小説19(小説のようなもの) |
キー「でっ、何?漫画の世界ってさ、実は、娼婦の館とか小姓の館と変わらないって本当なの?」
クームー「そうだよ!今頃気づいたの、遅いよ私に目をつけられたやつはみんな一生作品奴隷だよ」
キーとクームーは、学生時代からの親友でいつもよく行動を共にしていて周囲からも有名な大の仲良しだった。
クームー「漫画っていいよね、楽だよ、実際にお願いしなくても綺麗に上手に描くだけで誰かが必ず私の奴隷を探して地獄の調教師に引き合わせてくれるから、あとはお任せしておけばいいだけだから」
キー「それだったらいいね、そういう楽な生活っていいね、私もそういう生き方は大賛成だよ」
クームー「口汚くののしったりわざわざ利用する相手を呼び出して説得する必要も無いから本当に楽、私はこの仕事を一生やめる気はないよ、相手がどこに逃げたって消えたって全国各地にいる私の作品のバッグの探偵団が手分けして必ず見つけ出してくれるから」
キーとクームーはこの会話を、電話だと盗聴する恐れがあるから決まった日にちと時刻に何処かで会う時にしていた。場所はたいがい喫茶店とかレストランだった。
キーもクームーも目元がキリッとしていてさっぱりした感じの顔だったがややキーの方が浅黒い感じがする。この日は、クームーが昔から目をつけていたある作品奴隷を海外の客に売り飛ばす話をしていたのをキーの方が必死に制している状態だった。無論、簡単に書いてはいるがそこまで決心するには相当悩んで考えあぐねた結果だろう。思ったほど漫画の仕事だけでは稼ぐことができず、これ以上甘い考えでいたら現状の生活レベルを何ランクも落とさないとならない状態に至っていたのだった。
やはりと言うべきか、キーが必死に止めたのにも関わらず一生漫画の世界で安泰した豊かな生活を維持したいクームーは、キーにも内緒でその恐ろしい計画を本当に実行してしまったのだった。
使える素材はどこまでも使い古して行く、下手な情けを絶対にかけないようにする、それが日頃のクームーのモットーだった。
クームーは裏でキーのような真面目で実直な友人以外のちょっと危ない世界にも通じていそうな人等と組んで海外の同じ業界の仲間とも簡単に連絡をとれる画期的で斬新なチャットスペースをつくることをもくろんでいたのだった。
そのチャットスペースでの活動は想像を絶する惨さだった。悪用している本人にはまったく許可を得ず勝手にドンドン海外の宣伝媒体に売り飛ばして行く手法だった。もちろん礼金も報酬も一銭も無しだった。だがそのことはすぐにはキーに伝えることは無かった。だからキーもやがてとんでもない恐ろしい事態が起きることもまったくこの頃は予測もつかなかったのだった。
クームー「私の漫画作品のモデルになった人は、あちこちに良い値段で売り飛ばされて行くんだよ!キーなら知っていたよね!」
キー「知らない、でも、クームーの漫画の腕前だったらそんなようなことが現実に起こっても少しも不思議ではないかもね」
クームー「私の小説ネームと同じクームーってイニシャルがある人の殆どがまともな仕事に就けずに接客業に回っているのも全て私の実力の証だと思う、でも私は可愛そうなんて思ったりしない、それがその人等の運命だったんだから仕方ないと思うよ」
キー「でもせめて昔の同胞だけは辞めておいた方が・・・」
クームー「そんなの関係ないよ使えるものはドンドンと活用して行くのが私のセオリーだよ」
キー「だけどここだけの話だけど漫画のモデルにされて、晩年ホームレスになった人も本当にいるらしいよ、その人らは毎日お腹がペコペコでレストランとか小料理屋のゴミ箱を漁っているらしい」
クームー「それが本当だったら悲惨だね、でも私の作品はフューチャーとユートピアがキャッチコピーだからそんなことになる心配はないと思う」
キー「近所でもよく見かけるよ漫画のモデルになりそうなタイプの人が浮浪者のようにそこらへんをうろついている姿を、あと漫画の登場人物にそっくりな人が会社をすぐクビになってその後どこを受けても受からないらしいね、けれどそんな人でも接客のお店を受けると簡単に受かったりするらしい」
クームー「ねぇ、キーそんな辛気臭い話はやめてもっと楽しい話をしようよ!私今度また韓国旅行に行くの、そしたらキーにもお土産買ってくるね」
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適当に練習で書いてみました。小説練習みたいな、暇つぶしでもあります。>< | ||
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