英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
〜旧校舎〜
「なんと……!」
「ええっ!?」
「あ、ありえない……!どんな攻撃も効かなかった結界をこうも易々と破壊するなんて……」
「見た所リィン君達と大して変わらない年齢なのに凄いですねー。」
「ハハ、これがかの”ブレイサーロード”の”力”か。いやはや、御見逸れしたよ。」
(ああもう!よりにもよって”最後の試し”の時に”イレギュラー”が起こるなんて!?これだと、肝心の”最後の試し”が滅茶苦茶にされるじゃない!)
結界が破壊される様子を見守っていたヴァンダイク学院長は目を見開き、トワとジョルジュは信じられない表情をし、トマス教官は呆けた表情をし、アンゼリカは苦笑しながらエステルを見つめ、セリーヌは疲れた表情でエステル達を見回していた。
「「…………………………」」
「攻撃を通さなかった結界を力づくで破壊するなんて……」
「これが”女神”の加護を受けた者の”力”か……」
一方リィンとサラ教官は口をパクパクさせ、エリオットは信じられない表情をし、ガイウスは呆けた表情でエステルを見つめ
「あ、相変わらず非常識の塊だな、エステルさんは……」
「お前達ブライト親娘はどこまで非常識になれば気がすむんだ!?」
「あの栗色の髪の娘、あの細腕にどんだけのパワーが秘められているんだよ!?」
マキアスは表情を引き攣らせ、ユーシスとクロウは疲れた表情で声を上げた。
「とても私達と同年代の女子とは思えないわよね……?」
「さすがはエステル殿だ。私もエステル殿に追いつく為にももっと精進せねばな。」
「幾ら何でも”アレ”に追いつくのは無理と思う。」
「ほえ〜、まさに”化物”だね〜。」
「ア、アハハ…………」
アリサは表情を引き攣らせてエステルを見つめ、感心した様子でエステルを見つめるラウラの言葉を聞いたフィーはジト目で指摘し、目をパチパチとさせているミリアムの言葉を聞いたエマは冷や汗をかいて苦笑した。
「あ、あの、お姉様。エステルさんって本当に”人間”なのでしょうか?」
「う、う〜ん……一応”人間”のはずなんだけど……」
「むしろ今でも”人間”なのが不思議なくらいよね……?」
「そだね。”神格者”と同等か、下手したらそれ以上の強さだし。」
「フッ、将来は確実に”剣聖”を超えるだろうな。」
セレーネに尋ねられたツーヤは冷や汗をかき、プリネが呟いた言葉を聞いたエヴリーヌは頷き、レーヴェは静かな笑みを浮かべ
「ま、当然の結果じゃな。」
「サティアに加えてフェミリンスの力まで付与されているのだから、むしろ壊せない方がおかしいな。」
「エステルの”本気”は初めて見たけど、とんでもなさすぎでしょ……ハア…………」
レシェンテとセリカは全く動じず、エオリアは疲れた表情で溜息を吐いた。
「ア、アハハ……皆さん、驚いていらっしゃいますね。」
「まあ、エステルさんの事情を知らない人達が見たらむしろ驚かない方がおかしいのですけどね。」
「フフッ、どんな時でも道を切り開くのがエステルさんらしいですね。」
ペテレーネとエクリアは苦笑し、イリーナは微笑み
「うむ!さすがはエステルじゃ!」
「この目で見ても正直、信じられない出来事だけど……でも、これで旧校舎の中に入れるようになったわね……!」
リフィアは自慢げに胸を張り、エリゼは明るい表情で旧校舎を見つめ
「うふふ、さすがパワー馬鹿のエステルね♪」
「あんですってー!?あたしのどこがパワー馬鹿なのよ!?」
小悪魔な笑みを浮かべて言ったレンの言葉を聞いたエステルはレンを睨み
「いや、今のを見たらそう言われてもおかしくないって。」
「アハハ……”力”で結界を壊したもんね〜。」
ヨシュアは疲れた表情で指摘し、ミントは苦笑した。
「フッ…………エステル―――いや、”遊撃士協会”にトールズ士官学院の常任理事の一人として”依頼”する。これより旧校舎の異変を早急に解決する為に旧校舎の探索をする俺達やZ組の者達に同行し、協力してくれ。」
「オッケー!というか元々そのつもりだったし。」
「その依頼、謹んでお受けします。」
「はーい!ミント、ツーヤちゃん達の為に、一杯がんばるね!」
そしてリウイの依頼にエステル達は頷き
「………俺も力を貸す。アイドスも学院祭に参加するとの事だからな。」
「セリカが力を貸すなら”使徒”であるわらわ達も当然力を貸そう!」
「遊撃士は休業中だけど、私もセリカさんの”使徒”の一人として力を貸します。」
エステル達に続くようにセリカ達も協力を申し出た。
「ええっ!?」
「も、もしかしてリウイ陛下達やエステルさん達が僕達と一緒に旧校舎の探索をしてくれるんですか……!?」
一方その様子を見守っていたエリオットは驚き、マキアスは信じられない表情で尋ねた。
「ああ。俺達で解決しても、お前達は納得できないだろう?」
「あ、ありがとうございます……!」
「陛下の寛大なお心遣いに感謝致します。」
「やったね。戦力が超大幅にアップしたね。」
「ぶっちゃけ”チート”と言ってもおかしくないメンバーが勢揃いしすぎだろ……」
「フフ……リウイ陛下に加えてセリカ殿とも肩を並べる事ができる日が来るとはな……」
「何だかワクワクしてきたねー!」
リウイの答えを聞いたリィンは嬉しそうな表情をし、ユーシスは静かな笑みを浮かべて会釈し、フィーは明るい表情をし、クロウは疲れた表情で指摘し、ラウラは静かな笑みを浮かべ、ミリアムは無邪気な笑顔を浮かべ
「フフッ、ザクセン鉄鉱山での恩をここで返させてもらうよ。」
「アンゼリカさん……」
「………ありがとうございます。」
アンゼリカの言葉にアリサは微笑み、ガイウスは会釈し
「―――勿論、私も微力ながら協力致します。皆さん、よろしくお願いします。」
「ああ、カシウス准将直伝の”八葉一刀流”……頼りにさせてもらうぞ、エリゼ……!」
エリゼの言葉にリィンは力強く頷き
「………………………」
(わ、私にリウイ陛下達を止められる訳がないでしょう!?無茶言わないで!)
リウイ達の同行を止めろと言わんばかりに自分を睨むセリーヌに気付いたエマは冷や汗をかいて心の中で指摘し、首を何度も横に振っていた。
「うふふ、”これ”を試す絶好の機会にもなったわね?」
「うーん、エニグマの時のクオーツが使えるとはいえ、ちょっと違和感を感じるわね……」
「まあでも、この”戦術リンク”というのは大いに役に立つわね。」
そしてリィン達にとって見覚えのある戦術オーブメントを取り出したレンの言葉を聞いたエステルは苦笑し、エオリアは静かな表情で自分の持つ新たな戦術オーブメントを見つめた。
「ARCUS……!」
「それによく見たら、リウイ陛下達もARCUSを身につけているわ……!」
「ええっ!?ど、どうしてリウイ陛下達がそれを持っているんですか!?」
リウイ達が身につけている戦術オーブメント―――ARCUSに気付いたリィンは驚き、アリサは信じられない表情をし、エリオットは目を丸くして尋ねた。
「うふふ、以前ルーレに行った時に”ラインフォルトグループ”の端末にハッキングした話はしたでしょう?その時に”ARCUS”の製造方法とかを含めた様々なデータをもらって、その改良版をティータ達と一緒に開発したのよ♪」
「ブッ!?」
レンの答えを聞いたリィンは吹き出し
「ハア……レン、貴女ね……」
「す、すみません、アリサさん……」
プリネは呆れた表情で溜息を吐き、ツーヤは申し訳なさそうな表情でアリサを見つめ
「き、気にしないで。レン姫にはザクセン鉄鉱山の時に助けてもらったし。というか改良版ってどういう事ですか?」
アリサは冷や汗をかいて答えた後不思議そうな表情で尋ねた。
「うむ!”戦術リンク”等の機能はお主達が持つARCUSと同じだが、余達が持つARCUSは現在一般的に使われている戦術オーブメント――――”ENIGMA(エニグマ)U”のクオーツが使えるのじゃ!」
「嘘っ!?し、信じられない……!今まで開発されてきた新しい戦術オーブメントにつけるクオーツは互換性がなかったのに……!」
「どこまでチートなんだよ、この姫さんは……」
リフィアの説明を聞いたアリサは驚いた後信じられない表情をし、クロウは疲れた表情で呟き
「まあ、その代わりARCUSで使われているクオーツは使えないから、ARCUSで使えるアーツを使えないという欠点はあるけどね。」
レンは静かな笑みを浮かべてリフィアの説明を捕捉した。
「フフッ、博士達と共に可憐なるレン君と健気で可愛いティータ君が共に笑い合いながら開発する貴重なシーンに立ち会えた私は幸せ者だよ……!」
「アハハ……アンちゃん、レン姫と一緒に開発した技術者の人達ってそんなに凄い技術者なの?」
酔いしれた様子で呟いたアンゼリカの話を聞いたトワは苦笑しながら尋ね
「ああ。レン君はあのアルバート・ラッセル博士を含めた”ラッセル一家”と協力して私のARCUSを使って、たった2週間近くでARCUSの改良版を作り上げたんだ。」
「”アルバート・ラッセル”博士だって!?」
「”導力革命の父”と謳われているリベールの有名な技術者か……!」
「なるほどな。確かに”導力革命の父”ならばARCUSを分析し、改良版を開発できてもおかしくはないな。」
「う、う〜ん……”ラインフォルトグループ”としては複雑ね……ラッセル博士がARCUSの解析をしたって言う事は”ZCF(ツァイス中央工房)”にもARCUSの情報が知れ渡っているって事だし。」
アンゼリカの話を聞いたジョルジュは驚いて声を上げ、マキアスは目を見開き、ユーシスは静かな表情で呟き、アリサは冷や汗をかいて苦笑した。
「全く、この悪戯仔猫は………相変わらず油断も隙もないわね!というか、ハッキングはクロスベルだったら違法なのよ!?」
「ハハ、ティータ達が目を輝かせて開発している姿が思い浮かんでしまうね……」
「アハハ……そうだね。まあ、おかげでミント達もレンちゃん達が開発したARCUSを貰えたけど。」
エステルはジト目でレンを見つめ、ヨシュアとミントは苦笑し
「うふふ、エレボニアでは”まだ”違法じゃないし、全く同じ物じゃないから問題ないわよ♪」
エステルの注意に対して小悪魔な笑みを浮かべて言ったレンの言葉にその場にいる多くの者達は冷や汗をかいた。
「さてと。話は免れたが……”Z組”が旧校舎の探索に向かう事を常任理事の俺が許可しているのだから、文句はないな?ヴァンダイク学院長。」
「やれやれ、理事であるリウイ陛下の意向ならば仕方ありませんな。―――現在、19:45。Z組の面々は24:00までの探索を許可しよう。それ以上はさすがに”明日”に障りがあろうからな。サラ君、レオンハルト君。君達は陛下達に同行してZ組の生徒達を守ってやってくれ。」
「はい!」
「了解した。」
リウイに視線を向けられたヴァンダイク学院長は苦笑した後リィン達にウインクしてサラ教官とレーヴェに指示を出した。
「―――女神(エイドス)の加護を。幾ら英傑達も同行してくれるとはいえ、何があるかわかりませんからね。無理をせず退くというのも勇気のうちだと思いますよ〜。」
「みんな……!くれぐれも気を付けて!わたしたちも出来る限りバックアップするから……!」
「技術棟も開けておくから整備が必要なら来るといい。それと、売店や食堂も閉めないように頼んでおくよ。」
トマス教官、トワ、ジョルジュはリィン達にそれぞれ応援の言葉を送った。
「トマス教官、会長、先輩、ありがとうございます……!」
「ヨロシク頼んだぜ!」
「それじゃあ行ってきます!」
そして多くの英傑達と共にリィン達は自分達の”明日を掴む為”に旧校舎の中へと入って行った………!
と言う訳でレンがラインフォルトグループにハッキングしていた影響でリウイ達やエステル達もARCUS(改造版)持っています。リウイ達がARCUSでのみ使える機能(例・戦術リンク)を使ったら、えげつない事になりそうですね(爆笑)
説明 | ||
第276話 | ||
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コメント | ||
感想ありがとうございます マジロン様 一番可哀想なのはこんな滅茶苦茶メンバーを相手する事になるロアさんですねww ジン様&kanetosi様 先に行っておきますが止め刺すのはリィンじゃないです、ハイ(汗) 本郷 刃様 この3人が揃ったら相手が哀れすぎですねww(sorano) セリカとリウイ、それにエステルという超過剰戦力が加わり魔獣達は恐れおののくしかないですねw(本郷 刃) 以下同文!リィンが止め刺さなきゃ物語が成り立たない!(すでに原作崩壊しているのは笑って流してw)(kanetosi) 取り敢えずロアさん相手にとどめを刺すのはリィンでお願いします。(ジン) 相変わらずこれはひどいw閃Tって最終ダンジョンがここなんで仕方がないんでしょうけど。最後はやっぱりリィンの活躍で締めてほしいものです。試し?そんなのいませんよw(マジロン) |
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