義輝記 星霜の章 その二十参
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【 茨砦 攻略へ! の件 】

 

? ?州 烏巣付近 茨砦内 にて ?

 

深夜 丑三つ時………

 

パチリ!

 

部屋の中で半眼で正座をしていた、劉焉の目が開いた!

 

劉焉「誰ぞある! 敵が来たようだ! 迎撃準備を開始せよ!!」

 

晋兵「はっ、はいっ!」

 

劉焉の部屋の外に控えていた不寝番を呼び出し、敵襲来を告げて準備を急がせる。 劉焉自身も……傍に置いてあった剣を取り……呟く。

 

劉焉「………ぐっ! 私の封印していた左手のナニか蠢いている! まだ……早い! まだ早いんだ!!」

 

そして、一生懸命『右手』を『左手』で抑え付けていた。

 

劉焉も皇族の血筋を引く者。 その為、例の病に罹病している。

 

……………絶賛……『中二病』発症中である。

 

★☆☆ 

 

? ?州 烏巣付近 にて ?

 

何進達が将を引き連れ、斥候に出てきた。

 

本来なら……最高位の将軍がやる必要では無いが、念のため実際に様子を見てみたいと言い張るので、将を護衛として鳥巣砦の様子を見にきたのだ!

 

何進「まずは、斥候を率いて様子を見るか。 三太夫の情報が間違いは無いと思うが、聞くと見るとで戦場の様子は様変わりする! 無駄な犠牲を無くす為には必要不可欠だったな……穏よ?」

 

穏「そうです〜! 三太夫様の話によれば、白装束の兵は居なかったとの事ですが、急に現れる可能性もあります! 下手に大軍で攻めて、前に晋軍後ろに白装束で囲まれ、サクッと討たれてしまうなんて困りますからね〜!?」

 

桔梗「そのため、一騎当千の我々だけでか……。 大胆だが悪くは無い!」

 

紫苑「私は……焔耶ちゃんと迷吾君に留守を任せて、些か心配何だけど……」

 

阿貴「迷吾も王の一人! 一見タダの脳筋にしか見えませんが、羌族の王としての実績もある脳筋です! ですから、何かしらあれば、焔耶様と共に打ち破って下さいますよ! 紫苑様!」

 

穏「何か〜真綿に針を入れたような言い方ですね〜?」

 

そんな事を小声で言い合いながら、鳥巣砦を見渡す。

 

高さが城の城壁並みにあり、茨の厚みは中の様子が分からない程。 完全に壁であるが、材料は『生えている茨』である事は……間違いない。

 

阿貴「では……試しに!」シューン! ザシュ!

 

阿貴が茨を抜くても見せず、居合いで斬り落とす! 

 

数本の茨が斬られたが……あっという間に切断箇所より伸び続け、元の状態になる。 復元能力が異常に早い為、何進達は驚く!!

 

阿貴「────なんて茨だ! こうも早く伸びるなんて、火計が本当に出来るものなのかぁ!?」

 

何進「…………天城の策を信用するしか────!?」

 

ザッザッザッザッ……………

 

??「やれやれ! どこの鼠が入ったと思えば……『牛と犬』が来たようだね。 厳顔、黄忠……そして何進………!」

 

白銀の鎧を着用した『劉焉』が数千の晋兵と共に、姿を見せた。

 

 

◆◇◆

 

【 双極火牛の計 の件 】

 

? 司州 河南尹 鶏洛山付近 にて ?

 

亞莎「あ、ああ合図の旗です! 兵士さん達、お願いします!」

 

明命「柵の出口を解放して下さい!!」

 

ーーー

 

左近「全員! 火を付け終われば──山腹に逃げろよ! 私は『鬼』と言うものを、アイツらに教えてから逃げ込むからな!」

 

ーーー

 

『防塁』の目の前で進軍が出来ず、後ろから攻められ、身動きが出来なくなった鳥丸兵。 馬から降りて柵を破壊しようとする者も居たが、隙間から攻撃される槍衾に、敢え無い最後を遂げた。

 

そんな折り、左右の森から『火牛』の群れが突撃してきた!

 

角の部分に短剣を付け加え、尻尾には乾いた草束をくくりつけ、目を血走りながら向かう牛達! 左右の火牛達の攻撃に為す術が無い鳥丸兵!

 

鳥丸兵「まぁ、ままままま待てぇーーぐぼぁ!!」

 

鳥丸兵「馬鹿なぁぁぁぁーーーーー!!」

 

ーーー

 

明命「───亞莎! 行くですよ!」

 

亞莎「あ、天城様達を置いて行くの、明命!?」

 

明命「──約束したからです! たとえ……虚言と分かっていても、私達の身を心配してくれた『天の御遣い達』の心使いを無にするわけには! だから、私達は、雪蓮様達の元へ戻るのですよ!!」

 

亞莎「うん! 必ず───助けに参りますから! 待っていて下さいね!!」

 

ーーー

 

左近「どけどけぇ───!! 貴様等如き未熟者共が、我らを倒せるかぁ! 身の程を知れぇぇぇ!!!」

 

牛の群れに紛れ襲いかかる島左近! 目が赤く光り、常人と違う様子に慌てふためく鳥丸兵!

 

細身の女性の筈だが、速さ、威力、反応は……大の男を蹴散らし、更なる恐怖を巻き起こす! 牛も、その姿に感化されたのか、暴れ方も派手になる!!

 

鳥丸兵「う、牛の群れの中に女──だと!? グヘッ!」

 

鳥丸兵「せぇーいぃ! ん? 斬った筈が………ゴボッ!」

 

左近「ふっ! 弱すぎて相手にならん! ────ん!? 来たか! 本隊が来たぞ! 引けぇ!! 引けぇぇ!!!」

 

ーーー

 

しかし、久秀達の姿を見つけると天城達は退却始める! 左近も何度も振り返りながらも、柵を乗り越えて…………颯馬の後へ続く!

 

残ったのは、死傷した鳥丸兵達と侵入を阻む防塁だけだった。

 

★☆☆

 

久秀「なるほど。 久秀達を誘い込んで罠を仕掛けるなんて、狡賢くなったものね……颯馬?」

 

于吉「ここの台詞は『お主も悪よのう〜』と言うのが正しい言い方ですよ?」

 

順慶「何をおかしな事を! 早くあの防塁を破りましょう! なんなら私が──あっ!?」ガクガクガクッ! 

 

左慈「……待て。 俺が破壊してやる! 近頃、暴れていなかったからな!」

 

順慶「───老師?」

 

于吉「もぅ〜左慈ったらツンデレなん…………」ガシッ!

 

左慈「『于吉人手裏剣』!!!」ブゥーン!!

 

左慈は、于吉の足を持ち───回転させて投げ捨てた!

 

于吉「あ〜れぇ〜!!」ドゴォォォーン!!!!

 

猛速度回転する于吉は────防塁の一部を破壊した!!

 

久秀「今よ! 防塁を越えて侵入なさい!!」

 

晋兵『は─────っ!!!』

 

こうして………于吉の尊い犠牲により、防塁を抜ける事ができ………! 

 

于吉「久々に左慈から『愛の洗礼』を受けました! うぅーん!  肩凝りが消えましたね!( ´∀`)」

 

左慈「ちぃ! 生きていやがったかぁ!!」

 

久秀、順慶「「 …………………… 」」ハァー

 

顔をツヤツヤさせた于吉が、防塁の残骸から笑顔で手を振り出てきた。

 

左慈は嘆息しながら上を向き、久秀と順慶は……顔を見合わせ溜め息をついたそうだ。

 

 

◆◇◆

 

【 ここの劉焉は、こんな人 の件 】

 

? ?州 烏巣付近 にて ?

 

紫苑「ま………まさか、貴方様が!?」

 

桔梗「劉焉様………そのお姿は如何に!?」

 

何進「…………………………」

 

劉焉「ふん! お前達のような悪の巨乳人達に話す必要がないけど……大将軍が居る手前だ。 話してやってもいいよ! ………但し、貴様等は僕から一丈(約2b)範囲に入るな! お前達が居ると……僕の繊細な神経が悪くなる!」

 

桔梗「ぐっ───!」

 

紫苑「待って! ここは劉焉様に従いましょう………」

 

何進「待て! 儂の傍から離れるな! …………現漢王朝大将軍『何進』の命令だ! 一緒に聞かせて貰うぞ!! ──────劉焉!!!」

 

桔梗、紫苑「「────閣下!!」」

 

劉焉「……………確かに、身分で言えば何進! 君の意見が正しい! 仕方がないから大人しく語らせて貰うよ! 今は────ね?」

 

何進「阿貴、穏! お主達も聞いていい! 傍に居てくれ!」

 

『はっ!!』

 

何進の傍に桔梗、紫苑、阿貴、穏が寄り添う。

 

劉焉「………君は……全くもって嫌がらせの天才だよ! 異民族や新しい巨乳人を連れて、この場に現れるなんて……。 やはり、松永卿に付いたのは正解だった!! あの方の性格は勿論、慎ましい胸も……とても素晴らしい!!」

 

そう言いながら、劉焉は話した。

 

☆★☆  ☆★☆  ☆★☆

 

益州から護送される途中、左慈に救われた事。 

 

その左慈により………若返った事。 

 

久秀の胸は……実に理想的な大きさで、神の芸術に近い素晴らしき物である事。

 

☆★☆  ☆★☆  ☆★☆

 

劉焉「………僕はね、益州に赴任していた時に決めていたんだ! 正義の貧乳人の為の国を作ろうとね? だから、貧乳の将を配下に入れようと……色々頑張ったんだよ! 洛陽に演説に言ったり、勧誘に出向いたり………!」

 

劉焉は、声高々に自分の政策を挙げるが、破廉恥過ぎて削除。

 

そこまでは、自慢気に話していたが……急に桔梗達を指差すと憎々しげに叫んだ!

 

劉焉「………そんな僕の活動は……この二人に邪魔された! 折角……勧誘して来てくれたのに……厳顔や黄忠の胸を見て───全員辞退するんだよ!? 僕の夢、希望、努力は──いったい何だったんだぁぁぁぁ!」

 

劉焉は大粒の涙を流して……泣き叫んだ!!

 

ーーー

 

桔梗「儂等が疎まれていた理由が………これか?」ムニュ!

 

紫苑「………そうみたいね。 納得し難いけど………」

 

穏「そんなぁ〜! 好きで大きくなった訳じゃないのにぃぃ!!」

 

ーーー

 

劉焉「五月蝿い!!! それから後……僕は天から見放されたと悟り、絶望して閉じこもったんだ! 何時しか……貧乳の世界が来ると信じて!! そして、時は遂に来た! 神の遣い『松永久秀』卿が僕を導いたんだ!!!」

 

そう……言い終わると……劉焉は何進に叫ぶ!

 

『 君は僕を侮辱した! 万死に値する行為だ!! 』と!

 

劉焉「………何進! 君は僕に対して許せない事をしたのだよ! 一つ…貧乳の軍師を手に入れた事、二つ…僕の代わりに益州を手に入れた事、三つ…目の前に現れ、僕の野望を再度潰そうと動いた事だ!!」

 

劉焉は、配下の兵に『何進達の死刑宣告』を命じる!

 

劉焉「全軍、この不届き者達を────殺せ!!!!」

 

劉焉の背後の晋兵が───何進達に襲いかかった!!

 

 

◆◇◆

 

【 天の国の策 の件 】

 

? 司州 河南尹 鶏洛山付近 にて ?

 

準備が完了した小太郎は、逃走してくる洛陽兵に伝える!!

 

小太郎「皆さん!! 『目印』のある所に乗らないで下さい!」

 

小太郎は『天の国の策』を実行した折り、目印を立てた。 

 

そこには『風車』が刺してある。 

 

風が吹けば……カラカラカラと、寂しげな音が鳴り響く。

 

洛陽兵「風魔様の目印だ! 避けて通るぞ!!」

 

洛陽兵「踏むと死ぬぞ! 絶対に避けろ!!!」

 

その策は……何なのか事前に知らされていた洛陽兵は、それぞれ言い合いながら、その場所を避けた。 風車は、そんな様子を気にもせず……クルクルと回り続けていた。

 

★☆☆

 

晋兵「こんな所に……風車(かざぐるま)が……」

 

防塁を抜け出した一人の晋兵が、風車を見つけて拾った。 

 

当時には植物の葉で作った児戯の風車が一般的。 それが、珍しい……色紙で出来た綺麗な風車が落ちているなんて………。 

 

世の好事家が見れば、間違い無く…高値を付けても欲しがる逸品である。

 

鳥丸兵1「おぉい! 良い物もってんな! 俺に寄越せよ!? んん〜? 何だぁ〜その不満そうな顔は? あぁ……勿論タダとは言わねぇよぉ!」

 

居丈高な物言いを吐く鳥丸兵は、腰に付けていた剣を抜き出し、刃を晋兵に向ける! 驚愕な表情を浮かばす晋兵に向け、にやけた顔で鳥丸兵は言い放つ!

 

鳥丸兵1「お前の命と引き換えだぁ! 断れば、殺して奪うまでさ!!」

 

不満たらたらな晋兵は……風車を渡し……先を急いだ!!

 

鳥丸兵1「ふん! 素直に渡したから殺されずに済んだんだ! 感謝して貰いたいもんだぜ! くくくくくくっ!!!」

 

そう言って嗤い顔を浮かべ、手に取って回す。

 

カラカラカラ……  カラカラカラ……

 

風車は風が送られるたびに回る。 

 

鳥丸兵2「良いものが手には入ったな!?」

 

鳥丸兵3「上手い事やったじゃねぇか! 俺にも何か奢れよ!」

 

鳥丸兵4「俺も俺も…………!」

 

鳥丸兵1「分かってるよ! この戦が終われば────!!」

 

そう言って、一歩……風車の置いてあった地に踏み込んだ!

 

  『カァ────────!』

 

鳥丸兵1の居た所に『猛烈な爆風』と『耳をつんざく爆裂音』! 

 

そして……血だらけで四肢が吹き飛んだ鳥丸兵1、爆風で弾き飛ばされ、息絶えている他の鳥丸兵が……爆心地より少し離れた場所に倒れていた!

 

鳥丸兵1「な……何が………あったん………だ……?」ガクッ

 

▽▼▽  ▽▼▽  ▽▼▽

 

風魔流忍術

 

《 埋め火の術 (うずめびのじゅつ) 》

 

木箱に調合した火薬を入れて置き、蓋に火縄を取り付けて埋める。

 

現在で云う《 地雷 》を指す。

 

相手が知らずに、その上に乗ると……重さで火縄と火薬が接触、爆発を起こす! 各忍びの流派により工夫がしてあるが、風魔では目印に『風車』を立てる事が特徴の一つ。

 

理由は不明だが……死に逝く者への手向けの花だ……と言う説がある。

 

△▲△  △▲△  △▲△

 

ーーー

 

晋兵「な、何が………『ミシッ』───あっ!?」カラカラカラカラ

 

『カッ──────!』

 

ーーー

 

晋兵「何だ! 何の音『ベキッ!』───へっ!?」カラカラカラカラ

 

『カッ────!』

 

ーーー

 

晋兵、鳥丸兵達は………大混乱に陥った!!!

 

 

◆◇◆

 

【 南蛮の技術と援軍 の件 】

 

? ?州 烏巣付近 にて ?

 

紫苑「させない────っ!」シュッ!

 

桔梗「やらせるかぁ!」ドシュ!

 

ーーー

 

晋兵「ニヤッ!」────カンッ!

 

晋兵「ヘヘヘッ!」───ゴンッ!

 

紫苑や桔梗が颶鵬や豪天砲で反撃するが、晋兵には通じなかった!

 

劉焉「愚かな………。 ここの守備は、この僕が束ねているのだよ!? 益州で滞在した際、耳にした『藤甲鎧』を着用させてある! 矢を弾き、槍も剣も通じぬ『藤甲鎧』に……どう対抗するのかねぇ?」

 

阿貴「『カンッ!』─────! 駄目か! 私の刀も通じぬ!!」

 

阿貴も……居合いを使い斬り倒すようにするが、弾き返されてしまう!

 

ーーー

 

穏「どうしましょう〜? どうしましょう〜!?」オロオロ! オロオロ!

 

何進「………儂が殿を引き受ける! お前達は逃げろ!!」

 

桔梗「馬鹿な事を! 閣下こそ我が軍の要! 命の軽重を間違えなさるな!」

 

紫苑「えぇ! 愛した人を先に亡くす悲しみなど……二度も味わいたくありません! 私達に構わず───早く御逃げ下さい!!」

 

阿貴「何進様方! ここは……私が抑えます! 貴方達に我が部族の命運を託しますから、早く! 早く逃げて下さい!!」

 

ーーー

 

互いに互いを庇っている間に、素早く動かれ……槍で四方を囲まれた何進。

 

劉焉「………何と女々しい有り様か。 サッサと誰かを置いて逃げれば助かったものを。 あぁ───無様、誠に無様! それしか言い用が無い!!」

 

何進「何をほざくかぁ───────うぐっ!」

 

何進が叫ぼうとするが、周辺を包囲され……槍を突きつけられる何進達に、逃れる術は無かった!

 

劉焉は自分の顔に手を当てて、首を横に数回振り続ける。

 

劉焉「ふむふむ。 まぁ……これは、そのような将達を配下に選んだ……何進が悪いと云うべきかな! まあぁ、自業自得としか云えないけどね──?」 

 

自分の動作に酔いしれながら………踊り子のように一回転して……何進達に指差しす。 睨みつける桔梗達を庇うように、前に出る何進と阿貴!

 

劉焉「まぁ〜いいよ! 僕は優しいからさ! 一斉に攻撃して、仲間と一緒に天の都とやらへ導いてあげる。 兵士諸君、おやりなさ───!?」

 

劉焉が最後の指令を出そうとした時……甲高い声が響く!!

 

『あぁぁぁ────! だいおー様ぁぁ! 何進を見つけたのにゃ!!』

 

★☆☆

 

一同が驚き、声が挙がった場所を見ると………!

 

美以「ふふぅ〜ん! みぃ達を置いて……皆で美味しい物を食べようなぞ、例え何進が許さなくても……このみぃが許すのにゃ!」バーン!

 

シャム「だいおー様! かっこいいにゃ!!」

 

トラ「だいおー! かっこいい!!」

 

ミケ「かっこいい………へぃ」

 

南蛮だいおー孟獲こと真名『美以』が………のけぞりながら立っていた!

 

ーーー

 

何進「も、孟獲達!! 何で……お前達が!?」

 

三太夫「俺が案内してやったんだよ! 何進の旦那!」

 

桔梗「三太夫! お主がか!?」

 

三太夫「あぁ! 益州勢を追いかけてくる、謎の勢力があるもんだから、ちょっと調べてみたら、何の事はねぇ……美以達だったんだよ! で、桔梗の姐さん達の危機だからさぁ! ちょっと、手助けして貰ったんだ!!」

 

ーーー

 

劉焉「な、何という事!? 猫耳、肉球、猫尻尾、幼児体型と萌えの要素が、これほどまで詰まった将等を……何進如きの配下に置くなんてぇ!? 許さない! 許さないよぉ!? 何進! 君から血祭りにして───!?」

 

ーーー

 

美以「うにゃ──! こんな所に『爪とぎ器』があるにゃ!」

 

南蛮兵『にゃ────!!』

 

晋兵「や、止めろぉぉ! 止めてくれぇぇ!!」バリバリ!

 

南蛮兵「にゃー! にゃー!!」

 

晋兵「藤甲鎧があぁぁ!!」バリバリ!

 

南蛮兵「ふにゃ──────!!」

 

晋兵「コ、コイツら! 我慢ならねぇ! 躾をしてやるぅぅ!!」

 

劉焉「お待ちなさい!! この者達を攻撃してはなりません!! 萌えを集約した未曽有の体現者達! 怪我をさせず……振り解くだけになさい!!!」

 

劉焉のとんでもない命令に慌てふためく晋兵達。

 

ーーー

 

三太夫「旦那! 呆けてないで逃げるぜ!!」

 

何進「孟獲達は大丈夫なのか!?」

 

三太夫「………見ての通りさ。 それよりも、この混乱が収まれば、俺らが危ない! 早く退却しないと!!」

 

何進「よし! 皆の者! 撤退するぞ!! 急げ!!!」

 

『はっ!!!』ダッ!

 

ーーー

 

晋兵「ま、待てぇぇ!!」

 

美以「むふふっ……良い感触にゃ〜! 久しぶりにみぃの爪が綺麗にとげるにゃー!! えいっ! やぁっ!」バリバリ

 

晋兵「えっ!? こ、こらぁー!! お、俺の藤甲鎧が〜!?」

 

ーーー

 

劉焉「くぅ〜! 千万一隅の好機に、千万一隅の遭遇が重なるなんてぇ! なんて運が良い男でしょう!」 

 

劉焉は端正な顔を怒りで歪めるが───急に笑顔になった。

 

劉焉「まぁ……いいや。 今は見逃してあげる。 だけどね……何進! 次に相見える時、君と君に従う将諸共──皆殺しにして、その顔を……血化粧で飾ってあげるよ!」

 

三太夫の案内で逃走する何進達に向かい、『全員抹殺』を宣告する劉焉!

 

何進「人を人と思えぬ貴方に……上に立つ資格など無い!! 降りかかる火の粉が皆に来るなら───この儂が、火元から消し去ってやる!!」

 

桔梗達『……………………!』

 

美以達の活躍で、何進達の危機は脱出できたのであった!

 

ーーーーー

ーーー

ーーー

 

美以「うにゃー!! 存分に堪能したのにゃ! 皆、何進の所に戻り、美味しい肉料理を頂戴するのにゃ!!」

 

南蛮兵「にゃーにゃー!」ゾロゾロゾロ

 

……………………

 

残ったのは、ボロボロになった自慢の藤甲鎧、疲れ果てた晋兵達。

 

そして……噂に聞いていた『南蛮の猫娘』達を存分に愛でまくり、撫でまくった劉焉は、至福の表情を見せていたと云う。

 

 

ーーーーーーーーー

ーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

前作投稿後に、アイデアが浮かび……書いてたら完成しましたので、投稿します。 今度は、早く出来るかわかりませんが、その時は宜しくお願いします。

説明
義輝記の続編です。 よろしければ読んで下さい。
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コメント
naku様 再コメントありがとうございます! ……それは……まぁ………そうですね。(いた)
西瓜から葡萄まで色々ですね。 えっ? 何をと言われると……果物の話です。 はい。 誰も胸の話などしてはいませんから。 やれやれ……益州の名将達は、自信過剰で困りますね。(いた)
naku様 コメントありがとうございます! 貧乳をこよなく愛す劉焉ですが……華琳を見て『愛でる』か『嫌う』かどうなるかなと……おっと、深入りし過ぎだ。 一刀は……巨乳も愛すナイスガイの為、割とそりが合わないかと。(いた)
mokiti1976-2010様 コメントありがとうございます! 本編では無理っぽいので……。 劉焉「おぉ…我が子房よ! 私の胸に飛び込んでおいでなさい!」 桂花「い、幾ら貧乳に理解があると言っても、私達にも主を選ぶ権利はあるわ! アンタみたいな奴、俎と洗濯板と付き合た方が世の為よ!」(いた)
禁玉⇒金球様 コメントありがとうございます! 劉焉が求めていた人材は……孟獲を欲するところからして『有能』は抜けています。 『男の娘』に興味を持ってもらえば……万事解決かもしれません。 女の闘いもある意味無縁であり、別の闘いが勃発するかもしれませんが。(いた)
成程…自慢の藤甲鎧も美以達にとってはただの爪とぎ器ですか。そして…是非劉焉と桂花の邂逅を見てみたいですね。相容れる事は無いでしょうが。(mokiti1976-2010)
貧乳かつ有能な人材なら獲得に奔走してもいくらかは納得できる?、貧乳党の根は深いから確かにあの三人を見たら傍に居たくはないかもですが…どこぞの無乳腐れ軍師も大概だし現代でも女の闘いは色々ありますからね(禁玉⇒金球)
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