〜孫策視点〜

軍議の最初で北郷一姫の名が出るとわね

私達と別れた後曹操と行動してたのは驚いた

ま、曹操も配下にし損ねたのは一緒か

あの子の所に北郷がいたら厄介極まりなかった

北郷の武は見たことも無い物の為、予測が困難

ただでさえ、腕が立つのにこの利点は大きい

私は勘で何とかなっても他の者たちはそうは行かない

おまけに武だけでなくあの徐庶が知恵袋として付いている

更に、〈天の御遣い〉の風評もある

ついでに蓮華の件で借りもできた

蓮華のあの後の変わり様は凄まじい

この礼もしないと寝覚めが悪い

あ〜、なんで私達の所に来てくれないのよ

と、愚痴っても意味はない

まず目の前の戦いに集中して北郷の事はそれからね

その為に取り敢えず劉備に共闘を持ちかけてみようかしら

彼女の所にいる〈天の御遣い〉の（男）北郷にも会ってみたいし

それに、この戦い　なんか碌な事が起きないわよ

私の勘を信じるならば

〜北郷一刀視点〜

鞘姉はいなかったか

俺達と別れてからの消息がつかめない

一応、西方面へ向かったようだが・・・

黄巾党との戦いの後、平原の相に桃香が任じられ捜索する暇もなかった

それより、この戦いの事を考えるのが先決だ

なにしろ、��水関攻めの先鋒を袁紹に命じられてしまった

弱小勢力の弱み、総大将の命令には逆らえなかった

さて、どうするか

そんな事を考えていると孫策が共闘を持ちかけてきた

桃香の意見もあり了承した

桃香の甘さはまだ治っていないが

「甘くても、理想と現実を弁えさせる」

それが俺の役目だろう

準備が整い、��水関を目指して連合軍が進軍した

〜鞘華視点〜

「この連合軍との戦い、直接勝つのは無理でしょうね」

確かに、数が違いすぎる

連合軍は総勢約５０万

こちらは、８万

総力戦になったら勝ち目はない

「だから、��水関と虎牢関で連合を防いでその間に陛下を探し出して救出する、これ以外にないわ

　陛下が月が暴政をしていた事実はない、と言って下さればそれで終わりだからね

　ただ、その陛下がいない時に連合が組まれる　なんて出来すぎよ

　この連合を袁紹に持ち掛けた黒幕がいる筈よ

　そいつが陛下を攫った、そう考えるのが妥当ね

　その線から捜索していくわ

　あんたたちは、��水関と虎牢関で連合軍を何とか防いで」

賈?が陛下を保護するまでの時間稼ぎ、これが基本作戦となった

「配置は、��水関に華雄、霞、軍師として静里

　虎牢関に恋、鞘華、軍師として音々

　これで行くわ」

「それは駄目です」

静里が反対意見を述べる

「今度の件、黒幕は月さんを捕えて最後には連合軍に生贄として差し出して己の保身を図るでしょう

　それを防ぐために武官が月さん達についている必要があります

　その役目は華雄さんが適任でしょう

　月さんを捕える実行部隊は力量としては兎も角、数が多い可能性があります

　力量がある人間がこんな裏方に徹するわけがないし、質が悪ければ数で補うしかなくなります

　それならば、多数の敵を一挙に制圧する　これは華雄さんの方が鞘華様や霞さんより優れています

　恋さんは、こちらの最大戦力なので出陣してもらわざるを得ません

　ですから華雄さんが最適なのです」

「確かにそうね

　じゃ、��水関と虎牢関の配置はどうする？」

静里の説明が続く

「��水関に鞘華様と軍師として私

　虎牢関に恋さんと軍師として音々さん

　これがいいでしょう」

「根拠は？」

賈?の質問に

「鞘華様が董卓軍にいることが知れれば

　『暴政を行っている董卓の元に何故〈天の御遣い〉が？』

　と言う疑念が兵たちの中に起きます　それは士気低下につながります

　それを最大限に生かすには最初の戦場である��水関が最適です

　あと、可能性は低いでしょうが

　連合軍が別働隊を編成した時に備えて恋さん達に虎牢関に詰めてもらいます」

「な〜、うちは〜？」

霞が訊いてくる

確かに静里は霞の配置を言っていない

「防御が基本方針と言っても連合軍に損害を与えなければ困難になります

　だから霞さんには・・・・・

　更に、出来たら・・・・・」

静里が策を説明する

「静里、あんた可愛い顔して結構えげつない策を考えるわね」

賈?が感心している

以前も思ったが流石〈徐庶元直〉

方針も配置も決まり私達は各々動き出す

私は最初の戦場��水関へ向かう