真恋姫無双 舞い降りし剣姫 第三十五話 |
〜鞘華視点〜
「全軍戦闘準備にかかれ!」
劉備軍が遂にやって来た
此方の策は整っている
後は実行するだけ そして劉備軍を撃退する
劉備軍は前方中央に関羽、左翼に張飛、右翼に鳳統
武官が少ないから指揮できる者を前線に配置したわけね 軍師は諸葛亮もいるから
後方に本陣で総兵数10万
目算だが前衛に各2万5千、本陣も同数位かな
此方は3部隊で待ち受ける
中央に私、右に疾風さん、左に斗詩
各1万
劉備軍が突進してきて戦闘が始まる
私達は襄陽の北門を背に半方円陣を展開する
方円陣は防御重視の陣形
襄陽を背にすることで3部隊で陣形は可能
戦闘は先ずは質で勝る我が軍が機先を制した
だが、数が違う上、防御重視の陣形の為攻めきれずに徐々に押され始める
「押せ、押しまくれ〜、我等に従わぬ荊州軍を殲滅せよ!」
関羽は自軍が優勢になってきたこともあり、力押しを進めて来た
この展開が我々の想定内だとも考えずに
その頃、襄陽の西門と東門から霞と星の騎馬隊 各1万が出撃していた
両部隊は戦闘中の私達を無視して後方の本陣へ挟み撃ちをかける
更に、劉備軍の後方に伏していた沙羅率いる歩兵部隊 1万が敵本陣を強襲
つまり劉備軍の本陣に3方向から攻撃を仕掛けた訳だ
静里の作戦説明を思い出す
「この戦法を取る根拠は劉備軍の武官の少なさにあります
関羽と張飛は侮れませんが、それ以外はこれと言った武官が居ません
だから星さん、霞さん、沙羅さんの3方向からの攻撃を防ぎきれません
諸葛亮や鳳統なら気づくかもしれませんが心配ありません
関羽は鞘華様を逆恨みしているので、鞘華様の部隊をを見れば考えなしに向かってきます
張飛も関羽が向えば自分も、と考え向かってくるでしょう
もう一軍も他の2軍が攻めれば同調せざるを得ません
つまり、本陣を放り出して攻めてくる という事です」
本当にその通りになった
静里の戦術眼は本当に凄い
本陣が強襲されている事を知った前衛部隊は統制を乱し始めた
この好機を見逃さずに半方円陣を広げる様に私達の部隊が前進する
防御から攻勢に移ったのだ
敵は総崩れの様相を呈してきた
劉備の本陣も星と霞の「丹精込めて、しごきまくった」騎馬隊の突撃
おまけに、万能普通人(私、命名)沙羅の突撃も加わり時間の問題になって来た
そして私は劉備軍に引導を渡す為の手を打つ
「く、こうなっては、敵の総大将北郷一姫を討つしかない
全軍突撃だ!」
関羽軍が突撃を仕掛けてくるが無謀すぎる
次々と討ち取られていく兵を囮にするかのごとく関羽が私の前に辿り着く
「北郷一姫、貴様を討ち取ってこの戦況を逆転させる!」
関羽との一騎討ちになった
関羽は速さは霞や星には劣るが力は2人より有る
力は夏候惇より劣るが速さは上
力と速さのバランスがいい
此方の攻撃も防がれ、彼方の攻撃も躱し、討ちあいながらも膠着状態になった
私は決着をつけるべく抜刀術の構えを取り斬撃を放つ
関羽は私と孫策の戦いを見ていたのだろう
斬撃を止めるのではなく後ろに飛んで躱した
刀対偃月刀の間合いの違いだからこそ躱せたのだろう
でなければ、抜刀術をそうそう躱せるものでは無い
「もらった〜」
関羽が上段から斬りかかってくるが私は抜刀術の後、更に一歩踏み込んでいた
その為、私の肩に当たった関羽の攻撃は刃の部分では無く、柄の部分だった
柄の部分とは言えかなりの衝撃だがそれを堪えて関羽の手を掴む
そして、関羽の肘を決めたままの一本背負い
肘を折りながら地面にたたきつける
関羽は失神したのか動かなくなったが息はしていた
私の勝ちだ
「うりゃりゃりゃりゃ〜」
掛け声と共に張飛が突っ込んで来た
攻撃は防いだが弾き飛ばされてしまう
「兵の皆は愛紗を連れて逃げるのだ
鈴々はこのお姉ちゃんを倒してから行くのだ」
兵達は指示通り、関羽を連れて逃げる
私は関羽との戦いの負傷と疲労で張飛の相手を出来る状態では無い
張飛が私に攻撃を仕掛けてくる
しかし、倒れたのは張飛の方だった
援軍としてやって来た恋が張飛の攻撃を防ぎ、逆に張飛に一撃を加えたのだ
方天戟画の尻の部分で突いたので張飛は失神していた
関羽は逃したが張飛は捕えた
そこへ霞が鳳統を捕えて戻って来た
更に星が捕えてきたのは一君だった
退却した劉備軍に追撃を掛ける事は出来なかったがこの戦い私達の勝利だ!
〜桃香視点〜
「鈴々ちゃんと、雛里ちゃんと、ご主人様まで捕えられたんだよ!
すぐに助けに行かないと」
私の主張に
「ダメです!
それをしたら全滅させられます」
朱里ちゃんに反対された
結局、朱里ちゃんの意見に従わざるを得なかったが冷たいね
皆が心配じゃないんだ
〜あとがき〜
難産でした
戦法を説明するのが難しかったです
うまく伝わったでしょうか
鈴々、雛里、一刀まで失った桃香、おまけに朱里との不協和音まで起きています
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
説明 | ||
荊州軍対劉備軍の戦い | ||
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コメント | ||
後ろを振り返れ。そして感情で軍を動かすな。心配していないわけがない、だが朱里は必要なことをするために敢えて感情を排しているんだ。取るべき道を見誤った朱里でも、最低限の行動はした。そうやって感情で動かない人間をすぐに人非人扱いするのはやめれ、桃香。さあ、どうなる?(Jack Tlam) 一足飛びに夷陵の大敗戦と同じ展開まで行き着きそうな勢いですね、これ。もう、桃香は止まらないでしょう。 後ろを振り返った時の彼女の反応は果たして……?(h995) 鞘華達より兵の数は優勢でも将の数、兵の質で敗北・・・鈴々、雛里、一刀を失い朱里とも不協和音・・・このまま洛陽に帰っても民達に反乱起こされ入れず。あわよく入れても華琳に攻め入られて西涼もしくは益州入り、でも益州に入っても兵も将も少なく桔梗達は既に鞘華の配下に・・・四面楚歌チェックメイトかな(覇王) |
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