心・恋姫†無双 第二話
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心・恋姫†無双 〜大陸動乱編〜

第二話 〜嵐と仮面〜

 

俺がこの益州・巴郡にきて数日がたった。

何もすることがなく城内しか歩けない・・・・・そしていつまでもタダ飯を食べるわけにもいかないので、城内の雑用を手伝うことにした。

まだ疑問がとけないし全てが解決したわけではないけど・・・・・・俺は今この場所に呼ばれた理由ともし帰れるなら帰る方法も探したかった。

けど探すにしろ字が読めない。

 

だから俺は、

 

徐庶に教えをこいたのだ。

「私に字を教えてほしいのですか?」

「あぁ、時間があまったときで良いからさ。」

「それは、大丈夫ですけど・・・・・なぜ私なのですか?」

「それは、君が文官で軍師だからさ。」

「・・・・・・・・わかりました。では、今日は無理ですのでまた明日の夜にでも。」

「ありがとう。じゃあ、俺手伝いがあるからまたな!」

「はい・・・・・・・。」

一刀は別れを告げ、駆けていった。

一人残される徐庶。

「北郷さん・・・・・・やはりあなたは・・・・・・・・・・。」

 

 

一方、一刀は倉庫の片付け

「っぺっぺ!!・・・・・埃が本当に凄いな。」

物を動かず度に凄まじい埃が舞い上がる。

そんな中、一刀は物を片付けながらも違うことを考えている。

 

・・・・・・こりゃあ確実にばれてるな。

最初に話したときに口が滑りすぎたな・・・・・・・違う世界ってことにしたけど・・・・・・・・

俺はどうなるんだろうな。

 

 

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なんだかんだで俺は一日を倉庫の片付けについやした。

そして、厳顔さんに至急執務室に来いと言われたので行くことになったのだ。

 

「どうしてそんな汚れておる。」

「いや、倉庫の片づけを今の今までしてたから。ごめん、せめて汚れ落としてくれば良かったな?」

「わしは構わんぞ。ただ会わせたい奴らがいるのでな、だから呼んだのじゃ。」

「ん?それって誰?」

「一人はこやつで、もう一人は北郷の後ろにすでにおるぞ。」

そう言われて部屋の陰から一人の女性がでてきた。

オレンジ色の短髪のハネッ毛、胸は並。

そして後ろを振り向くと一人の男性が立っていた。

「うおっ!!」

「あっしは影が薄いもんでね。すいやせん。」

「い、いえ、こちらこそすみません。」

そんなレベルの話じゃ無いぞ。

本当にまったく何も感じなかった。

 

 

男性が俺の隣をすり抜け女性の隣に並び立つ。

あれ?・・・・・・このかすかな香り・・・・・・・・・。

「あんたが噂の北郷か。俺の名前は法正ってんだ、よろしくな!」

「あっしの名前は張松でやんす。・・・・・以後、お見知りおきを。」

「俺の名前は北郷一刀っていうんだ、よろしく。」

それにしても法正と張松か・・・・・・こりゃいよいよだな。

 

「二人はまだ若いが知略と武は並外れていてな。今はわしの部下だが、これから伸びる人材だ。」

「へぇ、凄いな。」

「そんなことねぇよ。北郷だって噂がたってるぜ色々とな。」

「噂?」

「変な奴がきたってな。」

「・・・・・・答えになってないよ。」

法正がニシシと笑う。

法正という女性は俺と年も近いだろう。

そして、根が明るいのだろう、悪い人ではないとわかる。

 

 

逆に張松は不適な笑いを浮かべている。

「ん?あっしの顔になにかついてやすか?」

「いや、なんでもない。」

「この顔が珍しいですかね?」

「そういうわけでもないよ。」

張松と名乗った男性は眼は細く、出っ歯。

髪を後ろで丸くまとめており男性にしては小柄の優男。

「あっしは醜いでやんす。だから慣れてますよ。」

「・・・・・・・・・・・・。」

 

なんだろうな、この違和感。

嘘か・・・・演技か・・・・・・・・・・・。

言動からは何もわからない・・・・・・ここは賭けてみるかな。

 

「張松さん。」

「なんでやんすか?」

「あなたは本当に張松さんなのか?」

「・・・・・・・どういう意味ですかね、それは?」

「えっと違和感がある・・・・・だけじゃ駄目だよな。」

「あっしを馬鹿にしておいでで?」

「そう言われてもな、髪からかすかに石鹸の臭いがする。俺もこっちに来て風呂に入ったけど、男用の石鹸の臭いじゃない。」

「そうか?俺はわからないけど。」

「・・・・・・・勘違いでやんすよ。それに何で同じ男であるあなたが女の石鹸の臭いがわかるでやんすか。」

「俺の仕事は雑用だ。」

「・・・・・・・・話になりやせんな。では桔梗さま、あっしは用があるのでこれで。」

そういって帳松は執務室をあとにする。

 

 

「悪い事しちゃったな。」

「北郷、よく考えて物事を話すのだな。」

「嫌われても知らないぜ。」

「あとで謝らなくちゃな。」

「それそうと、今日は風呂の日だぞ。体を綺麗にしてこい。」

「そう言えばそうだな・・・・・・じゃあ行ってくる。」

「あぁ、また話そうな北郷!」

「わかったよ。」

一刀も執務室をあとにした。

 

「どうだ、北郷は?」

「俺は気に入りましたよ。あの頭の良さと大胆さ、それに人を見る目がある。」

「ほぅ、よほど気に入ったのだの。」

「はい。」

満面の笑顔で法正は答える。

「お主はどうだ?張松。」

執務室の柱の影から張松と呼ばれた仮面をつけた人物がでてくる。

「・・・・・・・・・・。」

「まだ何も言えないか。・・・・・・それとも?」

厳顔が意味深な笑みを張松と呼ばれた人物に向ける。

「・・・・・・失礼します。」

その張松と呼ばれた人物の声は男とも女とも言えぬ何とも神秘的な声。

その一言を残し消えた。

 

「あぁ〜あ。桔梗さまが嫌われますよ?」

「あの青い尻を叩いただけではないか。・・・・・それにしても北郷は本当におもしろいの。」

「まったくです。」

「どうだ、一杯やらぬか?」

「えぇ、喜んで。」

 

 

この後、風呂から出た一刀は酔っ払った厳顔と法正に絡まれるのは別のお話。

 

 

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夜が開けて、今日は夜に徐庶との勉強会があるだけの日だ。

日だったはずだ。

だけど、朝早く部屋の扉を元気よく開ける奴が来た。

「起きてるか、北郷!」

「なんだ、どうかしたのか法正。」

「せっかく女の子の俺が、わざわざ来たのにそんな態度か!」

「女の子は男の部屋に軽々しく入ってこないし、会ったの昨日が初めてなんだけど。」

「そんな細かい事を気にするのか北郷は!」

「いや、しないけどさ。・・・・・さすがになぁ。」

「うるさいなぁ、つべこべ言わず俺について来い!」

「はいはい。」

これが昨日酔っ払ってた奴の元気さか?

 

言われるがままに来たのは城内で定期的に行われる朝市。

朝市とは農民が野菜や果物を売る場であって徐庶の助言により開かれている。

普通の市は存在するが人がいっぱいで新しく市を広げられない。

そのため新しく来る人や、わざわざ遠いとこから売りに来る人のために城内の一部を開放して朝市を行っている。

もちろん入るのには厳重な警備をくぐらないといけないが。

「へぇ、小さいけど賑わってるな。」

「まぁ、ここは桔梗さまが治めているからな。」

「ん?他は違うのか。」

「そ、そんなことないぞ!」

「・・・・・・・深くは聞かないさ。」

 

「おや、北郷と嵐(ラン)ではないか。」

聞いたことがある声が聞こえる。

声の方向を見ると厳顔が朝からお酒を飲んでいた。

 

嵐(ラン)か・・・・・それが法正の真名かな。

それにしても・・・・・・・・。

 

「何だよ、迎え酒か?」

「その通り。わしにとって酒は欠かせないものなのでの。」

「桔梗さま、まだ飲んでるのですか?」

「いいではないか。それにしても、もうそんな関係になったのか?」

「よしてくれ、振り回されてるだけだよ。」

 

「・・・・・・・・俺は女の子にはなれないのか?」

一刀の一言に涙目で法正が震える。

 

いきなり何なんですか!?この子は!?

 

そんな反応に一刀は目を丸くするばかり。

「北郷の馬鹿ーーー!!」

法正が朝市の道を自分の部屋へ駆けていった。

「な、何なんだ。」

「やれやれ、女子の扱いは慣れていないようじゃな。」

「・・・・・・・・なんだよそれ。」

そして、その日一日はもう法正と会うことはなかった。

 

 

ちょっと上の文章は何か凄く語弊を生まないか!? BY北郷一刀

そんなこと無いよ。 BY作者

 

 

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そして俺はそのまま朝市を一人で見て城へ戻った。

城に戻って大きな荷物をかかえている張松へ出会う。

昨日のこともあるので、一刀は謝ろうと声をかけた。

「張松さん、昨日は気を悪くさせてごめん。」

一刀は会ってそうそう深く頭を下げた。

「・・・・・・・・・・。」

「許してくれなくてもいい。ただ謝りたかっただけだから俺の自己満足なんだけど。」

一刀は頭を下げたまま語った。

「・・・・・・そんなことないでやんすよ。ただ、驚いただけでやんす。」

「何が?」

張松が声を出したことで初めて頭を上げる。

「あっしに面と向かって謝ってくる人はいなかったもんでね。」

「そうだったのか。皆、酷いな。」

「北郷さんが変なんでやんすよ。」

「そうか?」

「えぇ。」

 

ん・・・・・?今の瞬間確かに・・・・・・・・。

 

「そうだ、荷物重いだろ?持とうか?」

「北郷さんより腕には自信がありやす。なんせ一応武官ですからね。」

「そっか、じゃあ何か手伝うことがあったら呼んでくれな。」

「ぜひ、そうしてもらいやす。」

 

あれが、北郷一刀・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

今日は何か色々あって疲れた・・・・・・・ってことにしたいな。

日も暮れて夜になった。

徐庶からの伝言で今日の勉強会は徐庶の部屋になり向かうことになった。

そして向かってる途中にあることに気付く。

部屋に明かりがついている。

それ自体は珍しいことではないのだが、そこは空き部屋だったはず。

「ん?誰かいるのかな?」

 

一刀は部屋の前に立ち、扉をわずかに開けて声をかけた。

「誰かいるんですか?ここは空き部屋だったはずですよ。」

「!?」

ガタッ!

何かが倒れる音がする。

「あの、何かしてるなら手伝いましょう・・・・・・・・・?」

俺は驚いた。

「ご、ごめんなさい。」

そこにいたのは腰まである銀髪というべきか輝く髪の人がいた。

その人は恐ろしいほどに白い肌をしていて裸だったのだ。

そして蝋燭のわずかな光に映されていて、とても美しく見えた。

だが一つ気付く何やら傷のあとが・・・・・・・・

 

ッフ

 

蝋燭が消えて辺りが真っ暗になる。

そして月明かりに照らされた部屋には誰もいなかった。

「何だったんだ。」

 

 

徐庶の部屋について俺は溜め息をついた。

「どうしたのですか?」

「いや、幽霊っているのかなってね。」

「幽霊?」

「いや、何でもないよ。さっそく始めてくれ先生。」

「わかりました。・・・・・・・厳しくいきますよ。」

眼が笑っていない。

「お手柔らかに・・・・・・・。」

 

その日は徐庶に厳しく教えられた。

だが、その教えは的確でとてもわかりやすい。

 

そんな中、俺はあの部屋で見た人がずっと頭から離れなった。

 

 

 

 

 

――法正の部屋――

「む〜どうしたら北郷と仲良くなれるかな?」

寝床で足をばたつかせる法正。

そこに、

「・・・・・・失礼します。」

いきなり仮面をつけた人物が現れる。

「どうした?」

「・・・・・・・・今日はここに泊まらせてください。」

「ん?まぁ別にいいけど。」

「・・・・・・・では。」

そして布団に潜りこんだ。

「ちょっと、本当にどうしたんだよ?」

 

裸を見られました、裸を見られました・・・・・・・。

 

 

 

第二話 完

 

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〜キャラ設定〜

法正

元気満タンな常に笑顔の明るい女の子で、前向き思考の持ち主。

髪は短髪でオレンジ色、はねっ毛である。

男のような話方だが、女の子に向かって日夜修行中。

しかし、広く冷静に物事を判断できる智の人でもある。

一人称は「俺」

真名は嵐(ラン)

 

張松

細眼で出っ歯。

髪を後ろでまとめている、男性にしては小柄な優男。

武も知力も厳顔から認められるほどの持ち主。

しかし謎が多い人物。

一人称は「あっし」

真名は秘密。

仮面の人と何か関係が!?

 

 

 

 

 

予告

嘘はばれるもの。

 

ほんのちょっとした事で。

 

真実は残酷か、

 

はたまた嬉しいものか?

 

それはあなたの気持ち次第。

 

次回、心・恋姫†無双 〜大陸動乱編〜

第三話 「仮面の真実」

 

「北郷さんは不潔です。」

徐庶が怒る。

 

説明
二話、三話同時投稿です。オリジナルキャラ、オリジナル要素が強い作品ですので苦手な方は申し訳ありません。
GW中に投稿しようと思っていたのですが、まぁ色々とありまして・・・・・・。あと桔梗さまの話し口調再現が難しいと思う今日この頃です。なんでだろ?
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コメント
Poussieraさんへ>誤字指摘、毎回ありがとうございます。その通りですね。(南風)
次どうなるか愉しみだ^^w(Poussiere)
誤字? 報告 「私に字を教えてほしのですか?」 ほしいのですか?の間違いかな?(Poussiere)
最後張松可愛いなぁw(混沌)
もりあがってきましね♪(ブックマン)
さてさて、一刀は何をやらかすのかw 期待して次を拝見します (・∀・)(cheat)
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