英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
〜”鳳翼館”・広間〜
「リィン、よかったの?ご実家で夕食を取らなくて。」
「ああ、エリスも久しぶりに親に甘えたいだろうし、たまには水入らずで父さん達とゆっくりさせてやらないと。」
「あなたって、つくづくわかっていないわよね……妹さん達も苦労するっていうか……」
「フフ、そうですわね。」
食事をしながら答えたリィンの話を聞いたアリサは呆れた表情で溜息を吐き、セレーネは苦笑した。
「え?」
「何でもない。」
「モグモグモグ…………ハア〜………美味しいねぇ。」
「ん。プリネ達が食べられなかったのが残念だね。」
「どれも自然が豊かならではの料理って感じ。」
食事を食べているエリオットの感想にエヴリーヌとフィーはそれぞれ頷き
「モグモグ…………こちらの鴨は実に風味豊かだ。確か、男爵閣下が仕留めたのだったな?」
鴨を使った料理を食べていたラウラはリィンに尋ねた。
「ああ、父さんの一番の趣味でさ……俺も何度も連れて行かれたっけ……」
「シュバルツァー男爵の狩猟好きは風の噂で聞いた事はあるが……」
「うーむ……貴族の”嗜み”というやつか……」
「フフッ、俺も故郷を思い出すな……」
懐かしそうに話すリィンの話を聞いたユーシスとマキアスはそれぞれ考え込み、ガイウスは懐かしそうな表情をし
「料理に使われている野菜やハーブもみずみずしくて、彩り豊かですよね……こちらはリィンさんのお母様が育てられたとか?」
料理に使われている素材を分析していたエマはリィンに尋ねた。
「ああ、母さんの方は菜園をやっていてさ。そっちはよくエリゼとエリスが手伝っていたっけ……」
「まあ……!フフ、素敵な趣味ですわね。わたくしも機会があれば、挑戦してみたいですわ。」
「ハハ、母さん達が知ったら喜んで教えてくれるよ。」
リィンの説明を聞いたセレーネは目を丸くした後微笑んだ。
「いっつも君達は実習でご当地巡りができて羨ましかったのよね……今回はあたしも楽しめて嬉しいわ♪」
「グルメ旅行をしていた訳じゃないですが……」
「そういうサラも行く先々で何だかんだでいたよね?どうせ裏でちゃっかり楽しんでいたんだろうけど。」
嬉しそうな表情で言ったサラ教官の発言を聞いたリィンは冷や汗をかき、フィーはジト目で指摘した。
「ギクッ。」
「サラ教官……」
「動揺したって事は楽しんでいた証拠だね。」
フィーの指摘に動揺したサラ教官を見たアリサは冷や汗をかき、エヴリーヌは呆れた表情で言った。
「フフ、君達も今の内に骨を休めておきたまえ。戻ったらすぐに学院祭の準備があるんだろう?」
「はい、出し物の内容が決まったので後は練習次第ですね。」
アンゼリカの言葉にリィンは頷き
「とにかく猛練習してもらうから、みんな、覚悟しておいてよね?」
「だから……お前のその威圧感は何なんだ?」
「フウ……本当に容赦してくれなさそうだな……」
威圧感を纏ったエリオットの笑顔を見て仲間達と共に冷や汗をかいたユーシスは呆れた表情で指摘し、マキアスは疲れた表情で溜息を吐いた。
「えへへ……せめて学院祭は楽しいものにしていきたいね。せっかく、帝国各地も落ち着いてきた所だし。」
「「あ……」」
トワの言葉を聞いたリィンとアリサは呆けた表情で呟き
「そうだな………」
アンゼリカは重々しい様子を纏って頷いた。
「”帝国解放戦線”………ルーレでの事件以来、完全に姿を消したようですが……」
「彼らは本当にいなくなったんでしょうか?」
「彼らが乗っていた飛行艇が撃墜され、テロリストは主要メンバーを纏めて失った事になる。他の幹部がいた気配もないし、事実上完全に消滅したと言ってもいいかもしれないわ。」
エマの疑問にサラ教官は考え込みながら答え
「うん、残党がいたとしても幹部がいなければ、正直烏合の衆だし。」
サラ教官の推測にフィーは頷き
「飛行艇を撃墜した張本人は”殲滅天使”が所有している”パテル=マテル”だけど……あの後鉱山を調べたら飛行艇を狙撃できるポイントに製造不明のライフルがあったそうだから、謎は残ったままね……」
ある事を思い出したサラ教官は考え込んだ。
「後の問題は各地の貴族派と革新派の対立の問題か……陛下が釘を刺した事があって、収まってきてはいるようだな。」
「それもあくまで表面的なものだろう。未だに帝国各地で火種は燻り続けている。」
「エレボニアの抱えている問題は根本的に解決された訳じゃない……か。」
「王様に威厳がない証拠だね。リウイお兄ちゃんもそうだけど、シルヴァンに王様としての威厳があるからこそ、今のメンフィルがあるんだし。」
「エヴリーヌさん、何もそのような言い方をしなくても……」
「アハハ……だからこそ今は学院祭を盛り上げればいいんじゃないかな?」
暗くなった雰囲気を変えるかのようにトワは話を変えて提案し
「確かに……トールズ学院祭は貴族から平民まで様々な関係者が訪れ、同じ空間で同じ楽しみを共有できる得難いイベントだ。」
トワの提案にアンゼリカは納得した様子で頷いた。
「うん……それに”Z組”には貴族や皇族の人も平民の人もいるんだし、そんなクラスががんばったら見ている人の認識も少しは変わると思うんだ。」
「我らの頑張り次第で人々の認識を変える……か。フフッ、遣り甲斐がありそうだ。」
「僕達の手で最高のステージを作り上げなくちゃね……!」
「ああ、頑張ろう!」
トワの説明を聞いて考え込んだラウラは口元に笑みを浮かべ、エリオットの言葉にリィンは力強く頷いた。
夕食を済ませたリィン達は男女に別れて大浴場に行き、ここ数日で溜まった疲れを存分に癒し始めた…………
次回はいよいよ温泉回ですww使い魔勢も含めると原作と違って女性比率が圧倒的に多いですから、想像しただけでも凄い光景になるのでしょうねww
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第260話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
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コメント | ||
感想ありがとうございます 完全ROM専様 さて、どんな展開になるやら…… 本郷 刃様 まあ、リア充のリィンですしねww(sorano) 温泉・・・・・・リィンは混浴オンリーでしょww(本郷 刃) ドラマCD通りの展開だと、ラウラには覗き(?)で怒られそうだが、アリサは別の意味で怒りそう・・・(完全ROM専) |
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