クロスリンク・プロブレム ミクの試練! 第7話 憤怒の機動兵器・前編 |
(防衛軍の戦場・最前線)
ガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!
ドーン! ドーン!
ウワーーーー! ズドーーーン!
ミク達一行は、既に現場である戦場、しかも最前線に到着していた。そこは、地獄の一丁目だった。傷ついた多くの兵士達が、運搬兵と搬送車両により搬送され、後方へ撤退していった。
ミク:な・・・何よ・・・ここ・・・
ネル:カイトは兵士。戦っている戦場が“現場”って事だね。今までと大分傾向が違うけど、“カイトが抱える問題”は見ていなくてもわかるよね
ハク:ズバリ、世の中のお父さんが抱える、家族にはなかなか言えない問題・・・
テト:(`・ω・´)
ミク:「企業戦士」だから、仕事が問題ってこと・・・か・・・父さん、大変なんだ・・・
ネル:あれ? あそこで戦っているの、カイトさんみたいだね。しかも相手はでっかい機動兵器・・・
ハク:カイトさんの方は生身で戦っているのに、相手の軍隊の最前線の兵器は、それを圧倒するような機動兵器1機・・・
ミク:素人目に見ても、“兵力が偏っている”よね・・・どういう事なの・・・
ミク達の疑問は、カイト達と機動兵器との“対話”で、明らかになるのだった。カイトの問題は“戦争”そのものだけではなかったのだった
(最前線の機動兵器戦周辺)
カイト:くっ・・・こんな機動兵器があるなんて、諜報部からも聞いてないのに・・・
同胞達:うわーーーー!!!!
バタバタッ
機動兵器のビーム兵器により、同胞達が次々倒されていっていた。
カイト:くっ!!!! お・・・おい! 機動兵器のパイロット!!! コレまでの戦闘を見ても、軍事協定を違反しているなんてもんではないぞ! おまえは誰だ! 両軍での軍事法廷に引っぱり出すぞ!
機動兵器のスピーカー:お〜、ソコにいるのは、懐かしい“上司様”じゃないですか〜
カイト:ソ・・・・・その声は・・・・“リーク”!!!
リーク:ご名答〜! いや〜、そちらの情報丸解りで、同胞を殲滅していくのは、気持ちいいですね〜♪
カイト:き・・・貴様・・・軍の規律を破りまくる問題児であり、更に軍から消えたと思ったら、敵軍に寝返ったのか!!!
リーク:そっちの情報を全部、こっちのお偉さんに流したら、報酬だけでなく、お前らに復讐する機会と最新兵器まで支給してくれてねぇ
カイト:兵器だけでなく、パイロットまで外道だったとは・・・。とにかく! その軍事協定違反の兵器から降りて投降しろ! 俺の顔を使って、死刑だけは回避してやるから!
リーク:・・・いつまで経ってもやっぱりダメ上司はダメ上司だなぁ。現状を全く理解してない。こっちの“WORKS(ワークス)”って軍はね〜、“軍事協定”なんて守る気更々ないのよ〜、この最新機動兵器“アビゴル”だって、極秘裏に開発されていただけでなく、協定違反の兵器をたんまり積んでいるのよ! 戦争ってのは、詰まるところ、“勝てばいい”ってわけ! 俺は“強い方に付く”、それだけよ!
カイト:貴様・・・
リーク:さて、そっちはお前以外、全部倒れたようだな。お前はメインディッシュにしようと思っていたからな、それでは、この“残虐兵器違反”に引っかかる「ギガントアーム」で、お前をミンチにしちゃいましょうかね。骨まですりつぶしてやる!!!
カイト:こ・・・ここまでか・・・
テト:ストップ!!!!
ピタッ!
あれだけうるさかった戦場がミク達と他1つを除いて停止し、今度は真っ黒の空間に変わっていった。まさに地獄絵図の戦場が見えなくなって、本当に良かったと、ミク達は思っている・・・はずだった。
ミク:テトが止めてくれたのはいいんだけど・・・
ネル:なんで・・・
リーク:ああん? なんだここは?
人間のはずのリークとヒトが作ったはずの機動兵器“アビゴル”まで、ミク達の世界にやってきてしまったのだった。
ミク:な・・・何で人間のアンタと機械まで、こっちに来るのよ! アンタと契約した悪魔はどこ!?
リーク:なんだ? この娘・・・と、人形???
ミク:悪魔はどこ!?
リーク:しらねーよ! 悪魔とかと契約した覚えもねーし。おい! とっとと元に戻しやがれ!!!!
ミク:じゃあ、アンタが悪魔なのか!
リーク:ふざけんな、このアマ! あーもー、とにかくなんかこの機械に帰れる装置とかないのか?
リークは操縦していたコクピットの周りを、グルグル見渡した。そして、メインパネルに赤いランプが点灯しているのに気づいた。
リーク:なんだ? この表示・・・『DEMON SYSTEM』(デーモンシステム)???・・・・・・な! なんだ!!!!
コクピットの座席の後方から前方へ、無数の“ツタ”が絡まりはじめ、リークを包み始めた。
リーク:むごぉおお・・・・・・・・・・・・・
ミク:な・・・なによ・・・スピーカーから怒声があったかと思ったら、苦しむ声が聞こえてきて・・・
ツタはコクピットを全て包み込むと、そのエリア全てが鮮血色の肉壁にかわり、そして、機械と一体になってしまった。
ミク:何なのよ・・・あ! そうだ! 言い忘れてた! リークってヤツ! カイト父さんの問題、仕事の疲れだけじゃなかったのね! あんたみたいな、仕事の和を乱すとか、他社にデータを漏らすとか、そういう『問題児』への配慮をして、精神的に気づかれしちゃっていたのよ! こっちを解決しないと私の所も解決しないから、とにかくどーにかさせてもらうわよ!
しかし、機動兵器“アビゴル”のスピーカーからは、何も聞こえてこなかった。
ミク:ちょっと! 聞いてるの!?
すると、アビゴルの機械パーツだった前面の口のようなボックスが開き、肉声が聞こえてきた。
アビゴル:げーーーーーっぷ。デーモンシステムは良好だったようだな・・・あ、わりぃわりぃ。リークとかいう新生悪魔は、しっかりと俺様が喰ってやったから、安心しろ。あ、でも、文句はもう届かないか
ミク:あ・・・あんたが・・・悪魔だったの?
アビゴル:俺の正確な分類は、“デーモンシステムで作った人造悪魔”だ。リークとかいう存在は、現世の所行から悪魔化して、新生悪魔になった。そいつを俺がデーモンシステムで喰う事で、俺が本物の悪魔になるって、計画だったわけだ
ミク:新生悪魔? デーモンシステム? 計画?
アビゴル:リークとかいうヤツもアホだな。軍の連中がお人好しのように情報の報酬を払って、更にこんな機動兵器まで、ホイホイ与えると思っていたとはな。あいつは報酬と強い兵器という“餌”で釣った、俺の『餌』なんだよ。極度に悪意に傾いた人間は悪魔化するのは研究でわかっていたからな。それでアイツを、新しく誕生させた悪魔“新生悪魔”にして、そんで、計画の中枢である“デーモンシステム”を積んだ“俺”に喰わせて、人間のパーツも、悪魔のパーツも、機械のパーツも有する、人造悪魔である俺が誕生したわけだ。
ミク:自業自得とはいえ、リークとかいう問題児には、初めてだけど、ちょっと同情するわ。騙されていたなんて
アビゴル:おやおや、そのリークとかいうのをどうにかするつもりだったのが、おまえさんだったんではないのか?
ミク:私の目的は、私の関係者に問題を起こしている首謀者に力を貸す、もしくは、その当人である『悪魔』を倒すこと。でも、今回の場合、“相手”がちょっと違ったのかも。私の本当の相手だったのは、リークでもなく、お前でもなく、元のお前を作った、お前らの軍全体だったのかも。リークとか問題児をそそのかして、騙して、利用する、悪魔の様な軍隊・・・
アビゴル:ほぉ、ではおまえさんは、俺を放っておく・・・と
ミク:・・・いえ、コレまでの経験から、密接に関係した集団はこの世界に引き込んだ本体を倒せば全部消える。暫定の相手だった問題児のリーク、そしてお前という機動兵器、そしてお前を作った軍隊、この3つは、今のお前なら、“密接に関係している”から、お前を倒せば、リークもお前の本体も、そして一番許せない“軍隊”も消えると思う
アビゴル:なるほど、だから、俺を倒す・・・と
ミク:そう。この世界で動ける相手を倒すこと、それが私の使命・・・
ジャキ!
ミクは“神威”の姿に変身して、剣を構えた。
ミク:私は迷わない。今考え得る、最善の策を使って、この問題を解決する!!
ガシュン!
6つ足の多足型の自立型機動兵器“アビゴル”も、戦闘体制に入った。
アビゴル:俺も今“悪魔として誕生”した存在だ。そんな簡単に消滅する気はないね。お前と私、どちらかしか現世に帰れないルール、受けてやろうではないか。小手調べなど甘い事はせん! 最初から全力で行かせて貰うぞ!!!
ミク:消えて無くなれ!!
アビゴル:それはお前だ!!
遂に、戦いのゴングが打ち鳴らされた!!
(続く)
CAST
ミク:初音ミク
工藤カイト(カイト):KAITO
妖精ネル:亞北ネル
妖精ハク:弱音ハク
妖精テト:重音テト
その他:エキストラの皆さん
説明 | ||
☆皆さん、めっきり、というか、急に寒くなりましたね。風邪などひかないように、ご自愛くださいませ ☆まぁ、部屋におられる機会も多くなりますので、ボカロ小説でも、どうですか? ☆最近は、GBFトライのガンプラ小説も書いてますけどね♪ ○ボーカロイド小説シリーズ第13作目の” クロスリンク・プロブレム ミクの試練!“シリーズの第7話です。 ○ちょっと現実にありそうな問題と、それとリンクするファンタジーの世界、それらをクロスリンクさせたお話です。 ○ちとオカルトも入りますが、そこら辺は今の流行って事で…。 ☆今回はカイト編の前編です。経緯〜戦闘準備編です。 ☆今回はちょっとファンタジックSF系なお話です。 |
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