襄陽に帰還した私はこの話を皆にした

「確かに、一刻も早く動いた方がいいですね

　では、江夏、淮南の守備を旧孫呉に任せましょう

　離反した豪族は全て制圧し、孫策殿も復帰したとの連絡がありましたから

　江夏と淮南の戦力を加えた総勢１５万で攻め込むのが上策でしょう」

静里の進言で旧孫呉、淮南、江夏に伝令が飛んだ

そして、旧孫呉が淮南、江夏に入った時点でそれぞれの守備部隊が襄陽に出発した

〜華琳視点〜

「華琳様、北郷一姫が動きを開始しました

　江夏、淮南の守護を旧孫呉に任せて全戦力を襄陽に集めています」

先手を打たれたわね

私の考えとしては鞘華の戦力を大きく上回った時点で侵攻するつもりだった

だが、その考えは打ち砕かれた

と言っても問題は無い

此方の戦力は２０万

それもこの許昌周辺に配置してある

涼州や洛陽近辺には守備隊位しか配置していない

どちらも国力を回復するのに時間が必要なので戦略的価値は低いからだ

「此方も全兵力を結集させなさい

　この大陸の制覇を掛けた決戦を仕掛けるわ」

鞘華、いよいよね　私は笑っていた

待ち望んだ時が来たのだ

〜鞘華視点〜

江夏、淮南の部隊が集結し、出陣の準備を進めていた時華琳から使者がやって来た

使者が持ってきた書簡の内容は宣戦布告と、決戦申込み状だった

襄陽と許昌の中間点に広大な平野がある

そこで雌雄を決しようと言うのだ

「この申し出を受ける

　曹操に伝えなさい」

曹操の使者に答えた

その３日後、襄陽を出立した

目的地が見えてきたところで陣形を整える

前衛中央に恋、華雄、斗詩、紫苑の歩兵５万

左翼に翠、霞の騎兵２万５千

右翼に星、蒲公英の騎兵２万５千

本陣に私、疾風さん、桔梗、焔耶の歩兵、騎兵の混合部隊５万

総勢１５万

陣形を整えたまま進むと曹操軍が見えた

両軍が接近し、双方とも一旦止まる

私と華琳がそれぞれ進み出る

「北郷一姫よ、我との決戦を受けた事褒めてやろう

　だが勇敢と蛮勇が違う事をこの戦いで教えてやる」

「此方は貴女に褒められる必要はない

　単に私と貴女のどちらがこの国を総べるかの決着に来たまで」

時代がかった言葉の応酬

「なら、もう言葉は不要ね」

「ええ、決着をつけましょう」

素に戻った言葉を最後に双方共陣に戻る

「総員、進め！」

最後の決戦が始まった