真・恋姫無双 もう一人の御使い |
「お、俺は・・・・」
声は出る。全身には少し痛みもあるが四肢の感覚は残ってる、とりあえず体には何も問題ないようだ。
「さて・・・・・ここはドコだ・・・?」
目の前に広がる光景は青い空、そして浮かぶ雲に・・・・・・荒野
荒野、荒野、荒野、荒野。見渡せども荒野しかない、稀に岩山はある・・・その程度だ
「こんなとこ東京にあったかな・・・」
手の甲を抓ってみたも痛みはある、どうやら夢ではないようだ
状況を把握できそうな物は見当たらない、私物には携帯と財布しかもっていない。
「携帯!そうだ携帯でGPSを使えば場所がわか・・・る・・・」
無情にもその画面に映し出されたのは圏外。
そしてバッテリーは残り一本、そして恐れた事が起きた
ピー、ピー、ピー。耳に残る音を数回ならして明るかった画面は黒になり沈黙してしまった。
「さて・・場所もわからないし太陽に向かって歩いてみるか」
「おう兄ちゃん。珍しいモン持ってるじゃねぇか」
待ちわびた人の声、ドッキリである事に胸をふくらませいざ振り向くとそこには
黄色いバンダナをした男三人、民族衣装風な服に身を包んだその三人の腰には剣。
「・・・・・コスプレ?」
「「「はぁ?」」」
「何言ってんだ、コイツ。なぁお前わかるか?」
「あっしに聞かれても・・・」
「おいもわからんですだ」
うーん、言葉は通じてるみたいなんだがなぜか通じていない。なぜだ
「いや、ここ日本じゃないの?携帯のバッテリー切れたから充電したいん・・・・」
俺の言葉は最後までは話せなかった、その三人の腰にあった剣がなぜか俺に向けられているからだ
「金を出せ」
はい?聞き間違いであると思うので聞きなおす
「今、なんと?」
「言葉は通じてるんだよな、ならもう一度だけ言ってやる。金を出せ、そしてその服も置いていけ」
ドスッ
「がはっ。・・・・・何すんだ・・よ」
「あーあ、腹を殴るんじゃねぇよ、服が汚れるだろ。」
「あちゃー、すいやせん兄貴」
どうやら俺は小柄な男に殴られたようだ、一発殴られただけですでに意識が半分飛びそうだが
まだその会話を聞き取るべく気力で持ちこたえる。
「あ、あにき、そいつ殺しちゃえばいいんだな」
「おぉ、そいつぁ名案だ。よしヤッちまえ」
あぁ、なんて短い人生だったのだろうか。こんな訳の分からない荒野に放りだされて
ドッキリでした。なんていう展開もなく俺は18歳の生涯を閉じるようだ、逝くなら一瞬がいいな。
「待てい!」
「「誰だ!!」」
「だれなんだな」
「たった一人の庶人相手に、三人掛かりで襲うとはその所業、言語道断。そんな外道共に名乗る名など、ない!」
ヒュン、聞こえた音は一つ。最初の構えから構え方が変わってからその異常に気づいた。男が二人倒れているのだ
「おい、逃げるぞ」
「「・・・・・」」
二人はまったく意識を取り戻す気配が無く男は二人を引きずり馬で逃げていった
助けてくれた女性は逃げた三人組を追いかけていってしまった。
助かったみたいだけど、何だったんだろう、今の。
「おにーさん大丈夫ですかー?」
俺に声をかけてきたのは間延びした声をもつ小柄で金髪の女性
「怪我は・・・・大したことないな、立てるか?」
そしてもう一人は茶髪気味の眼鏡を掛けたいかにも知的な女性
「やれやれ、逃げられた。逃げ足の速い奴らめ」
先ほどの女性が戻ってきた、特徴としては全身白を基調とした服で蒼い髪である。
「おかえりなさいー、お馬さんでも使われたんですかー?」
「うむ。同じ二本足なら負ける気はせんがな」
「ここは比較的に賊も少ない地域でしたが、災難でしたね」
比較的・・・?やはりここは日本ではないのか。
賊なんて言葉を使うくらいだから紛争地域とかかも、なども考えたが
日本語で通じている理由が納得できない。
説明を求める為に名前もわかっていて話しやすそうな風さんに話しかけてみるか。
「あのー、風さん・・・?」
「ひぇっ」
「貴様ぁ!」
名前を呼んでからが理解が追いつけない
なぜか俺は槍の少女に槍の穂先を突きつけられている。
「な・・・何・・・!?」
「どこの世間知らずの貴族かは知らんが・・・・いきなり人の真名を呼ぶとは、どういう了見だ!」
「訂正なさい!」
「え・・・?だ・・って・・・え?」
何だこの子達・・・・
名前を呼んだだけで、いきなり様子が変わったじゃないか。裸を見られたよりも怒ってそうな雰囲気だぞ
・・・・まさかそういう風習?
わからないから、ここは無理強いする所ではないかもしれない
「わ、わかった。ごめん。訂正するから!お願いだから、その槍を引いて・・・・」
「・・・・結構」
「では君たちの事は何て呼べばいいのかな?
「はいー、程立と呼んでくださいー」
「今は戯志才と名乗っております」
程立ちゃんはともかくとして、なんか「今は」とかいう偽名と分かる名乗りされたな。
「ここは・・・中国?」
「ちゅうごく?星ちゃん、この辺りにそういう地名ってありますかー?」
「聞いた事がないな。その格好を見るに、どこかの貴族辺りの一員のようだが、どこの出身だ?」
「日本の東京」
「・・・にほんのとうきょう? 稟、そのような地名に心当たりはないか?」
「無いわね、南方の国かもしれないけど。」
「はぁ・・・?」
日本ってそこまで知名度低い国だっけ?漢字なんてアジア圏だけだろうし、日本はアジアじゃ有名と思うんだけど・・・
「・・・ふむ。まぁ、後の事は・・・陳留の刺史殿に任せるとしようか」
「・・・しし?」
「ほら。あれに曹の旗が」
戲志才の指さす方向を見れば、地平線あたりから砂煙が立ち上ってるのが確認できた。
「それでは、ごめん!」
ぇ・・?俺の事置いていきやがった!?せめて大通りまで連れて行ってくれればいいのに・・・これからが不安だ
三人はあっという間に姿を消して。俺の目の前に次にやってきたのは・・・
「華琳さま! こやつは・・・」
「・・・どうやら違うようね。連中はもっと年かさの中年男だと聞いたわ」
「連中と関係あるやもしれません、引っ立てますか?」
「そうね・・・。けれど、逃げる様子もないということは連中とは関係ないのでしょうけど」
「我々に怯えているのでしょう」
「怯えてるというよりは、面食らっているように見えるのだけど・・・」
誰かを捜しているようなんだが、話が全く見えてこない・・・・
ただ一つ運が良いことなのか分からないが、さっきの子達と同じで言葉は通じるみたいだ。
「あのー・・・・」
リーダーと思われる金髪の女性に話しかけてみたが、名前が分からない・・・さっきの三人組のように
華琳ってのは真名って名前だと思うからうかつには言えないし
「何かしら?」
「君・・・誰?」
「生憎、それはこちらの台詞よ。貴方こそ何者?他人に名前を尋ねるのはまず自分から答えるものよ」
「えっと・・・北郷一刀。聖フランチェスカ学園の学生で、日本人だ。」
「・・・・はぁ?貴様、華琳さまの質問に答えんかぁ!生国を名乗れと言っておるだろうが!」
「いや、だから日本ってちゃんと答えてるんだけど・・・・」
なぜこうも日本や中国が分からない・・・華琳とか、名前漢字っぽいクセに・・・
「姉者。そう威圧しては、答えられる物も答えられんぞ」
あなたの方が無言の威圧感がありますよ、お姉さん
「むぅ、秋蘭こやつは賊の一味かもしれんのだぞ?」
「そう?私には、殺気の一つも感じさせないほどの手練れには見えないのだけれど。春蘭はどう?」
「感じません!」
「そうよね。北郷・・・と言ったかしら?」
「あ、あぁ・・・」
「ここは陳留・・・・。そして私は、陳留で刺史をしている者」
これが俺と華琳の出会いだった
どうも、この章は原作の文を多々いんy・・・参考にしてるのでオリジナリティにかけますが
次回からまた私自身の書き方に戻るので読みにくくなります
亀ですが( ^ω^)よろしくだお
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第二話 運命 | ||
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