真恋姫無双 舞い降りし剣姫 第三十三話 |
〜鞘華視点〜
襄陽に帰還した私は直ぐに皆を集めて会議を行う
議題は劉備について
「今回曹操からの情報で、劉備は私達を敵とみなしてることが解ったわ
劉備は曹操と孫策にも使者を送っていたようだけど内容は同盟を結んで天下を分かち合う て内容だった
つまり、私達には拒否することが解っている要求をする
そして、拒否したことを理由に私達を朝敵として曹操、孫策らと共に攻め滅ぼす
これが劉備の戦略だった訳
これについてみんなの意見を聞かせて」
私の説明に霞が
「そんなん考えるまでも無い
逆に攻め入って蹴散らしたればええんや」
霞の意見に私は静里に尋ねる
「静里、劉備の戦力は?」
「徐州の兵の帰還を認めずそのまま保有している事
洛陽の禁軍を吸収した事
洛陽、長安を始めその近辺で大量に徴兵した事
以上の理由で総勢10万とみられます」
静里の説明に星が
「静里よ、10万の軍勢を維持できるほど洛陽の近辺の街は裕福なのか?」
星の疑問は私も同感だ
「いえ、その為あの辺りでは税の取り立てが過酷を極めているそうです
劉備は”将来の為に今の苦しみに耐えて欲しい”と説明しているようですが・・・」
「民は納得しないでしょうな
ならば、無理に攻め入らず此方も益州を制圧し後顧の憂いを無くしつつ力を蓄えるべきでしょうな」
星の意見を採択して会議は終わった
〜北郷一刀視点〜
10日程前
「朱里ちゃん、一姫さんはどう言って来た?」
「予想通り拒否してきました
本当に話し合いをしたいなら桃香様かご主人様が来るように とも言ってました」
あの内容を鞘姉が受ける筈が無い
予想通りと言うより、答えが決まっていた と言うほうが正解だ
「おのれ、どこまでも無礼な」
愛紗が憤っているが、むしろこちらが無礼で不遜なだけだ
「それで、曹操さんと孫策さんの返事は?」
「それが、どちらからも拒否の返事でした」
朱里が声を落とす
そもそも、曹操と孫策と同盟を結んで曹操が江夏を攻め、
孫策が長沙を攻め、俺達が襄陽を攻める これが戦略だった
その戦略は完全に崩壊した
「曹操さんは半々の確率だと思っていましたが、孫策さんは受けると思っていたのですが・・・」
朱里が自らの見通しの失敗を認めていると
「桃香様、10万の軍勢を維持し続けるのは無理です
税の取り立てで民は苦しみから暴発寸前です
急いで次の手を打たないと」
雛里が進言する
「でも、民の皆にはちゃんと説明してるんでしょ
皆、分かってくれるよ」
桃香が呑気な事を言う
「桃香様、いずれにしろ桃香様の理想を実現するためには荊州を制圧せねばなりません
ならば、決戦に挑むべきです」
愛紗は桃香に進言しつつ俺を見る
(まさか、従姉との理由で反対しませんよね)
と言っているようだった
〜鞘華視点〜
曹操の援軍から戻って10日程経った時、曹操から使者が来た
ただその使者は、顔良を伴っていた
「北郷様 我が主曹操様は先の援軍の謝礼として顔良を其方に引き渡す との事です」
そして形式的なやり取りの後、死者は顔良を置いて帰還して行った
「顔良 訊きたいことがあるわ
袁紹達と離れ離れになる今回の措置、貴女は納得しているの?」
いくら、敗軍の将とはいえ、度を越した強制であれば此方にとっても利が無い
そう思って顔良に訊いた その答えは
「はい 今回の件は私から志願しました
そして、これはお願いです
いずれ、曹操さんと北郷様が戦う時が来るかも知れません
その時北郷様が勝ったなら、袁紹様と文醜の2人の命は見逃して欲しいのです
その代わり、私は命懸けで北郷様達の役にたって見せます
何卒、この願い 聞き届けてください」
顔良が頭を下げて懇願してくる
「顔良 顔を上げて
戦いに於いて、相手の命を確実に救う事は出来ないわ
だから、捕虜にできたら と言う事ならその願い聞き届けるわ」
「それで、充分です!
忠誠の証として私の真名 斗詩を預けます」
こうして斗詩が私の仲間になった
〜北郷一刀視点〜
今、俺達は出陣準備をしている
目標は襄陽
10万の兵を維持し続ける程の財源はない
だから豊かな襄陽を奪う必要があった
選択肢が他に無かったのか
桃香や愛紗の半ば暴走と言える状態を止める事は出来なかったのか
こんな考えを毎日のようにしている
だが、後悔先に立たず
鞘姉、全力で行くからな
願わくば俺が止められなかった者を止めてくれ
「桃香様、出陣 いつでも出来ます」
「じゃあ、出陣だよ 目標は襄陽」
俺達は出陣した
〜あとがき〜
桃香陣営の計画の詳細を明らかにしました
結構、えげつないですよね
顔良が鞘華陣営に来るのは前から考えていました
理由付けが思いつかなかったのですが、何とか出来ました
遂に劉備軍と荊州軍が戦闘へ
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
説明 | ||
襄陽へ帰還した鞘華達を巡る様々な動き | ||
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コメント | ||
襄陽を制圧出来た後は同盟を蹴った華琳、雪蓮に矛先を向け武力による制圧。覇王でも徳王でも無く只の暴君・・・理想は崩壊している。民の怨の声が聞こえる。(覇王) どこまでも無礼なって自分の優越感、敵愾心を満足させるためだけに臣下に礼を取れって方が無礼でしょうに・・・民の為、将来の為で民が重税を課せられ我慢出来る筈が無い。重税が民の暮らしを良くするのに使われるのなら納得出来るけど兵を養うためだけ・・・皆判ってくれるよって兵を養う事を判れって・・・何処まで自分本位で現実を見ていないんだ。(覇王) 一刀よ、徐州でお前が勢力を乗っ取れば他の選択肢、それこそ鞘華と共闘することも出来ただろう。まあ基本が自分本位な恋姫、殊に愛紗がそれを許すとは思えないが。「ご主人様」と呼ばれていても、自分本位の傾向が強い劉備軍をお前さんが導いていくのは無理があった。お前に責任が無いわけじゃないが……前提条件からして無理だったんだよ。(Jack Tlam) えげつないが……愛紗は桃香の理想のためとか言っときながら結局自分の敵愾心を満足させたいだけの超お為ごかしだし、桃香は庶民出身なのにやってることが彼女が嫌い否定した古い悪官そのものだし。本来は民のためにあるべき王朝を完全に私物化しているのは宦官とかとまるで一緒。もう既に君たちの理想は終わってます、わかってますか?わかってないよね。(Jack Tlam) 迷走が暴走となって破滅へと一直線、といった所でしょうか?……荊州の奥深くまで侵攻させてから補給線を遮断、飢えて退却を始めた所で追撃+十面埋伏で一気に片が付きそうですが、果たして?(h995) |
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