真・恋姫†無双 愉快な殺し屋さん 第二章 嗚呼、素晴らしき出会い
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「……おい、貴様!聞いているのか!?」

 

長髪の女性の声に引っ張られて、上の空だった俺の意識が現実に戻される。

 

「おお、悪い。全くこれっぽっちも聞いてなかった……なんだっけ?ああ、ご飯に合うおかずは何かという論争だっけ?やはり玉子、いやタラコもいいな♪」

 

―――今は、先ほどの三人組に連れられて街の飯店で尋問を受けている所である。

 

話によると、彼女らはこの「陳留」と呼ばれる一帯を統治する刺史―――政を司っている者らしい。

いきなり連行されたので牢屋行きかと思ったが、なかなかに扱いがよく飯まで出してもらっている。お腹いっぱいwウマウマw

 

ただ、相変わらず話は通じない。当たり前だ。通じるわけがない。

 

 

 

 

 

 

 

………だってここ、異世界だもんw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真・恋姫†無双 愉快な殺し屋さん 第二章 嗚呼、素晴らしき出会い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このっ……!!」

「落ちつけ、姉者。相手の挑発に乗るな」

 

長い髪の女が激昂するのを、短髪の女がたしなめる。

話し合いに冷静な人間がいてくれるのは、俺としてはありがたかった。

 

でも挑発なんかしてないぜ?ただふざけてるだけだ!あ、それを挑発というのかw

 

「…もう一度聞く。お前の名は?」

「桐生 久遠」

 

「……生まれは?」

「知らない」

 

「………どこから来た?」

「日本の東京、マンションの自宅から」

 

「…………ここまで、どうやって来た?」

「テレポーテーションw」

 

「……………続けるぞ。この国に来た目的は?」

「陽気な春風に誘われて、ついつい本当の自分捜しにw」

 

バンと長髪の女が机を叩く。何を怒ってるんだ?

 

「貴様!いい加減こちらの質問に真面目に答えんかっ!!」

「いやあ……大マジメに答えてるんだけれども……最後以外はw」

 

短髪の女は物言いこそまだ穏やかだがさすがにいらついてきたのか、眉間を指で押さえる。

気持ちは分かるな。逆の場合だったら俺もキレる頃だ。

 

「………春蘭」

「はっ!!拷問にでもかけましょうか?」

 

真ん中の小柄な少女に請われ長髪の女が提案をするが、俺は慌てる。さすがに俺でも拷問にかけられるのは御免こうむりたい。

 

「いやいやいや!拷問っておい!アレか、指の爪を一枚一枚剥がして、そこに塩を塗りたくり、更に(ピィ――――――――――――――――――――――――――――――――――)」

 

 

 

 

 

 

 

 

あまりに凄惨かつ非人道状況が語られているので割愛させていただきますw

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の言う言葉に三人ともドン引きしている。

あれ、そんな大層な事か?昔の俺の周りでは日常茶飯事だったんだけどな。

 

「そこまでするか!非人道的すぎるわ!それは拷問ではない!」

 

………拷問を躊躇いなく提案したお前が非人道的言うなや。

 

「………埒が明かないわね」

「俺にだって何がどうなってるのか見当が……ついている。けど、認めたくない。マジでw

んで、お前らはそもそも何なんだ。名前は?お前らが今呼び合っているのは真名だろ?」

 

彼女たちの正体の見当はついている。

出来れば予想が外れてほしいと思う今日この頃〜♪多分、当たるだろうけど…

 

「貴様!名を聞くならまず自分から名乗れ!!」

「いやそこは桐生 久遠って言ってるだろ!さっきから!」

「………………おおっ!」

「……姉者、少し黙れ」

 

的外れな長髪の言葉に短髪がたしなめる。

いいコンビだな、おい。

 

 

キュン♪

 

 

ん?なんだ、今の音?俺の胸から響き渡ったような……

……まさかね。

 

「あら、知らない国から来た割には、真名の事は知っているのね?」

「さっきそれで一悶着あってな。殺されかけました♪それで呼んだらダメなんだろ?」

「あたりまえだ!!貴様などが華琳様の真名を呼んでみろ!その瞬間、貴様の胴と頭が離れていると思え!!」

「………うーむ、お前なら問答無用なんだろうな。おおっ怖い」

 

先に会ったのが星達で本当に良かった。

俺も名を呼んだだけでいきなり斬りつけられてはたまらない。仮に星ほどの使い手だったならば命にかかわる。……わあ、想像したら楽しそうだw

 

「何と呼べばいい?いつまでもお前、じゃ具合が悪いだろ?金さん、黒さん、青さんじゃまずいだろ?」

「当たり前だ!」

「そうね。私の名前は曹孟徳。彼女達は夏侯惇と夏侯淵よ」

「は〜……。やっぱり曹魏の太祖、曹操か。これまたいきなり大物に出くわしたよ」

 

曹操―――

古代中国の後漢末期に台頭した群雄であり、優れた軍政家でありながら、詩人、学者としても名を残す。中国史上において深刻な分裂期である魏晋南北朝期で随一の事績を残した人物であるが、その苛烈な政治政策から後世の評価は別れる。ちなみに俺は好きだw

 

「………どういうこと?」

「何が?」

 

夏侯惇、夏侯淵は俺の言葉の意味がよくわからなかったようだが、曹操だけは何かに気が付いたのか険しい顔をして、俺に尋ねる。

 

「……どうしてあなたが、魏という名前を知っているの?」

「いや……曹操ったら、魏の王のしかいないだろう?……そうか、この頃はまだ曹操は魏を創っては……」

「貴様ぁ!さっきから華琳様の名を呼び捨てにするでない!!それに、魏だのなんだの意味不明な事ばかり言いおって……!」

「春蘭、少し黙ってなさい」

「う……は、はい……」

「そうだそうだ、黙れ阿呆っ子」

「ぬ…ぐっ!き、貴様ぁ!お前の方がどう見ても年下だろうが!」

「………じゃあ、阿呆のオバちゃん」

「こ、殺す!貴様の頸を今すぐ―――」

「春蘭!」

「………はい」

 

夏侯惇がたしなめられて黙る。いい気味だw

だが、曹操の顔は、相変わらず険しい。

 

「……信じられないわ」

「………華琳様?」

「魏と言うのはね、私が考えていた国の名前の候補の一つなのよ」

「どういう意味ですか………?」

 

夏侯淵、夏侯惇が怪訝な顔、あるいはぽかんとした表情で華琳の言葉を聞く。

曹操は口元に手をやりしばらく熟考していたが、やがて顔を上げて口を開いた。

 

「まだ春蘭にも秋蘭にも言っていないわ。近いうちに言うつもりだったのだけれど………」

 

曹操はキッと俺を見据え睨む。……すげっ、このちっこい身体にどんだけ覇気を纏ってるんだよ。

 

「それをなぜ今会ったばかりのあなたが知っているのか………説明なさい。曹孟徳と名乗った私の操の名を知っていたことも含めてね!」

「まさか、この男、五胡の妖術使いでは……?」

「なッ! 華琳様、御下がり下さい! 貴方ともあろう御方が、妖術使いなどと言う怪しげな輩に近づいてはなりません!」

 

誰が妖術使いだ、誰が。妖術ってあれだ、魔術みたいなもんだろ?

魔術……あれ?俺使えるよな?更には異世界から来てるし……

五胡の妖術使いどころじゃねえ!俺それ以上に怪しげな輩じゃんw

今、本当の事を言うのはやばいが、とりあえず今の状況を説明しよう。

 

 

 

 

 

何故だろうな?今この状況、頸を斬られてもおかしくない状況なのにな。

心の底から笑いがこみあげてくるわw俺ってばとってもア・ブ・ナ・イ・人w

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『……………』

 

俺が状況を説明すると彼女たちはがっぷりと腕を組み、しかめっ面で唸っていた。

ちなみに夏候惇だけは頭から煙を吹いていた。

俺の説明に頭の回転が追い付いていないんだろう。

 

「つまりだ。今話した通り、お前らは古の曹操、夏侯惇、夏侯淵まさにその人で、俺は異世界、日本の東京、お前らの事が過去の英傑として語られている世界から三国志の時代に来たと、そういうことだ」

「その三国志、というのはわからないけど、曹操は後にも先にも私だけよ」

「だろうねえ」

「…………秋蘭、理解できてるかしら?」

「理解はできています……しかし、にわかに信じられる話ではありません」

「そりゃ、そうだ。この状況を瞬時に信じることができるのは頭のおかしい非常識な奴だけだ。

つまりは……俺の事じゃん!?」

「……えっと、つまりどういうことなのだ?」

 

曹操と夏候淵はそれなりに理解していて、難しい顔をしているが、

夏候惇は未だに理解できないのかキョトンとして童子のような顔をしている。

 

 

 

 

 

 

キュンキュキュン♪

 

 

 

 

……………聞こえな〜い♪

ナニモ、キコエナイヨ?

 

 

 

 

 

「……あ〜、つまりだ。例えば、惇ちゃんが気づいたら見知らぬ場所に居たとするだろ?」

「……うむ。………いや、待て!惇ちゃんってなんだ!?」

「(無視)そこで、古の英傑。そうだな……項羽や劉邦に出会った。さて、どうするよ、惇ちゃん?」

「惇ちゃん言うな!……項羽や劉邦と言ったら、大昔の偉人ではないか。何を馬鹿げたことを……」

「そっ、馬鹿げてる。今の俺は、それと同じ状況なわけよ。理解した?惇ちゃん」

「な、なんとっ……ってだから惇ちゃん言うなぁ!!!」

「いいじゃねえか、真名じゃないんだから。じゃあ惇たん?」

「ふざけるな!」

「惇々?」

「豚みたいじゃないか!?」

「豚骨?」

「既に惇から離れてるだろうが!?」私は豚の骨か!?」

「……そんなに怒って疲れない?惇ちゃん」

「……………(ブチッ)」

 

あ、キレたw

 

「死ぃいなぁぁぁす!!!」

 

夏候惇は言うや否や剣を抜き、俺に襲いかかる。

だが、さすがは俺w

迫りくる剣の連撃を難なく優雅に避ける。

横に払う剣から発せられる剣もこの通り。イナ○ウアーw

正面から戦う事無く避ける事だけに徹すればそれほど難しい事じゃない。

逃げ脚だけは誰にも負けない事が俺の自慢だ!……自慢になりませんね、すんません!

いやいや、しかし酒家の備品が壊れること壊れること、……お前が弁償しろよ?

いい加減空振りが続き疲れてきたんだろう。空振りが一番体力を使うからな。

じゃ、そろそろ終わらせますか。

 

「あ、曹操の服の裾から下着が見えてる」

「なにい!?」

 

グルンとものすごい速度で振り返る夏候惇。本当に引っかかるなよ……泣けてくるじゃないか…

まあ、チャンスはチャンスなんで遠慮なく後ろからある技の仕掛けをする。

 

「しまっ……」

「いくぞ!48の殺人技、ターンオーバーキン○バス……」

 

 

 

 

……あ、室内だということ忘れてたw

 

 

 

 

ドゴンと天井に激突して天地を逆にした形で技が極まる。被害者俺w

……つうか天井壊れてないし!丈夫すぎだろ!

 

そのまま落下して、今度は間違いなく夏候惇に極まる。

 

体勢が崩れて二人とも地面に平伏して俺も夏候惇も目を回す。

 

 

 

 

 

 

 

勝者――――――無し!ドロー!ダァブルノックアァ〜ウトオォーー!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、なんか意識が薄れてきた……

 

薄れゆく意識の中で俺は曹操と夏候淵が大きなため息をついているが見えた。

 

あう、ヤバイ。意識が…落ちるぅ〜……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――○トラッシュ、僕もう疲れたよw

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「……南華老仙の話、知ってる?」

「…ほえ?」

 

熱い渋茶を少し口に含んで一旦落ち着いていた俺に曹操がおもむろに口を開く。

 

あのあと、俺と夏候惇は二人して同時に目覚めた。

とりあえず、もう襲ってくる気はないらしい。

しっかし、体が痛い。自業自得ともいえるがなw

 

「南華老仙曰く……荘周が夢を見て蝶となり大いに楽しんだ後、目が覚める。ただそれが果して荘周が夢で蝶になっていたのか、蝶が夢を見て荘周になっていたのかは……だれにも証明できないの」

「…ああ。『誇張表現な夢』、か」

「………こt―――」

「『胡蝶の夢』、だろ?冗談だっつうの。……あ、ちょ!鎌を首に当てるのは止めて!御免なさい!謝るから!」

 

とりあえず、曹操さんに許してもらえました。クスン、怖かった。

こうなると分かっちゃいるけど止められないんだけどねw

 

「………でも、良く知っているのね」

「知識の収集が趣味の一つなんでね」

「なら知識よりも少しは常識でも学べばよかろう」

 

おおう、夏候淵さん、手厳しい〜。だがな……

 

「常識なら持っているさ。だが――――」

 

俺はクワっと目を見開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――あえて守ろうとしないだけだ!」

 

 

 

 

 

 

この言葉に皆さん絶句w

だよね〜、誰だってビックリするわ。でも俺そう云う人間だしw

 

いち早く夏候惇が反応する。

 

 

「と、とりあえず華琳さまは、我々はこやつの見ている夢の登場人物だと仰るのですか?」

「そうかもしれないわね。あるいは私達が久遠の夢を見ているのか。けれど久遠が私達の世界にいることだけは事実、ということよ」

「は、はあ……」

 

夏侯惇はいまいち要領を得ていないようで、曹操の言葉に首を傾げる。

もっとも、この状況を手放しで理解している方が特殊だが。俺みたいなな!

 

「久遠が夢を介してこの世界に迷い込んだのか、こちらにいた久遠が夢の中で未来で過ごしてきたのかはわからない。もちろん、私達にも」

「要するに……どういうことです?」

「華琳さまにもわからないが、ともかく桐生 久遠という人間は存在している、ということだ」

「……うむぅ?」

「それでわからないなら諦めろ。それ以上は華琳さまでもお分かりになられんことだ。姉者が無理をしても知恵熱が出るだけだぞ」

「惇ちゃんや、つまりだな」

「ふむ?」

 

諦めたのか惇ちゃんと言っても言い返してこない。つまらん!

 

「とりあえず、俺関係で〜なんかよく分からん〜凄い夢が〜繰り広げてられてる〜、みたいな〜、と云う感じだ」

「…………おおっ!何やらだいぶ理解出来たぞ!」

『出来たの!?』

 

そうか、彼女はアレなのか……もう、あえて何も言わん……他の二人も同じ考えのようだ。

 

「……と、とにかく春蘭。いろいろ難しい事を言ったけれど、この久遠は天の国からやってきた遣いなのだそうよ」

「……ほ?」

「……は?」

「……華琳様?」

 

久遠の耳慣れない言葉が曹操から出てきた。

五胡の方士だの未来人だのという話は先ほどの尋問で出てきたが、天の遣いとはまた初めて聞いた。何それ?

 

「なんと……!この女のような男が天の遣いなのですか!?」

「だれが女男だ!…………え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イマ、コイツナンツッタ?オンナ……オトコ?

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「………春蘭?あなた、何言って………」

 

ハッとしたように曹操が俺に目を向ける。夏候淵も同じく俺に目を向ける。

 

「……久遠?貴方男性なの?」

 

曹操の問いに俺は答えられない。考える事が出来ないからだ。

俺はこいつらと俺の性別云々の話はしていない。

つまり、判断は外見だけで決めなければないわけだ。

曹操たちの反応から見て彼女たちも誤解していたわけだ。

 

―――――唯一人を除いて。

 

「夏候惇?お前、俺が何で男だと分かったんだ?」

「?……どう見たらお前を…ふむ、間違えるかもしれんが少なくとも会話していたら大体分かるであろう?」

「お前が初めてだよ……性別を答える前に分かったのは」

「そうなのか?」

 

夏候惇は首をかしげ唸りだす。そりゃ俺達がすることだよ。

勘か!?野性的な勘なのか!?

だが、俺は理解する――――

 

 

 

 

 

 

 

――――――そうか、彼女は……彼女こそが――――――

 

 

 

パンパカパ〜ン!

俺の中でファンファーレが鳴り天使達が花びらを撒きだす。

 

キュインキュインキュインキュイン!

我が身体に電撃みたいなのがはし〜る!ってな気分だ。

 

 

 

 

 

俺は彼女を見据え、口を開く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――――――問おう、貴方が私のパートナーか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ?何を言っているのだ、お前は。ぱーとなー?何を訳の分からん事を…」

「いや、気にしないでくれ。言ってみたかっただけだからw」

「?そうか、分かった」

 

釈然としないのか夏候惇は悩んでいるようだ。

だが、そんな事はどうでもいい。

 

見つけたよ、やっと見つけたよ、ジョニー(誰?)!

こいつとなら、こいつとなら目指せる!

 

 

そう、この世のどこかにある遥か遠き理想郷――――

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――お笑い界の頂点(アヴァロンと読む)を!!!(え〜〜〜www)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん?いや別に異性と意識としてるんじゃないよ?あくまで夢の為の伴侶だよ。

 

………今のところは。

 

 

 

 

 

 

「と、とりあえず話を話を戻しましょう。とにかく理解できたかしら、春蘭?」

「……ええ、まあ」

「ふむ…確かに五胡の方士や、未来から来ただのというよりはそちらの方が説明が付きますな」

 

なぜか俺以外すべてそれで納得している模様。

置いてけぼりにされている俺。ショォッーーーク!!!

 

「なんだってのよ?その天の遣いっていうのは」

「最近巷で有名な噂よ。『天より流星とともに現れたる御遣いが、天下に安寧をもたらす』っていうね」

「わおw俺はいつからそんな霊験あらたかな代物に?」

「どっちだっていいのよ。あなたが天の国から来たと名乗ればいいだけ」

「……俺はそういう神仙の類だとか実体のよくわからないもんは……大好きですな♪」

「あらそう?まあ、妖術使いと言われて槍で突き殺されるよりはマシでしょ?」

 

 

 

 

…………ジュルリw

はっ、涎が!いけないいけない。自重自重っとw

 

確かに事態をややこしくするよりそう名乗るだけで済むのならそっちの方が都合がいいのだろうが。不本意だがなw

 

 

「さて。大きな疑問が解決したところで、もっと現実的な話をしていいか?桐生」

「んあ?」

 

とりあえず話が纏まったところで、夏侯淵が次の話題に移る。

聞けば近隣に出没する賊が、あるいわくつきの古書を盗んだ、とのこと

曹操達はそれと思しき連中を捜索している最中、たまたま俺と遭遇したらしい。

 

「あなた、そいつらの顔を見たのね」

「俺が見たのはおっさんとデブとチビの三人組だ。そいつらでそうならそうだろう」

 

彼らが下手人なのかはまだ定かではないが、俺の心あたりがある盗賊と言えばかの三人組しかいない。そういやあいつらいつの間にかいなくなってたな。

 

「……少なくとも聞いている情報と外見は一致するわね。顔を見れば見分けはつくかしら?」

「……多分ね。見たら一発だろうよ」

「そう……なら久遠、私たちの捜査に協力しなさい」

「なんでさ?」

「あら?食事を奢らせておいて恩に報いることが出来ないのかしら?随分薄情なのね♪」

 

くそう、それを言われるとつらい…

まあ、元々彼女たちに言われるまでもなく無理やりにでもついていく気だったけどね。

だって行く宛てないもん♪

 

「この世界じゃ帰る家もねぇし、頼ることのできる奴もナッシングw

まあ、しゃーないわな。じゃあしばらく厄介になろうか。ヨロシク♪」

「決まりね」

「いいのですか華琳さま?そんなに簡単に迎え入れて」

「いいのよ。どの道賊の目撃者なわけだし、久遠もそれほど悪くは思っていないでしょう?」

「イッエ〜ス!」

『?』

「俺の世界の言葉で肯定って意味」

 

ふんふ〜んと口笛を吹く俺。只今気分は絶好調!

 

「だけど曹操さんは俺のおいし〜い使い方を心得ておられるのかね?」

「あら、外見に似合わず中々に挑発的ね」

「まあね」

「華琳さま!?なりません!!こんな男、どう調理して食ってもお腹を壊してしまわれまよ!?」

「……うわぁ、カニバルですか?」

 

夏侯惇の発言にしばし一同が沈黙。

 

ハアハア、いいよ〜♪それでこそ俺が認めた夏候惇だよ♪

……うわぉ、今の俺ってば変態臭アリアリの世界公認の危険人物ぽいっねw…ぽいっじゃくてそのまんまかw

 

「……桐生の持っている未来の知識は上手く使えば我らの大きな助けとなる。おいしい使い方とはそういうことだ。……何も本当に取って食うわけではない」

「む?………おお!!そういうことか!そんな所に気がつくとはさすがだな、秋蘭!!」

「……良い部下を持ったな、曹操」

「……そうね、自慢の部下よ。でも、そのセリフは私の目を見て言いなさい」

「……ムリです!」

 

即座に答える。目を見て言えるか!

 

「でもいいのか? そんなに簡単に俺を迎え入れて」

「いいのよ。どの道賊の目撃者な訳だし。それに貴方は中々に使えそうなムス…男だしね……」

 

今、こいつ娘って言おうとしなかったか!?

きにしな〜い、きにしな〜いw間違われるのはいつもの事だしね。……ビイィッ○!

 

「使えるって……俺のどこを見て判断したんだ、それは?」

「あら。先程春蘭との大立ち回りを見せておいて何を言ってるの?

自分の今すべき事を瞬時に理解してるようだし、智に関してもそれなりのものは持っているように見えるわ。

そして何より、この曹孟徳ですら見極められない貴方の奥底に眠るもの、それを見たいだけよ」

「………はっはっはっ!覚悟しろよ。俺と云う存在を把握できるのに一朝一夕じゃ到底不可能だぞ?」

「フフッ、面白いじゃない!あなたの全て、この曹孟徳が受け止めてあげるわ!」

「……結婚を申し込むような言葉だよな。あなたの全てを私が受け止めてあげる〜♪ってな風に」

 

 

 

 

言った瞬間、全員に殴られた。ひでえっw

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「……そういえば、久遠の真名をまだ聞いてなかったわね。教えてくれるかしら?」

「ん?ああ、無いぞ」

「は?……どういうことだ?」

 

俺が短く「無い」といったことに対して夏侯淵は一瞬あっけにとられて、聞き返す。

だが真名という概念がないので、無いものは無いというしかない。

 

「俺のいた日本では真名ってもんが存在しない。……あえていうなら久遠の名が俺の真名になるのか」

「………っ!」

「なっ、なんと………」

「むう…………」

 

俺の云い様に三人は一様、眼を見開いて驚く。

そこまで驚く事かね?

 

「………なんか俺変なこと言った?」

「いや………少々、予想外だったものでな」

「ならば貴様は初対面の我々にいきなり真名を呼ばせることを許していたと?」

「ん〜、あんたらの流儀に合わせるとそうなるね」

「むむむ……」

「そうなのか……」

 

夏侯惇と夏侯淵が唸る。やはり、彼女らにとって真名は容易には呼ばせぬものらしい。

 

「そう………なら、私達もあなたに真名を預けないと不公平でしょうね」

「ん?」

「久遠。私の事は、これから華琳と呼んでいいわ」

「いいのか?」

 

彼女らの反応や星達の件を考えれば、真名がどれほど大切なものかは想像がつく。

と、云うよりそれで怖い目にあったんだしw

 

「私がいいと言っているのだから構わないわ。……あなた達もいいわね?」

「うーむ……いちいち惇ちゃんに首を狙われるのは御免こうむるぞ」

「ちょっと待てい!!なんで私を引合いに出す!!」

「さっき言ったじゃん!『フシュゥ〜〜!!!(触手)真名を呼んだら貴様の頸を刈り取ってやるぜあぁ!!!(汁)ウシャシャシャシャシャ!!!(悦)』ってさ!」

「そこまで言っとらんわぁ!私は化け物か!?って言うか汁とか悦ってなんだ!?特に触手!

大体呼んでもそこまでせん!死ぬまで蹴るだけだ!」

 

蹴るのは確定かよ!?しかも死ぬまでかよw

 

「気にするな!気にしたら負けだ!大体惇ちゃんは化け物っつうより……馬鹿者?」

『……ぷっ』

 

俺の言葉に曹操と夏候淵が吹いた。

 

「………華琳様?秋蘭?」

「こほん……とにかく春蘭。そう息巻くのは止しなさい」

「で、ですが華琳さま……っ!こんなどこの馬の骨とも知れぬヤツに、神聖なる華琳さまの真名をお許しになるなど……」

「俺が馬の骨ならお前は馬鹿だろうが。イエーイ、馬繋がりだよ良かったな♪」

「なにがだ!?明らかに私の方が――――」

 

「二人とも止めなさい!!」

『―――っ!!』

 

曹操が一喝した。マジで怖いわ。この山椒は小粒でもピリリと辛い、ハバネロ級にな!w

 

「ならどうするの、春蘭?久遠を呼びたいとき、ずっと貴様で通すつもり?」

「アレとか女男とか変人でよいでしょうに!」

「女男はやめい!だったら俺もお前を男女だとか馬鹿だとかついでに可哀そうな人って呼ぶぞ!」

「なんだと!何故私が可哀そう人になる!?」

「見たまんまだろうが!」

 

『ウヌヌヌヌ!!!』

 

俺と夏候惇はお互い額を擦り付け合い唸る。

 

「ハア……秋蘭はどう?」

「ふむ………承知いたしましたとお応えしましょう」

「秋蘭っ!お前まで……!」

 

粘る夏侯惇だが、どうやら妹には裏切られてしまったようだ。

物分かりがいいな、夏候淵は。つまり、彼女は――――

 

 

姉より優れたいもうとぉ〜!!!

 

 

 

ウイッス!ジャ○風に言っただけっす!言ってみたかっただけです!ごめんなさい!

 

 

 

「私は華琳様の言う事に従うまでさ。姉者は違うのか?」

「ぐっ…い、いや、私だって、だな………!そうだ、こいつの名前が本当に真名かどうかなど、まだわからぬだろう!!」

「そんなつまらない嘘をついているのなら、即刻頸を刎ねるまでよ」

「怖いから!ああ大丈夫だって。『久遠』は母がくれた形見(死んでないw)。かけがえのない俺の名だ。金銀財宝にも勝る宝物だ」

「結構。なら、私の事はこれから華琳と呼びなさい。いいわね?春蘭も」

「は、はあ………」

 

主の命で、ついに難攻不落の夏侯惇も折れた。遅いよw

 

「じゃあよろしくな。華琳、春蘭、秋蘭。……ついでに権座麗巣」

「誰だ、それは!?」

「え?もちろん春蘭の後ろにいて浮遊している血塗れの……いや!なんでもない!気にしないでくれ!忘れろ!」

「気になるわぁ!!!」

 

春蘭は何度も自分の後ろを振り返る。はっはっはw嘘なのにな、おもろ♪

……春蘭の反応に秋蘭が悶えているのはきにしないでおこう。

 

 

「ま、まあとにかくよろしく。じゃあさっそく、連中の捜索に向かいましょう。まだこの辺りをうろついてるかも知れないわ」

 

 

こうして、俺こと桐生 久遠は曹操の元に抱えられることとなった。

この世界において、何が待ち受けているか誰にも分からない。だからいいんだよw

前途は多難だ。だが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――胡蝶の夢……か

 

 

たとえ一睡の夢であろうが、俺は確かここにいる。

 

 

 

ならば歩き出そう、夢の終点まで―――

 

 

 

 

 

 

 

――――――彼女たちと共に!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――ちなみに春蘭が壊したものが俺と春蘭で負担することになった。(曹操からの借金で)

 

 

なんでやねん……

 

 

 

 

 

 

 

続くw

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楽しんでいただけたでしょうか?紅い月です。

 

しかしニ章目でやっと冒頭終了。

長い、ひたすらに長かったw

 

これから他のキャラを加えてどんどん絡ませていきます。

稚拙なものでしょうがどうか楽しんでください。

 

以下、返信です。沢山のご感想、本当にありがとうございます。

 

>munimuni様

どんだけですw

 

>meru様

コメントありがとうございます。

楽しんでいただけてなによりです。

 

>toto様

お楽しみいただいてありがとうございます。

 

>ゲスト様

彼の得意技ですww

他にもこんな技を多数持っていますw

 

>cheat様

そうです。メインヒロインは春蘭+やや華琳+微妙に桂花ですw

ご期待にそえるよう努力していきます。

 

>クォーツ様

それは外せないでしょうw

春蘭と同じく桂花も彼の持ち味を活かすキャラですから。

猫状態春蘭か…参考にさせていただきます。

 

>フィル様

ええ、今後はその心を忘れずに励みますw

相方は華琳ではなく春蘭ですね。さすがに華琳には無理でしょうw

 

>水薙 零様

いえいえ、キャラにはそれぞれ持ち味があるんで、格とかは関係ないですよ。

はい、斬新かつ無謀な取り組みですが頑張ってみますw

 

>YUJI様

期待していただきありがとうございます。

彼の武器は素手のみではありません、とりあえず何でもですw

多分、毎回武器が変わりますw

あとはまだ語られていない魔術辺りでしょうか。

 

 

 

 

ちょっと執筆のペースを落とします。

と言うか今までが早すぎたw1日ペースは確実に無理なんでw

 

それでは自分の書いた作品を読んでくださった皆様に感謝の意を申し上げて終りにしようと思います。

では、また次回にて再見!

 

説明
どうも、紅い月です。
愉快な殺し屋さん、第二章。

オリキャラ主人公なので、嫌いな方は戻ることをお勧めします。

しょうがない、読んでやるか。という変わった方wはお読みください♪
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コメント
すごいです。このハイテンション。惚れ惚れするくらい、そして大爆笑でした^^(投影)
惇ちゃんは、馬鹿者か・・・でもそこに痺れる、憧れるぅ♪(jun)
惇ちゃん最高ww大爆笑wwww最高ですww(狂獄)
面白すぎですww笑いなきしましたww久遠おそるべし、華淋と秋蘭を吹かせるとわww(brid)
暴走しまくりですね・・・。最初のあの場面でここまで暴走されるとは・・・。なかなか素晴らしいと思います。そして笑いをありがとうございます。(りばーす)
オリキャラ主人公はあまり好きじゃないけど・・・この主人公最高wwwwww(atuantui)
なるほど、相方は惇ちゃんですかw 掛け合いして斬り合いして呆け合いして、最終的に惚け合いするんですねwww(フィル)
一瞬読めなかったゴンザレス 惇ちゃん後ろ後ろww(ゲスト)
まさか久遠が48の殺人技をマスターしているとは?ほかには52のサブミッションもマスターしているのか?まさに超人だよ。(ブックマン)
うけるwww最高ww(スウェン)
何か、最初笑い在りつつも、両親不明の生い立ちや殺し屋である事などシリアスな展開かと思えば、一転して100%ギャグに・・・。あの比が懐かしい・・・・。(クォーツ)
よ、夜中なのに爆笑してしまった 惇ちゃんとの掛け合い、弄られっぷりを楽しみにしてます (`Д´)ゞ(cheat)
好きですよこのノリwww もちろん戦うのだろうが、武器が毎回変わるとは・・・ はっ、まさか英雄王みたいに空中から武器を!「王の財〇」ですかなwww まあ冗談はおいといて、次も期待してます!!!(YUJI)
タグ
真・恋姫†無双 オリキャラ  

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