朝霧乃愛 短編小説【冬原初音との出会い編】4 |
●登場人物●
・朝霧乃愛
物語の主人公
桜坂学園☆初等部の三年生
・冬原初音(ふゆはら はつね)
桜坂学園☆初等部の五年生
ついに…ついに!初音様とお話できる機会がやってきたの!
心の中がドキドキでいっぱいだけど、パパから『粗相だけは絶対にしてはいけないぞ』と言われていたのを思い出す。
確かに第一印象ってとっても大事だよね!…そう思っても、慣れている社交界の緊張感とは違って全然落ち着かないの…。
セバスチャンから緊張がほぐれますよって教えてもらっていた『手のひらに人という文字を書いて飲む』作戦を慌ててやってみたけど、状況は変わらない。セバスチャンを信じた乃愛がおばかさんだったのかな…とか考えていたら、あっという間に乃愛が初音様とお話しする順番になっていた。
乃愛は必死に緊張を振り払って、しっかりとお嬢様モードで初音様へ話しかける。
「冬原初音様。初めまして、朝霧乃愛と申します。」
「初めまして、冬原初音です。乃愛くんか、今日は私の誕生日会へ来てくれてありがとう。楽しんでくれているかな?」
「はい、もちろんです。とってもかわいいオブジェがたくさんあって、一日見ていても飽きないです!」
「そう言ってもらえると嬉しいな。乃愛くんのような同世代の子が来ると聞いていたから、どうやったら喜んでもらえるのかなと頭を悩ませていたんだよ」
「初音様……、乃愛達の為に一所懸命考えてくださったんですね。嬉しいです。」
「私の苦労話はいいんだ。乃愛くんは私の誕生日会へ来てくれた大切なお客様だからな、もっと君のことを聞いてもいいかな」
「はい。乃愛も初音様のこと……」
「どうしたんだ、乃愛くん」
「ごめんなさい……、乃愛……、ずっと初音様とお話しするのを楽しみにしてたんです。今日はそれがやっと叶って……」
「ありがとう、乃愛くん。私のことをそんなにも思っていてくれて…。実際の私は乃愛くんの想像していた私と比べてどうかな?がっかりしなかったか?」
「がっかりなんてとんでもないです。乃愛の想像をはるかはるかに超えた初音様でした。あれっ、乃愛……、変なこと言ってますね。本当に初音様とお話しができてとっても嬉しいんです。」
初音様とお話しをしているとなんだか気恥ずかしくなってしまって、乃愛はおもわずうつむいてしまった。
すると初音様は、乃愛の頭を優しくポンポンしてくれたの…!
「こんなに可愛い子に、そこまで言ってもらえると私まで照れてしまうではないか。実を言うと、私は乃愛くんのお父上にお会いしたことがあってね、その時に乃愛くんのことを聞いていたのだよ。話しに聞いていた通り可愛らしい子で、私も会えて嬉しいよ。」
「そうだったんですね。乃愛、パパからは何も聞いていませんでした! もう、パパったらそんな大事なことなんで言ってくれないの?」
「あはは、乃愛くんはおもしろい子だね。」
「??初音様、乃愛はおもしろいですか?」
「ああ、すごくね。そうだ乃愛くん、この後にビンゴ大会があるのだが、その景品の一つに私の大事なくまのぬいぐるみを用意している。君のような子にもらってほしいな」
「わぁ!乃愛、くまさん大好きなんです!初音さまからのプレゼントなら、なおさら!」
「そうか、是非当たるといいな」
楽しいと時間の流れは本当にはやくて、初音様との初めてのおしゃべりの時間は、瞬く間に過ぎていきました。
説明 | ||
朝霧乃愛と冬原初音の出会い編(短編)です。 ・公式サイト http://www.sakutyuu.com/ ・作家 hogawa |
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朝霧乃愛 桜坂学園 小説 冬原 出会い 乃愛 初音 短編 | ||
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