英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜グラウンド〜

 

「オリヴァルト殿下……!」

「レン!?貴女まで……!」

「それにヴァンダール家の……」

オリヴァルト皇子達の登場にリィン、プリネ、ラウラは驚き

「また会えたな、諸君。」

「うふふ、お久しぶりね、Z組の皆さん♪初めましての人達もいるようだけど♪」

驚いているリィン達にミュラー少佐とレンはそれぞれ声をかけた。

 

「ハッハッハッ。反応は上々のようだね。うんうん、これなら帝都市民へのお披露目も成功間違いなしだろう。」

「うふふ、相変わらず派手な事が好きよねえ、オリビエお兄さんは。」

満足げに笑うオリヴァルト皇子をレンは小悪魔な笑みを浮かべて見つめた。

 

「し、市民へのお披露目……?」

「あはは……もう何が何だか……」

オリヴァルト皇子の話を聞いたマキアスは戸惑い、エリオットは苦笑した。

 

「今回、自分はもちろん皇子とレン姫も脇役にすぎない。主役はあくまでこの艦とこちらの方になる。」

「???」

「こちらの方……?」

ミュラー少佐の話を聞いたフィーとエマが首を傾げたその時

「―――久しいな。”Z組”の諸君。初めての者も多そうだが。」

聞き覚えのある男性の声が聞こえた。

 

「あ……」

「そ、その声は……!」

声を聞いたリィンとラウラが驚いたその時、なんとトヴァルと共に艦長の帽子を被ったアルゼイド子爵がブリッジに現れた!

 

「”光の剣匠”……」

「父上っ!?」

「ラウラのお父さん?」

「そちらの方が……」

「かの”剣聖”と並ぶと言われる武人ですね。」

アルゼイド子爵の登場にリィンは呆け、ラウラは声を上げて驚き、フィーやアリサ、プリネは興味ありげな表情でアルゼイド子爵を見つめた。

 

「トヴァル殿もご一緒か。」

「はは、お互い凄い状況で再会したもんだな。」

「どうしてそこに……そ、その帽子は一体!?」

ラウラは混乱した様子でアルゼイド子爵が頭に被っている帽子に注目した。

 

「―――紹介しよう。今後、本艦を指揮していただくヴィクター・S・アルゼイド艦長だ。」

「……!」

「あ……」

「まさか”光の剣匠”が艦長を務める事になるなんて……」

「フッ、”アルセイユ”すらかすむほどの存在感だな。」

ミュラー少佐の話を聞いたラウラは驚き、リィンは呆け、ツーヤは苦笑し、レーヴェは静かな笑みを浮かべ

「あはは、そう来たかー。」

ミリアムは口元に笑みを浮かべて意味ありげな表情でアルゼイド子爵を見つめ

「フフ、まあ詳しい経緯は後ほど説明させてもらおう。」

アルゼイド子爵―――カレイジャスの艦長、アルゼイド艦長は口元に笑みを浮かべて答えた。

 

「な、なんだこれは!?……………」

するとその時男子の声が聞こえた後グラウンドにトワとアンゼリカ、ジョルジュと共にやってきたパトリックが飛行艇を見つめて口をパクパクさせた。

「わああっ、綺麗な飛行船!」

「やれやれ。これは大したものだね。」

「凄いな……聞いていたスペック以上にとんでもない性能みたいだ。」

トワは興奮し、アンゼリカは感心し、ジョルジュは驚きの表情で飛行艇を見つめていた。するとその時ヴァンダイク学院長が近づいてきた。

 

「学院長……」

「あの、これって……」

「ふふ、驚くのも無理はない。理事長の提案で今回は特別な計らいとなってな。その艦で、それぞれの実習地まで君達を送ってくれるそうだ。」

「ええっ!?」

「ヒュウ、マジかよ!?」

「まあ……!それじゃあわたくし達、あの綺麗な船に乗れるのですね……!」

「やったね。移動が楽になるね。」

ヴァンダイク学院長の話を聞いたマキアスは驚き、クロウは興奮し、セレーネとエヴリーヌは嬉しそうな表情をした。

 

「ふふ、あくまでお披露目の処女飛行のついでとしてね。いったん帝都に向かってからルーレに直行してくれるって。」

「フッ、相変わらず運がいいな、お前達は。」

サラ教官と共にレーヴェは静かな笑みを浮かべてリィン達を見つめた。

 

「はは……何というか。」

「お、驚きすぎて頭がクラクラしてきました……」

二人の話を聞いたガイウスは苦笑し、エマは呆けた表情で飛行艇を見つめた。

 

「―――それでは殿下。そろそろ参ると致しますか。」

「ああ、よろしくお願いする。――――ようこそ、”Z組”の諸君!アルセイユU番艦―――高速巡洋艦”カレイジャス”へ!」

そして飛行艇―――カレイジャスにリィン達が乗り込むとカレイジャスは帝都ヘイムダルに向かった!

 

 

カレイジャスが飛行する様子はエレボニア帝国、メンフィル帝国領の人々が見守る中、飛行していた。

 

〜帝都ヘイムダル・中央駅前広場〜

 

「はは、さすがに我々の高速列車でも敵いませんね。」

「ええ、ですが我々には我々だけの強みがあります。―――例の調査の方は?」

部下達と共にカレイジャスの飛行を見守っていたクレア大尉は気を取り直して真剣な表情でもう一人の部下を見つめて問いかけ

「……やはり露骨な妨害が始まっているようです。各地でも似た状況ですが。」

「わかりました。今後はシフト13で対応。午後には現地に赴きます。」

「「イエス・マム!」」

部下の報告を聞いた後命令を出した。

 

〜聖アストライア女学院〜

 

「すごい、すごいわ!兄様から聞いていたけどなんて素敵な船なのかしら!」

エリスと共にカレイジャスの高速飛行を見つめていたアルフィン皇女は興奮して声を上げ

「はい……本当に。(ふふ……あの船に兄様が乗っているんですね。)」

アルフィン皇女の言葉に頷いたエリスは微笑みを浮かべて既に目で確認するのが難しいくらい距離を離したカレイジャスを見つめていた。

 

〜バルフレイム宮・バルコニー〜

 

「うわあああっ……!あれが”カレイジャス”!兄上が着工した船ですか……!」

バルコニーでカレイジャスの飛行を見守っていたセドリック皇子は興奮のあまり声を上げ

「ふふっ、本当に素敵ですね。オリヴァルト殿下も随分と苦労されていたみたいですし。」

「フ……」

セドリック皇子の背後にいたドレスを身に纏い、頭にティアラを乗せた女性の言葉を聞いた外套を纏った男性は口元に笑みを浮かべ

「……混迷の地に新たな風を巻き起こすか。―――我が息子の器量、改めて見せてもらおうか。」

やがて男性は気を取り直すと真剣な表情で呟いた。

 

〜宰相執務室〜

 

「……………」

「ハハ、あれから2年近くか。あの放蕩皇子、まさかここまで漕ぎ着けてくるとはなァ。しかもリベールの技術協力に加えてメンフィルの魔導技術まで搭載した”アルセイユU番艦”とは……先月の通商会議で追い詰めたアンタへの追撃のつもりなんじゃないか?」

オズボーン宰相と共にカレイジャスの飛行を見守っていたレクターは苦笑しながらオズボーン宰相を見つめ

「フフ……確かにな。」

オズボーン宰相は2年前の出来事を思い出した。

 

「フフ、まさかここまで私を追い詰めるとはな……士官学院といい、”六銃士”といい、なかなか愉しませてくれる。―――正念場だ、オリヴァルト皇子。既に”遊戯盤”の準備は整った。ここからどう攻めてくるか、楽しみにしているぞ―――」

そしてオズボーン宰相は不敵な笑みを浮かべて呟いた。

 

その後帝都ヘイムダルを一周したカレイジャスはルーレに向かい始めた。

 

説明
第230話
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コメント
感想ありがとうございます オズボーンはメンフィルのチートさを未だにわかっていないのでしょうねww(sorano)
メンフィルはその遊戯盤を卓袱台返すほどですからね、盤上なんて知ったことじゃないでしょう(本郷 刃)
だけど読みは誰よりも深い....違うかね?(kanetosi)
宰相・・・貴方が相手をするのは遊戯盤を粉々に粉砕するパワー実力共に持ってる気がするんだが・・・・・・どうだね?(八神 はやて)
宰相さん遊戯って言ってますけど、相手は基本盤上をひっくり返せるパワーでやってきますので(匿名希望)
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