北郷一刀争奪戦争勃発?(母の日騒乱編・後編) |
「ついにこの日が・・・・・・」
「御遣い様、ご注文の品をお届けにあがりました」
「できたの?」
「はい、しっかりと針師達が頑張ってくれたおかげで」
「少ないかもしれないけど・・・・・これ、御代」
「こ、こんなによろしいんですか!」
「いいよ、針師のみんなにもよろしく言っておいて」
大きく膨れた麻袋を手渡す。
「ありがとうございます」
「また、よろしく頼むよ」
帰った後に、箱の中身を一つ一つ確認しておく。
「うん・・・・・これなら大丈夫・・・・・あとは・・・・・」
何かを考えるようにして、そのまま部屋から出て行った、もちろん箱は完全に隠してある。
「一刀?居るか?・・・・・・なんだ、いないのか・・・・・待ったく、外室の時は分かるようにしておけとあれほど言っているのに・・・・・」
身重のためか、一刀の寝台に腰を下ろすと最近全く嗅いでいなかった、一刀の香りを感じ、思わずその香りを追って寝台に体を預け匂いを追って行っていると、勢いよく扉が開いた。
「か〜ずとっ!お話し〜ま・・・・・・冥琳、どうして寝台の上にいるの?」
「ん?先ほど訪れてきたんだが、いつ帰ってくるか分からないから休ませてもらっていた」
「そんなことを言って・・・・・実は、一刀のにおいを嗅いでたんでしょう!」
「そ、そんな事はない、ぞ」
さすがは江東の小覇王の勘、見事に言い当てた。
「何を焦ってるのかしら?」
「何も、焦ってなどはいないが?」
「嘘よ、どうして枕を抱きしめているのかしら?」
「なっ!」
自分でも全くの無意識のうちに、枕を抱きしめていた。
「最近、一刀が相手してくれないからって・・・・」
「そ、そんな事はない!」
口ではそう言いながらも、名残惜しそうに枕を元の場所に戻す。
「そう、そう言うことにしておいてあげるわ」
勝ち誇った笑みを浮かべて、そのまま部屋を出て行った。
「はぁ・・・・・・まさか雪蓮に言い当てられてしまうとは・・・・私も落ちたものだな」
溜息を付きつつも、その顔には笑みが浮かんでいた。
「さて、そろそろ・・・・・」
「一刀さ・・・・・・・・はうあ!」
「明命か、どうした」
「い、いえ、なんでもないです・・・・・」
「そうか、ならば私は帰るぞ」
「・・・・・・冥琳様は、一刀様のお部屋で何をなさっていたのですか?」
「言う必要があるのか?」
「・・・・・・一刀様の妻の一人としては聞きたいところです」
「一刀を待っていたが、来ないので帰ろうとしていたところだ」
「・・・・・・嘘です、冥琳様の体から若干ですが、一刀様の香りがします」
「な、何を言う」
今日の明命はいつもと違い、挽回のチャンスを与えてくれなかった。
「考えるに、冥琳さまは一刀様の寝台に横になって、一刀様の香りを嗅ぎつつ、待っていたんですね」
「・・・・・・・それに、答える必要はない」
完全に見透かされているため、反論せずに部屋を出る。
後ろから明命の声が聞こえたが、無視をしてそのまま自分の部屋に帰って行った。
「全く・・・・周公瑾とあろうものが、ほかの者に読まれてしまうとは・・・・」
「全くね」
「れ、蓮華様!」
「あら、そんなに考えているから私が入ってきたことにも気付かないのよ」
「そうですね・・・・・」
さらに落ち込む冥琳を見た蓮華は、意外な行動に出た。
「冥琳」
「何です・・・・・あんっ・・・・・な、何をな、なさるので・・・・あぁ」
「何って、あなたの大きな胸を揉んでいるのよ」
「な、なぜ・・・・・」
「あまりにも落ち込んでいるようだったから・・・・一刀を思い出すかと思って」
「・・・・・・その心遣いだけで十分です、どうやらどうかしていたようです」
いつもの表情に戻ると、手をワキワキと動き始めた。
「め、冥琳?」
「私のを揉んでおいて、そのままとは・・・・・都合が良すぎるのではないですか?」
そう言いながらも、蓮華の胸を揉みしだいている。
数分後、疲れたような蓮華が出てきた。
「ふむ・・・・・もう一度行ってみるか」
部屋の前には、予想外なことに祭が仁王立ちをしていた。
「冥琳、どうかしたのか?」
「いえ、一刀に用があるのでどいていただけますか?」
「無理じゃ」
「なぜですか?」
「簡単であろう、北郷はおらんのだ」
「そうですか、それでは、この書簡だけを置いていきますので、どいてくださいますか?」
「わしが置いておこう」
「なぜですか?いつもと同じ場所に置いておけば、すぐに気づいて政務をこなしてれるので、いつもと同じ場所に置きたいのですが?」
「それはならん」
押し問答を半刻ほど続けたところで、一刀が部屋に戻ってきた。
「二人とも、こんな所にいたのか・・・・・早く、謁見の間に行ってくれないか?」
「仕方あるまい、冥琳一時休戦じゃな」
二人が角を曲がり完全に見れなくなったところで部屋に入って行った。
「全く、また一刀は遅れてくるの!」
「落ち着け雪蓮」
「遅れてくるのはいつもことですから」
「し、思春それは何気に酷いわよ」
「そうですか?私は思ってことを言っただけですが」
そんな話をしているうちに、扉が開き複数の箱を持った一刀が入ってきた。
「何なのだ?その箱は」
「これ?俺の居た世界では今日は母の日っていう、お母さんに感謝する日なんだよ」
「そう、でも私たちは・・・・・」
「つまり、妻もその中に入ると言うことだな」
「さすが冥琳、そう言うこと・・・・・今回は皆に直接関係がないかもしれないけど」
そう言うと、箱を各個人の前に置いて行った。
「これって・・・・」
「そう、俺達の子供の服・・・・・皆の普段の服に合わせてみたんだけど・・・・・」
いくつかの服は、いつも彼女達が来ている服に酷似していたが、一部だけ違うところがあった。
「どうしてこんなに露出が少ない服なのかしら?」
「簡単じゃないか、早いうちから悪い虫が付かない様にするためさ」
胸を張って言い放ったが、全員の動きが止まった。
「もう・・・・心配性ね」
「そうだぞ、そんなに心配するほどの事はない」
「だけど、警戒することに越したことはないし」
全員の頭の中で、一刀は親バカであることが決まった。
「でも、一刀がそこまで大事にしてくれるのなら、安心したわ」
「そう?一つお願いがあるんだけど」
「何かしら」
「その・・・・・子供たちを乳母に任せないで、自分たちの力で育ててくれ・・・・・」
「もとより、我等はそのつもりだったが?」
全員が同じだと頷いた。
「ありがとう!」
何故か深々と頭を下げる。
「そ、そそそんなに頭を下げないでください」
「本当に・・・・・皆ありがとう」
その後、全員の子供が生まれ、一刀の子煩悩っぷりは全国土に響き渡ったと言われている。
「全く、ここまで子煩悩になるとは思ってもいなかったぞ」
「そう?皆かわいいじゃなか」
「とーさまー」
「おーよしよし」
近寄ってきた子供を抱き上げると、そのまま頭をなでる。
「平和だな」
「へいわ?」
「そう、平和、お母さん達が勝ち取ったんだぞ〜」
「かーさま、すごーい」
この後もいろいろな話を聞かせていたが、その話はまたいつか。
説明 | ||
焦って作ったので、期待されたようないい感じではないかもしれませんが、よろしくお願いします、次はできるだけ早く蜀編を作りたいと思います。 | ||
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コメント | ||
コレ読んでたら、母V.S.娘が見たくなりました・・・^^;。(タンデム) sin様>誤字報告ありがとうございます(叢 剣) 誤字報告?ですか。 P1の下から10行目 江東の虎→孫堅 小覇王→孫策 ですよ。(sin) 「娘とは一生を捧げる神聖な恋人」と、とある親馬鹿が言っていた、一刀もきっとそんな考えなんでしょう。(ガイア) 親馬鹿―――いや馬鹿親だw 男が生まれたらどうするつもりだったのやらwww (フィル) 悪い虫が付かない様にって、生まれてもいないのに娘が生まれると確信してるとは流石種馬w(nemesis) ほのぼの系で良い話でした^^w(Poussiere) 何ともほんわかでいい話でしたw一刀の子煩悩はいいものですねww(komanari) 自分はよくてほかはダメとは・・・まさに親バカですな。(ブックマン) 「変な虫が付かないように」……か。そうだよなぁ父親は娘に男ができるのはどうにも………!?……生まれるのが女だと分かっていた…だと!? 流石我らが種馬。(21世紀) 呉END後や呉アフターシリーズのような光景が目に浮かぶようですね (≧∇≦)b(cheat) 一刀はいい親っすねえ!(atuantui) GJっ(水質測量班員) 子煩悩な一刀が目に浮かびますね(天神 流) |
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