真恋姫無双 舞い降りし剣姫 四十話 |
〜蓮華視点〜
「皆、早朝に集まってもらったのは冥琳から説明してもらったことについてだ」
この建業にいる重臣を集めて、しかも早朝から会議を開いている
「蓮華様の意見に反対はしませんけれど〜他の手もあるんじゃないですか〜?
一姫さんはお人よしですし〜」
穏の意見に対して
「それでは、弱すぎる
それに姉様を命懸けで守ろうとした人物の心根を利用するような事は出来ない」
私の意見に穏も納得したようだ
「私は皆が説明を受けた事を一姫に伝えて実行に移す
もし、どうしても受け入れられない者は呉を見限ってくれ
無論、罰することは無い」
だが、誰一人 異議を唱える者はいなかった
それで、この会議は幕となった
〜鞘華視点〜
私は昨日の襲撃事件の時に疑問に思った事を疾風さんに訊いてみる
「疾風さん、昨日の敵は雪蓮を狙った矢には毒を塗っていたけど剣や槍には何で塗ってなかったんだろう」
「それは、手にして使う武器なので毒を塗っていては自分が危険だからです
剣で誤って自分を傷つけてしまった時、自分が死んでしまいます
仇討と言っても命を懸けてまでと考える者は少ないのではと思われます
成功したらそれを功績に曹操にでも降るつもりだったのでしょう
それに、おそらく矢も孫策殿に刺さったもの以外は毒を塗っていないでしょう
毒も殺傷性の高いものとなれば高価になりますし量を揃えるのものも大変です
賊となった者達に短時間でそんな資金や購入経路を用意できたとは思えませんから」
なるほど
そんな事を話していたら蓮華が呼んでいると、侍女が呼びに来た
蓮華の所に来ると昨日と同じく呉の重臣達が揃っていた
ただし雪蓮だけはいない
蓮華が私に提案があると話しかけて来た
その内容に驚いた
「一姫、我等孫呉は貴女に恭順する
孫呉の領土を全て貴女に委ねる事にした
この件はここにいる全ての者が賛同している」
この提案に私は言葉が継げなかった
「驚くのも無理はない
だが蓮華様は単なる思い付きで言っているわけではない
我等が取れる方策の中で最善のものだ
だからここにいる全員が従っている」
冥琳が説明を引き継いだ
「私も最初この提案を聞いた時は驚いた
だが説明を聞けば納得せざるを得なかった
雪蓮が倒れた報が伝われば必ず離反する豪族が現れる
それを討伐することは可能だろう
しかし、その時必ず曹操が動く
離反した豪族と連携する形で攻めてくるのは間違いない
そうなっては我等は内と外から攻められることになる
これがまだ袁紹が居て劉備が徐州州牧だった時の様に互いの勢力が牽制し合っている時なら救いはあった
残念ながら今はそうではないからな」
冥琳の説明は尤もだが
「私達と同盟とかは考えなかったの?」
私の疑問に蓮華が
「それでは弱すぎる
同盟では一姫は私達が要請した時しか援軍に来れない
その間にいくつかの城が落とされそこを足掛かりにしてくるだろう
我等の領土を曹操から守るには一姫に恭順してその力に頼るしかない
情けないがな・・・」
言ってる事は分かる
「でも、それだと曹操と私が入れ替わるだけじゃないの?」
「我等が自ら選んだ道か力づくで支配される道か、どちらを選ぶかは考えるまでも無い
それに姉様を命懸けで守ろうとした者を信頼しない程、愚かではない」
私の意思も固まった
「分かったわ、その申し出を受ける」
「具体的な行動を決めましょう
まずは一姫に淮南を治めて欲しい
そこには妹の尚香と呂蒙がいるが一姫の軍が来たら此方に帰還させる
そして私達は離反した豪族を制圧する」
「その淮南には長沙にいる董卓達を行かせる
襄陽に帰る途中で長沙に寄って直接伝えるわ
蓮華達が内乱を制圧したら配置の再編を行うけど宜しくね」
蓮華が苦笑いしながら
「気を遣わなくてもいい
もう私達は一姫の配下だ おっと、敬語を使わなければならないかな?」
その言葉に皆が笑った
私達は急ぎ帰還することにした
そして見送りに来た蓮華に
「蓮華、私の真名は鞘華
貴女に真名を預けるわ」
「蓮華さん、私の真名は静里です」
蓮華は立派に成長していた
だからあの時の約束通り、真名を預けた
「鞘華、静里、ありがとう」
蓮華と別れて帰還の途に就く
〜あとがき〜
孫呉が恭順しました
戦って従えるだけではない、と言った所です
これで、赤壁の戦いは無くなったわけです
更新はゆっくりになるかもしれませんが続けるつもりです
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