一刀「ふぅ???……………」

一刀は宝鈴を殴ったほうの右手を見て再び握りしめた

一刀「まだまだ…………こんなんじゃ満足しないぞ」

ｷﾞｭｫｫｯ!!

于吉「勿論です、宝鈴は生かしておく訳にはいきません

私達のこの手で倒さなければなりません」

ｷﾞｭｫｫｯ!!

于吉と一刀は二人して気を溜め始めた

一刀「まぁ、でも気分はさっきより晴れ晴れとしてるよ

一発殴るだけでもこんなにスッキリするんだな♪」

于吉「それはよかったですね」

一刀の発言に于吉は満面の笑みで答える

于吉「(それにしてもここまで強くなっているとは驚きを隠せませんね

最初は人を束ねる器を持っていただけで武力とは程遠い戦闘力でしたが………

今では誰よりも強い戦士になっているなんてね)」

于吉はそう思いながら微笑んでいた

一刀「さて…………鬱憤を晴らしに行くかっ!!」

于吉「そうですねっ!!」

一刀と于吉は宝鈴が吹っ飛んだ方へ歩み始めた

宝鈴「ごほっ!!がはっ!!げほっ!!ぐぅっ!!」

宝鈴は砕けた岩の間で膝をつきながら大量の血を吐いていた

宝鈴の真下にある地面や岩は宝鈴の血で真っ赤に染まっていく

宝鈴「ぐっ!!あの下等種族めがっ!!!!

この上級管理者である私の頬を殴り、挙句の果てには吹き飛ばすとはっ!!!

もう許せんぞ、あのクズめがっ!!!!」

宝鈴は顔を真っ赤にして怒りを露わにし、叫び始めた

宝鈴「魔人だろうが管理者だろうが知ったことかっ!!

纏めて全部消し飛ばしてやるっ!!!!」

宝鈴がそう叫んでいると

一刀「そんな事を」

于吉「私達がさせるとでも？」

宝鈴「っ!!?」

一刀と于吉が岩の間から姿を現した

宝鈴「おのれ北郷一刀っ!!!!于吉っ!!!!

貴様等………っ!!!!」

一刀「ようやく本性が現れてきたな…………お前の感情や性格、その全てが真っ黒だな」

于吉「昔の表情ですね、あの野心が剥き出しだった頃の…………」

一刀と于吉が語かけると宝鈴は

宝鈴「黙れクズ共………ゴミ如きの存在がこの私に手をあげるとはいい度胸だ……………

絶望の淵で死ねっ!!!」

ｷﾞｭｫｫｯ!!

今までにない真っ黒で、それでいて真っ赤な『邪闇気』を放出し始めた

一刀「怒りで我を忘れてるな

これなら戦いやすい……………」

于吉「油断は禁物です、相手はあの『幻術の宝鈴』………

どんな『禁止術』を使ってくるか分かりません」

于吉の言葉が言い終わった瞬間

宝鈴「完全に消えてしまえっ!!『消却術(しょうきゃくじゅつ)』っ!!」

ﾌﾞｩｰﾝｯ!!

宝鈴は『黒玉晶』から無数の札を飛ばし出した

宝鈴「その御札触れればもれなく地獄行きですっ!!

さっさと死ねっ!!愚か者共がっ!!」

一刀「誰が死ぬかってのっ!!」

ｼｭﾝｯ!!

ｼｭﾝｯ!!

于吉「言った側から『禁止術』ですか……………全く」

ｼｭﾝｯ!!

于吉は呆れながら『空走』で躱していく

宝鈴「ガラ空きですよ………北郷一刀っ!!『束縛術』っ!!!!」

ｺﾞｫﾝｯ!!

一刀「ん？っ!!ぐっ!!?」

『空走』をして『空立』をしていた一刀は宝鈴の『束縛術』により捕まってしまった

宝鈴「さて、貴方の自由はこの手にあります

何処から切り落としてやりましょうか…………」

一刀「ぐっ!!んぐっ!!」

一刀は宙に大の字に体を固定され宝鈴の目の前まで連れて来られた

于吉「っ!!北郷さんっ!!」

愛紗「ご主人様っ!!!」

恋「…………ご主人様………………っ!!!」

宝鈴「おっと、下手に動くと北郷一刀さんの首が無くなりますよ？」

宝鈴は一刀の首元に『葬爪槍』を近づけた

稟「一刀殿っ!!」

華雄「おのれ卑怯者っ!!それでも管理者かっ!!」

華雄は叫ぶが宝鈴は

宝鈴「いくらとでも言いなさい

さて、どうしてあけましょうかね………」

宝鈴は周りを見回した

状況は一変……………したかに見えた

一刀「……………あのさぁ」

宝鈴「ん？」

一刀が苦笑いをしながら宝鈴に質問するまでは