【獣機特警K-9UG】遠い海【非交流】
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夏休み。ファンガルド星で寿司職人を務める正見松男は妻の栄子と息子のハヤテを伴い遠くドラコニア星の漁師町・ドビーズタウンに遊びに来ていた。

 

「海だ!海だ!」

「でもいいのかな?大将置いてここに来るなんて…。」

「大丈夫よ。お父さんは「たまにはハヤテを遊ばせて来い!」って言ってくれてるんだから。」

「そうか。そうだね。じゃあここは仕事を忘れてのんびりしようか。」

 

などと言っていたのだが…

 

「おお!さすがドビーズタウン!こんなに新鮮な魚が…。それにこんな魚ファンガルド星では見られないぞ…。」

 

松男はまず街の食料品店の店先に並ぶ新鮮な魚介類に目を奪われ、海へと向かっているはずの足が止まってしまう。

 

「父ちゃん、海…。」

「後にして。」

 

それでもハヤテに引っ張られるようにして一家は海に到着した。

 

「やった海だ!」

 

ようやく目の前に広がったきれいな海に喜ぶハヤテ。

 

「じゃあ泳ぎに…ん?」

 

しかし、松男はちょうど今海から上がってきたばかりと思われる若い海女に目を奪われる。

 

「ちょっと待って!すみませーん!」

「はい?」

 

海女は捕ってきたばかりの魚をクーラーボックスに移していたのだが…

 

「こ、この魚はまさかドラコニアクエ?」

「そうだけど?」

 

ドラコニアクエは刺身を食べた者が「忘れられない味」と口を揃えるほどの美味で知られる魚なのだが、あまりにも鮮度が下落しやすいことから他の星ではおろかドラコニア星の都であるウィバーニアでも生食用は滅多に出回らない。

 

「こ、これ売って!今すぐ売って!」

「いいわよ。こんなのうじゃうじゃ泳いでるし…。」

「あ、あとお米とお酢売っているところ知らない?それから台所貸してくれるところ!」

 

どうも松男はドラコニアクエを寿司にしようとしているらしい。

 

「父ちゃん、海…。」

「松男君、ハヤテが泣きそうなんだけど…。」

「後にしてえええ!」

 

ドビーズタウンに即席の寿司屋が開業するまでそれほど時間はかからなかった…。

説明
仕事を忘れてわざわざ異星の海に遊びに行ったのだが…。

話の元ネタは「じーばーそだち」という4コマ漫画から。

ちなみに「ドビーズタウン」の名は中日在籍歴のあるMLB殿堂入り野球選手のラリー・ドビーから。

父ちゃん:http://www.tinami.com/view/671973
母ちゃん:http://www.tinami.com/view/671740
息子:http://www.tinami.com/view/672932
海女:http://www.tinami.com/view/704830

http://www.tinami.com/view/705250に続きがあります…。
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コメント
便利な世の中ですね。でもそのおかげでSSも書きやすいです。(ノエルザブレイヴ)
基本的に、他の星の人たちが数日間の出張出きるのもワープのお陰だったり。宇宙列車もまたしかり。(古淵工機@スマホ)
古淵工機さんの「ワープ航法」というお返事が「異星への旅行」のヒントになりました。 (ノエルザブレイヴ)
未来世界ではバカンスも外国どころか他の星が当たり前に。それにしてもこんな時ぐらい仕事忘れましょうよ若大将…(Ν)
世の中には深海魚の天ぷらとかあるようですし…。>尾岸元さん(ノエルザブレイヴ)
一生に一度出会えるかどうか分からない魚を握りたくなり…。>古淵工機さん(ノエルザブレイヴ)
元々はそのつもりだったのですが、つい血が騒いだようです。>Abstain companyさん(ノエルザブレイヴ)
松男さんを水族館に連れて行ってはいけないwww(尾岸 元)
これも寿司屋の性ってやつか…(古淵工機@スマホ)
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