真恋姫無双 舞い降りし剣姫 第三十二話
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〜華琳視点〜

「申し上げます 袁紹軍はここより約5里の位置を此方に向けて進軍中

 その数約10万」

此方の入手している情報と一致しているわね

接敵する地点も予測済み

情報は金よりも重要

我等の情報網は上手く機能している

 

此方の軍勢は5万と鞘華の援軍の1万を加えて6万

我が軍だけでも充分に勝機はある

だが、私の軍に騎馬が少ない為と、念には念を入れる意味で援軍要請をした

風の策だが、あの娘は大局的な見方が良くできる

3人の軍師で唯一、私に耳の痛い意見が出来るのでありがたい存在だ

 

袁紹軍と対峙する位置まで進軍してきたので先ずは舌戦

私が進み出ると

「オーホッホッホッホッホ〜

 華琳さん、お久しぶりですわね」

櫓の上から麗羽が高笑いと共に話しかけてくる

「そうね、久しぶりなのは確かなんだけどその高笑いと自己顕示欲は相変わらずね」

「ふん、まあその位の暴言許して差し上げますわ

 貴女の命運もこの戦で消え去るんですから」

上から目線は揺るがないのね

「どっちの命運が消え去るのか

 その答えはこれから見せてあげるわ」

「そんなのは、決まっていますわ

 もういいですわ、全軍前進

 あの、ちんくしゃ娘をこの櫓で踏みつぶしてやりなさい」

私は自軍にある合図をする

「残念ね、此方の攻撃の方がちょっと早かったようね」

その直後、飛来音と共に大石が飛んできて櫓を破壊した

2発、3発と発射され全ての櫓を破壊する

私は悠々と自軍に帰還する

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〜鞘華視点〜

「しかし、よくこの投石器を作れたわね〜

 でも今は味方でもいつか敵になるかもしれない私に見せてもいいの?」

私の問いに李典が

「大将が言うには今回の戦いは使わなあかんし

 一姫はんと戦う時に使ったら騎馬隊で別働隊を作って強襲されるから使えん

 そう言ってたで」

まあ、そうするだろうね

ならば、出し惜しみしないで必要な時に投入するのは当たり前か

 

「浮足立ってる袁紹軍を叩きのめすわよ

 全軍かかれ」

華琳の号令で戦闘が始まる

私達の部隊は戦場を縦横に駆け巡っての攪乱

騎馬隊の使い方の王道ね

「北郷隊、いくわよ」

私達も戦闘に参加する

 

浮足立った袁紹軍と数は少なくても精鋭の曹操軍では役者が違う

その上、私達が攪乱を徹底的にするのだから戦いは一方的になっていく

そんな折、派手な鎧を着た3人組が逃げていくのが見えた

そのうちの一人は袁紹

後の2人は顔は知らないが顔良と文醜の可能性が高い

逃げ足は速く、放っておいたら追いつけなくなるだろう

「私に着いてきなさい

 あの3人組を捕えるわよ」

逃げ足が速くとも馬の足には敵う訳もなくすぐに包囲した

そして、降伏を勧めると袁紹も受諾し戦いは終わった

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捕縛した袁紹達を華琳に引き渡す

「今回の援軍、改めて感謝するわ

 ところで、話があるから後で私の天幕に来て」

まさか、そこで私に迫る気じゃ・・、いやいや、それはない

私は最近、考え方がおかしくなってない?

 

華琳の天幕に行く

「昨日、劉備の話が出たけど私の所には同盟を結び領土を私と漢と孫策で分け合おう、との内容だったわ

 貴女の名前が入っていないのが疑問だったけど貴女の言葉で解決したわ

 それで私の答えだけど断ったわ

 ”初手から他力本願の弱腰の者達と天下を分け合う気はない”

 ってね

 孫策がどうしたかは知らないけどもしかしたら勅命で荊州へ進行する連合軍を結成するかもしれないわよ

 もしそうなったら貴女はどうするの?」

華琳が意地の悪そうな笑みを浮かべて訊いてくる

「分かり切ってるでしょ

 私達は既に一度、反董卓連合軍と戦っているのよ

 虎牢関と水関が無くてもあの時よりも精強な軍が付いているわ

 ましてや、華琳が居なければ負ける要素がどこにあるの」

華琳がそんな茶番に今更、付き合うことは無い

私の確信に満ちた答えに華琳は満足したようだ

「ならいいわ

 貴女への謝礼は落ち着き次第届けるわ

 また、会いましょう」

こうして官渡の戦いは終わった

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〜あとがき〜

 

官渡の戦いはこれで終わりです

簡単すぎるだろ、とのお叱りを受けそうですが原作でも投石器以外はこれと言って何もなかったので・・・

当初は鞘華対顔良も考えていたのですが援軍の鞘華が活躍しすぎるのも、と思いなくなりました

 

これが、むしろ官渡の戦いを描いた本意ともいえる桃香陣営の策の全貌ですがいかがでしょうか

 

更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです

 

 

 

 

 

 

説明
官渡の戦いです
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コメント
……皇帝を僭称した史実の袁術そのものですな、今の桃香は。美羽が本来果たすべき偽帝の役目を果たせなくなった以上、外史がその代役として桃香を当てたのかもしれませんね。(h995)
漢を立て直す皆を笑顔にするはお題目に成り下がり気に入らない鞘華を叩き潰したいだけで華琳と雪蓮と同盟を与しようとするとは月に嫉妬した麗羽と同レベルだな。それに気付かずいるとは愚かの極めとしか(覇王)
マジで鞘華への対抗心という「私情」だけで無体な事しとるがな……お為ごかしもいい加減にせえよ。最初から腐敗してるじゃねえか。相手が鞘華だから気に入らないんだよな。華琳も雪蓮も実は眼中に無くて、ただ鞘華を叩き潰して屈服させて悦に入りたい愛紗(朱里もか?)の意向が入りまくってるのが丸見え。一刀、いい加減気付け。もう駄目だこいつら。(Jack Tlam)
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真恋姫無双 華琳 

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