真恋姫無双 舞い降りし剣姫 第二十六話 |
〜???視点〜
山道を進む
いや、獣道と言ったほうが正解か
追手が無いと言えない以上、仕方がない
「済まない、私の所為でとんだ苦労を掛ける」
「別に構いませんよ
私達の信念に基づいて行動すれば当然ですから」
確かにこの者の主君は
「最後まで漢帝国の忠臣である」
と言っていた
私もそれを信じ、彼女を信頼している
「少し休みますか?」
「大丈夫だ
限界だと思ったら遠慮なく言う
だから、今は進もう」
今向っている所を治めているのは、この者の主君ではない
付き合いは短いが心から信頼でき、後事を託せる者達だ
私が助かる事よりも其方を頼みたい
この大陸にこれから来る乱世を鎮める為に
「山を抜けましたね
後、2日もあれば目的地に着きますよ」
〜鞘華視点〜
「陛下が殺害された?
詳しい状況を教えて」
詠からの報告を聞いて冷静さを失いかけたが無理やり落ち着いて続きを聞く
「5日前になるけど陛下が月に一度の参礼に出かけた時、何者かが襲い掛かったそうよ
その者達は数は少ないけど陛下の供回りを全て殺害したらしいわ
ただ、陛下の御遺体だけは見つかっていないらしいの」
陛下を殺害しようとする者がいても不思議はない
だが遺体を持ち去る利点なんてない
ならば、遺体が見つかってない理由は・・・
いや推論を並べてもしょうがない
だが、この事件で大陸の状況が動き出すことは間違いない
「申し上げます、馬岱と言うものが目通りを願っております」
馬岱?確か西涼の馬騰の姪の筈だよね
「ここに通して」
程なくして馬岱ともう一人の人物がやって来た
が、その人が問題だった
「劉協陛下!?」
現れたのは西涼の馬騰の姪馬岱と、漢王朝の皇帝 劉協陛下だった
「聞きたい事は分かっているわ」
突如訪ねてきた劉協陛下に驚いたが、席に座って貰い話を聞いた
「まず、私は殺害されていなかった
私が生きている理由はそれ
なんで助かったか
それはこの馬岱達が助けてくれたから
何故ここに来たのか
それは、死んだ筈の私を身分を隠したままで置いてもらいたいから
これで、聞きたいことは全部答えられたかしら?」
え〜と、これでいいのかな?
思考がついて行かない私に代わって静里が
「馬岱さんが助けたのなら、そのまま西涼に行こうと考えなかったのですか?」
と、尋ねると馬岱が
「う〜ん、それも考えたんだけどね〜
西涼は今、五胡の動きが活発で物騒なんだ
そんな所に陛下を連れていけないし
それに、うちは腹芸が苦手な人が多いんだよね〜
陛下をかくまっていたら3日でばれそうな感じ
ここは、そんな事無いでしょ?
後は陛下が望んだから
理由はこれで充分でしょ?」
確かに理屈に合っている
「馬岱、劉協陛下は確かに預かったわ」
蒲公英は休息を勧めた私達の言を断り帰って行った
「また会おうね〜
鞘華お姉さま〜」
陛下を救出した事で彼女を信頼した私は真名を預け、彼女も預けてくれた
でも〈お姉さま〉か
学園ではそう呼ばせて欲しいって娘が何人か居たのよね〜
「ところで、陛下」
「もう私は陛下ではないわ
これからは姓は司馬、名は懿、字は仲達、真名は葵
皇帝の真名は親族以外は伴侶にしか教えてはならないけど、もう私は皇帝でないから葵で良いわ」
真名をあっさり預けていいの?
「じゃあ、私も鞘華で
ところで葵、口調が変わってない?」
皇帝ではない、と本人が言っているので敬語は無しで訊く
「ああ、これが素の私だよ
今までは皇帝だからあんな話し方してたの
世の中の事を考えると不謹慎だけど、重圧から抜け出せたわ
それに、既に死に体だった漢王朝を終わらす事も出来た」
最後の一言は寂しそうだった
確かに皇帝が殺害されるような王朝は終わりだろう
しかし、自分の先祖が創り上げた王朝を自分の代で幕を下ろすのは辛いだろう
「葵、働かざる者食うべからず
しっかり働いてもらうわよ」
葵も私の言葉に笑顔で応えた
次の日
「前に行ってた配置転換だけど
葵を江夏の城主に、恋と音々も同行して
月を長沙の城主に、詠と華雄も同行して
これは、これから来る乱世に備えて東方の守りを固める為
残った人達も楽は出来ないわよ!」
大陸の乱世が始まる
〜あとがき〜
最初の〜???視点〜は伏せるまでも無いですね
劉協に司馬懿を名乗らせるのは司馬懿をこれから出すつもりが無いので使いました
真名は即興で考えましたので深い意味は有りません
性格はフランクにしてみましたが、上手く書けてませんね
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
説明 | ||
劉協殺害されるの凶報、しかし? | ||
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誤字報告 『性』は司馬→『姓』は司馬 十作品見れば半分は間違えていると思えるほどに頻発する誤字です。今後ご注意を。(h995) | ||
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