真恋姫無双 舞い降りし剣姫 第十話
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〜鞘華視点〜

「どうしたものかしらね」

私達は曹操と別れた後、水を補給するために山中へ入った

そして、給水も無事にすんで山をそのまま突っ切ろうとしたらそこに崖があった

それは、格段困ったことではない

問題はその崖下に砦がありその砦が黄巾党の部隊に占拠されていることだ

数は千から二千と言ったところだろうか

黄巾党を無視する事もできないがどうすることもできない

「うん、あれ?」

「どうかしましたか」

「ううん、大したことじゃないわ

 ただ、崖を下って行く鹿がいただけ」

 

取り敢えず、ここにいてもどうしようもないので迂回して砦の正面方向、距離は約3里程の場所に来た

 

「うん、姉ちゃんら

 こんな所で何しとるんや?」

関西弁の指揮官に率いられた騎馬隊がやってきた

「この先に黄巾党って賊がおるって話やから

 あんた等みたいな別嬪さんがこんなところにいたら危ないで」

この指揮官の女性はなんで関西弁なの?

髪を後ろに縛って、上着を着ているが前が開いている

胸はさらしを巻いてそれなりに大きい胸を隠している

 

「黄巾党の事なら知ってるわ

 この先3里ほどの所にある砦にこもってるわ」

「へえ、詳しい話聞かせてくれるか?

 あ、うちはこの部隊を率いている 名前は張遼文遠や」

この人が神速の張遼?と現れる人全てにもう驚くことが無くなった

孫策、曹操、劉備と大物ばかりに会っていたので免疫がついたのかな

「ええ、いいわ 私は北郷一姫」

「徐庶元直と申します」

私達の名乗りに

「なんやて、北郷一姫って〈天の御遣い〉北郷一姫か」

「そうよ」

黙っている必要もないと思って正直に話した

「こら、尚更話を聞かなあかんな」

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張遼と簡単な軍議を行った

「そうか〜、奴ら砦にこもっとるんか

 うちらは、騎兵やから砦を攻めるにはむかんし参ったわ〜」

確かに、騎兵はまともにやれば砦を攻略するのに向かない

そう、”まともにやれば”である

「張遼、貴方の騎兵隊は精鋭と言える?」

「うん?そりゃうちが丹精込めてしごきまくったさかいにかなりのもんと自負しとるで」

丹精込めてしごきまくったって、どんな表現?

ならば、出来るかもしれない

「ならば奇策と言える策があるわ」

私はその策を説明する

「なんやて、そんな策やれるか、と普通の奴ならいうやろうな

 おもしろいやないか その策でいくで

 張遼隊、出立や あんた等も、な」

「ええ、徐庶は軍師だからともかく私は作戦に加わるわ」

「度胸もあるんやな、〈天の御遣い〉は」

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私達と張遼の部隊は崖の上にいた

ここから、砦に向かって騎馬で突撃をかけるのだ

 

「改めてみると、ホンマに奇策やな」

「鹿が下って行くのを確認したわ

 鹿と同じ四本足の馬が下れない道理はないはずよ」

「ああ、確かにそうや

 張遼隊、突撃〜」

私も張遼隊と共に崖を下って行く

もうそれからは、一方的だった

絶対来ないと思っていた方向からの騎兵による突撃

黄巾党は混乱を極めた

更に、張遼の部隊は精強だったのも拍車をかけた

そして指揮官らしき男は私に斬られた

兵士と違う服を着ていた為、小娘と侮って向かってきたのだろう

だが、武に覚えのない素人に易々負けはしない

その結果だ

 

「いや〜、あんたのおかげで助かったわ

 で、わいの主君の董卓にも是非紹介したいんやけど同行してくれるか?」

その名前に反応した

三国志で最悪の暴君、董卓

どんな人物か知っておいた方がいいだろう

「解ったは、同行するわ」

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張遼の案内で天水の城にやってくる

玉座の間に向かう途中

「張遼、この服じゃなんだから着替えたいの

 部屋を貸してくれる?」

今は普段着を着ているが、〈天の御遣い〉を名乗ることになるだろうから

フランチェスカ学園の制服に着替えた方がいいだろう

「うん?ま、ええけど じゃこの部屋で着替えてや」

部屋には張遼も入ってきた

逃げるとでも思っているのかな?

ちょっと気恥ずかしいので張遼に背を向けて普段着を脱いで下着姿になる

すると、張遼が肩、背中、わき腹に触れてくる、いや、撫でてくる

「いや〜容姿もええと思っとったけど肌も綺麗やな〜

 手触りもスベスベでずっと撫でていたくなるわ〜」

ちょっと、私にその気はないわよ

更に頬ずりをしてくる張遼を何とか静里と二人がかりで引き剥がし着替えを終えた

 

「別に減るもんやないし、そんな怒らんでも

 あ、うちにそっちの気はないから安心してや」

ならするな、そう大声で言ってやりたかったが何とか堪えた

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玉座の間に行くと

「霞、遅いわよ 報告は早くして」

釣り目の眼鏡の娘が促す

霞が報告をすると

「で、あんた達が〈天の御遣い〉?」

釣り目、眼鏡の娘が訊いてくる

「そうよ、名前は北郷一姫

 あんたは?」

名前を聞かないと始まらない

「賈?文和よ」

その名乗りにを受けて

「で、そっちの娘が」

「はい、私が董卓です」

とても暴政を行う娘には見えない儚げな雰囲気の娘だ

こりゃ、いろいろと私の世界と違う事がありそうだ

私はため息を心の中でついた

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〜あとがき〜

 

 戦闘に使った作戦はもう説明無用ですね

 

 鞘華の着替えシーンにおける霞の態度は凪との拠点の話からしてこうなるかなと

 

 

 更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
今回は神速のあの人が登場
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