足場がぱっくりと無くなっていたのだ。
「・・・・・・・チッ・・何してやがんだよ、このポンコツ共が!!」
未来「ッ!貴方は・・・・・」
量産素体「・・・対象の消滅・・・確認せず。」
量産素体「対象の生存を確認。」
「あ?まさかあの爆煙の中を防御壁だけで・・・・・」
ニューは無事だった。
だが、今は鉄の棒一本が彼女の命綱となっている。
爆発の所為で足場は崩壊し、どうにも出来なかった。
其処にあった、破壊されたことによって浮き出た鉄の棒に掴むと言う事を除いて。
ニュー「うっ・・・にゅぅ・・・・」
「ったく・・・しぶとい失敗作だぜ・・・だが・・・そろそろお前も十二も面倒だ。片っぽだけでも消させてもらうぜ。」
未来「っなっ・・・!?」
男がそう言い、「殺れ」と言う合図を量産素体たちに送る。
量産素体たちはゆっくりとニューの居る場所に近づいていき、彼女にトドメを刺そうとする。
其れを見て未来は止めようとするが、男が立ちはだかり、彼女を見下すような目で見ていたのだ。
「残念だが・・こっから先は関係者以外立ち入り禁止だ。」
未来「そんなっ・・・子供を殺す気ですか!?」
「残念。アイツはガキの様なアレだけど実はガキじゃねぇんだよ・・・!」
未来「えっ・・・・」
「ま。テメェみてぇなガキが知る事でもねぇけどな。ククククク・・・・・」
ニュー「・・・・・!」
量産素体「任務実行。第12.5素体の破壊を決行する。」
今ニューが上に上がっては確実にやられる。
だが、下に行こうとしても下は無い。
手を離せば確実に落ちる。
量産素体「攻撃開始。」
しかし、量産素体は待つことはしない。
術式を展開し、ニューに襲い掛かった。
このままニューは落ちて死ぬ。
だが。
何と、ニューは突如自分から手を離したのだ。
「何っ?!」
未来「嘘っ・・・!?」
ニューは宙を舞い落ち続ける。
そのまま行けば地面に激突して死ぬ。
血迷ったのか?
男はそう思ったが、この時やっと気づいた。
自分から手を離した理由。それは。
ぱふっ
ニュー「アルトー♪」
アルト「ったくよ世話焼かせやがって!」
手持ちアンカーを使い、ターザンの様にしてニューを抱きかかえたアルト。
そのままニューを抱えて別のビルの屋上に着地したのだ。
其れを見て男も未来も、遅れてやってきた響も驚く。
しかし、驚く理由はそれぞれ違う。
「何故アイツが何時の間に。」
「あの人は一体誰なのか。」
「やっぱりあの人だったのか。」
量産素体「・・・敵対象増援を確認。対処を検討・・・」
「ッ!!全機止まれ!攻撃中止だぁ!!」
量産素体「・・・・・・了解。システム停止。指示待機状態に移行します。」
「ったく・・とんだポンコツだぜ・・・・それに・・・・・」
アルト「・・・ニュー。ココから離れるぞ。」
ニュー「うにゅ。」
アルトはニューを下ろすと、そのまま屋上から二人揃って姿を消した。
其れを見て男は舌打ちをして追跡を諦めた。
これ以上騒ぎを起こせば面倒になるからだ。
「ちっ・・あの女・・・・撤収するぞ!あいつ等を追え!」
量産素体「了解。」
素体達は転移し、男はアルト達が逃げたほうを見ていた。
そして、苛立ちが一旦治まったのか、軽く息を吐いて響達の方へと振り向いた。
「さてと。ココで見た事は他言無用でお願いしますね。でないと・・・貴方達を殺さないといけませんから。」
響「っ・・・・!」
「それではまた会いましょう。
“ガングニール”の奏者さん。」
響「ッ!?どうしてそれを・・・・・」
次の瞬間。男は量産素体と共に姿を消した。
と言うよりも転移したのだ。
一瞬の出来事に二人は呆然していた。
何がどうなっているのか解らなかったからだ。
だが。たった一つ分かる事はあった。
それは。この街で、再び何かが起ころうとしていたのだ。
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現れた敵。そして仲間達。 イメージソング OP3「vitalization」 戦姫絶唱シンフォギアGより ED3「only one No.1」 アニメ:デ・ジ・キャラットOPより |
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