英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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その後リィンが課題活動を終えるとクロウからステージ衣装の到着が遅れる為、誰かが直接店に取りに行く事になり、クロウに頼まれたリィンは引き受けた後アンゼリカから託された導力バイクで行く事にし、荷物持ちの手伝いとしてアリサを呼んだ後サイドカーにアリサを乗せて帝都に向かった。

 

〜夕方・帝都ヘイムダル”ヴァンクール通り”・ブティック”ル・サージュ”本店〜

 

「―――悪かったなぁ。わざわざ取りに来てもらって。でも、その分満足のいく仕上がりになってると思うぜ。」

「こちらこそ、こんな短期間での製作をありがとうございました。」

申し訳なさそうな表情で答えたオーナーの言葉にアリサは謙遜した様子で答えた。

 

「ハハ、クロウのやつには去年も無茶振りされたからな。去年のステージも良かったし今年も見物に行かせてもらうぜ。そういや、あんたがサイドギターのお嬢さんかい?ふむ、上品な雰囲気があのデザインと上手く調和して、中々魅力的にキマリそうだぜ。」

「え、えっと……結局、どういうデザインにしてくれたわけ?」

オーナーの話に戸惑ったアリサはジト目でリィンを見つめ

「ま、まあ……帰ってからのお楽しみって、事で。」

リィンは苦笑しながら答えを濁した。その後リィンが先に外に出ると何かに気付いた。

 

「鳥……?」

リィンが見つめた先に蒼い鳥が街灯に止まっていた。

「………………」

「え…………」

鳥をジッと見つめたリィンが呆けたその時鳥は飛び去り

(あの鳥、あの猫と”同類”ね。)

(ええ、そうですね。)

(使い魔の類でしょうか?)

(………………………)

ベルフェゴールの言葉にリザイラは頷き、メサイアは考え込み、何かを感じ取っていたアイドスは真剣な表情で鳥が去った方向を見つめていた。

 

するとその時アリサが店から出て来た。

「えっと、リィン?なにかあったの?ボーっとしちゃって。」

「はは……いや、大した事じゃないんだ。そこの街灯に変わった鳥がとまっててさ。」

「変わった鳥?」

「ああ、ちょっと見たことのないような羽の色で…………瑠璃色というか……真っ青な色をしてたんだ。」

「へえ……確かに珍しいわね。でも、なんでこんな街中に……?」

リィンの話を聞いたアリサは目を丸くして尋ね

「さあ……」

アリサの問いかけにリィンが首を傾げたその時

「あらら?」

ミスティがリィン達に近づいてきた。

 

「クロチルダ―――いや、”ミスティ”さん!?」

「知り合いなの?(なんだか声だけは聞き覚えがあるような……)」

ミスティと知り合い同士であるかのように接しているリィンを見たアリサは目を丸くした後不思議そうな表情で考え込みながらミスティを見つめた。

 

「ふふっ、お久しぶり。お願いだから”本名”は勘弁ね。帝都の人達にバレたらもみくちゃにされそうだから。」

「はは……わかりました。でも、偶然ですね。こんな場所で会えるなんて。あ……ひょっとして、こちらの店に?」

「ええ、トリスタにもあるけど本店の方が品揃えはいいしね。君達の方は、そんなトランク3つも抱えてどうしたの?ふふ、もしかしてデートかしら?」

「そ、そんなんじゃないですから!…………でも、いつかはしたいですけど…………」

「その、実は……」

ミスティの問いかけにアリサは慌てた様子で否定した後小声で呟き、リィンはミスティにステージ衣装を受け取りに来た経緯を説明した。

 

「へえ、学院祭でコンサート!いいわねぇ!うーん、面白そうじゃない!士官学院祭か……うまくスケジュールが空けば遊びに行っちゃおうかしら。」

「はは……よかったら、是非。まあ、プロの人に聞かせられるレベルじゃありませんけど。」

「音楽はハートよ、ハート。―――いっけない。あまり時間がないんだった。それじゃあ、またね。明日の放送もヨロシク♪」

「ええ、楽しみにしています。」

そしてミスティはリィン達がさっきまでいた店に入って行った。

 

(……………彼女の奥底から感じた”闇”は一体……)

ミスティが店に入るまでジッと見つめていたアイドスは真剣な表情で考え込んでいた。

「明日の放送って……何のこと?そういえばさっき、本名がどうとかって……」

「ああ、実は―――」

事情がわからないアリサにリィンは歌姫クロチルダが”ミスティ”としてラジオに出演している事を説明した。

 

「ミスティ―――”アーベントタイム”の!へええ……あのクロチルダと同一人物だったんだ……!」

「はは、意外と気付かないものだよな。あれ……?でも明日って金曜日だよな?”アーベントタイム”は日曜だったはずだけど…………」

「そういえば……何かあるのかしら?」

「うーん……まあいいか。そろそろトリスタに帰ろう。みんなも待ってるだろうしさ。」

「うん、そうね。今日中に衣装合わせをしなくちゃならないし。」

「ああ、そうだな。その、絶対に悪くないから怒らないでくれよな?」

アリサの言葉に頷いたリィンは苦笑しながらアリサを見つめ

「だ、だから本当にどんな衣装なのよっ!?」

リィンの言葉を聞いたアリサはジト目で指摘した。

 

その後サイドカーにトランクを乗せたリィンは後ろにアリサを乗せて運転し、アリサは頬を赤らめて嬉しそうな表情で背後からリィンを抱きしめて落ちないようにしっかりと掴まっていた。

 

 

説明
第268話
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コメント
感想ありがとうございます 本郷 刃様 それはお約束なので仕方ないかとww(sorano)
主が大切なのなら怪しいと思ったらリィンに報告しましょうよ、契約者一同さん(本郷 刃)
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