英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜ザクセン鉄鉱山〜

 

「クク……またしてもテメエらが現れるとはなぁ。」

「帝国解放戦線―――幹部”V”!」

「こ、この男が待ってたか……!」

「うふふ、少しは楽しめそうね。」

Vを見たリィンは声を上げ、マキアスは警戒の表情で不敵な笑みを浮かべるレンや仲間達と共に武器を構えた。

「フン………噂のテロリスト君達か。どうやら私達の侵入にとっくに気付いていたようだね。」

「おお、領邦軍の封鎖なんざ別に当てはしてねぇからな。鉄道憲兵隊が来ても迎え撃てる体制にはしているぜ。ま、お前らごときだったら俺達だけで十分すぎるがな。」

アンゼリカの言葉にVは凶悪な笑みを浮かべて頷いて答えた。

 

「言ってくれる……」

「気を付けろ……!この男、凄まじく強いぞ!」

「ガレリア要塞の時はナイトハルト教官とエヴリーヌがいたから何とか撃退できたけど……」

「どれだけ強くても皆さんで協力すればきっと勝てます……!

「うふふ、今度はレンがいるから大丈夫よ♪」

リィン達に警告するマキアスとエリオットの言葉を聞いたセレーネは真剣な表情で呟き、レンは不敵な笑みを浮かべて答えた。

 

「……やっと思い出した。猟兵団”アルンガルム”……その生き残りだったりしない?」

その時何かを思い出したフィーはVを見つめて尋ねた。

「はは、”西風の妖精(シルフィード)”。お前さんが活躍する頃には無くなっちまってたんだがなぁ。」

「団長に聞いたことがある。何度か戦場でやり合った好敵手たちがいたって。」

「クク、かの”猟兵王”にそんな風に言ってもらえるとは光栄の極みだな。遅まきながら悔みを―――尊敬できる漢(オトコ)だったぜ。」

「……ありがと。」

Vの言葉を聞いたフィーは静かな表情で呟いた。

 

「貴方たち………どうしてこの鉄鉱山を?貴族派とは協力していても一枚岩ではなさそうだし……この鉄鉱山に何かあったら帝国そのものが危ないのよ!?」

「まあ、そうなんだけどよ。これも必要な作戦なのさ―――あのクソッタレな鉄血野郎をブッ殺すためにはなァ……!」

アリサの質問を聞いて頷いたVは憎しみの表情で声を上げると共に膨大な闘気を纏った!

 

「……っ………」

「な、なんでそんなに……」

「どうしてオズボーン宰相をそこまで憎むんだ……!?」

「……貴様らにはわかるまい……」

「あの男の改革の下……どれだけの人間が故郷を奪われ、生きる寄る辺を失ったか。」

リィン達の問いかけを聞いたテロリスト達は憎々しげな口調で呟いた。

 

「そ、それは……」

「宰相殿の”領土拡張主義”と、”鉄道網拡充政策”か…………」

「まあ、あの政策によって故郷を追われた人々が随分いる話は聞いていたけど……」

テロリスト達の話を聞いたマキアスは口ごもり、アンゼリカの言葉を聞いたレンは静かな表情でテロリスト達を見つめた。

 

「ま、それ以外にも色々だ。ギデオンの旦那は譲れない思想的な理由から…………スカーレットのやつは鉄道を強引に通されたせいで故郷を失くしたって聞いてるしな。」

「……そうだったの……」

「彼女にもそんな事情が………」

スカーレットの意外な過去にアリサとリィンは静かな表情で呟いた。

 

「そして俺はまァ、ただの”逆恨み”ってヤツだ。だからと言って止めるつもりはサラサラねぇんだけどな。猟兵団”アルンガルム”……そこそこのランクの団だった。団長は俺―――それなりのヤマを上手くこなすのがモットーだった。

 

ま、西風みてぇにスゲエ相手にはムキになって無茶をしたもんだが…………新入りが入ってきた時なんかはぬるい仕事ばかりを請けてたもんさ。……あの仕事もそのはずだった。

 

当時の貴族派から依頼された宰相になり立てのオズボーンを”脅しつける”だけの任務…………皇帝から直々に任命された軍部上がりの平民宰相に対して優位に立ちたかったんだろう。だが―――俺達の襲撃は鉄血に完璧に見抜かれていた。

 

……一方的な虐殺だった。こちらが投降する間もなく、徹底的な殲滅戦を仕掛けて来た。まだ少年と言っていい新入りや女性メンバーも例外なく…………団長である俺を除いて……部下達全員、骸と化した。………俺は―――俺はただ一人、その場所から生き延びちまった。

 

そして俺は……彷徨った挙句に”帝国解放戦線”に引き寄せられた。全てはあの野郎を……”鉄血”のクソ野郎をブチ殺して部下達の弔いをするために…………あの男が築き上げた全てを”無かったこと”にするためにな。」

 

「……………………」

「そんなことが……」

「……因果な話だ。」

「部下の方達が全員殺されたのはとても辛かったでしょうね……」

Vの過去を聞いたアリサは真剣な表情で黙り込み、フィーとアンゼリカ、セレーネは静かに呟いた。

 

「……アンタの事情には同情できなくもない…………だからといって宰相の対応が間違っていたともいえない……」

「そうだね……あまりにも非情だけど……」

「テロには断固たる対応を……それが常識でもあるからな。」

「うふふ、そうね。だからこそテロリストは”殺して当然の存在”だしねぇ?」

リィンの言葉にエリオットとマキアスはそれぞれ頷き、レンは不敵な笑みを浮かべてV達を見つめた。

 

「クク、その通りだ。コイツはな、どちらが”正しい”って話じゃねえのさ。俺達は全員、鉄血の野郎っていうデカイ”焔”の煽りを喰らっちまった。……だったら仕方ねぇだろう?ヤツを呑みこめるくらいの”ドデカイ焔”に俺達自身がなるしかなあッ……!それじゃあ、行くぜ、小僧ども……この”V(ヴァルカン)”の焔にあっさり呑みこまれちまわないようせいぜい足掻くんだなぁああっ!」

「来る……!」

「”Z組”A班、迎撃準備!」

「アンゼリカさん、レン姫、頼みます!」

「ああ、任されたッ!」

「うふふ、”殲滅天使”の力、思い知らせてあげるわ♪」

そしてリィン達はV―――ヴァルカン達との戦闘を開始した!

 

 

説明
第249話
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コメント
感想ありがとうございます 本郷 刃様 確かに原作より大幅にパワーアップしている上チート装備があるレンだけでヴァルカンたちを全滅させられますねww(sorano)
レンちゃんだけで事足りてしまう気がしますがまぁ仕方が無いですなw(本郷 刃)
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