神次元の外れ者(46)
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『アタシが勝ったら』

 

チータ視点

 

「ああ……綺麗な空だ」

 

清々しい快晴を見て現実逃避をする俺、仰向けになって動けない今、これに浸ってるしかない。

……負けた、一度は勝った筈のアイツに俺は負けた。

決着は意外とあっさりしてるもんで、けれどあの一瞬は、俺の心の底に刻まれた。

 

「もぉ終わりぃ?」

 

狂ったような笑い、狙ったかのように俺に降って来る雷、迫る鞭……いや剣?

それら全ての大元が少し不機嫌な顔をして聞いてくる。

『その台詞は俺に勝ってから言え』と担架切ってこの有様だ、そら不機嫌になるわな……

 

「人神計画……だっけぇ?アンタの所でやってる……」

「ギクッ……!」

 

ナナナナナナなんで何でその事を!? 確か俺一言も話してねぇよね!?

いつか女神のして国創ろうっつうモン話したらいらんなくなっちまうし、かと言っていつかはコイツ等とぶつかり合わなきゃなんねぇわけだし……

って事は待てよ? 計画の名前知ってるって事はその内容も知ってるわけだからつまりコイツがやろうとしてる事は……

 

「やっぱりそういう事なのねぇ……」

 

プルルートは目を尖らせ静かに剣を振り上げる。そうか、そういう事か。

コイツは俺達を纏めて排除するためにあの回りくどい作戦を……って事は逃げた奴らも今頃は仲間の女神に……

……俺があの時、あのオカマの提案に乗ったばかりにこんな事になっちまうとは……いやそもそも覗きなんて提案しなきゃこんなことにはなんなかったろうなぁ……

 

「みんな……スマン……」

 

振り下ろされる剣を前に瞳を閉じ、呟く。こうして俺は女神の剣によって力尽き……

 

「……ん?」

 

地面を刺す音、恐る恐る目を開いてみると、アイツが振り上げた剣は、俺の顔のすぐ隣に刺さっていた。

そして当の本人はと言うと……

 

「……そういう事、気にしなくてもいいのに」

「いやいや気にするわ!だって俺達何時か俺達戦わなきゃならねぇんだし……」

「だぁかぁらぁ……それがどうしたって言ってるの」

 

だからどういう意味だよ、俺の話聞いた? 何時かは戦う運命なんだよ?

そうなったら喧嘩ってレベルじゃない、殺し合いになるんだぜ?

今まで見たいにわいわいがやがや楽しくなんて出来なくなるし……

 

「別に何も変わらないじゃない、その時になったら戦って、またアタシが勝って、アンタを下僕にして、一生こき使ってやるんだから」

「なっ……俺が勝ったらどうすんだよ」

「不本意だけど、アンタに従ってあげる……煮るなり焼くなり好きにすればいいわ」

 

何だよそれ……冗談じゃねぇんだぞ? もしそうなったら加減も遠慮も配慮も情けも……

 

「……先ずは今を楽しみなさい、そしてその時になるまで打開策を見つければいいじゃない」

「けど見つからなかったら……」

「その時のアンタに任せるわ……アタシ、アンタの事嫌いじゃないし……」

「どうしてそんなに信用できるんだよ……俺、一応敵だぞ?」

「決まってるじゃない」

 

プルルートはそっと俺の腹の上にまたがり、顔を俺の耳に近づける。

 

「私の一番のお気に入りだもの」

「え……それってどういう……」

「さぁ……どういうことなのかしらねぇ……」

 

囁かれたその言葉の真意を聞く俺に対して、アイツはただただいたずらっ子のような笑みを向けるだけだった。

……それにしても地味に重い、何時まで俺の上に跨ってる気なんだコイツは。早く降りてほしいんだが。

説明
……良いオチが決まらなかった
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