インフィニット・ストラトス 受け継がれる光の絆 Episode.26 臨海学校 −オーシャンスクール−
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「海っ!見えたぁっ!」

トンネルを抜けたバスの中でクラスの女子が声を上げる。

「一夏、海見えたよ」

「ああそうだな」

シャルロットが一夏に話しかけるが一夏はこの前入手した写真集を見ていた。

「一夏まだ見てるの?」

「何度みても飽きないさ。この人の写真は」

一夏は姫矢の写真集を何度も見ていた。一枚一枚に写ってる写真が生きる物を表している。

「そろそろ目的地に着く。全員ちゃんと席に座れ」

千冬が言うと全員すぐに着席する。

 

 

こうして目的地である旅館に着いた。さすがにIS学園一年生全員となるとすごい列である。

「それではここが今日から三日間お世話になる花月壮だ。全員、従業員の仕事を増やさないように注意しろ」

「「「よろしくお願いしまーす」」」

全員が一礼。その後に着物姿の女将さんが丁寧にお辞儀をした。

年仕事柄笑顔が絶えないからなのか、その容姿は女将という立場よりずっと若く見える。

「あら、こちらが噂の・・・・・・・?」

女将さんが一夏の方を見た。

「ええ、まあ。今年は男子がいるせいで浴場分けが難しくなってしまって申し訳ありません」

「いえいえ、そんな。いい男のじゃありませんか。しっかりしてそうな感じを受けます」

「感じがするだけですよ。挨拶をしろ」

「織斑一夏です。よろしくお願いします」

「ご丁寧にどうも。清洲景子です」

「それじゃあみなさん、お部屋の方にどうぞ。海に行かれる方は別館の方で着替えられるようになっていますから、そちらをご利用になさってくださいな。場所がわからなければいつでも従業員に聞いてくださいまし」

女子一同は返事をして女将さんについていく。

 

 

「ここだ」

「え?ここって・・・」

目の前には『教員室』と書かれているドアがある。

「最初は個室という話だったんだが、それだと絶対に就寝時間を無視した女子が押しかけるだろうということになってだな」

千冬がため息をつく。

「一応言っておくが・・」

「私が教員だということは忘れるな、だろ」

「そうだ」

一夏と千冬は部屋に入る。部屋は広く、外側の窓が一面窓になっていて海を見渡せるようになっていた。その他にもトイレ、セパレートバス。洗面所は個室。浴槽は脚が伸ばせる程大きかった。

「流石だな」

「一応大浴場は使えるがお前は時間交代だ。本来ならば男女別になっているんだが何せ一年全員だからな。お前一人のために窮屈な思いのはおかしいだろう。よって一部の時間のみ使用可能だ。深夜、早朝に入りたければ部屋のを使え」

「わかった」

「さて、今日一日自由時間だ。荷物を置たし、好きにしろ」

「織斑先生はお仕事で?」

「そうだ。だが軽く泳ぐくらいはしよう。せっかく弟が選んだものだしな」

 

 コンコン

 

「織斑先生、失礼します」

そう言って山田先生が入ってきた。

「わっ!織斑君!」

「そんなに驚かなくても・・・」

「ご、ごめんなさい。織斑君は織斑先生のお部屋でしたね」

「山田先生、これはあなたが提案したことでしょう」

「は、はい・・・。そうでした」

「さて織斑。私達はこれから仕事だ。どこへでも遊びに行くがいい」

「はいそれじゃあ」

そう言って一夏は部屋を出て行った。

 

 

 

更衣室に向かう廊下で箒がいたが何かを見ていた。そこにあったのは、

 

 

  ウサ耳であった。

 

 

「「・・・・・」」

ご丁寧に張り紙が貼っており『引っ張ってください』と書いてあった。

「なあ箒、これ・・」

「知らん。私には関係ない」

箒はそう言って去って行った。

「まあ抜くか」

一夏はそう言って耳を掴んだ。

 

  すぽっ

 

「・・・何か来る」

 

キィィィィィィィィン

 

空から何かが落ってきた。

 

ドカーーーーーーーーン!

 

「・・・空からニンジンが降ってきた・・」

一がそう呟くと、ニンジンが割れた。

 

「あっはっはっ!おひっさー、いっくん!ぶいぶい!」

中から不思議の国のアリスの衣装を着たウサミミを着けた女性が出てきた。

彼女が件の天才にしてISの生みの親、篠ノ之 束である。

 

「お久しぶりです、束さん」

「うんうん。おひさだね。ところでいっくん。箒ちゃんどこかな?」

「何か感づいて逃げました」

「そっか。まあ、私が開発したこの箒ちゃん探知機ですぐ見つかるよ。じゃあねいっくん、つっくん。また後でね」

そう言って束は走り去って行った。

 

「相変わらずだな束さん」

 

一夏はそう呟いた。

 

『貴様は私からは逃げられない』

 

「!!」

 

後ろから声が聞こえ一夏は振り向いたがそこには誰もいなかった。

 

「今の声は・・・」

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