真・恋姫†無双 『‘闇’の御遣い』 番外編 其の一 |
魔人との戦い………否定過激派との戦い…………
その全てを終えた一刀達………
この半年後に『ある戦い』が待ち受けているのだが、激しい戦いばかりでは飽きてしまうでしょう…………?
ならばそれまでに起こった代表的な4つの事件と左慈のタメになるストーリーを紹介致しましょう
これから始まる物語は
5つの事件ファイルである…………………
真・恋姫†無双 ‘闇’の御遣い
番外編 其の一
恐怖!!! 一刀の逆襲マンハント
戦いと祭りを終えたある日のことである…………
一刀「えっ?鍛錬?」
部屋にいる一刀に『あるお願い』が舞い込んできた
依頼者は呉の隠密、周泰こと明命
明命「はい
呉では隠密の鍛錬として森で私に狩られながら行う鍛錬があるのです」
一刀「物騒だな…………狩られるって
で?俺も参加して欲しいと?」
一刀は苦笑いをしながら質問を返す
明命「はい♪ですが、折角なので魏・蜀の皆様にも参加して頂きたいのです」
明命の提案に一刀は顎に手をあてる
一刀「なる程なる程………全員に声を掛けて欲しいという事かな?」
明命「はい♪呉の方々には亜莎を含めて声を掛けてありますので」
一刀「りょーかい
したら、鍛錬場に集合しようか?」
明命は笑顔で頷く
明命「お願いします!!」
一刀「(云わばマンハントか…………
さてさて………どれくらいのものなのかな?)」
二人は笑顔で部屋を後にした………
時間が経ちここは鍛錬場
意外や意外で声を掛けるとなんと全員の武将が参加OKというグッドタイミングとなった
仕事は終わったとか、休みだったとか、サボった(?)とか色々あるが………
一刀「雪蓮と華琳も参加か………」
雪蓮「勿論よ♪だって楽しそうだし、更に言えば私、明命の鍛錬に参加したことなかったのよねぇ
話しか聞いてなかったわ」
一刀「おいおい………いいのかそれで………呉の王は…」
華琳「私も折角だから参加させてもらうわ」
一刀「………んじゃあ、明命
規則説明をお願い」
明命「了解致しました!」
明命は皆の前に立ち説明を始める
明命「え〜っとですね…………
まず、東にある森を舞台とします
規定は簡単で私を捕まえるか、時間内に逃げ切れば逃走者………つまり皆様の勝利となります
今回の場合、制限時間は45分となります」
秋蘭「逆に全員が捕まってしまえば明命の勝ちとなる訳か…………」
翠「でも、それってかなり明命が不利じゃないか?
1人対全員なんて……………」
翠の発言に思春は頭を横に振る
思春「いや、寧ろ少ないほうだ
私や明命はこの倍の人数を実戦的に経験する為、どちらかと言えばこちら側が不利となるだろう」
祭「うむ…………以前、儂も参加したが話にならなかったぞ
直ぐに捕まってしまった」
経験者である祭の発言と、大陸一の隠密である思春がこう言っている為、全員冷や汗をかいていたり、驚愕の表情を露わにしている
自分達は触れてはいけないものに触れてしまったと後悔していたり、寧ろ掛かってこい!!といった者もいた
そんなこんなで森に来た一刀達
一刀「さて………それじゃ分かりやすいように魏・呉・蜀と別れようか」
一刀の提案に雪蓮は手を挙げる
雪蓮「それはいいけど、一刀は何処に所属するの?」
一刀「そうだなぁ………呉には思春がいるし、蜀には恋や星、愛紗がいるから…………ここは魏かな?」
華琳「確かにそれが妥当ね」
愛紗「………………」
蓮華「……………」
蜀・呉は納得していないが、渋々承諾した
何故なら魏の覇王や野生の感が鋭い季衣がいるのに…………といったような感じだ
一刀「それじゃあ…………開始するか」
だが、ここで華琳が
華琳「待ちなさい」
一刀「ん?なに?」
一刀には辛い爆弾を投下する
華琳「ただ鍛錬するだけじゃ面白くないわ
勝負をしない?」
焔耶「勝負………ですか?」
焔耶を含め、全員がキョトンとする
華琳「明命を捕まえた者、又は生き残った者が一番多い軍は今日から3日間、一刀と閨を共に出来るっていうのは?
勿論、今回の鍛錬に不参加の者もよ」
一刀「ちょっ!!?まっ……………!!?んぐ!!?」
一刀が抗議を声を上げる前に雪蓮が後ろから口を手で閉じる
すかさず恋と愛紗が両側から抱きつき、身動きを取れないようにする
雪蓮「その勝負、のったわ!!!」
愛紗「我々もです!!!」
全員が本気の表情となり、縦に頷く
一刀「んぐ、んぐ〜〜〜〜〜!!!」
一刀は必死に逃れようとするが、恋+愛紗+雪蓮の力には流石に抵抗出来ず、ビクともしない
恋「…………ご主人様、暴れちゃ駄目……………」
雪蓮「一刀?もう決定事項だから抗議しても無駄よ?」
雪蓮と恋の発言で一刀は抵抗を諦め、ガックリとグッタリを同時に行う
明命「ですが、私が勝ったらどうするのですか?私一人は流石に…………」
正直明命は一人でも勿論構わないのだが、アウトサイダー的目線が気になるのだ
3日間独り占めに出来るという事は逆に言えば、他の者達は一刀と一緒にいられないという事
流石に明命側も他の者達もそれは耐えられない
華琳「そうね……………
なら、明命が勝利したら月達董卓軍と天和達が共に出来るのならいいのじゃない?」
愛紗「ですが、それだと恋達に確率が上がってしまいます」
一刀「ならハンデ………条件として得物を使用不可とするのならどう?」
霞「まぁ…………しゃあないか……」
恋「…………………」コクッ
恋や霞は承諾する
一刀「後、華雄は呉軍に所属すること
それなら董卓軍が均等化するからね」
華雄「御意」
天下三計を果たした今となっては雪蓮と華雄などのいざこざは完全に和解し、消滅している
勿論、美羽と七乃と呉軍もだ
但し、少しまだ気になっているのは孫三姉妹の母親・孫堅と馬超、馬岱の母親・馬騰と魏軍の事である
だが、殆どそれも消えかかっている
一刀「(しかし結局こうなるんだよなぁ……………)」
一刀はただただ溜息をつくしかなかった
冥琳「明命、今回のは墨は無しにしておけ…………」
冥琳は小声で明命に言う
明命「えっ?ですが、墨を使わなければこの鍛錬の意味が…………」
冥琳「大陸の重鎮達の顔に泥を塗る気か?
言う通りにしろ、明命」
明命「……………はい」
明命はガックリしたまま森に入って行った
魏・呉・蜀の重鎮達はそれぞれ森に入る
森は鬱蒼と茂っており、太陽の光を差さず結構暗い
一刀「待機してる軍師達の銅羅が一回目が始まりの合図
二回目が終わりの合図だよね?」
一刀は魏の皆に確認する
秋蘭「あぁ…………しかし、これだけ暗いと明命を見つけるのは困難を極めるな」
季衣「う〜ん……まだ目が慣れない………」
流琉「人を探すのも大変なのに、隠密の………更には明命さんですものね……」
一刀「森自体が敵のようなものだな」
と、その時
ゴワァァァンッ!!!
春蘭「っ!!始まったか!!!」
華琳「皆、構えなさい……………
明命を捕まえるより、逃げ切る方が勝利する確率が高いわ………」
全員輪の形になり死角である中心には一刀が立つ
因みに観戦者は左慈と于吉の術でテレビ観戦と似たもので様子を見ている
そして参加者にはそれぞれトランシーバーのような物を支給される
誰が明命に気絶させられたかなどの情報を共有するためである
明命「(…………魏が一番簡単ですね………)」
明命は木の陰から様子を見ていた
明命「(ですが一刀様と華琳殿は要注意ですね………
では、まずは思春殿・雪蓮様が所属している強敵の呉を殲滅しますか………)」
明命はその場からいなくなった………
実際のところ、響窃との戦いで気を限界まで弱める事を会得した明命を捕まえるのはほぼ不可能
既に勝負は決まっているようなものである
だが………この後、とんでもない事態になることなど誰も知る由もない
雪蓮「それじゃ…………ちゃっちゃと終わらせちゃいましょ♪」
思春「ですが、雪蓮様…………今の明命を捕らえるのは容易ではありません………
私の考えとしましては逃げ切るのが妥当かと………」
思春の考えに亜莎も
亜莎「私も……その……思春様と同じ考えです…………
闇雲に探すと明命の思う壺です」
雪蓮「亜莎も思春も頭固いわよ?」
雪蓮はヘラヘラと得物を構えるが蓮華は冷や汗をかきながら
蓮華「姉様…………周りの空気が変わりました…………」
小蓮「シャオ………来なきゃよかったかも………」
雪蓮「……………………」
雪蓮もようやく廻りの状況に気づく
雪蓮「…………明命、本気ね」
雪蓮も本気の表情となる
その時、
祭「……………っ!!?ぐっ!!?」ドサッ!!
全員「「「「っ!!?」」」」
音も無く現れた明命は一瞬で祭の精神を欠き取り、気絶させた
そして
警報機「ブーーーっ!!!黄蓋、退場!!!」
雪蓮「祭!!?」
思春「くっ!!私も分からなかったぞ…………!!!」
最初の犠牲者は祭…………
祭はその場に崩れ去る
そして
シュンッ!!
祭の姿は一瞬かき消え、戦場から除外された
亜莎「そんな、祭様……………くっ!!?」ドサッ!!
警報機「ブーーーっ!!!呂蒙、退場!!!」
シュンッ!!
雪蓮「っ!!?そんな、亜莎!!!」
亜莎も明命の姿を見ることすら出来ず退場させられた
蓮華「くっ!!駄目だわっ!!!気が感じられない!!」
蓮華を始めとする皆は必死に廻りにいるであろう明命の気を探るが、全く掴むことが出来ない
小蓮「シャオ怖い〜〜〜〜〜!!!」
小蓮は恐怖のあまりその場に蹲ってしまった
その時、耳元で
明命「じゃあ…………楽になりましょうか♪」
小蓮「へ?……………ひぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
警報機「ブーーーっ!!!孫尚香、退場!!!」
シュンッ!!
雪蓮「シャオ!!?」
華雄「くそっ!!何処だ!!?」
次々と退場していく呉軍
明命「(さて……………終わらせますか……………)」
明命は静かに手刀を構える
蓮華「くっ…………このままじゃ…………」
蓮華がそう言いかけた時
明命「全滅はもう目の前に…………ですよ?」
蓮華「っ!!?みん……………!!!」
フォン!!
フォン!!
フォン!!
フォン!!
雪蓮「うっ!!?」
蓮華「くっ!!?」
思春「っ!!?」
華雄「うぐっ!!?」
明命は勝負に出たのか、目の前に現れ呉軍の残党に手刀を首筋や顎などに喰らわせ、失神させた
警報機「「「ブーーーっ!!!孫策・孫権・甘寧・華雄、退場!!!」」」
シュンッ!!
シュンッ!!
シュンッ!!
明命「………………思ったよりすんなり終わりましたね…………
思春殿も少しは反撃してくるのかと思っていましたが………まぁ、何事もなくよかったです
さて、お次は蜀軍の番です………」
明命は人が変わったように、不気味かつ不敵な笑みを浮かべ、これもまた音も無く消えていった………
愛紗「何てことだ!!!」
桔梗「始まってまだ10分も経っていないぞ!!?
なのにもう呉軍が全滅じゃと!!?」
次の標的である蜀軍は慌ただしくしていた
呉軍全滅………………
それを左慈から渡されたトランシーバーで知る皆
紫苑「このままの状況でいけば、私達も…………時間の問題だわ」
翠「しかも呉軍には雪蓮様や思春がいたんだろ!!?」
蒲公英「ううぅぅ…………蒲公英、参加するじゃなかった??」
蒲公英は頭を垂れる
恋「……………明命、完全に……気を押し殺してる………」
星「些か………いや、かなり厄介だな…………気を引き締めなければ………」
恋以外の皆は得物を構える
今の緊張感は戦場以上のものだ
明命「(流石に守りが高いですが、死角が多過ぎます
やはり慣れていませんね…………)」
明命はそっと近くの叢から接近していく
鈴々「む〜〜〜〜〜〜っ!!!
明命、出てくるのだ!!!」
鈴々はしびれを切らし大声で叫ぶ
愛紗「そう言って出てくる訳がなかろう、鈴々!!」
愛紗がそう言うと
明命「ご希望にお応えしましょうか?」
目の前に明命がいきなり現れた
愛紗「っ!!?明命っ!!!」
恋「っ!!!」
だが皆が気がついた時には時既に遅し
フォン!!
星「くっ!!?」
蒲公英「うやんっ!!?」
紫苑「あっ!!?」
明命は次々と手刀を繰り出し、気絶させていく
そして、その結果
警報機「「「「ブーーーっ!!!趙雲・黄忠・厳顔・馬岱・馬超・張飛・関羽・呂布・魏延、退場!!!」」」」
シュンッ!!
シュンッ!!
シュンッ!!
一瞬にして蜀軍を全滅させた明命は立ち尽くす
明命「あとは魏軍だけですね………
これは勝ったも同然です
さて、後片付けとしますか………」
一刀「う〜ん、明命かなり本気だな
得物を持ってない恋に不意打ちであっても一撃をいれるなんてなぁ
これは、マズイね………残りは俺達だけだよ?」
一刀はトランシーバーの連絡を聞き、腕を組んで考える
流琉「兄様…………呑気に考えてる場合じゃないですよぉ」
華琳「思春や恋までやられるなんてね…………大番狂わせもいいところだわ」
流石の華琳も冷や汗を流す
春蘭「くそっ!!何処だ、何処にいる!!?」
秋蘭「姉者、大声を出しても気づかれるのが関の山だぞ?」
秋蘭は冷静に対応するが、春蘭には聞こえていない
一刀「…………………」
一刀が輪の中心から抜け出して考える
全員輪の状態を解く
その時、
ガサッ!!!
全員「「「「っ!!?」」」」
一刀の前の叢で何かが動いた
秋蘭「っ!!そこか!!」
フォン!!
秋蘭が矢を放つ
だが、特に何も起こらない
一刀「……………」
一刀は何を思ったか物音がした方向へ近づく
華琳「一刀!!?何を……………」
一刀は現場に着くと声を漏らす
一刀「……………これは、代わり身の術か」
そこには矢が深々と刺さった板が落ちていた
一刀「華琳、気をつけろ…………絶対近くにいるz……………」
一刀がそこまで言ったその時
ドサッ!!
ドサッ!!
警報機「「「「ブーーーっ!!!楽進・于禁・李典・典韋・許緒・張遼・夏侯淵・夏侯惇・曹操、退場!!!」」」」
シュンッ!!
シュンッ!!
シュンッ!!
一刀「………へ!!?」
一刀が振り向くとそこには誰もいなかった
全員が一瞬で気絶させられ、退場されたのだ
一刀「くっ!!」
シュンッ!!
一刀は直ぐ様、『空走』をしてその場を離れる
一刀「(嘘だろ!!?華琳や春蘭、季衣までを!!?
本気過ぎだろ、明命!!)」
一刀は木の枝の上で冷や汗を流す
だが、直ぐ様切り替え
一刀「ふぅ〜〜〜、そっちがその気なら……………」
パキッ
ポキッ
パキッ
ポキッ
指の骨を鳴らし、表情が変わった
それは正にスイッチが入った時の表情である
一刀「こっちもそれなりに行かせてもらうぞ……?周泰……………」
シュンッ!!
明命「…………?一刀様の気が感じられなくなりました………」
明命は『空走』で逃げた一刀を追っていたのだが、一刀の気が途中から全くと言っていい程、感じられなくなったのだ
明命「一体何処へ………?時間切れを待つのでしょうか………」
明命は辺りを見回したり、気を探ったり、耳をすませたりするが見つけられない
明命「……………………何処にもi…」
まで言いかけたその時!
一刀「いないとでも思ったかい?」
明命「っ!!?」
後ろから一刀の声がし、咄嗟に得物を構えて振り向くが誰もいない
ガサッ!!!
その時、上の木の枝が揺れた
明命「っ!!!そこか!!!」
シュンッ!!
明命は『空走』で木の枝の上に乗り追いかける
木の枝の数m先に人影を見つける
だが、同等の速度なのか距離が詰められない
明命「くっ…………速い……」
するとその人影は
シュンッ!!
明命「っ!!?」
一瞬にして消え失せた
明命「(何処へ消えた?)」
明命は次の枝へジャンプし、飛び渡ろうとした
だが
一刀「その辺の枝には乗らないほうがいいぞ…………」
一刀が大木の陰に隠れ、『龍終』を鞘へ収める
一刀「『流神百下・羅魔死斬り』!!!」
すると
バキッ!!
明命「はぅわっ!!?」
明命が飛び乗った枝が根本から折れたのだ
堪らず大声を上げる
直ぐ様体制を立て直して違う枝に手をかける
だが、その枝も
バキッ!!
明命「はぅわっ!!?これもですかっ!!?」
再び大声を上げて落ちる明命
明命「はぅぅぅぅ……痛いですぅ……」
大きく尻餅をついた明命はお尻をさすりながら立ち上がる
明命「………………うん?え!!?」
明命が上を見上げると、自分の周りの全ての枝に斬り込みが入っており、何か物が触れると落ちる仕掛けになっていたのだ
明命「まさか……これを一瞬で……!?」
明命の背筋が寒くなる
一刀「さて…………狩る側だった明命………
狩られる側の恐怖は始まったばっかりだぞ……………?」
一刀は明命の近くの大木に蹴りをいれ、衝撃を与える
すると
バラバラバラバラバラッ!!!
明命「はぅわっ!!?枝の雨です!!」
斬り込みを入れた枝全てが明命向かって槍の如く落ちてくる
明命「くっ!!」
シュンッ!!
シュンッ!!
明命は咄嗟に『空走』でその場から離れる
明命「はぁはぁ………一筋縄ではいきませんね………っ!!?」
明命が顔を上げると目の前から一刀の気を感じ取る
明命「そこですか………もう逃がしませんよ」
周りに注意しながら前進する明命
大分近づけた時だった
明命「………っ!!?」
明命の左右から禍々しい気を感じ取ったのだ
そこから
ピュンッ!!
ピュンッ!!
明命「くっ!!『死の閃光』!!?」
一刀は前にいた
なのに両側から一斉に『死の閃光』
物理学上不可能だ
体制を整え、立ち上がったが更なる恐怖が訪れる
明命「はぁ…………はぁ……
えっ!!?一刀様が………いない!!?」
さっきまで目の前に立っていた
だが、いないうえに気を感じられないのだ
明命「ど、何処へ…………」
辺りを見回すが
一刀「行ったのでしょうか?♪♪」
明命「ひっ!!?」
声がしても姿は見えない
何処にもいないのに声は聞こえる
未だかつて無い強敵に明命は
明命「………………っ!!!」
思わず恐怖のあまり、涙を堪えながら走り出してしまった
時間も残り僅か…………
どうにかこの現状を打破出来る方法はないか………
そう考えたのも束の間だった
明命「……………………ひっ!!?」
後ろから突然優しく抱きしめられる
一刀「…………王手だよ、明命」
警報機「ブーーーっ!!!周泰、退場!!!
試合、終了っ!!!!!!」
明命「…………私の、負けです……………」
明命は落胆して負けを認める
残り10分のところで、マンハントは一刀の勝利となった
華琳「お疲れ様、一刀」
スタート地点に戻ると気絶から目覚めた華琳達が出迎えていた
一刀「いやぁ、お疲れ様」
一刀と明命は手を繋いで帰って来た
愛紗「しかし、ご主人様
よく明命を捕らえられましたね」
霞「ホンマやで?ウチらなんか姿さえ見つけられへんかったで?」
全員は敗北の悔しさより、明命をたった一人で捕獲した一刀の偉大さに心打たれる
明命「そういえば一刀様………
私の横から『死の閃光』が放たれたり、捕まえられる寸前完全に気を消し去ったのはどうやったのですか?」
明命はこの2点に引っ掛かりを感じていたのだ
一刀は笑顔でネタばらしをする
一刀「簡単な話さ
真横両端からの『死の閃光』は『闇行』を使って手首から先を空間的に移動しただけさ
そして、『死の閃光』の禍々しい気を間近で感じ取ってしまった明命は、最大まで弱めている俺の気を感じ取れなかっただけのこと」
左慈「例えば、味の濃い飯を食った後に薄い味付けの飯を食うと味が分かんなくなる
これと一緒だ、ようは感覚が狂っちまったってことだ」
左慈が付け加える
秋蘭「…………なる程な」
華琳「結果、一刀が明命を捕らえたのだから私達の勝利なのだけれど………
どうも納得できないわね」
それもそのはず
今回の手柄は完全に一刀一人
他の者は明命の姿を掴めることなく退場させられたのだ
これで魏が閨を………というとあまりにも不公平である
于吉「ふむ…………どうしたものでしょうかね?」
左慈「ゴチャゴチャ面倒臭いマネしねぇで、全員相手にしたらどうなんだ?」
左慈の爆弾発言に一刀は慌てて左慈の肩を掴む
一刀「ちょっ!!?今までの無意味だろ!!?
そして結果全員って結局かよ!!?」
左慈「その方が諍いなくて好都合だろうが
それとも、誰か一人を贔屓すんのか?てめぇは………」
一刀「だーーかーーらーー!!!」
一刀が大声で叫ぶと後ろからドスのきいた声色で
雪蓮「か??ず??と???♪」
一刀「……………し、雪蓮」
華琳「一刀………こっちに来なさい♪」
笑顔だが暗さがある華琳は一刀を招く
一刀「(このままじゃまた搾り取られるっ!!!)」
そう思った一刀の手段は一つ
一刀「………………逃げろっ!!!」
シュンッ!!
華琳「待ちなさいっ!!!」
雪蓮「皆、追うのよ!!!」
雪蓮の掛け声一つで全員が一刀を追跡する
左慈「やれやれ………またかよ
ホント飽きねぇな、あいつら」
于吉「それがいい所ではないですか
最も、焚きつけた貴方がいう台詞ではないのでは?」
左慈「くくく………違ぇねぇ!!」
珍しく左慈が歯を見せて笑う
卑弥呼「平和じゃのう………ガッハッハッ!!!」
貂蝉「楽しそうねん………どぅふふふふふ♪」
左慈「てめぇ等は参加すんなよ?
これはあいつらの問題だからな」
左慈は苦笑いで釘をさす
一刀「結局こうなるのかあぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!」
森の奥深くから一刀の悲痛な叫び声が響き渡ったのであった……………
……終……
説明 | ||
魔人の戦いと否定過激派の戦いを乗り越えた大陸の猛者達 この話はその激戦後の代表的なストーリー、事件を 描いた物語である 激戦の小休止となる一刀達の少し変わった日常風景である |
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コメント | ||
クラスター・ジャドウ様、明命って意外と晩禍の体質に近いのかもしれませんね(hoi) …う〜ん、普段の周泰は問題無いが、スイッチが入ると恐ろしい存在に変貌するからなぁ…。特にマンハント訓練や体格絡みのネタの時とかになると、相手が上司や君主であろうとも、容赦無く牙を剥くしな…。敗者への罰である墨書きとか、明らかに私怨入りまくってるし、実はストレス溜め易い性格なのか…?(クラスター・ジャドウ) 隠密戦での明命つえぇ〜!でも一刀もっと強かったw明名の毒舌な落書きなかったのは残念w(nao) |
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