〜オーロックス峡谷道〜

「みんな、行くわよっ！！」

戦闘を開始したエステルは掛け声をかけて仲間達の闘志を高め

「セイッ！！」

ヨシュアはクラフト―――絶影で先制攻撃を仕掛けた。

「ぬりぃ。」

しかしマクバーンは魔剣でヨシュアの奇襲を受け流し

「おらよっ！！」

「っ！！」

片手から火炎弾を発生させてヨシュアに放ち、ヨシュアは回避行動に移った。

「ククク……燃えろやっ！！」

片手に炎を溜め込んだマクバーンは炎を獣の姿へと変えてエステル達に解き放ったが

「星光―――滅鋼斬！！」

アイドスが星の光を宿した神剣で襲い掛かる炎の獣を真っ二つにし

「お返しです！―――ハアッ！！」

エイドスは神槍を振るって神力を込めた衝撃波―――セイクリッドエッジを放ち

「甘ぇ。」

それを見たマクバーンは魔剣を振るって衝撃波を斬ろうとしたが

「な―――グッ！？」

神力が込められた衝撃波は斬れず、ダメージを受けた。

「行くわよ――――剛進突破撃！！」

「！！」

そこにエステルが衝撃波を纏いながらマクバーンに突撃したが魔剣で攻撃を受け止められ

「―――百烈撃！たぁぁぁぁぁぁっ！！」

攻撃を受け止められたエステルはそのまま棒による連続突きを放ち始め

「…………………」

エステルの連続突きをマクバーンは魔剣で全て受け止め続けていた。

「セイッ！！」

「獲ったぁっ！！」

連続突きの後の強烈な一撃をマクバーンに食らわせる瞬間、ヨシュアがマクバーンの背後に現れてクラフト―――朧・斬の型を放ったが

「テメェらには用はねえ！！」

「キャッ！？」

「クッ……！？」

膨大な炎を纏わせた回転斬り―――フレイムセイバーで二人を吹っ飛ばした！

「燃えろ……っ！！」

「熱っ！？」

「グッ！？」

吹っ飛ばした二人に向かってマクバーンは拳に溜め込んだ炎を解き放った。すると二人の中心地に炎の竜巻が発生した。マクバーンのクラフト―――ギルティフレイムを受けたエステルとヨシュアはダメージを受けたが、それぞれの防具や装飾品によって火傷は逃れた。

「今、助けるわ。――――癒しの光よ。大いなる癒しの風！！」

その時アイドスが治癒魔術でダメージを受けた二人の傷を回復し始め

「クク、どれほどのもんか、確かめさせてもらうぜっ！！」

その間にマクバーンはエイドスに詰め寄った。

「オラ、オラ、オラ――――ッ！！」

マクバーンは炎を纏わせた魔剣で凄まじいラッシュ攻撃を放つクラフト―――フレイムラッシュで攻撃し

「ハァァァァァ……！！」

対するエイドスは神力を纏わせた光速の連続突き―――シャイニングラッシュで自分に襲い掛かる斬撃や突きを全て相殺した。

「セイッ！！」

攻撃の間に隙を見つけると神力を込めた薙ぎ払い―――アークスピンで攻撃し

「！！おらっ！」

攻撃に気付いたマクバーンは後ろに跳躍して回避した後片手から火炎弾を放ったが

「ハイドロカノン！！」

「何っ！？……！」

詠唱無しで放たれた水のアーツによって消され、自分に襲い掛かる水のエネルギーを回避する為にマクバーンは側面へと跳躍した。

「オォォォォ………！！」

その時ヨシュアのクラフト―――魔眼が発動し、マクバーンの動きを止めた。

「あ？こんなもん、効かねぇよっ！！」

しかしマクバーンは膨大な黒き闘気を解放して魔眼による束縛を打ち破り

「暗黒の炎よ、全てを焼き尽くせ！―――滅界獄滅炎！！」

「ハッ、そんな炎、ぬりぃんだよっ！！」

エステルが放った暗黒の炎も魔剣で一閃して消滅させた。

「煌めけ、星々！―――プリズミックスターズ！！」

「うおおおおおおおおっ！？」

その時詠唱を終えたアイドスが魔術を放つとマクバーンの背後の空間から無数の星の形をしたエネルギーがマクバーンを襲い

「太陽の焔よ、悪しき者達を焼き尽くせ！――――ソル・イラプション！！」

「なっ！？グアアアアアアアアア――――ッ！？」

エイドスがアーツを発動すると空から巨大な炎の球体が現れ、マクバーンを覆い尽くすと灼熱の大爆発を起こした！

「な、何あれ！？あれもアーツなの！？」

「最高位アーツとも比べ物にならないくらいの威力だな……」

エイドスが放ったアーツを見たエステルは驚き、ヨシュアは真剣な表情をした。

「……………………！――――どうやらまだ終わっていないようね。」

「ええ…………加減したとはいえ、”人”の身でアレを受けて耐えられるとは思いませんでした。」

「へっ！？」

「まさか……！」

そして炎の爆発が収まるのを待っているアイドスとエイドスの会話を聞いたエステルは驚き、ヨシュアが真剣な表情でマクバーンがいる場所を見つめるとそこにはダメージを受けていながらも膨大な黒き闘気を纏っているマクバーンがいた。

「ハハハハハハッ！驚いたぜ！まさか”ロストアーツ”を戦術オーブメント無しで使うとはな！――――いいものを見せてくれたご褒美だ！俺もいいものを見せてやるよっ！オラッ、オラッ、オラァッ！！」

凶悪な笑みを浮かべて声を上げて笑ったマクバーンは次々と巨大な火炎弾を放ち

「星芒よ！我が呼びかけに応え、今こそ我等を護りたまえ！オリンポスの星護壁！！」

アイドスは大結界を展開して火炎弾から自分達の身を守った。

「さて……こいつで仕上げだ……！ジリオン――――ハザードッ！！」

その時片手に炎のエネルギーを溜め込んだマクバーンが炎の球体を放つと球体は結界に近づくごとに徐々に大きくなり、機甲兵と同じくらいの大きさまで大きくなった炎の球体は結界にぶつかると超越した大爆発を起こした！

「さて……今のを耐えられたか？―――――何っ！？」

全てを灰燼と化させるSクラフト―――ジリオンハザードを放ったマクバーンは不敵な笑みを浮かべていたが爆発による煙が消えると全員ダメージを負っていない様子のエステル達を見て驚いた。

「ありえねぇ……俺の焔を防ぐだとっ！？」

全員無事な様子のエステル達を見たマクバーンは信じられない表情で声を上げたその時！

「オォォォォォ……ッ！！」

ヨシュアのクラフト―――魔眼が再びマクバーンを拘束した！

「だから効かねぇっつてんだろうがぁっ！！何度も無駄な事をしてんじゃねえ！」

無駄としか思えないヨシュアの行動にイラついた様子でヨシュアの魔眼の効果をマクバーンが打ち破ったその時！

「行くわよ、エイドス！」

「ええ！せーの！」

「とぉうりゃあああっ！！」

同時に跳躍したエステルとエイドスがマクバーンの目の前に武器を叩きつけると地面に亀裂が入ると共に衝撃波が発生し

「チッ…………！？」

「行くわよ、エイドス！」

「はい！」

「「ハァァァァァァァッ！！」」

「グッ……！？」

マクバーンを挟み込んだエステルとエイドスはそれぞれ連続突きを叩き込んだ後、それぞれの武器を同時に叩きつけた！

「「烈！神桜圧砕撃（しんおうあっさつげき）！！」」

「ガハッ！？グッ…………！？」

エステルとエイドスの協力技（コンビクラフト）――――烈・神桜圧砕撃を受けたマクバーンは近くの崖まで勢いよく吹っ飛ばされて崖にぶつかった瞬間口から血を吐いて地面に叩きつけられた後立ち上がったがすぐに地面に膝をつき

「ナイスタイミングだったわよ、エイドス♪」

「フフ、エステルさんもですよ♪」

協力技で勝利した二人は互いに笑顔を浮かべてハイタッチをした！