英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
〜夜・遊撃士協会・レグラム支部〜
「やっぱり、男の子たちは町のどこにもいないか……やっぱり、湖に出たまま戻っていないみたいだな。」
「穏やかで波も立ってないから、転覆の心配はなさそうだが……」
「となると残る可能性は……」
「ふわ〜あ……それじゃ、やっぱあのお城にいる可能性が高いんじゃないのー?
「かの”鉄騎隊”の本拠地、”ローエングリン城”……アルゼイド家で管理しているとはいえ、滅多に人が足を踏み入れない場所だ。何があったのか……心配だな。」
「城の探検をして迷っているか、最悪は魔獣に襲われて死んじゃったかもね。」
リィン達がそれぞれ話し合っているとエヴリーヌは静かに呟き
「そ、それは……」
「――ラウラ、”ローエングリン城”に魔獣は生息しているのか?」
エヴリーヌの推測を聞いたセレーネは表情を青褪めさせ、リィンは真剣な表情でラウラを見つめ
「いや……さすがに魔獣は生息していないし、もし一匹でも迷い込んでいた事がわかったら父上が門下生達と共に駆除しているだろう。」
ラウラは静かに首を横に振って答えた。
「……親御さんたちもかなり心配しているみたいです。今は家の方で帰りを待ってもらっていますけど……」
「とにかく、行ってみるしかあるまい。ボートの手配は済んでいるのだろう?」
「ああ、アルゼイド流の門下生たちが導力ボートを用意してくれている。少々霧が出始めているのが気がかりではあるが……」
「……今は波止場に向かおう。それと最低限の準備くらいは整えておいたほうがよさそうだ。」
「ああ、急ぐとしよう。」
そしてリィン達が出かける準備を素早く終えたその時、セリカ達が支部に戻ってきた。
「……おい、この町の騒ぎは一体何だ?」
「あら?トヴァルさんがいらっしゃいませんね……」
「一体どうなっているのだ?」
支部に戻ってきたセリカはリィン達を見回して尋ね、シュリはトヴァルがいない事に戸惑い、メティサーナは首を傾げて尋ねた。
「あ、セリカ達だ。」
「セリカ殿……!ちょうど良い所に戻ってきてくれて助かります!実は――――」
セリカ達の登場にエヴリーヌは目を丸くし、リィンは明るい表情をした後仲間達と共に事情を説明した。
「―――なるほどな。ならば俺達も子供達の捜索の為にお前達とあの城に向かう。シュリ、メティ、いいな?」
「はい、ご主人様が行く所はどこであろうと付いて行きます。」
「当然だ!それに天使としても、ほおっておけない状況だ!」
セリカの指示にシュリとメティサーナは頷き
「そんな……父上の客人達にそのようなお手を煩わせる訳にはいきません。」
ラウラは戸惑いの表情で言った。
「子爵にはしばらく屋敷に滞在させてもらった”恩”もある。その”恩”を返すだけだ。」
「セリカ殿……ありがとうございます。」
「うわ〜、”嵐の剣神”が力を貸してくれるなんて、滅茶苦茶心強いね!」
セリカの答えを聞いたラウラは目を丸くした後会釈をし、ミリアムは無邪気な笑顔を浮かべた。そしてセリカ達を加えたリィン達は波止場にいるアルゼイド流の門下生に近づいた。
〜レグラム・波止場〜
「どうやら導力ボートの準備はできているようだな。」
「お嬢様……ええ、先程準備が終わったところです。」
「導力ボートかぁ。ちょっと面白そうだねー。」
「ミ、ミリアムさん。」
「……はしゃいでいる場合か。」
興味ありげな表情をしているミリアムを見たセレーネは冷や汗をかき、ユーシスはジト目で指摘した。
「運転は私が引き受けよう。何度か経験があるからな。」
「ああ、よろしく頼む。」
「……お待ちください、お嬢様。やはり……捜索は自分達が!お嬢様の手をわざわざ煩わせる必要はないはずです!」
リィン達がボートに乗り込もうとすると門下生が呼び止めて真剣な表情で言った。
「……案じてくれるのはありがたいが、これも領主の娘としての役目だろう。それにトールズ士官学院・Z組の実習範囲でもある。」
「ああ……そうだな。」
「私達も力をつくさせてもらうつもりです。」
「さっさと見つけて帰ってくるから、心配いらないよ。」
門下生の言葉にラウラは答え、ラウラの意見にリィンは頷き、エマとエヴリーヌがそれぞれ門下生に言った。
「……わかりました。もう何も言いますまい。つい先日にも”城”の見回りが行われましたが、その時は魔獣もいませんでした。そこまで危険はないでしょう。」
「ふむ……そうなのか。確かにあの城の方角からは清らかな”風”を感じるが。」
「”聖域”ほどではないが、あの城から”聖気”が感じられるな。」
門下生の話を聞いたガイウスは不思議そうな表情でメティサーナと共にローエングリン城を見つめた。
「かの”聖女”と”鉄騎隊”のゆかりの地である古城は、清冽な気に満ちているという。魔獣が居つくこともほとんどないから、おそらくは子供達も無事だろう。何かしらの事故にあった可能性もあるが……」
「……とにかく急いで確かめに行かなくちゃな。」
「うん、早速出発しよう。みんな、準備はいいか?」
「ああ……って、このボートだと全員は乗れないんじゃないか?」
ラウラの言葉に頷いたリィンはボートの大きさを見て戸惑った。
「た、確かにこの大きさだと全員は無理ですね……」
「となると何人か待機する事になりますわね……」
ボートの大きさを見たエマとセレーネは考え込み
「えー、ボクは留守番は嫌だよー!」
「我儘を言うな、阿呆。というか貴様はあの飛行できる銀色の人形に乗っていけばいいだろうが。」
ミリアムの我儘を聞いたユーシスがジト目でミリアムを見つめたその時
「―――俺は飛行して向かうから船は必要ない。」
「へ……」
セリカが静かに呟き、セリカの言葉を聞いたリィンが呆けたその時
「―――メティ。」
「わかっている。(聖なる光よ、我が主の翼と化せ!)」
セリカの指示によってメティサーナはセリカの身体に戻るとなんとセリカの背中にメティサーナと同じ白と黒が一対になっている翼が生えた!
「ええっ!?」
「エ、エステルさんのように翼が……」
セリカの背に生えた翼を見たリィンは驚き、エマは目を丸くし、他の仲間達や周囲の人々が驚いている中、セリカは跳躍して空へと飛び立ち
「エヴリーヌも浮遊魔術で行くから船は必要ないよ。」
セリカに続くようにエヴリーヌも跳躍して浮遊魔術で空へと飛び立った。
「………………」
「凄いな。エヴリーヌは翼なしで飛べるのか。」
「一体どうやって飛んでいるのでしょうね?」
その様子を見守っていたリィンは口をパクパクさせ、ガイウスは目を丸くし、セレーネは苦笑しながら呟き
「いいな〜、ボクもガーちゃんの協力無しで自分の力だけで飛んでみたいよ!」
「フフ、人間の我らでは無理だろう。」
興味ありげな表情で二人を見つめるミリアムの言葉にラウラは苦笑しながら答えた。
「フン、なら俺も飛んで行くか。――――アルバレア号!」
「ええっ!?その天馬(ペガサス)はまさか――――”聖獣ラウクソー”!?一体どうやって契約を……」
ユーシスが召喚したアルバレア号を見たシュリは驚き
「飛べ、アルバレア号!」
「ヒヒーン!」
ユーシスはアルバレア号に騎乗し、アルバレア号は翼で空高く舞い上がった。
「ユ、ユーシスまで……」
「え、えっと……ユーシスさん達がそれぞれの移動手段で向かうお蔭で人数も減りましたから、これなら何とか全員で乗れますね。」
その様子を見守っていたリィンは冷や汗をかき、エマは苦笑しながらボートを見つめ
「えっと、その……お嬢様のお知り合いは色々と変わった方が多いのですね。」
「ま、まあな。」
言い辛そうな表情をしている門下生に視線を向けられたラウラは冷や汗をかいて頷いた。
その後リィン達はボートに乗り込んでローエングリン城に向かい始めた。
と言う訳で予想していたと思いますがローエングリン城篇はセリカ達がゲスト参戦です!!そして次回、予告していたリィン4人目の契約キャラが誰なのか判明しますwwまあ、そのキャラはすぐに使い魔にならなく、閃Tの間に契約させる予定です。ちなみに勿論麗しい女性キャラで、スタイルも完璧なキャラですよ(大激怒)
説明 | ||
第180話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
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コメント | ||
感想ありがとうございます 本郷 刃様 リィン達の感覚が段々人外化している証拠ですねww(sorano) この中でおかしいのはセリカとエヴだけですがww(本郷 刃) |
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