ガンプラビルダーズ ジャンカーズ 第4話 |
「おい!あれ!」
いつのまにかそこにいた観戦者のオトコが指をさした。
そこには爆風が起きていた地点の上空に佇むレッドフレームの姿だ。
ライフルは爆散したためか、右手には何も持っていない。
レッドフレームのその姿には傷や損傷があった。
「あいつ、ぎりぎりでライフルから離れたのか。」
誠二は立ち上がり呆然としている。
恵美は座ったまま狼を見る。
いつの間にか観客が数人増えていた。
誠二は狼を見る。
「オレの。レッドフレームが・・・。」
狼のレッドフレームは、爆風によるダメージにより肩や腕に損傷を受けている。
大切に飾り、作っていたきれいなレッドフレームが・・・。
オレの宝物が・・・。
背中にマウントしているカレトヴルッフも、わずかに傷をつけていた。
「狼!次が来るぞ!」
誠二の声が聞こえて我に返る。
ヅダがこちらに接近してきた。
遠距離から中距離による射撃戦を行おうとしていた。
ヅダは対艦ライフルをしっかりかまえ、移動しながら打ってくる。
レッドフレームをこれ以上傷つけるわけにはいかない。
狼は、イーゲルシュテルンを飛んでくるライフルに浴びせた。
その場で爆破を起こす。
同時にイーゲルシュテルンの弾薬が尽きるアラートが鳴る。
視界が爆風で覆われる。
これでは相手を確認する事とができない・・・
狼はレッドフレームを上昇させた。
「やばい!罠だ!」
相手はあえてライフルを爆破させ、視界確保のために上に逃げるよう誘導したのだ。
ヅダはレッドフレームより先に上空に控えていた。
「しまっ!」
狼のレッドフレームはシールドを構えた。
ヅダはそれを確認すると肩についている手榴弾をシールドめがけ直撃させる。
「これは、だめかもしれないな。」
「さっきのまぐれなんじゃね?」
観客の中から聞こえてきた。
「狼・・・」
「・・・っ!」
誠二と恵美、そして観客が目の当たりにしたのは
シールドは破壊され、左半身と頭部を破損したレッドフレームであった。
左肩アーマー破損
左腕損傷
左脚部破損
ヅダはソレを確認すると、背中に対艦ライフルをしまう。
片手にマシンガンともう片手にトマホークを持った。
「狼・・・。」
誠二の手に力が入る。
そして、最も感じたくない感情をあいつが抱いていると思うと、ただただ自分を責めることしかできなかった。
「あーあ、初心者にやりすぎだろ。」
「あいつまじで恥ずかしくないのかよ。」
観客達のブーイングも聞こえる。
恵美はただ、狼を見ていた。
狼の目に惨状がしっかり写しだされる。
コックピットに写る会場用モニターには、自分のレッドフレームの左半身が無残にも壊れ、今にも力尽きそうに飛んでいた。
「コレが俺のレッドフレームなのかよ・・・。」
体中が寒くなる。感覚が消える。手が震える。オレがこいつで来たばかりに。弱いばかりに。
画面のボイスチャットの項目に相手のスピーカーマークが出た。
相手の男の声が頭に響いた。
「レッドフーレムはさぞ悲しんでいることだろう。お前には相応しくないものだ。」
ヅダが、レッドフレームに近づく。蹴りを入れた。
レッドフレームは力なく飛ばされる。
ヅダが追撃のトマホークでとどめを刺しに来た。
説明 | ||
ヅダの攻撃をうけたレッドフレームのその後です | ||
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