真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 五十二話
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「そう言えば、師匠の能力はどのような人達から写し取ったのですか?」

 

突然凪から質問される。

現在リトと恋、音々音、魏一同は中庭でお茶会をしていた。

ちなみにちなみにリトの右隣は恋、反対を季衣、両膝を音々音と流琉で埋めている。

並んであるのはクッキーと紅茶…ただしクッキーのほとんどは恋と季衣が食べたが。

 

「人…って言うのは間違いだな。言うなれば人外だよ。あと異形」

「へぇ。でも気になるわね。どんな異形がいるのか気になるわ」

 

華琳が興味深げに詰め寄った。

…妖術信じないんじゃなかったのかよ、と思うがリトは一応思い出して名前をあげる。

 

「んー…ゼウスのおっさんは斬られた右手投げつけるノリのいいおっさんだし、アー君お人好し大魔王でその部下ってか友達個性ヤバイし、リクオっち百鬼夜行の主だし、山じいちゃん総隊長だし、剣ちゃん戦闘狂だし、ピット君CV.コナンだし、ジンベエ親分魚人だし、ガッシュボウズ最終的に次期王様だし、バラモス普通に魔王だし、ドクロちゃん撲殺天使だし、ぱやたんトラウマものだったし…」

「もういい!もういいからやめて!!?」

 

ぞろぞろとリトの口から名前が出てくる。

その量に若干引きながら華琳は止めさせた。

主要な人物の名前ぐらいしか出していないのでまだまだありそうだ。

 

「言えって言ったのそっちの癖に…」

「気になるって言っただけよ」

「あとは…ああ、ゆかりんの能力忘れてた」

「ゆかりん…?」

「「誰ですかその人!?」」

 

明かに女の名前がリトから発せられ、音々音と流琉はリトに攻めよる。

―――まさか、その人も自分達と同じ…!?

二人は同じことを考え、リトの顔に近づく。

 

「…あー…神に匹敵するニートの妖怪?」

「にいと?」

「働かないで食っちゃ寝する奴のことだよ」

「失礼ね。幻想郷の結界の監視くらいはしてますわ」

「いや、それやらせてるだけだろ。……………………………………」

 

…あれ、何か聞いたことのある声が聞こえたような……

リトはそう思いながら壊れかけの玩具のように声が聞こえた右隣を見る。

するとそこには…空間が裂けたスキマと呼ばれるところから上半身を出している、金髪の美女が手を振っていた。

 

「はぁい♪」

「ゆぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃんんんんんんんんんんん!?!?!?」

 

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「あー…と言うわけで、スキマ妖怪の…」

「八雲紫よ。以後お見知りおきを」

 

叫び声を上げた後、霞に殴られ正気に戻ったリトが美女を紹介する。

美女…八雲紫はリトが紹介すると同時に紫の洋服の端を掴み、優雅にお辞儀をした。

その際、豊満な胸がユサッとゆれ、某妹キャラが目を鋭くする。

 

((胸が……))

「で、何しに来たんだ?」

「まぁ酷いですわ。せっかく会いに来たのに…」

「能力使ってまで来ることかよ。しかもお前、寝てるだろ」

 

寝ている…とはどういうことだろう。

リトと紫以外は頭に疑問符を浮かべる。

それを見かけたリトは確認ついでに説明した。

 

「『境界を操る程度の能力』で夢の中から自分の意識だけ出す。そして実体をほぼ持たない存在で別世界に行ける…これなら消滅しないもんな」

「あら、よくわかったわね」

「仮にもあんたの能力使わせてもらってるからな」

 

昔からの付き合いのようにリトと紫は接する。

茶を飲み、息を少しはくと凪が少し警戒しながら質問した。

 

「あの…八雲殿は、師匠とどのようなご関係で…?」

「ご主人様と肉奴隷」

「ちょっと待てなにいって…ナニイテンダアンタイッタイ!?」

「あ、ちなみにご主人様はあなたのほうよ?私を好きなように調教しても構いませんわ♪クスクス…」

「早く撤回しろ、じゃないと周りのプレッシャーで俺死ぬ!?死ななくても両腕千切れる!?」

 

返答の瞬間からリトの周辺からプレッシャーが溢れだす。

一人は膝をつねり、一人は腕をへし折るほどの力をこめ、一人は剣を構え、一人は弓を取りだし、一人は矛を、一人は双剣を、一人は槍を、一人はベルトを。

そんな中で恋は可愛らしくムスッとした表情でリトの腕にしがみつく。

 

「…………ご主人様…恋のご主人様…」

「あら可愛い。食べちゃってもいいかしら?」

「いいわけないだろ。今度はお前の中粉々にするぞ」

「まぁ怖い。あの時のこと根に思ってるのね」

 

性的か物理的かはともかく、リトはジト目で紫を見る。

だが内容が少々聞きなれないので霞は聞き返した。

 

「あの時…ってどう言うことや?」

「『東方』の世界…こいつの世界に初めて行ったときにさ、こいつに殺されかけた」

「「「ええっ!?」」

「だって幻想郷に異物が入ったんですもの。駆除するのは当たり前ですわ」

「だからって体の器官の九割潰すことないだろ!?あと異物言うな!」

 

九割…そんなに潰されて生きられるのだろうか。

一瞬そう思ったが、周りのメンバーはリトだからしょうがないとばかりにスルーする。

だが純粋にどうかったのか華雄は気になった。

 

「そ、そんな相手に…どう勝ったのだ…?」

「粘った。そんだけ」

「粘っただけだと…?」

「正確には、私が勝てないと思ったからよ。リトの能力は平たく言えばどんな場合であれ、勝てばいいの。だから相手が勝てないと思えば、リトの勝ちになるのよ」

 

そう…リトが異形から能力を写しとる絶対条件は勝つこと、ただそれだけ。

逆に言うと、相手が心の中で自身の敗けを認めることでもある。

それは戦闘以外でも遊び、賭け事、何でもいいから勝てばよかろうなのだ。

…そこ、カーズ様とか言わない。

 

「なにそれ、反則じゃない!」

「知るかよ。俺が作った訳じゃないし」

「でも色々と便利よね」

「そうね。無理矢理攻められて、手込めにされちゃうんですもの」

「ゆかりんホント黙ってくんない!?」

 

余計なことしか言わねぇな、と思いつい叫ぶリト。

周りも周りでリトに冷たい視線を送る。

リトはたしなめながらも紫に『東方』の世界の事を聞いた。

 

「そういや俺が居なくなっていたどれくらい経った?」

「そうね…一年になるかならないかぐらいかしら?」

「そうか。皆元気か?」

 

少し懐かしそうに、それでいて嬉しそうに質問する。

音々音や恋達はこんな顔は見たことのない、と言った顔をした。

 

「霊夢と魔理沙は相変わらず漫才してるし、紅魔館の妹は『お兄様いつ帰ってくるの?』って言葉を日に何度も繰り返してるわ」

「はは…じゃあ、えーりんとかさとりんとかは?」

「前者は相変わらず色々と。さとり妖怪は…元気じゃないの?」

 

投げやりな、と思い少し苦笑いするリト。

その表情は懐かしさが溢れていた。

 

「そっか。えーりんには色々借があるからな。この前作った『かき氷食った時の頭痛が一日中する薬』今度飲ませよう」

「甘いですわ。この前『ささくれが気になってしょうがなくなる薬』を作ったと聞きましてよ?」

「負けたorz」

「判断基準がわからへん…」

 

真桜がそう言うが、おそらくその場にいる全員もそう言うだろう。

その後も、紫は幻想郷の事を…リトと知り合ったもの達の話をした。

 

にとりは今日も発明し、幽香はいつも通り花に水をやりドSしてたり、早苗は二柱の神につっこみを入れたり、文はどこでもスクープ撮ったり、美鈴は居眠りして怒られたり、と。

 

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大分時間が過ぎた。

リトは今になって紫がここに来た理由を聞く。

 

「……で、マジで何しに来たんだ?」

「…暇潰し?」

「やっぱな。で、後どんだけいられるんだ?」

「そうね。十分位よ?」

「そ。じゃあどうすんのさ、残り時間は」

「じゃあこの世界の食べ物とお茶、それにお菓子でもお土産に貰おうかしら。リト、持ってきて」

「ヘイヘイ」

 

そう言って席を立つリト。

おそらく街にでも出て何か買ってくるつもりだろう。

そして完全にリトが見えなくなり、紫と何を話そうか黙っていた音々音達に

 

「貴女達ほとんどリトのこと好きでしょ?」

「「「ブッ」」」

 

ちょっとした爆弾が落とされた。

原因は勿論紫…そしてそれに引っ掛かり、その場にいたほとんどは茶を吹き出す。

一部は目を丸くさせてきょとんとしていた。

 

「な、何を言っているのだ!?」

「私がからかったときに不機嫌そうな顔をしていたものだから嫌でも分かりますわ」

「からかったからと言ってもそう言う感情があるとは言い切れないが?」

「そこは女の勘よ」

 

夏候姉妹が議論するがそれはひらりとかわされる。

紫の言う内容に思い当たることがあったのか、音々音や流琉、春蘭等は顔を赤くした。

一方の紫は頬杖をつき、面白そうに見る。

 

「で、どうなの?同じ穴のムジナとしては聞きたいわ」

「同じ穴の…?ってもしかして!?」

「察しがいいわね。私も好きよ?」

 

さらりとリトへの好意を言う紫。

その事に全員豆鉄砲を喰らったような顔をした。

それと同時に、一部ではその素直さが羨ましく思う。

 

「へー、八雲の姉ちゃんもなんだ。兄ちゃんのどこがよかったの?」

「そうね…退屈しないところとあり得なさね。かなり生きて来たけど初めて興味が持てたわ」

 

季衣に質問され、考える仕草をしながらそう答えた。

そこに偽りもなく、リトを玩具のようにも完全な好意も感じる。

そして紫はリトがまだ帰ってきていないのにスキマを作り出す。

 

「彼は私の世界では暮らせない。だったら境界を弄って死んだ後に転生させるわ」

「凄い執着ね」

「当たり前よ。欲しいものは手に入れる。リトも例外じゃありませんわ」

 

一歩進み、スキマに足を入れる。

その体はスキマに徐々に入っていき、スキマが閉じる。

…その前に、紫は思い出したように告げた。

 

「それと、最初に言った関係になるつもりでもありますわ♪」

 

完全にスキマが閉じ、しんとする。

最後に言った言葉は少なくとも、本気だった。

だとすると…一部の女性から殺気が涌き出る結果に。

そんな中、リトは帰ってきた。

 

「おーい、買ってきて…あれ、ゆかりんは?」

「…リト、生きなさい」

「ドンマイですお兄さん」

「ご武運を」

「さっさと死ね」

「酷いな」

 

華琳と軍師達、それに華雄はそれぞれリトに言葉を送る。

とりあえず言えるのは、帰ってきたリトがもみくちゃにされることだった。

 

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XXX「作者と!」

一刀「一刀の!」

紫「後書きコーナー♪」

 

一刀「…すんません、なんか別な人いるんですけど」

XXX「まあ、本編のゲスト兼後書きコーナーのゲストってことで」

紫「境界弄ってきましたの」

一刀「それでいいのかスキマ妖怪!」

 

一刀「突然現れたよな」

紫「まぁ、幻想郷でも同じようなことしてたもの」

XXX「神出鬼没ってところを出したかったんだよね。ちなみに口調とかは作者の願望です」

紫「随分と悪趣味ですわね」

一刀「悪趣味…なのか?」

XXX「直接来るって事も考えたけど、色々あってこんな感じになりました」

紫「だって眠いんですもの」

一刀「て言うか発言一つ一つがヤバイんだけど。リトを弄るのか本気なのかどっちかにしろよ」

紫「本気よ」

XXX「ストレートだね。ああ爆発しろ」

一刀「幻想郷でもリトはタラシだったんだな」

XXX「お前が言うな」

紫「そうね。さとり妖怪のペットなんて『お兄さんと赤ちゃん作るー!』とか言ってたし」

XXX「リア充爆発しろ」

紫「鬼達なんて夜這いしかけてたし」

一刀「過激だな!?」

 

XXX「はーい、じゃあ次回予告」

一刀「とうとう次がラストのパートなんだな」

XXX「まあね、ていっても下手したら魔神編より短いかもよ?」

一刀「そっか…次回、真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 五十三話は!」

XXX「三巡編 “我慢しろよ”。…とうとう、奴が出る」

一刀「奴?」

 

Ο▽Οノシ再見

 

 

説明
仮面編

ご主人様と肉奴隷
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コメント
nakuさん 紫「フフ…さあ、リト…おいd」リト「断る」(XXX)
↓リ一「「嫌じゃああああああ!?」」XXX「てかモゲてもリトは平気じゃん。リコ的な意味で」リト「ッッッ!?!?!?」←絶望した顔(XXX)
nakuさん 一刀「ああ…確かに…」←熟j…お姉さん達を思い出しつつ リト「そういやそうだった…」←前にやられた(XXX)
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