IS レギオン 11話
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第41話

 

さて、ここハワイ州オアフ島には、企業関係者も多数出席する為に専用のエリアが設けられていた。その中には、某有名会社も国際色豊かにあったが、それぞれがそれぞれも思惑が交差していた。もちろん裏社会の人達も集まってきており、リムパック前に各国の企業、裏社会間のスパイ,抗争合戦が繰り広げられていた。

 

 そんな中、D&Aindustry(Dunois AND Alcott industry(日本名 デュノア & オルコット インダストリー))のイギリス・アメリカ方面代表取締役であるマクレーン・オルコットとその愛娘である、セシリア・オルコットとその専属メイド2名と共にプライベートジェットでオアフの地に降り立った。

 

 「お父様、今回はどのような用事で私と一緒に来てますの?」

と幼いセシリアが父に聞いてみた。すると父は、優しくセシリアの髪を撫でながら、

「ああ、この地で新しいビジネスを始めようと思ってね。その視察が表向きだが、本当は、久しぶりに二人でのんびりと旅行したいからな」

と優しい笑みが太陽に反射して輝いていた。すると、メイドの一人が

「ええ〜、マヤもセシリアと遊びたい」

と、赤ずきん風のメイド服を着た少女が、ごね始めたがもう一人の眼鏡を掛けた本格的なメイド服を着た女性が、

「こら、マヤ。はしたないですよ。私たちは、オルコット様の護衛も兼ねているのですよ」と掛けていた眼鏡の弦をクイッと挙げて、怪訝そうな声をかけた。

「ありがとう、レパルス、マヤ。でも、おまえたちもあまり無茶をせず楽しんでほしいんだよ。それに、他にも来ているんだよね」

とマクレーンは、メイドの二人に感謝を述べた後、優しく聞いた。

「さすが、旦那様ですね。ええ、他にもヴァンが居ますよ」

と、レパルスは降参しました。という風に本音を言った。

 

 「お父様、迎えの車が来ましたよ。早く乗り込みましょうよ」

とセシリアが小走りに迎えの車に向かっていく中、マヤが、

「ああ〜、待って下さいよ〜。お嬢様」

と追従するようにマヤも小走りに向かっていった。

「やれやれ、お転婆に育ってくれたなあ、わが娘は。さて、迎えを待たせては不味い。では行くとしようか。レパルス」

「はい、旦那様」

と優しい慈愛に満ちた笑みを浮かべながら、レパルスと並んで送迎車に歩み寄った。

 此処で補足するが、此処に出て来た。マヤ、レパルス、ヴァンの三人は、それぞれ、高雄型3番艦摩耶、レナウン級2番艦レパルスであり、霧の艦隊のメンタルモデルである。但し、ヴァンは正式名称アドミラルティV級一番艦である『ヴァンパイア』である。

 其々の立場の人たちが、其々の宿泊場所に宛がわれたホテルに向かい、今夜行われるそれぞれの立場の人が一堂に会い見えるレセプションパーティーに出席するための準備をしていた頃、ハワイ諸島沖合約10キロにある無人島に目を向けてみる。

 

 

 その島は、完全な無人島であり、元々米軍が射爆場にする予定だったが、その島には、ある種の強力な磁場を発する鉱石が多数埋積してあり、その影響は、軍民問わずの電子機器を混乱させるために、米軍すらも手が出せない状態だった為に手つかずのままに放置されていた。その島にある日本人が足を踏み入れていた。

 

 「へー、「天災」は、こんな処に居るんだ、ありがとう、『ミッドナイト・ギャオス』」

と木々の間の枝で休んでいた一匹の異形な鳥に少女が話しかけた。そう、この「ギャオス」と言われた鳥は昨年、姫神島の住人を捕食した後に生まれた第二世代ギャオスの一匹であった。

 

 「ミッドナイト・ギャオス」と言われた怪鳥の特徴は、大きく分けて3つあった。

 1つ目は、何と言っても第一世代よりも格段に大きくなった目と鼻と耳であった。其の目に見える範囲は、日本の東京の中心からほぼ関東一円を詳細まで見分けること出来る。また、昼夜問わずという事も挙げられる。また、耳の聴覚も同様であり、日常的な会話などは、普通に聞こえることも挙げられ、鼻の嗅覚は、犬や猫よりも多様劣るくらいである。

 2つ目は、背中の背骨に沿って、巨大な突起物であった。その突起物から、あらゆる電波・電子機器内のあらゆる波長(一部例外あり)に対してのジャミングと盗聴をほぼ同時に行える。範囲は、大体15キロから20キロ半径である。

3つ目は、これらを自在に扱える為に、脳が背骨の中間にもう一つあると言う事である。その処理速度は、人間2〜3人の最大処理(一応人間の脳は、ある種のリミッターがあり、それを外すことでスパコン以上になるとされています。)速度を優に超える。

 

 暫く、少女が歩いていると、開けた場所が現れ、そこに目当ての女性がいた。

「今日は、「篠乃之 束」さん。」

とニッコリと少女は挨拶したが、本人は、

「誰かね、話しかけてもらえないかな〜。邪魔だよ、死んでほしいな」

と此方を見ずに,強烈な言葉を吐いた。

「家、出来れば此方を見て欲しいのですが」

と言うと、「仕方ないな〜」という風に束が顔を向けた。

 

 そこには、常夏の島には合わない高校の制服に身を包んだ少女がいた。

「どうも、初めまして。私の名前は、「園田 海未(そのだ うみ)」と申します。音ノ木坂学院の2年です。どうぞお見知りおきを」

と黒いロングヘヤーと制服を靡かせながら、お辞儀をした。

「で、何の用?」

と余り興味が湧かない束は,面倒臭そうに聞いてみた。

「いえ、すぐに終わらせますから手間を掛けませんよ」

と言った瞬間だった。

 

 制服がだった物が突然変化した。いや、元々制服に偽装を解除したという方が良いかも知れない。それは、長く太い2対の触手の間の膜だった物であり、それが仕舞われた後に、全くの違った身体を見せていた。

 

 

 背中から2本ずつ計4本生えている伸縮自在の触手、両腕の鋭利な槍状の手甲、部分的に発光する胴体、背面の四枚の翼状の突起などの特徴があった。

 

 「おおう、たまげたね。束ちゃん驚いちゃった。でもその身体、本当にあなたなの?」

とあまり驚いたという雰囲気はなく,逆に質問した。

「ふーん、やっぱりばれちゃったか。さすが、天災」

と園田が言いながら、園田だった物から本物に移り変わった。髪が短く、淡い水色になり、本物の「更識 簪」に変化した。

 

 「やはり、一年前に襲った沖縄の修学旅行生達の何人かのDNAを取り込んだけれど、やはりばれましたか、残念です。しかしながら、あの学生たちの怯え顔は良かったですね。特に、生徒会とか言われる3人はすごく良かったですね。そして、美味しく戴けました。ああ、心配せずとも、残り物はちゃんと残さず綺麗にしましたよ」

とウットリとしながら簪は喋った。

 

 「それで用件は何かな?」

と今までの簪の言葉を無視するかの如く束は聞いた。

「はい、貴女のDNAを貰おうと思いましたが、どうもあなたの中に特殊な機械が入って入るようですし止めました。でも貴女には、居ては困りますから死んでください」

と言うや、鋭利な槍のような触手を射出した。

 此処に、天災vs邪神の火ぶたが切られた。

 

 最初に仕掛けたのは簪だった。簪は、背中から延びる2対の触手の先端の槍を高速で時間差を付けて、軌道を読まれないようにして束を包み込むようにして射出したが、束は、

「よっと」

と言うように近くの木の上に飛び移り、

「なかなかだねえ。でも、束ちゃんには、丸解かりなのだよ」

と言って挑発した。

 

「なかなか、やりますねえ。でも、これなら如何でしょう」

と言うや、次の手を打った。それは、ほぼタイムラグ無しに次々と触手を束の元に集中を狙った。その結果、次々と打ち出された触手槍を束は、木々を飛びながら、紙一重に避けていった。

 

 暫くその攻防が続いたが、遂に束が小さなミスをして、地面に降りた。その瞬間を狙ったように簪は、地面を思いっ切り蹴り、高速移動をして、手槍を繰り出した。

 

 「隙やり、左腕貰った!」

と言うや、束の左腕が、ザンッというや、空に舞った。そして,ボトと腕が地面に落ちた。

 

 それを見た束は、そんなに驚いたと言う事は無く。

「あらら。よくも、飛ばしてくれたね」

と言うや、無くなった左腕を見た。不思議な事に大量の血がボトボトと流れ落ちて、地面に血の池を作り出していた。それを見ていた多数のギャオス達が騒ぎ出したが簪が、

「少し静かにして」

と小声ながら、ドスの利いた声を出して、騒がしかったギャオス達が一斉に静かになった。

 

 そして、簪が、

「これで止め」

と言おうとした時、其れは起こった。

 

 地面に血の池を作っていた物が、まるで逆再生するように束の失った左腕に向かっていき、さらに地面から、細々とした小さな塊が大量に溢れ出していき、失った左腕を再生していった。そして。それを見た簪は、暫く呆然としていた。

 

 簪が、茫然としている時にも次々と束の左腕を形成していった。そして、遂に完全に元に戻った。

 

 「堂々、ビックリした。束ちゃんは、少し自分の身体を弄ったのだよ。今では、其処らの人間以上だよ」

と再生した左腕を伸ばしたり縮めたりとしながら、胸を張った。

 

 「本当に、人間ではありませんね。化け物ですね」

と呟いた。すると束が、

「あらあら、よく言うね。貴方も私以上の化け物でしょ」

と言った後、

「でも、ちょっと束ちゃんいらいらしちゃったから、本気で叩き潰してやるよ」

と言った後、今まで着けていた機械的なウサ耳のカチューシャを外した。

 

 すると束の髪が今までの派手なピンクから真っ白な紙の色に変化し、身体つきもほっそりと背が少し伸びており、頭頂部に猫耳が生えた。

 

 「お前が、ご主人様を苛付かせてるのかにゃ」

と、束らしからぬ人格が言うや、人間以上の瞬発力を駆使して、簪に飛びかかった。

 

 さあ、2回戦目の始まりだ。

 

 猫(ネコ)ネコ目(食肉目)- ネコ亜目- ネコ科- ネコ亜科- ネコ属に分類される小型哺乳類であるイエネコ(学名:Felis silvestris catus)の通称である。非常に運動神経と聴覚が鋭く、特に対象の動きを捉えることを得意とする。8m位の距離ならば人間の顔を識別することが可能である。 20m以内のものであれば、じっと見ることによって距離感をかなり正確に測ることができる。また、

ネコの五感で最も優れているのは聴覚である。可聴周波数は60Hz - 65kHzとされ[14]、イヌの40Hz - 47kHz、ヒトの20Hz - 20kHz に比べて高音域に強い。これはネズミなどが発する高音に反応するよう適応したためと言われている。耳は片方ずつ別々に動かすことができ、異なる方向の音を聞き分けることができる。そのため、指向性が強く、音源の場所をかなり正確に特定することができる。音の聞き分けの能力も高く、例えば飼い主が帰ってきた足音を判別することは簡単にできる。

 

 何を言いたいかと言うと、今の状況は、一枚ほど束が有利だと言う事だ。

 

 「行くにゃ、行くにゃ、行くにゃ」

と言いながら、周囲の木々を巧みに利用しながら、しなやか且つ高速で簪の方に向けて、攻撃を加えようとしたが、簪も黙ってやられる訳ではなく、今まで密かに地面に潜り込ませていた2対の触手槍による奇襲攻撃を加え、束が次に飛び移ろうとした木々を破壊した。

 

 しかしながら、束は、自身の運動神経と猫の洞察力などを駆使して、きれいに地面に着地し、瞬く間に簪の近くまで距離を縮めていき、鋭く尖った左右5本の爪を使い、突き刺すように向けていったが、簪は、自身の触手を素早く戻して、自身の近くに触手を地面に突き刺して壁を作った。

 

「おっと、危ないにゃ」

と言いながら、簪の周りの触手槍から放たれた光線(超音波メス)を紙一重に避けたが、その放たれた光線に当たった木がきれいに真っ二つに斜めに切れていき倒れた。

 

 「良く避けましたね、少し残念で。ほんとうなら、今頃胴体と頭がお別れしていた頃なのに」

と周りの触手槍を不規則に動かしながら、その光線をぎりぎりで避けていた束に言った。すると、束が、

「そんにゃことは無いよ。そんにゃ攻撃、私の聴力があればその攻撃の光線音くらい聞けるにゃ」

と近くの木の枝に飛び移りながら余裕を持ちながら束は堂々と言い切った。

 

 「それなら、この攻撃はどう?」

と言った後、簪の背後から延びる触手を不規則に動かしながら、束に向かってある特殊な波長を出す音波を発した。すると、その攻撃を直に受けた束は、最初余り変化を受けていなかったが、暫くすると、束がフラフラし始めた。

 

 「にゃ?なんか変な感じだにゃ、風景が歪んでいくにゃ」

と言った後、木からすべり落ちるように落下した後に上手く立てなくなっていった。すると、それを見た簪がほくそ笑むように喋った。

「ふふふ、如何かな、さすがに猫になった後の効果は段違いに聞くのね。天災さんもこれなら上手く動けないでしょ。ネタ晴らしをするとねこれは、音響兵器の一種の『LRAD(Long Range Acoustic Device)』っていう兵器をコピーしたものなの」

と言いながら、次の手で止めを刺すように、再度触手槍を開き光線(超音波メス)の照射準備を始めた。もちろん、束が動けないように触手を地面に貫通させてから一回転両手足を拘束した。

 

 「これで本当にお終い」

と言った瞬間、4本の触手槍からオレンジ色の光線(超音波メス)を束に掃射した。

 

 

 「ボト、ボト、ボト、ボト」

と地面に何かが転げ落ちる音がした。それが、束の両手足であった。

「よくも、よくも、よくも」

と束が憤怒の表情を見せたが、簪は、とてもスッキリと気持ち良さそうにさわやかな笑みを浮かべてこう言った。

「大丈夫。直ぐに楽にしてあげるよ」

と言った瞬間、再度オレンジ色の光線(超音波メス)を放ち、胴体と首を分断させた。

 

 物言わぬ躯と化した束を見て、簪はウットリとしながら、

「これで邪魔者が一人消えた。でも、もう少ししてからでいいや。もっとたくさんの子供たち(ギャオス)を増やして進化させないと、後10年位かな?その後、いよいよ復讐の始まりだよ。ふふふ、うれしいなあ、楽しみだなあ、お姉ちゃん待っててね。最後に殺してあげるよ」

と狂気の笑みを浮かべながら、触手の間から膜を出していき、ギャオス達と共に空に上がった。天には、怪しくも赤く光る満月が照らし出されていた。

 

 

 静かな風が、この殺戮があった場所にフラリと靡いていた。その静けさがある木々の間の月光が差し込んだ影から一人の少女が現れた。

 

 「姉さん」

と影がうまく差し込まれており、顔がよく見えないが、その少女が次に喋った言葉があった。

 

「そろそろ、死んだふりを止めない?」

 

 

壁と爪が衝突する鋭い音を周囲に鳴らし、その衝撃で土埃が舞った。そして、束と簪の両者は距離を置いた。

 

そして、簪が口を開いた

「なかなかやりますね。しかしながら、此方の方が今度こそ勝ちますので、辞世の句でも読んでいて下さい」

「うにゃ?随分とこのガキは、自信過剰だにゃ。こうなったら、殺してやるにゃ。そうすれば、ご主人様も喜ぶにゃ」

と両者が次の手を打つように準備を始めた。簪は、地面に突き刺していた触手槍を前部に展開させていき、2対の触手槍のそれぞれから延びる先端部分を開いた。一方の束は、地面に這い蹲る様に身をかがめ、スタートダッシュの準備をし始めた。その時、束の口が開き、其処から見える歯が鋭く尖り始め、肉食獣の様になり、ナイフのように両手から延びる爪も随分と鋭く左右それぞれの指が変化していった。

 

 

 そして、周りはシンと静まり返り、木々の擦れる音すら無く、まるで個々の島全体の空気が止まったという感覚に陥りそうだったが、木々の葉から落ちて流れ落ちる一つの雫が地面に向かって落ちていき、ポチャンと小さいながらも地面から跳ねた音が聞こえた時、束が、今まで以上のスピードで簪に向かっていった。

 

「これで終わりにゃ!」

という風に、爪と牙を突き出して向かっていったが、簪はあわてずにその場に立っていた。

 

 すると、簪の触手槍の開口部の周囲から超低周波が流れ始めていき、それが、収束しながら超音波波長に変化していき、周りの空気が振動を始めた。するとその音波が再s校長に達した瞬間、触手槍の展開部分からオレンジ色の鋭い光線を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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只今、自分は、欧州を離れ現在中東のアラビア海に面した所にいます、理由としては、義足の現地環境テストです。
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