英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
〜メンフィル帝国軍・ケルディック地方・双龍橋方面国境防衛部隊〜
「あんたは確か……ケルディックの臨時領主の一人のメンフィル帝国軍の竜騎士軍団の団長さんか。」
「サフィナ元帥……!」
サフィナの登場にトヴァルは目を丸くし、リィンは驚いた。
「―――皆さん、お久しぶりです。マキアスさんやセレーネとこうして顔を合わせるのはトリスタ以来ですね。」
「はい、サフィナ元帥もお元気そうで何よりです。」
「……あの時は本当にありがとうございました。」
サフィナに話しかけられたセレーネとマキアスはそれぞれ会釈をした。
「えっと……どうしてサフィナ元帥がこちらに?」
「先程ケルディック要塞から戻ってきたレンから国境の検問を予定より早くした話を聞いた際、貴方達が立ち往生しない為に急遽私達が発行した”通行証”を届ける為に来ました。―――こちらがリィンさんとセレーネの”通行証”です。これがあれば、エレボニア帝国領に隣接しているメンフィル帝国領内で敷いている検問は全て通過できます。」
リィンに尋ねられたサフィナは説明をした後リィンとセレーネにそれぞれの”通行証”を手渡した。
「あ、ありがとうございます……!」
「お忙しい所をわたくし達の為に届けてくれて、ありがとうございます。」
”通行証”を手渡された二人はそれぞれサフィナに感謝の言葉を述べた。
「いえ、私もちょうど双龍橋方面の陣を状況を確認しようと思っていた所ですから。よければ、少しだけ陣の状況を見て行きますか?」
「は、はい!サフィナ元帥がよろしければ、是非。」
そしてサフィナと共にメンフィル帝国軍の陣の中に入ったリィン達は”アハツェン”と一緒に配備されている驚くべき存在――”機甲兵”を見つけた。
「なっ!?」
「あ、あれは……!」
「”貴族連合”の主力の”機甲兵”……それも隊長機の”シュピーゲル”、だったかしら?それもあるわね……」
「し、しかも見た事のないタイプの”機甲兵”まであるんだが……!?」
「オイオイオイ……何でメンフィル帝国軍にアレがあるんだ?」
機甲兵を見たリィンが驚いている中、セリーヌは目を細め、マキアスは信じられない表情で新型の”機甲兵”を見つめ、トヴァルは真剣な表情でサフィナに尋ねた。
「以前、レンがルーレに行った際に”ラインフォルトグループ”にハッキングを仕掛けて様々な情報を手に入れた際、その中に”機甲兵”の情報もあり、その情報をレンが本国に持ち帰った後本国で量産が開始されているんです。」
「なっ!?」
「…………………………」
「え、えっと……相変わらず凄いですね、レン姫って……アハハ……」
「もし貴族連合がメンフィル帝国軍とぶつかり合った際、アレがメンフィル帝国軍にある事に驚くでしょうね。」
サフィナの説明を聞いたリィンは驚き、マキアスは口をパクパクし、セレーネは冷や汗をかいて苦笑し、セリーヌは呆れた表情で呟き
「そりゃ、自分達が隠し持っていた”切り札”の情報が他国の軍に既に渡っている事に驚かない方がおかしいだろう……」
セリーヌの言葉を聞いたトヴァルは疲れた表情で指摘した。
「その”機甲兵”についてですが……レンが時折エレボニア帝国に対して仕掛けているハッキングで手に入れた情報を見る限り、貴族連合は新型の”機甲兵”を開発し続けています。目の前にある新型の機甲兵―――”ヘクトル”や”ケストレル”もその一部です。」
「なっ!?」
「し、新型の”機甲兵”!?」
「一体どのような機能を備えているのでしょうね……」
「……今後の事を考えると頭の痛くなる話ね。」
「ああ……というか、今の話を聞く限り、メンフィルはエレボニアと開戦する気満々じゃねえのか?”殲滅天使”の行為を咎める所か利用して、更にエレボニアの情報を手に入れ続けているみたいだしな。」
サフィナの話を聞いたリィン達がそれぞれの想いを抱えている中、トヴァルは真剣な表情でサフィナを見つめた。
「あ…………」
「「……………」」
トヴァルの指摘を聞いたセレーネは呆け、リィンとマキアスは複雑そうな表情をした。
「…………否定はしません。先日のエレボニア帝国の卑劣な行いに、リフィア殿下だけでなくシルヴァン陛下やリウイ陛下もエレボニア帝国に対して相当な怒りを抱いているそうですから。また、ユミル襲撃の件は既に本国中にも知れ渡り、その件を知った多くの民達がエレボニア帝国に対して怒りを抱いている話も聞いています。」
「そんな……!クッ、せめてあの時俺がもっと注意していれば、二人は誘拐されずにすんだのに……!」
「お兄様………」
「マズイな……メンフィルの民達が開戦ムードになりかけている事に加えて、よりにもよって皇帝と皇帝の跡継ぎがユミルの件を起こしたエレボニア帝国に対して怒りを抱いているから、開戦は避けられねぇかもしれねぇな……」
サフィナの答えを聞いて悔しそうな表情で拳を握りしめるリィンをセレーネは辛そうな表情で見つめ、トヴァルは厳しい表情で考え込んだ。
「ま、待ってください!ユミルの件は”貴族連合”がやった事ですよ!?エレボニア皇家は勿論、正規軍も絶対にメンフィル帝国との開戦を望んでいませんし、そのような卑劣な行いを絶対に許しませんよ!?悪いのは”貴族連合”じゃないですか!」
その時マキアスはサフィナに反論したが
「無駄よ。”エレボニア帝国の大貴族が雇った猟兵がメンフィル帝国領を襲撃した”というのは事実だから、襲撃された側の他国はこっちの事情を知っていても、一切気にしないと思うわよ。」
「俺も同じ意見だ。しかもよりにもよってエレボニア皇家に次ぐ権力を持つ大貴族――――”四大名門”が仕出かした事なんだから、”エレボニア帝国”は絶対に言い逃れはできないな。戦争を回避する為には恐らく、エレボニア帝国にとって相当不利な条件を受け入れる必要があるか、最悪メンフィルに隷属する羽目になるかもしれねぇな…………」
「それは…………」
セリーヌとトヴァルの指摘を聞き、複雑そうな表情で黙り込んだ。
「その……サフィナ元帥はメンフィル帝国がエレボニア帝国と開戦するかどうかについて、どう思われているのですか?」
その時リィンは複雑そうな表情でサフィナに尋ねた。
「…………申し訳ありませんが、今はまだ明確な答えは言えません。戦争はできれば避けるべきだと思いますが、民を守る”皇族”として……そして”騎士”としてエレボニア帝国の卑劣なる行いは許せないのというのは私自身の偽りなき気持ちです。少なくともエレボニア帝国が自分達の非を認め、素直に謝罪してエリスさんを返還するまではこの気持ちは変わりません。」
「そう……ですか……」
「「………………」」
サフィナの口から出た答えを聞いたリィンは肩を落とし、マキアスとセレーネは複雑そうな表情で黙り込んでいた。その時兵士がサフィナに近づいてきた。
「サフィナ元帥、よろしいでしょうか?」
「ああ。何かあったのか?」
「ハッ!どうやら双龍橋で足止めを食らっている者達の一部がケルディックに一端戻る為にこちらの通過の許可を求めていまして。”検問”の件も説明した所、”通行証”を今すぐ発行して欲しいとの事でして。」
「―――わかった、すぐに向かう。それでは私はこれで失礼します。皆さんが、はぐれた仲間達と無事合流出来る事、私も祈っています。」
そしてサフィナは兵士と共にその場を去り、サフィナが去るとリィン達は黙って考え込んでいた。
今回の話でお気づきと思いますがメンフィルはチートが初期装備の我らがレンちゃんのハッキングによって知り得た情報で新型の機甲兵まで量産中ですww次回、予告していたオリジナルキャラの話が出てきますww初めに言っておきますが、オリキャラの二人の強さは原作幻燐陣営クラスとドチートな強さに設定しています(ニヤリ)
説明 | ||
前話で言い忘れましたが、メンフィル帝国軍の拠点のBGMはVERITAの”英雄集結”か、ファイナルファンタジーXの”暁の戦士”が流れているイメージもしてください。 | ||
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コメント | ||
本郷 刃様 確かにww 八神 はやて様 貴族連合はメンフィルの事を侮りすぎですねww kanetosi様 まあ神々や悪魔が普通に存在している世界と比べる事自体が間違っていますねww(sorano) ていうか、ゼムリアとディル=リフィーナを比べること事態おかしいんだYO!(kanetosi) さて、貴族連合を袋叩きにするまであとどのくらいかな?そもそもエレボニア(貴族連合)は質・物量及び人材においてもメンフィル帝国に劣ってるからな・・・(八神 はやて) そもそも質だけでなく物量の段階でメンフィル相手に勝ち目はないんですがね〜w(本郷 刃) |
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