突発!乱の書き逃げ劇場3 |
今、俺はとある異空間の界層にいる。
ぶっちゃけて言うと目の前には神魔の最高指導者、キーやんとサっちゃんがいるわけだ。
「で、用事って何なんだ?」
『横っちにはちょっくら別の世界に逝っといてほしいんや』
「別の世界に行ってくれって…、時間的にはどの位だ?」
『魂だけの転生という事になりますからその世界での一生、つまり人生を終えるまでになります』
アシュタロスとの闘いが終わってから数ヵ月後、俺は神魔の過激派達に襲われる様になった。
どうやら奴等はデタントの反対派でそれを覆し、再び戦争状態に持って行く為にもデタントの象徴でもある俺の存在が邪魔らしい。
そこで、神魔の正規軍が過激派連中を討伐する間、俺に別の世界へと避難してくれと言って来たのだ。
キーやん達の言う事では魂と肉体を分離させ、魂だけを他の世界に転生させて過激派連中の目を誤魔化そうと言う事らしい。
で、俺が別の世界で天寿を全うする間に過激派連中を押さえ、帰って来た魂を再び元の体に戻すとの事だ。
つまりはキヌちゃんの時と同じ反魂の術だな。
その際に、俺は任意の時間帯に戻る。
この空間からならそういう裏ワザも可能らしい。
「しかし、幾らなんでも一生分は長すぎるやないかいっ!!」
『我慢してくれや横っち。そんかわり、戻って来た時にはええご褒美があるで』
「なんじゃい、それは?」
『貴方を別の世界に転生させる際に貴方とルシオラさんの魂を分離させます』
「 !?っ 」
『そして貴方が戻って来るまでにルシオラさんを復活させておきましょう』
「そんな事が……出来るのか?土偶羅の奴はそー簡単にくっ付けたり剥がしたり出来んと言うとったが」
『それはあくまでも人の体での話で、魂での状態なら可能です。ついでに欠損している横島さんの霊気構造も直しておきましょう』
『ルシオラはんも人間として転生させるさかいに添い遂げる事が出来るで』
「ホンマやなっ!? ホンマにルシオラが生き返るんやなっ!! ウソ吐いたら呪うで!!」
『ホ、ホンマや!ホンマ!』
「分かった、商談成立だ。で、俺が行くのはどんな世界だ?」
『あ〜〜、ソレはやな〜〜……』
それから月日は経ち、5歳になった俺は前世の、横島忠夫の記憶を取り戻した。
そして俺が生涯を送る事になったこの世界は、二百数十年毎に聖戦が繰り返される…
”((聖闘士|セイント))”が居る世界であった。
遥かなる神話の時代、一人の女神が地上に光臨した。
その名はアテナ。
地上の平和を愛し、願うアテナの元に何時しか世界中から少年達が集まって来た。
彼等は武器を嫌うアテナの為に己の肉体そのものを鍛え上げていった。
その拳は空を切り裂き、その蹴りは大地を割ったという。
そして彼等は地上の覇権を狙う数々の邪悪と闘い常に地上を護り続けた。
何時しか、彼等はアテナと共に地上の愛と平和を護る希望の聖なる闘士……
=聖闘士=と呼ばれる様になる。
そして、時は流れ現代。
ワイの名前は横島忠夫。
前世っちゅーか、まだ死んだ訳やないんやけど最高指導者のキーやんとサっちゃんに過激派神魔族を取り押さえる間、別の世界で過ごしといてくれと頼まれて異世界に転生した訳や。
家族構成は両親とワイの三人家族。
転生したこの世界でも何故かワイの両親は元の世界と同じ横島百合子と大樹の二人やった。
もしかしたらこの世界でもアシュタロスとの戦いが起こるかもしれへん。
そー思ったワイは7歳になったある日、オカンに『強くなりたい、どんな相手にも勝てる様に』と言ったんや。
オカンなら誰か良い師匠を紹介してくれると思ったからや。
そして今ワイは………
「どうした、忠夫!まだたったの5千回だぞ。スクワット、残りの2千回を終えるまで食事は抜きだからな」
「5千回もすれば十分やんかっ!」
「甘いっ!そんな事で聖闘士になれると思っているのか!?」
「おがーーーんっ!!」
あれから2年、ギリシャ((聖域|サンクチュアリ))で今日も聖闘士になる為の、死ぬか死なないかの修行の日々を送っとるっちゅー訳や。
……何でこーなったんやろな?
聖闘士忠夫ω
第一話「原理は同じ筈やのに、絶対決まらない!」
そんなこんなで毎日続くシゴキの日々、今日は師匠と組み手の特訓や。
ワイの師匠、それは((山羊座|カプリコーン))の((黄金聖闘士|ゴールドセイント))、シュラ。
右手の二の腕にはブレスレットが填められていて、そのブレスレットには菱形の宝石が付いている。
宝石の名は((聖衣宝石|パンドーラジュエル))。
その中には聖闘士に与えられる((聖衣|クロス))が収められているらしい。
ワイも一度装着した所を見せてもらったが、山羊座の黄金聖衣は文字通り黄金に光り輝いて綺麗やった。
ワイも何時かは聖衣を手に入れたるで!
「さあ忠夫よ、かかって来い!」
「行っくでーーーっ!喰らえ!「コンティニパンチ!」どおりゃーーーーー!」
全力で繰り出す右ストレートの連打。
その威力は衝撃波となって相手に襲い掛かる……、筈やのに。
「ふっ、まだまだだ」
師匠のシュラは軽々と片手で全てを受け止める。
「うおっ!コンティニパンチが破られた!!」
「破る破られる以前にこんなモノは技とも呼べん」
「くそーー、原理は魔鈴さんの流星拳と同じ筈なのにな」
「はぁ…、魔鈴の流星拳はマッハを軽々と越える。それに比べてお前のパンチは秒間50発、この程度の速度では((虚仮威|こけおどし))にも成らないぞ」
「マッハか。音速、ねえ…」
ワイの脳裏に思い浮かぶのは前の世界で魔法の箒「炎の狐」で音速の壁にぶつかった時の事。
あまり良い思い出と言える物ではナイ。
「聖闘士の速度、それは((青銅|ブロンズ))でマッハ1、((白銀|シルバー))でマッハ2から5、そして((黄金|ゴールド))になれば光速にまで達する。聖闘士になりたければ音速を超えるのが最低条件だぞ」
「聞けば聞くほど人外魔境やな」
「それを可能にするのが己の中にある『小宇宙』だ。いいか、人は誰も皆自分の中に小宇宙を秘めている。宇宙は百五十億年前のビックバンによって生まれ、その欠片は宇宙全域に飛び散った。この石にも、あの花にも小宇宙は秘められている。当然、お前の中にもな」
「ワイの中にもか。あまり実感無いな」
「お前にも何時か自分の小宇宙を感じる時が来る。その時こそお前が聖闘士として目覚める時だ」
「そんなモンかな?」
あまり実感は湧かへんのやがな。
実際、小宇宙より先に霊力に目覚めてもうたし。
師匠には内緒にしとるが、サイキック・ソーサーやハンズ・オブ・グローリー、そして文珠も作れる様になっとるんや。
「さあ、次は小宇宙の特訓だ。この石を((斬って|・・・))みろ」
師匠は岩の上に置いた石を((切って|・・・))みろと言って来た。
丁度いいタイミングや、霊波刀で切った後にカミングアウトや。
「よし、見とってや師匠!ハンズ・オブ・グローリー!」
「なっ!!」
師匠の目の前で石は台にした岩ごと真っ二つになった。
ふっふっふ、狙い通り師匠は目を丸くしとる。
「どーや師匠、見ての通り真っ二つやで」
「確かに凄いがこれでは駄目だ」
「…何でや?」
「俺は斬れと言ったんだ。だがお前は切っただけに過ぎん」
「どう違うんや?」
「見ていろ。ふんっ!」
師匠は((聖剣|エクスカリバー))でワイと同じ様に石を岩ごと真っ二つにして、その石はワイの切り口と合わせて十字に切れていた。
いや、師匠の方は地面まで綺麗に斬れていて、その切り口の断面はまるで鏡の様やった。
それに比べてワイの方の切り口はザラザラやった。
「どうだ、”斬る”と”切る”。その違いが解っただろう」
「うん、解った…」
「お前のその力、確かに凄い。だがその程度では多少切れ味の良い武器を持ったのと大して変わないし、聖闘士には通じない。何故だか解るか?」
「…解らへん」
「その力には小宇宙が宿っていないからだ」
「小宇宙…、結局はそこに行き着く訳なんやな」
「聖闘士の拳は空を裂き、蹴りは大地を砕くと言われている。それは聖闘士が破壊の究極を極めているからだ」
「破壊の究極?」
「そう、破壊の究極とは即ち原子を砕くと言う事。この世の物質は全て原子の組み合わせによって形作られている」
そう言いながら師匠は傍に在った岩を指で軽く突く。
すると岩はあっけなく砕け散り、砂になって風に舞う。
「そして俺のエクスカリバーは原子を砕くのではなく、原子を斬り裂く」
師匠は別の岩に向かって拳を振るい、その岩は真っ二つに斬り裂かれた。
「…この万国ビックリショーを可能にするのが小宇宙の力と言う訳なんやな」
「ば、万国ビックリ…。まあ、そう言う事だ。さあ、組み手の続きをするぞ!」
「…手加減はしてくれるんやろな?」
「安心しろ、死なない様にはしてやる。…(なるべくな)」
「今、ものすごく小声でなるべくとか言っとたやろーーっ!!」
「問答無用ーーーっ!!」
「おがーーーーーーーーんっ!!」
そんなこんなで忠夫の聖闘士としての修行は続く。
今日も聖域は日本晴れ。
続く……と良いナア…。
(`・ω・)という訳で書き逃げ第三弾。
ちなみにこの世界ではサガの乱は起こっておらず、黄金聖闘士は12人揃っていて、教皇シオンも健在で星矢達青銅五人組はとある理由から序盤は登場しない設定だった。
聖衣宝石パンドーラジュエル、これはこの話オリジナルの呼び方です。
アニメそのままのクロストーンじゃ何だかな?と思ったもので聖衣箱パンドーラボックスからパチって来ました。
ちなみにアニメ版Ωとは何の関連性もありません、ω(小文字オメガ)を使いたかっただけ。
コンティニパンチはご存知の通り「中の人」ネタです。
ウイングマンとのクロスも何時かやってみたいな。
(・ω・)ノシ<でわ、また次の書き逃げでオイラと握手、約束だ!
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書き逃げのストックはとりあえず終わり。 ※ブログとOTRに投稿しています。 |
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