真恋姫無双 舞い降りし剣姫 第三十話 |
〜一刀視点〜
〜1ケ月前〜
「桃香様、ご決断を」
朱里が桃香に献策した事の最終決断を迫っている
「しかし、朱里よ
それが本当に最善なのか?」
愛紗が朱里に問いかける
「はい 雛里ちゃんと相談した結果、これ以外に袁紹さんに滅ぼされないようにする手はありません」
方法に問題はあるが実利を取るならばこれしかない、そう言ってるのか
「ご主人様、私は朱里ちゃんの言う通りにするべきだと思うの
ご主人様が反対しないなら行動しよう」
「俺は反対しないよ
ならば、直ぐに準備をしよう 但し密かにな
この策は秘匿性と素早さが鍵になる」
この徐州の兵や住民、巻き添えになる?州の住人には悪いが割り切ろう
この徐州で早急に力をつける為の政策をしてきた
そのおかげで確かに兵力や財力はついてきた
だが、袁紹に対抗できるほどではない
おまけに徐州で桃香の評判は良くは無い
攻め込まれた時、住民が寝返らないとも限らない
そんな歪を抱えた俺達が取るべき行動が今回の朱里の策だ
「じゃあ、皆 行動開始!」
「「「御意」」」
こうして俺達の策が始まった
〜鞘華視点〜
「兵糧の問題だけはどうにもならないよね〜」
私は項垂れた
原因は兵糧不足で成都へ攻め入るのは断念した方が賢明である、との結論が出たから
「この益州は劉璋が碌でもない政策を行っていたせいで豊かではありません
おまけに昨年は凶作でしてな 城の備蓄は少ない
成都で籠城されたら御館様が荊州から持ってきた兵糧だけでは足りぬでしょうな」
桔梗の言い分は尤もだ
それなら巴郡を占拠したまま主力は荊州へ帰還した方がいいわね
「紫苑、巴郡の城主をお願い
桔梗と焔耶は補佐をして
私と静里は襄陽へ帰還するわ
恭順を申し出る城主が出たら悪政を行っていなければ受け入れて
悪政を行っていたら拒否して その辺は桔梗なら判断できるでしょ
兵は連れてきた兵の内5千人を置いておく 残りの兵は連れて戻るわ
巴郡の元からの兵と合わせて巴郡の防衛をお願い」
焔耶は不満そうだったが現状巴郡の守りを薄くは出来ない
「明日にも出立するから準備にかかって」
私達の益州攻略は半分だけ達成された
襄陽に帰還した私は2つの大きな情報を聞いた
1つは孫呉が袁術を倒して独立した
袁術は雪蓮が見逃した為行方不明
どうせ彼女の事だから気まぐれで見逃したんじゃないの
2つ目は驚きの内容だった
劉備が?州へ全兵力を以て進行、城を落とすとその城の兵糧や財物を没収して次の城へ
これを繰り返して西へ進み、洛陽に入った
そして、劉姓であることを利用して漢王朝の復興を掲げた
つまり、漢の皇帝を名乗ったのだ
この奇策には驚いた
劉備の徐州での兵力は3万
洛陽の禁軍は3万 合わせれば6万の兵力になる
洛陽を攻めれば禁軍との戦になるが劉姓である劉備なら漢の後継者を名乗ることが出来る
私達が洛陽を攻略にいかなかったのは、禁軍との戦を避ける為だった
洛陽にある財物も得る事ができ、兵力も財力も倍増する
世間での風評を無視すれば妙手と言える
この後の洛陽の舵取り次第では強敵になるかもしれない
この策は劉備が変わった事を示している
一君の手腕なのかどうかは分からない
兎に角、領土が隣接している以上目が離せない 間諜を増やすべきだろう
帰還した翌日街に散策に出た
住民の生活を見なければ本当に必要な政策が分からない、それが私の自論だから
ふと見ると2人、人が倒れている
1人は20歳ぐらいの女性 なんかバスガイドみたいな服を着ている
1人はまだ少女 薄汚れているが立派な服を着ている
「貴方達、動ける?」
声をかけると
「空腹な事を除けば2人共元気なんですけどね〜」
警邏中の兵の手も借りて近くの食事処に運んで食事を奢ることにした
2人共、すごい勢いで食べる
「前に食事したのは何日前かなんて忘れちゃいました」
と言っているので当然かもしれない
2人が落ち着いたところで
「私は北郷一姫 貴方達の名前は?」
「う〜ん、教えなきゃならない理由なんてないですよね〜
でも御馳走になったからその料金分として教えちゃいます
私は張勲、此方の方は袁術様です〜」
人を喰ったようなしゃべり方は気に入らないが正体が分かった
「孫策に倒されて逃亡、資金が無く空腹で行き倒れ、それぐらいの察しはついたわ
で、貴方達これからどうするつもり?」
「そうですね〜
ある人の所に置いてもらうつもりです〜」
なんだ、当てがあるんだ
「その人の所までちゃんと行けるの?
なんだったら旅費を少しなら工面してあげるわよ」
此処までしてあげる義理はないけど関わったのが最後と諦めるしかないと思っていたら
「大丈夫です その人は目の前にいますから
あ、拒否したら私は行く先々で貴方の悪評を話しちゃいますよ〜」
成程、そう来たか
「ねえ、張勲 口封じって言葉 知ってる?」
私が目が笑っていない笑顔で問いかけると流石に引き攣った笑いをするしかないようだった
結論として張勲が文官として働くことになった
結構、優秀なので重宝するようになるのは後日の話
〜あとがき〜
益州攻略は断念、これを予想した人は少ないでしょう
鞘華が戻ったことで次回の話が出来ることになります
劉備は洛陽に逃れました
このままだと益州にいけない桃香陣営はは全滅か他の勢力に飲み込まれるかのどちらかですので
それにしても桃香の陣営からごっそり引き抜いたようなものですね
星、月、詠、恋、音々、紫苑、桔梗、焔耶、ちょと桃香がかわいそうな気がしてきました
美羽と七乃は萌将伝の話を元にしました
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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巴郡を攻略した鞘華達だが・・・ | ||
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コメント | ||
徐州の人らの評判が悪いから、洛陽入って相当苦労しないと風評で挽回できなさそう。そうなると質や士気だだ下がりだろうなぁ桃香のとこ。生き残る為とはいえ…ね(はこざき(仮)) もう宗籍に名前が無い家系の出身者が後継者を名乗ってもな……色々なデメリットを看過すれば妙手かもしれないが、これで劉備軍が増長する恐れが極大に。一刀の立ち位置がどうなのかはわからないが、今後も彼は冷静に状況を見定め、駄目だと感じたら桃香の許を離れる必要があるな。彼は漢の民ではないから……。(Jack Tlam) |
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