残された時の中を…(完結編第3話)
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北川の見舞いに行った、その翌日の夜のこと…。

 

部屋の中で久瀬は意を決して、政治の世界で活動している父親に電話した。

 

 

「父さん、僕だよ」

“お前か…、どうしたのだ?”

「父さんに頼みたい事があるんだ。僕が度々口にしてた北川潤という男に関する事なんだけど、聞いてくれるかな?」

“北川…?ああ、お前が倉田先生の娘さんと共に一目置いているという、あの男の事か。話してみろ”

「実は…」

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“なるほど。北川という男は卒業するまでに生きられぬほどの重い病気に苦しんでて、唯一助かる可能性のある手術の為に3億もの金を出資して欲しい、という事か?”

「ああ、そういう事なんだ」

“それはその男に頼まれてやっている事なのか?”

「いや、彼はご姉妹やご親戚の足枷(あしかせ)にはなりたくないと言ってたそうだ。

 けど北川はある素敵な女性と付き合ってるんだ。このままではその人が悲しむし、僕自身、彼を助けたいから出してあげたいんだ」

“そうか”

 

久瀬の回答に彼の父は溜息を吐くと、やや厳しい口調で久瀬に語りかける。

 

 

“では、もし同じ症状の者が複数いて、誰もが3億を出して欲しいと言うのなら、お前はどうするのだ?”

「どうするって…」

“お前が最も助けたいと思う者のみを選んで出資するのか!?それとも、全ての者に出資してやるのか!? 

 たった1人の者を選ぶとしたら、残された者はどうする!?お前1人でその重みを背負えるのか!?

 それが嫌で全ての者に出資するとしたら、その金は何処で工面(くめん)する!?多少の金があるとはいえ、無限の額を持っている訳ではないのはお前も分かってはいるだろう?”

「それは分かっているけど、僕はただ…」

“それに、その手術によって病気が治る可能性はあるらしいが、逆に失敗する可能性だって高いのだろう?

 ただでさえ残された命が少ない中で手術を強行して失敗して、命を早くに失う事になるとしたら、残された者が悲しむのだぞ!?

 仮にそうなった場合、お前は責任を取る事が出来るのか?その者を納得させる事が出来るのか!?”

 

父親の言葉の嵐に久瀬は一言も言い返す事が出来なかった。

久瀬自身はただ北川を助けたいだけだったが、ここまで厳しく言われるとは予想もしていなかった。

 

 

“いずれにせよ、お前が一目置く男であれ、そう易々と(やすやすと)出資する訳にはいかん。

 それとも、その男に投資するメリットでもあるのか?どうなのだ!?”

「メリットは…」

 

そこから先が何も思いつかなかった。3億もの大金を出してもらうには、今この場で父親を納得させねばならなかったが、そこで止まってしまった。

 

「メリットは…。北川に…、投資するメリットは……。“投資”?」

 

必死に答えを探す中、ふと口にした“投資”という単語に反応する。それと同時に、父親を納得させる言葉も見出せた気がした。

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“ふん。まあ…”

「父さん…」

 

父親が何か言いかけたところを久瀬が遮った。続けて、

 

「北川という男は、日本の中で最難関のレベルにあるといわれている鍵大の医学部に、我が高校の中で唯一合格の可能性がある有望な人材だ。

 そして彼はかつて身近な人間を何人も失っていたそうだ。それだけに、彼は他の誰よりも命の重さや尊さを理解している。

 更に彼が付き合っている女性もまた、今の彼と同じ様に重い病に苦しみ、それを克服したそうだ。

 彼が医者になれば、今の彼の様に重い病に苦しんでいる多くの人間を助ける事が出来るだろう。その中から新たな素晴らしい人材が生まれる可能性だって、きっとある。

 もし北川という人材が失われる事態になったら、将来の日本にとって大きな損失に繋がるかもしれない。だから彼を助けたいと思うんだ」

 

 

と、久瀬は自らが知っている北川という男について、父親にプレゼンテーションをする。そのプレゼンに、父親の表情も若干緩くなる。

 

“ふむ…、だからこそお前は3億もの大金を出してでも、その男を助けたいと言うのだな?”

「そうだよ、父さん」

“では、お前の言葉を信じる事にしよう”

「それじゃ…」

“だが、決定する前に1つ問うぞ?”

 

久瀬の言葉に、父親は北川を助けようと思う気持ちに理解を示してくれた様子だったが、再び厳しい口調で話しかける。

 

 

“3億もの金は、国民が我々の為に出してくれた税金の一部だ。いくら命がかかってるとはいっても、簡単に渡して良い額ではない。

 それに手術に失敗して命を落とす事になれば、3億もの金が一瞬で無駄になってしまうのだぞ?

 出資は考えてやるが、その全額は利息を付けて必ず返してもらう。たとえ、北川という男が手術に失敗して、命を落とす事になってもだ。

 どう転がろうと、私はどんな方法を使ってでも、お前から3億円を回収する事になる。親子だからと容赦はしないし、逃げようものなら必ず捕まえるだろう。

 分かるか!?彼が命を落とす事になれば、お前の投資は失敗という事になる。一時の感情で大金を出してしまえば、下手をすれば一生後悔する可能性もあるのだぞ!?

 お前は私と同じ道を歩むつもりだから、大金の回収など訳もないと考えておるのかもしれんが、そんな甘いものではない。

 後、金を返していくにせよ、間違っても不正な形で金を入手して返済するならば、3億どころでは済まさないぞ?

 

 もう一度確認するぞ?一介の高校生に過ぎんお前が、3億もの金を返す事は出来るのか?”

「ああ。最初から覚悟していた事だ。それに僕は北川なら乗り越えてくれると信じてるから、投資の失敗などあり得ないよ」

 

父親の出資の条件にも、久瀬は表情1つ変えることなく力強い言葉で即答した。

 

 

“分かった。お前の覚悟に免じて、出資するとしよう”

「ありがとう、父さん」

“ただし、3億もの金額は出せない。出すにせよ、多くて半額までだ”

「な…、3億ないと北川が手術出来ないって言ってるのに…!どうして…!?」

 

父親の予想だにしなかった言葉に久瀬は耳を疑い、思わず食ってかかってしまう。

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“実は先ほど倉田先生から電話があって、彼の手術代を出し合おうという事になったのだ”

「倉田さんが…?」

 

思ってもみなかった展開に久瀬は思わずキョトンとした。

一方の父親は先程とは打って変わって穏やかな口調となっていた。

 

 

“昨日、彼の見舞いに行った際に、病室で倉田先生のお嬢さんに何か話しかけようとして、止めたそうだな?あれは金の相談についてだったのだろう?

 お嬢さんはそれを察して、帰り際に彼のご姉妹から話を聞いて、その日のうちに先生に手術代の工面(くめん)を頼んだのだそうだ。

 お嬢さんはさっきお前が言った事を真っ先に話して、先生はそれで承諾したと言っていたよ。

 あの倉田先生が出資を決意したほどの男なのだから、私も予てから(かねてから)話を聞いていた北川という男に投資をしてみたくなったのだ。

 

 それだけではない。お嬢さんは我々だけで手術代を折半するつもりでいたらしいのだが、

 彼のご親戚はそこまでしてもらう訳にはいかないと、彼の亡くなったご両親の保険金を何割か出資する事を決めたのだそうだ。

 ご親戚だけではない。彼の恋人や親友のご家族も、彼の為に可能な限り出資すると申し出てくれたらしい”

「皆が…、北川の為に…?」

“お前が今になって電話してきたという事は、お前1人で全てを背負うつもりだったのだろう?”

「ああ…、恥ずかしながら…」

 

父親の指摘に、久瀬は恥ずかしそうに微笑む。先ほどまであった緊張した面持ちは、いつの間にかなくなっていた。

 

“まあ額が額なだけに、周りに頼るのを躊躇う(ためらう)のは無理もない事かもしれんな。が、訂正したとはいえ、感情論で金を出してもらおうとは、お前もまだまだ甘いな”

「最初、父さんが知らない振りをしていたのは、もしかして僕を試す為に…?」

“そういう事だ。しかし北川という男は相当の人望があるのだな”

「ええ。彼は学力だけではなく、人間的にも優れた男ですから」

“そうと決まれば、グズグズしてはおれんぞ?お前にとってはたった1日かもしれんが、彼にとってはかけがえのない時間なのだ”

「分かってるよ。父さん」

“明日、彼らでどのくらいの額を出すかを、倉田先生のお宅で話し合う事になってるそうだ。

 我々は残念ながら出られないから、こちらからは代理人と一緒にお前達にも出てもらうぞ。

 恐らく我々が最も多く出資することになるだろうが、彼らのご厚意もまた無碍(むげ)には出来まい。その辺の折り合いは任せるぞ”

「ああ、任せてくれ!」

 

 

翌日、集まったのは久瀬と佐祐理、および2人の代理人と、北川の親戚の麻宮家の叔父と美坂家の父親と水瀬秋子、

そして中学時代の北川が受けてきた理不尽な暴力から彼を守ろうとして殺された、翔太の遺族だった。

 

話し合いはとんとん拍子に進み、やがて各々が北川の為に出資する額も決まった。

一番多く出したのは久瀬・倉田の両家だったが、いずれも1億を超える額を出資せずに済む事となった。

 

「よし!!手術代の目処(めど)はこれでついた。後は…」

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「手術が…、受けられるって…、本当…、なの……?」

「ああ、皆さんがお前の為にわざわざ出してくださったんだ」

 

その日のうちに、北川は麻宮家の叔父からヨーロッパにて手術を受けられるという報せ(しらせ)を聞き、驚きを隠せないでいた。

 

 

「けど…、どうして…、俺なんかの…、為に……?」

「もちろん君に生きててもらいたいからだよ」

 

美坂家の父親が穏やかな口調で北川に語りかける。

 

「君には娘達がいつもお世話になってたからね。特に栞は君に愛されている。

 香里から聞いたよ。このままでは1月までしか生きられない事、治すにしても3億もの金額がかかる事を…」

「あたしがお父さんにお願いしたのよ。大学の学費を免除してもらえる様にトップの成績をとる事、大学入ったら少しずつ返す事を条件にね。

 それから思い切って名雪のお母さんにもその事をお願いしたら、承諾してくださったの」

「良いんですよ」

「我々も麻宮さんから君の事を聞いてね。天国の翔太もきっと君に長生きして欲しいと思ってるだろう」

 

香里と秋子、そして翔太の遺族が続けて口を開く。

自分の為に、皆が協力して3億もの額を工面してくれた事を北川は嬉しく思っていた。が、同時に不安にもなった。

 

 

「あの……、気持ちは…、嬉しいん…、だけど……。でも…」

「分かっています。手術で助からないかもしれない事が怖いんですね?」

 

そして栞の口が開いた。栞は不安な表情を浮かべる北川の手を優しく包んでやる。

 

 

「本音を言えば、私は潤さんに手術を受けて欲しいです。受けて長生きして、ずっと一緒にいて欲しいです。

 でも助からないかもしれなくて不安なのに、一方的に気持ちを押し付けてしまうのは、単なるエゴでしかありませんから…。

 だから手術するかどうかは潤さんが決めてください。どれを選んでも…、私は潤さんの気持ちを尊重します……。

 どんな結果でも……、私……、覚悟…、して…、ますから…」

 

気丈に振る舞いながら、栞は北川に語りかける。が、こらえられず、いつしか栞の瞳からは涙が溢れていた。

その表情に、北川は一旦視線を栞から逸らした。

 

 

「栞…、ちゃん……」

「潤…、さん…」

 

少し考え、再び視線を栞に向ける。

 

「俺…、長生き…、しなくても…、良いって……、思ってた……。

 母さんや…、父さん…、それに翔太が…、死んだのは…、俺が…、生きてるからだと…、言い聞かせ……、てた…」

「そ…、そんな事…」

「でも……。栞ちゃんが…、一緒にいて…、くれて……。皆が…、俺の為に…、わざわざ…、お金を……、出してくれて…。

 凄く…、嬉しかった……。長生き……、出来るかも……、しれないって……、凄く……、うれ………」

 

感極まり、北川の両瞳からは止め処ない(とめどない)涙が流れていた。

 

 

「俺…、もっと…、長生き…、したい……。長生き…、して……、皆と…、一緒に…、笑い……、たい…。

 そして……、医者に…、なって……、色んな…、人を……、助け……。グズッ……」

「潤さん!!」

「北川君!!」

 

「だから……。俺……、手術を……、受けます……。闘って……、帰って……、来ます……。

 帰って……、来て……、栞ちゃんと……、一緒に……、誕生……、日を……」

「もう良い。それ以上は喋るな。体に障るぞ?

 分かった。先生には伝えておこう」

 

麻宮家の叔父は北川を宥め、病室にいる一行の方を向くと、

 

「皆さん、潤の為に手術代を出してくださってありがとうございました。この御恩は忘れません」

 

と、深々と会釈し、病室を出て担当医の元へと向かった。

 

 

そして年が明けて、学校が始まる前に北川はヨーロッパに渡航する事となった。

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「北川〜!!頑張って来いよ〜!!」

「北川く〜ん!!負けないでね〜!!」

「北川せんぱ〜い!!必ず戻ってきてくださいね!!」

「皆、本当にありがとう」

 

出国の日、空港にはいつものメンバーに加え、学校の担任と生徒達も何人かいた。

車いす姿の北川は見送りに来ていた1人1人に手を振る。

 

「北川。お前の為にこれだけの人間が来てくれたぞ。特に3年生は受験前だというのに…。俺はお前のクラスを受け持てて良かったと思うよ」

「そんな…、大袈裟な…」

「俺はお前がこれから受ける手術が、どれだけ大変かは分からんが…。ともかく、無事に成功する事を祈るよ」

「はい。ありがとうございます」

 

続けて担任が北川のそばに来てエールを送り、北川は力強く返す。

 

 

最後に栞と香里が北川のそばに来る。

栞の肩には姉からもらった、お気に入りのストールがかかっていた。

北川が吐いた血で真っ赤に染まっていたストールだったがクリーニングの末、無事に新品同様になって戻ってきたのだった。

 

「北川君、絶対に戻って来なさいよ。栞の事を悲しませたら承知しないから…!!」

「ああ、分かってるよ、美坂」

「潤さん…」

「栞ちゃん。約束…、守れそうもなくて…、ごめんな…」

 

北川は血を吐く直前に栞とかわした、栞の誕生日の夜に観覧車から夜景を一緒に眺めようという約束を守れそうもない事を、バツが悪そうに栞に詫びた。

栞は涙を流しながらも、そんな北川に毅然とした表情を向ける。

 

「何を言ってるんですか!?今年は無理でも、来年があります!!無事に戻って来れたら、来年だって…!!」

「そうか、そうだな…。じゃあ来年、一緒に行こう」

「約束ですよ!!?」

 

そう言うと、栞は右手の小指を差し出した。北川も右手小指を差し出すと、栞の小指に絡ませる。

 

「「指切りげんまん嘘ついたら針千本飲〜ます!指切った!!」」

 

観覧車でやった時の様に、指切りのおまじないを唱え、互いの小指が離れる。

 

「絶対に…、戻って来てくださいね!!」

「ああ、分かった。約束する」

 

 

「潤、そろそろ出発の時間だぞ」

 

しばらくして、麻宮家の叔父が北川を迎えに来る。

 

「皆さん、潤の為に来てくださってありがとうございます。

 これから先は、潤にとっては過酷な闘いになるでしょうが、私は潤なら克服できると信じてます」

「皆、来てくれて本当にありがとう。

 じゃあ…、行ってくる」

 

2人で深々と会釈すると、叔父は車いすのグリップを持ち、北川と一緒に乗る飛行機の搭乗ゲートをくぐった。

 

しばらくして、北川達の乗る飛行機が離陸する。

 

 

「北川、絶対に戻って来いよ…」

 

空港の屋上に移った一行は、そこから北川達が乗っている飛行機を見送りながら呟く(つぶやく)のだった。

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それからしばらくしてセンター試験が開催され、久瀬は満点に近い点数で見事鍵大に推薦合格した。

香里もまた満点に近い点数を取り、残る祐一、あゆ、名雪の3人も8割に近い点数を取る事が出来た。

 

4人は来月開催の鍵大の2次試験の合格を勝ち取るべく、更に過去問題に励んでいた。

 

 

 

 

そんなこんなでセンター試験から更に約2週間が経ち、1月30日の日曜日……。

 

 

 

 

 

「そうですか…。分かりました……」

 

昼過ぎ、町の中でスマホを持っている美汐が電話の相手に相槌を打つと、通話ボタンを切る。

話の内容が良くないものだったのか、電話を切ってからも表情が沈んでいる。

 

沈んだ表情のまま、他の誰かに電話をしようとスマホの通話ボタンを押そうとしたその時……。

 

 

“え…!!?”

 

美汐の視線の先に飛び込んできたものに、思わず手が止まる。

視線の先にはとある人物がいた。

 

その人物は美汐の存在に気付くことなく、町の中を歩いており、ほどなくして視界から消えた。

 

 

“そ…、そんな……。な…、何で……!!?だって……”

 

とある人物を目の当たりにして、美汐の表情が蒼ざめ、カタカタと身震いする。

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「……、牛肉、白滝、卵…。よし、これで全部ですね」

 

一方、商店街には栞が母親に頼まれて買い物をしており、全てを購入すると、そのまま帰路に着いた。

 

 

「今日は久し振りのすき焼き。楽しみです」

 

ルンルン気分で家路を急ぐが、その表情は少し浮かないものだった。

ヨーロッパに旅立った北川の安否が気になって仕方なかったからだ。

 

“潤さん…、今頃はどうして……。

 

 え…!?”

 

 

北川の事を考えながら角を曲がったところ、視界に飛び込んできた人物に思わず栞の足が止まった。

目の前には金髪で、更に触角の様なクセっ毛を持つ男がいた。

 

“まさか……”

 

 

その人物を目にして、思わず栞はその人物の元へと一目散に駆け寄り、そしてその人物に抱き付いた。

 

 

 

 

「ただいま」

「お帰りなさい、潤さん!!」

 

説明
10年以上前に第1部が終わってから更新が途絶えてしまった、北川君と栞ちゃんのSSの続きです。
10年以上前から楽しみにしてくださった方々には、大変申し訳ない気持ちでいっぱいです…。
当時の構想そのままに書いていきますので、おかしな部分も出てくるかもしれませんが、どうぞ最後までよろしくお願いしますm(_ _)m!!
なお、これから発表する完結編は6話〜7話になる予定です。

北川君に差し延べられた救いの手。そして彼は病に打ち克つべく旅立ち…。
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